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 年の瀬も迫る中、改めて、株主の皆さまにおかれましては、『第2の創業期』を迎えた当社に格別のご支援・ご協力を頂き、厚く御礼申し上げます。今回は、2013年を振り返り、当社が来年へ向けて取り組むべき経営課題を考慮する上で、現状では、内需型企業である当社から見た、日本経済を取り巻く環境についての見解をまとめることで、年末のご挨拶とさせて頂きたいと存じます。以下に、2013年における最重要トピックスともいえるアベノミクスと東京オリンピック、および当社経営との関連について述べさせて頂きます。


1.アベノミクスの進行状況と当社経営との関連について

 

 アベノミクスの目的は、以下の3本の矢を推進することによる、「日本経済の再生」にあるとされています。

(1) 異次元の量的緩和の考察

 デフレ対策のための2%の緩やかなインフレターゲットを目指したものですが、

  X: 実質金利、Y: 名目金利、 I: インフレ率は、以下の関係式で記述されます。

  X =  Y - I

    X > Y  ⇒  デフレ(物価下落)

    X < Y  ⇒  インフレ(物価上昇)

【*デフレ基調なら個人は預金、企業は内部留保へ向い経済停滞】

 日銀の金融政策としては、約2年(2014年末頃)で2%のインフレターゲットとしていますが、この動向を見定めた上で事業投資を行っていきたいと考えております。現在は、日銀の買いオペレーション(民間銀行保有国債の買い取り)によって、流通通貨(現金と預金)、すなわち民間銀行の預金(日銀の当座預金)が増加しているため、円の相対的価値の低下(円安)と共に、日銀当座預金を通じた資金供給(マネーストック、通貨供給量)が増え民間銀行から企業への貸し出し余力が増加していると思われます。この「異次元の金融緩和」の結果、現金や預金などの代表的指標であるM3残高が約3%増加(前年比)しており、通貨供給量は過去にない次元の施策であると考えられます。しかしながら、M3残高の内訳では、預金が5.4%増と大きく伸びたものの、企業は金融機関から借り入れた資金を設備投資に回さず、預金として手元に留めている状況にあると言えます。 結果としては、円安により、当社グループでは、BBF子会社のブランチアウトが中国から輸入する衣料品の価格が上昇しており、現状のままだと利益率の低下が懸念されています。また、輸出産業、例えば、自動車産業の業績は回復しているため、CADデータを扱うストレージソリューションのニーズが高まってくるものと想定されます。しかしながら、原材料や食料の上昇もあり、日本経済全体の民間投資を引き出すまでには至っていないものと思われます。


(2) 機動的な財政出動

 2013年1月15日過去2番目規模の13兆1千億円の補正予算を組み現在執行中です。

1) “復興・防災対策”に3兆8千億円

2) 通学路の安全など“暮らしの安全・地域活性化”に3兆1千億円

3) 再生医療の実用化など“成長による富の創出”に3兆1千億円

 当財政出動の効果は、財政難で停滞していた各種建設や研究開発プロジェクトの再興が進み景気回復ムードを創出してきているように思えます。本格的な景気回復、すなわちデフレ脱却が待望されます。


(3) 民間投資を喚起する新成長戦略

 以下の6点を中心とする産業競争力会議の報告書「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」が提案されています。1)雇用制度改革(女性、若者・高齢者等の活躍推進、高度外国人材の活用等)、2)世界最高水準のIT社会の実現、3)立地競争力の更なる強化(国家戦略特区、規制緩和や投資減税を通じて国内設備投資を誘発し物的資本の蓄積に寄与)4)人材力の強化(グローバル人材やグローバル・リーダーの育成)、5)科学技術イノベーションの推進(研究開発基盤整備や研究開発投資の強化による生産技術の向上)、6)産業の新陳代謝の促進(産業転換費用の低減や競争促進・規制緩和を通じた生産フロンティアの効率化に寄与)。当社としては、成長分野の代表として、これらの成長戦略に対応した事業戦略を立案・実行していく所存であります。


2.2020年の東京オリンピック開催決定に関連して

 総務省は、2013年12月25日から東京オリンピックの開催を鑑み、「ICT新事業創出推進会議」を設置しましたが、私も同会議メンバーに選出されております。同会議での議論を通じて、M2M、ビッグデータ、クラウド、次世代ブラウザ、4K8K、グローバルデファクトスタンダードの普及促進などの技術基盤の融合によって創出される新事業を考えていきたいと思います。

http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000085.html


平成25年12月27日
代表取締役会長兼社長CEO
藤原 洋

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