岡田和生を“使い捨て”にした真相!!



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「ウィンリゾーツ」(ウィン社)を率いるスティーブ・ウィン氏と、パチンコ・パチスロ業界では屈指の「ユニバーサルエンターテインメント」(=ユニバーサルE、旧アルゼ)会長・岡田和生氏との争いが激化している。
 
 長きにわたって良好な関係を築いてきた両氏だが、「ユニバーサルE」がフィリピンでのカジノプロジェクト「マニラベイリゾーツ」に単独で進出、計画が具体的に進捗するようになって争いが表面化する。
 
 そして、「ユニバーサルE」が、今年1月31日、2014年上半期に「カジノホテル2棟を開業」と発表すると、「ウィン社」はその動きを牽制するように、2月19日、社外取締役を務める岡田氏の辞任を求めるとともに、「ユニバーサルE」の子会社が持つウィン株(約20%)を「市場価格の3割引で買い取る」と、発表した。
 
 その理由は、岡田氏に数々の不正行為があったとする「調査報告書」の存在で、それには、「岡田氏がフィリピン当局者に11万ドル相当の賄賂を渡した」と記されていたという。
 
 事実なら岡田氏は、米海外汚職行為防止法に抵触、コンプライアンスを最優先されるカジノの役員に相応しくないことになり、カジノ産業への本格進出を夢見てみた岡田氏には大打撃だ。
 
「マニラベイリゾーツ」は、ユニバーサルEが社運をかけた1600億円の大プロジェクで、しかも同社が持つウィン社株は、「強制買い取り」の時点で27億6000万ドルの時価総額があった“虎の子資産”だった。
 
 米国で“カジノ王”と呼ばれるウィン氏だが、そうなることが出来たのは、岡田氏の“支援”の賜物だった。
 
 二人が蜜月だった頃、『ラスベガス カジノホテル』(集英社インターナショナル)を03年5月、共著で上梓したことがある。
 
 2000年6月、ウィン氏は世界一のリゾートホテル&カジノを作ろうと、「ウィン ラスベガス」のプロジェクトをスタートさせたが、資金不足に陥り、苦境に立っていた。そこに出資したのが岡田氏で、同著のなかでウィン氏はこう謝意を述べている。
 
「私にとって最高の出来事は、岡田さんという最高のパートナーを得たことです。岡田さんは、まだ設計が始まったばかりだった頃に、このプロジェクトに2億6000万ドルを出資してくれ、私と50対50の互角の共同経営者になってくれました」
 
 良好関係は維持され、2人はマカオに進出、06年9月に「ウィン・マカオ」を開業。ラスベガスから“カジノJIS+2D621”の座を奪い取ったマカオでも利益を享受した。
 「マニラベイリゾーツ」は、「ユニバーサルE」が、まずアジア地区で独自戦略を取り、ゆくゆくは日本で解禁されるカジノを自力で建設したいという同社のウィン社からの“独立宣言”でもあったが、それがウィン氏を刺激した。「利益相反行為」というわけである。
 ウィン氏のそこからの用意は周到だった。
 
 ウィン社は、米連邦捜査局(FBI)のOBなどで構成される調査会社の「フリー・スポーキン・サリバン」に岡田氏周辺の調査を依頼、同社の徹底的な調べによって、「贈賄行為」などが判明したという。伝聞形なのは、「調査報告書」が岡田氏サイドにも公開されていないためである。
 
 岡田氏は、「儀礼の範囲だった」と、贈賄性を否定しているが、争いは、ウィン氏の地元であるネバダ州の地方裁判所に対して起こされるなど、“ウィン社の土俵”に乗っているだけに、岡田氏には不利だ。
 
 そこで岡田氏は、連邦裁判所への移管を要求、それに対して「ウィン社」が、3月31日、地裁への再移管を要求するなど、裁判は泥沼の様相を呈している。 
 自国へ産業と企業、そして出資を呼び込み、成長して果実を生むようになると、あれこれ理由をつけて、うまく取り上げるのは中国の専売特許のようにいわれているが、米国もまた、自国の企業の為ならナリフリ構わないところは同じである。
 折しも、『週刊新潮』で「変見自在」という人気コラムを持つ高山正之氏は、直近の4月12日号で、かつてカジノ進出を試みた「茨城カントリークラブ」の水野健氏が、脱税等の罪で逮捕されて以降、水野氏が米国に投下した寄付や投下資本を、さまざまな名目で米政府が収奪していったことを、痛烈な皮肉を込めて書いている。それは、岡田氏の問題を重ね合わせたものではないが、「用があれば誘い込み、無くなれば排除する米国」の常に変わらぬ体質であり、岡田氏にとって不利な戦いであるのは否めない。ただ、日本政府は、こうした理不尽な事態になっても動くことはなく、“見て見ぬフリ”を決め込んでしまう。