<痛くない針>米で発売「患者楽に」 兵庫のベンチャー開発

毎日新聞 10月21日(月)7時31分配信

<痛くない針>米で発売「患者楽に」 兵庫のベンチャー開発

「ピンニックスライト」を手に取るライトニックスの福田光男社長=兵庫県西宮市甲東園で、道下寛子撮影

 兵庫県西宮市の医療機器製造・販売ベンチャー「ライトニックス」は、蚊の針をまねた痛みの少ない注射針を近く米国で発売する。血糖値測定用の注射針「ピンニックスライト」。10年がかりで開発・商品化し、国内では昨年から販売。米国でも早ければ来月中に販売を始める。福田光男社長(63)は「社会に役立つものを作ろうと取り組んできた。人にも環境にも優しい注射針を世界に広げたい」と話す。

【写真で見る】蚊の針をまねた注射針の先端

 糖尿病患者が血糖値を調べる際に使用する。長さ0.9ミリ、幅0.4ミリ。蚊に刺されても痛くないことに着目し、蚊の針のように波打たせた。皮膚との摩擦が少なくなり、痛みが軽減するという。糖尿病患者には1日に複数回、血糖値を測る人もいるため、小児患者らの負担を減らすために作った。廃棄のしやすさにもこだわり、世界で初めて樹脂製針を使用。生分解性素材のために埋めても環境に優しく、金属の針と異なり、焼却できる。

 福田社長は2002年に同社を設立した。07年に注射針を開発すると、安全性を証明する実験と改良を重ね、12年3月に近畿地方でピンニックスライトの販売を開始。今年8月から全国展開しており、これまでに約10万本を売り上げた。

 さらに今年2月には米食品医薬品局(FDA)から販売許可を得て、近くカリフォルニア、テキサス両州で販売する。シンガポールと台湾でも薬事申請の準備を進めている。福田社長は「米国にも糖尿病患者は多い。患者の苦痛を少しでも減らせればうれしい」と話している。

 ピンニックスライトは調剤薬局などで購入できる。問い合わせは同社(0798・52・3594)。【道下寛子】