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2013年という新しい年が始まりました。

昨年末には、経済政策が有権者の最大の関心事となったことを背景に再び政権交代が起こりました。私にとっては、安倍総理が来賓代表の経済3団体主催の賀詞交歓会、総務大臣以下政務3役が全員出席した総務省主催の賀詞交歓会、4年ぶりに総務大臣が出席したケーブルテレビ連盟等CATV3団体主催の賀詞交歓会、これら3つの賀詞交換会に参加することから始まりました。
この3つの年頭の業界交流を通じて、明らかに流れが昨年とは変わり、民間企業に活力が蘇ってきたことを実感しました。


さて、年頭の展望を述べるに当たって、昨年起こったことで考えさせられたことが4つあります。


第1は、1996年に開始した日本初のデジタル放送である、スカイパーフェクトTV(通称スカパー)の番組審議会で議論したことでした。

私自身スカパーの番組審議会委員を創業以来16年務めさせているのですが、特にスポーツ番組の審査においては、スポーツ界から、山本浩二WBC監督と、ジャーナリストの二宮清純氏が就任されており、議論が展開されています。昨年、スカパーは、民間放送で初めてロンドンでのパラリンピックを放送しました。それには、日本独特の監督官庁による分断が影響していました。
日本ではオリンピックは文部科学省管轄で、パラリンピックは厚生労働省管轄であるため、パラリンピックは、これまでNHKだけが放送してきたのでした。

このような状況下におけるスカパーの挑戦は、パラリンピックを福祉としてではなくアスリートの熱き闘いとして番組を制作することでした。審議会での議論で報告されたことですが、世界のトップテニスプレイヤーのロジャー・フェデラーが日本のメディアが「何故日本のテニス人口はこれだけ多いのに貴方のような選手が出ないと思うか?」という質問に対してフェデラーは「日本には最高のテニスプレイヤー國枝慎吾(車椅子テニスでパラリンピック連覇を達成)がいるではないか」と答えたとのことでした。

私は、欧州と日本におけるオリンピックとパラリンピックの違いを感じさせられました。また昨年は、両足義足で南アのオスカー・ピストリウス選手がオリンピック(400m準決勝進出)とパラリンピック(100m4位、200m2位、400mリレー優勝)の両方に出場した記念すべき年でもありました。両者の垣根がなくなる時代が近づいている気がしました。
パラリンピックという熱きアスリートたちの闘いとその背景にあるテクノロジーに無限の可能性を感じました。当社は、インターネット技術をコアとするテクノロジー・カンパニーでありますが、当社にとって第2の創業期を迎えるに当たって、このテクノロジー・カンパニーの原点に回帰し、テクノロジーによって新しい時代を創るという社会的使命感を喚起された出来事でありました。


第2は、一昨年の東日本大震災による原子力を基軸とするエネルギー政策を見直すべく、昨年7月1日から再生可能エネルギー特別措置法が施行されたことでした。

昨年末に情報通信を管轄する総務省に従来とは全く異なる目的のICT戦略会議が設置され、私は生活資源対策会議の構成員に任じられ就任いたしました。これは、ICT(情報通信技術)によって、生活資源対策、街づくりの推進方策、超高齢化社会対策を行う具体的な施策を講じる戦略会議です。その背景には、情報通信分野においても、資源・エネルギーといった分野との融合が起こり始めていることを意味しています。当社の主力事業であるデータセンター事業においてもエネルギー分野との融合は最重要課題として取り組む必要性が生まれてきたと考えております。


第3は、内閣府のIT戦略本部において、公共データのオープン化とレガシーIT(情報技術)のクラウド化の施策を打ち出したことです。

本施策に対応すべく、当社では、昨年後半から立ち上げたビッグデータ・ビジネスコンソーシアムを起点にビッグデータ時代のスマートコンバージェンス事業を始動させることを計画しております。具体的には、データセンター設備の運用、EMC²アイシロンの大容量ストレージ技術に加えて、ローエンドのストレージソリューションをラインアップとして整備していきます。
さらに、Hadoop等によるビッグデータ分析技術等を駆使し、大容量ストレージに蓄積された膨大なデータの分析結果を組み合わせ、例えば、エネルギー分野、衛星観測分野、および医療分野におけるスマート・コンバージェンス・ソリューションを整備したいと考えております。


第4は、国際社会では、昨年起こった尖閣列島問題の長期化懸念から日中間の経済交流のあり方が見直されつつあり、日本としての経済交流は、中国への集中からアジア地域での分散化へ向い始めたということです。

このような背景の下、成長が継続するとみられる、「新興国」市場への進出については、当社の連結子会社である株式会社ビービーエフ及び株式会社ブランチ・アウトが長年にわたって準備してきた、海外展開を推進してまいります。一方、当社としては、昨年末に提携した米国ハワイ州のデータセンター事業者DRF社との具体的な共同事業を皮切りに、米国とアジアを結ぶ情報中継拠点として米国ハワイ州と日本を位置づけ、米国本土および、中国以外のアジア諸国を結ぶ海外データセンター事業の展開を考えております。


以上に述べましたように、目まぐるしく変化する経営環境の変化に迅速に対応できるように、既存事業の選択と集中、および時代が求める新規事業の立ち上げを早期に行うという、年頭に当たっての展望を述べさせて頂きました。2013年という転換点となる本年が、株主の皆様、顧客の皆様、パートナー企業の皆様にとって実り多き年となりますよう、微力ながらお手伝いさせて頂きたいと考えております。
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