■激しい気性のぞかす繁殖期

 春でも雪深い立山連峰に突然鈍い鳴き声がこだました。「グワァー、グワァー」。白い世界に目をこらすと、繁殖期を迎えたライチョウのオスが、縄張り争いを繰り広げていた。保護色の冬羽にオス特有の赤い肉冠が映える。必死に威嚇しても決着がつかないと判断したのか、最後は闘鶏のシャモのように果敢に突進した。

 立山黒部アルペンルートの最高点「室堂ターミナル」(富山県立山町、標高2450メートル)周辺には、国の特別天然記念物のライチョウが約250羽生息する。中部山岳地帯全体で3千羽に満たない希少生物は、氷河期に暖かい場所を求めて北極圏から日本まで南下。その後、温暖化に伴い涼しい山の上に生息域を移した。今のすみかは標高2300~3千メートルになっている。

 氷河期の姿を現代に残すライチョウは「生きた化石」と呼ばれる。ハイマツの陰に隠れてひっそりとしているイメージが強いが、オスは縄張りを争う激しい気性も持つ。勝者は心地よい“住環境”にメスを迎える。

 5月になるとパートナーが決まり、6月ごろ産卵。こげ茶色の夏毛に衣替えするのもこの時期で、7月初旬にはヒナが誕生する。生存率は低いが、ひと冬越せれば4年ほど生きるという。

 立山周辺のライチョウに関するデータを集めている富山雷鳥研究会の松田勉さん(58)は「数の著しい減少はない」としながらも「正確な生態については、あと10年調査しないとはっきりしたことはいえない」と、謎の多さを強調する。

 ライチョウと出合える山小屋「雷鳥荘」周辺は彼らの縄張りでもある。経営者の志鷹定義さん(62)は「40年間見てきたが、昔より人に慣れたように感じる」と目を細めながら、ライチョウを見守っていた。(写真報道局 桐山弘太)

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