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~福岡市MICEアンバサダー委嘱を受けてのIoTによる地方創生への道~

 

 このたび、私は、世界的なコンベンションの街=福岡市の、MICEアンバサダーを、高島宗一郎市長から委嘱されました。


 
 MICEとは、企業会議(Meeting)、企業の報奨・研修旅行(Incentive)、国際会議(Convention)、展示会・イベント(Exhibition/Event)を総称したもの(日本語でマイスと読む)であります。私の他には、舩山龍二氏(JTB相談役・元会長・社長)、各務茂夫〔かがみしげお〕氏(東京大学教授イノベーション推進本部長)、張樹英氏(香港日本文化協会理事)、都甲潔氏/都甲康至氏/中西洋一氏/藤枝守氏/若山正人氏、ペトロフ・ソフロニス氏(いずれも九州大学教授)が嘱されました。


 福岡市は、政府観光局統計でMICE誘致・開催は、6年間安定的に東京に次いで2位(3位以下は、京都市、横浜市、名古屋市です)となっております。特に昨年は、日本全国の増加分の約半分(83件)を福岡市が担っています。インバウンド(旅行・ホテル業界:外国人旅行者を自国へ誘致することの意味)が、製造業に代わる新産業として位置づけられており、特に私が委嘱されたのは、「IoTアンバサダー」です。


 アジアに最も近い政令指定都市の福岡市を、産業構造の転換(第二次産業から第三次産業への移行)が、進む中で、戦略的に日本再生の拠点とすることには、大きな意義があるものと思われます。


 福岡市の第1の特徴は、サービス産業の都市であります。高島市長によると、政令指定都市の中で唯一、福岡市は一級河川のない街で、製造業に向かないため、GDPの約90%が、サービス業とのことです。第2の特徴は、福岡市のスタートアップ企業の開業率で、東京都区部と政令指定都市の21大都市中で、開業率が2年連続1位になっています。

 

 このような背景の下に、2016年4月28日、起業都市=福岡市からの地方創生を目指す、『グローバルIoT ベンチャーカンファレンス 福岡』(主催:グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社(以下、「GITV社」)、後援:福岡市、公益財団法人 福岡観光コンベンションビューロー、協力:ヤフー株式会社)、対象:投資家、スタートアップ企業、行政機関)を開催致し、参加させて頂きましたので、その概要についてご報告させて頂きます。

 

(1)福岡市合野弘一理事挨拶、(2)藤原洋の基調講演、(3)Liquid保科秀之社長講演、(4)パネルディスカッション「福岡流IoTビジネス創造とそのチャンスを探る」、(5)「GITV社の取り組み」(安達俊久社長)。

 

(1)合野 弘一氏(福岡市経済観光文化局理事)の挨拶


 今回のカンファレンスが福岡市で開催されることは、次の3つの点でタイムリーである。①国家戦略特区でグローバル。スタートアップ都市を目指していること。②MICE先端都市を目指していること。③IoT先端都市を目指していること。
 福岡市は、第3次産業が90%を占めており、北側にモノづくりの北九州、南側に面白い農業地帯が広がっており、様々なテストマーケティングができるユニークな都市である。
 また、福岡市は、IoT活用のチャンスがあり、アジアの国々に近いことから、今回のカンファレンスがきっかけとなり、グローバル市場への展開や、グローバル企業の日本へのテスト参入の促進機会になると思う。

 

(2) 【基調講演】「IoTと地方創生」藤原 洋


  これまでの失われた20年を振り返り、以下のことを指摘させて頂きました。
 ①交流のある10か国(米、英、独、仏、墺、中、韓、ハンガリー、イスラエル)の中で日本だけGDPが減少し、他の国々は2~3倍に増加していること。
 ②その原因は、岩盤規制と日本経済の東京一極集中と大企業一極集中にあること。
 ③これからの日本の未来は、IoTを基軸としたイノベーション(IoT / Big Data / AI  /5Gモバイル、ITSなど)による新産業創出と地方創生にかかっている。



(3)【ベンチャー成功事例企業講演】保科 秀之氏(株式会社Liquidマーケティング代表取締役)


 指紋認証ベンチャー企業としての成功を収め発展しているLiquid社の保科社長からこれまでの成功要因と福岡市での事業展開の意欲をお話されました。

 

(4)【パネルセッション】「福岡流IoTビジネス創造とそのチャンスを探る」
以下のようなパネルディスカッションが展開されました。


<モデレーター>
●木下 剛氏(前シスコシステムズ合同会社CTO、グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社 マネージングパートナー)
木下氏からはシスコ前CTOの豊富な経験から本パネルの意義を述べられました。
①グローバルの新潮流としてのあらゆる産業のデジタル化
②IoTによるデジタルエコノミーが今後の産業と経済競争力を左右
③IoT分野で活躍する米国のVCとアクセラレータ
④第2次ブームに入ったIoTベンチャー

 

<パネリスト>

●合野 弘一氏(福岡市 経済観光文化局理事)
  福岡市は、スタートアップ国家戦略特区に指定され2年連続で開業率日本一である。スタートアップカフェを創設し、約100件/月の相談があり、起業も60件を超えた。若年率が高く起業気運は、益々高まっている。失敗体験のネットワークもできつつあり、会員の人材登録も進んでいる。成功だけでなく、失敗の活動事例報告がこれからの未来に役立つ。人間が人間らしく住みやすい街=福岡。コストが東京より格段に安い。周りに第1次・第2次産業もある。若い人が多く、色んなことが瞬時にコンパクトにできる。福岡市には、がめ煮、筑前煮、という食文化があり、これは、クロスカルチャーである。留学生も多く、色々なライフスタイルがある。それが、福岡スタイルである。


●桑原 広充氏(ドレミングアジア株式会社代表取締役CEO)
  佐賀県鳥栖生まれで、福岡市で開業した。その理由は、国家戦略特区であり、スタートアップコミュニティがしっかりしていること。グローバル進出(ロンドンなど)が、できたのは、福岡市の産学連携課が動いてくれたからとのこと。また、福岡の地の利が効いている。市の中心部から15分で福岡国際空港があるが、賃料が安くバーンレートを低く抑えることができた。さらに、ヨコのコミュニティが充実しており、Fintechだけではなく、IoTにも地の利がある。


●水田 千惠氏(ヤフー株式会社 スマートデバイス推進本部 myThingsエバンジェリスト)
  2014年10月にIoTサービスのmy Thingsを立ち上げた。IoTが寄り添っている姿は、バラバラでガラパゴス的な雰囲気がある。東京で産んでみんなで使おうではなく、皆さん各々のデバイスに近いところから生まれてくる。生活からのイノベーションが起こる。テクノロジーの進化からではなく、生活体験から生まれるだろう。my Thingsは、インターネットで生活を便利にすることを目指している。  先日世界最大のクリエイティブ・ビジネス・フェスティバル、SXSW(毎年3月に米テキサス州オースティンで開催、サウスバイサウスウエスト、10日間でのべ10万人、約380億円の経済効果をもたらす、世界最大級のビジネスフェスティバル)に行ったが、IoTデバイスよりもどういうサービスかに重点。


●大津留 榮佐久氏(福岡県ロボット・システム開発推進プロデューサー、一般社団法人OSTi〔オスティ〕代表理事)
  IoTの技術的本質は、半導体の側面がある。その際、IoTは、徹底的にスペックをそぎ落とした方が良い。たとえば、福岡市の屋台が安全で綺麗で制御対象をしっかりと限定できる。「屋台を守りたい」というテーマを例に挙げると、最初の需要は、公共で創り、福岡市は、ノリが良く明るくコンパクトで進みやすい。サービスの実装は、あっという間に、ここでできるだろう。福岡市は、シリコンバレーとは違い、キーワードは「横串」である。業際、学際、国際、これを福岡市から全体をヨコ通しにして極めること。ヨコ通しするデータという経済価値が生まれる。九州には、テクノロジストは、一杯いる。これからは、ストラテジストとクリエータの出番だ。


 

 

(5)【記念講演】「IoTスタートアップが牽引するデジタル・トランスフォーメーション」

 安達 俊久氏(グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ株式会社 代表取締役社長)


  豊富な事業サイドからのベンチャーキャピタル事業(前伊藤忠テクノロジーベンチャーズ

社長)の経験を元に以下のお話をされました。
①世界各国のVC投資額とGDP比較。②VCファンドがもたらしした経済効果。③内部留保の罠。④特許戦略の有無。⑤投資判断のポイント。⑥ベンチャー日米比較。⑦スタートアップ成功5つの必要条件。⑧技術系ベンチャー成功への期待。⑨奇人・変人が尊重される社会を目指して。⑩IoTファンド事業推進体制。⑪GITV社の特徴。⑫GITV社のメンバー紹介。⑬安倍首相とネタニヤフ首相(イスラエル)を訪問時の話題。  

 

 

平成28年5月25日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋

 

 

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