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~オーストリアとハンガリーとの交流から創出する新IoT市場~

 

 中欧とは、オーストリア・ハンガリーをはじめ、チェコ・ポーランド・クロアチアなどの中部ヨーロッパ地域を指します。特に、中欧は、政治経済が安定していると共に、欧米アジアと比較しても高度経済成長が始まったばかりの国々が集積しています。図1に示すように、日本のGDPだけが減少する中で、国際化が求められている日本企業にとって、中欧との交流は、大きな意義があるものと考えております。中でも、オーストリアは、歴史的に、現在も西欧諸国と東欧諸国とのゲートウェイとして機能してきました。特に、図2に示すように、ITの利活用は、世界最高水準にあり、このことで、過去20年の間に、欧米主要国の中でも突出した1人当たりGDPの増加をもたらしました。一方、ハンガリーは、人口は、イスラエル並みの小国ですが、コンピュータの基本原理を発明した、数学者のフォン・ノイマンやインテルの創業者アンディ・グローブを輩出するなど、イスラエルと同等に高度人材比率の高い国であり、近年10%以上の高い起業率(日本は、約4%)を誇っています。

 

 以上のような背景から、私が、2016年6月に理事長に就任した、一般財団法人インターネット協会において、『中欧交流委員会』の創設を提案させて頂きました。

 

 そこで、最近の同委員会の活動をご紹介します。去る3月10日の会合では、日本では昨年来、IoTが大きく注目を集めていますが、ドイツは国策として、世界中のモノが相互連携する世界『IoT』を活用し工場の生産性を向上させるIndustrie4.0を推し進めていることを取り上げました。次世代の産業革命としてIoTが注目を集め、工場内外の生産設備や製品、人間が相互につながり、「考える工場」を実現しようとしています。また、この「考える工場」はドイツの国内だけではなく、隣国に展開しながら国を超えて大きなネットワークを構築しようとしています。そこで、同委員会でオーストリア、ハンガリーにおける「中欧のIoT企業」の紹介とその連携方策について議論しました。同委員会の会合には、約50名の関係者が集まり、産学官による「中欧と日本との連携による新ビジネス創出」にとって大変有意義なものとなりました。

 

 具体的には、当社の主導する、新ベンチャーキャピタル運営会社GiTV(グローバルIoTテクノロジーベンチャーズ〔株〕)の紹介を行ったこと、経団連企業が多く参加している東京大学産学連携協議会の大学側の責任者の方が参加されたこと等から、中欧との交流から新たなインターネット、特にIoTビジネス創出のチャンスをつかもうという共通認識を得ました。

 

 オーストリア大使館商務部からは、現在EU内でICT分野はGDPの4.8%を占めており、成長戦略2020においてもICTの研究開発には強い重点が置かれていること、また、オーストリア、ウィーンは中東欧でICTに携わる中小企業が最も多くかつ集積しており、「東欧のICTホットスポット」として知られていることさらには、国際的ICT企業はウィーンにヨーロッパ拠点を置き、人件費を抑え東欧の優秀なプログラマーを雇用し、グローバル市場で活躍。オーストリアは、特にセキュリティ、マイナンバー対策(e-government)分野において優秀な人材と企業を輩出しており、2014年10月には、グーグル本社のセキュリティ・プライバシーポリシー担当副社長にオーストリア人のゲルハルド・エッシェルベック氏が就任したこと等が報告されました。

 

 元ハンガリー大使のシュディ・ゾルタン氏が代表を務める、シュディ・アンド・カンパニー社からは、 現在のコンピューターアーキテクチャーの基礎である「ノイマン型」CPU、日々の業務に不可欠なマイクロソフト・エクセルや最近話題のUstream、TEDでもおなじみのPrezi、これらのすべてがハンガリー人による業績であると述べられ、 今までは、主にアメリカで花開いてきましたが、現在では、ITエンジニアは花形の職業であり、ハンガリー在住のまま起業しグローバルな活躍を見せるITスタートアップが増加し、その特長は、技術水準の高さとスケールの大きさであること。また、数学者が自らロジックを実装、経営陣も研究者、医大出身の元経済大臣の起業家など、個性豊かで優秀な人材、非常に高度な製品や技術があふれている一方、ブランドとしての認知はまだまだ低いため合理的な価格水準でその恩恵を享受できるとあって、グローバル企業やシリコンバレーの著名スタートアップ等、目聡い企業は開発拠点にハンガリーを選びはじめていること等が報告されました。

 

 インターネット普及開始の1994年以来、GDPの減少は、日本だけであることを再認識し、大きく成長した中欧のオーストリアとハンガリー等、中欧との連携から、日本経済の発展を追求していきたいと考えております。

 

平成28年4月27日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋

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