経済統計原論

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経済統計原論                      

早稲田大学商学学術院教授 鵜飼信一  



統計学は因果関係の存在の証明を数学的に支援する思考の道具である。あるいは科学的思考を支援するものともいえる。そこでは、支援する手順の合理性が問題となる。そしてこの合理性の根拠は確率論にある。しかしながら、統計学は因果関係の存在そのものを教えてくれるわけではない。ケインズは若い頃に書いた『確率論』において「真に言えることは、分別ある研究者は他の根拠に基づいて到達した結論を検証あるいは確認するためにのみ相関係数を用いるにすぎない、ということである」と述べている。すなわち、二つの変数の間に相関関係が見られるからといってこの二つの変数間に因果関係ががあるとは限らない。因果関係があれば相関関係は必ずある。しかし相関関係があるからといってそこに因果関係が存在するとは限らない。相関関係は因果関係の存在を示唆するだけで証明はしない。  よく「あの経営者はわが社を急成長させた名経営者だ」とほめたたえることがある。これは戦後の高度成長期にとりわけ多い。しかし、高度成長期に企業を成長させたからといってそれだけで名経営者とは言えないだろう。経済が急速に成長し市場が急拡大している時期には、適切な産業分野に身をおいている限り、誰がやっても企業は成長したかもしれない。企業の成長の根本的原因は日本経済全体の成長であり、経営者はその恩恵に浴していただけだったと考えることも出来る。因果関係は日本経済の成長と企業の成長との間にあり、特定の経営者と企業成長の間にあったのは相関関係だけだったのかもしれない。このあたりがいわゆる名経営者神話のいかがわしいところである。これがバブル期になると一時的に持ち上げられることはあっても経済全体の変動が激しいのですぐ化けの皮がはがれてしまうので、昨今「名経営者」はあまり出てこない。この論議は「経営者」のところを「政治家」に置き換えても全く同様であろう。  統計学の事例でもう少し考えてみよう。例えば、選挙予測。これは、人が誰を支持するに至るかについての理論がベースである。そして、そのあとの実際の予測作業は確率論をベースにした統計理論の世界となる。次に、天気予報。これも雨が降ったり晴れたりすることについての科学的理論がベースである。これに過去のデータと経験と勘などが加わって、統計理論の支援を得て予測が行われる。  では、メタボ健診でおなじみの体脂肪計による体脂肪の測定はどうだろうか。われわれが家庭で使用するようなタイプの体脂肪計の場合、人体の導電性と体脂肪量の関係に関する理論がベースになっているものが多い。これに性別、年齢別、身長・体重別等に分けて収集したデータを加えて統計理論(回帰分析)により体脂肪を推定するのである。したがって年齢の割りに極端に筋肉量の多い人間が「メタボです」と言われることがよくある。データがそのような異常値をあまり含んでいないからである。  小学校の先生が生徒に「地球が丸い理由を三つ挙げなさい」と質問して生徒が「教科書に書いてあります、有名な先生がそう言っています、皆がそう言っています」と答えたという笑い話がある。地球が丸いことを基本的に証明するのは、経験と観察により得られる地上と天空における様々な現象の相互関係を矛盾無く説明する理論であろう。  統計学の起源の一つと言われる賭博はどうだろうか。例えば、サイコロ賭博における出目の予測の基本は確率論そのものである。これをベースにしてあとはディーラーの手や目の動き等に関する観察と体験の蓄積と勘の世界だろう。  要するに、大事なことは、何を予測・推定しようとしているのか、ということである。それぞれ原因は何で、結果は何かを明確にしてから考えることが科学的思考の第一歩である。  われわれは日常生活で常に予測、推測、推定を行っているが、その思考は科学的と言えるだろうか?例えば、茶髪・ピアスの生徒を見て「素行が悪い」と思うのも、その生徒が問題を起こさない限りは教員の推測である。高速道路を運転していてA区ナンバーやC県S地域のナンバーが後方にあらわれた時に「要注意」と気を引き締めるのも、その時点では推定である。就職活動で「某社はいい会社だ」と思い込むのも推定である。  では、これらの推測の根拠となるものは何だろうか?おおまかに分類すれば、第一に、過去の経験。第二に、他人や周囲の人々による評価・判断。そして第三に、正しいかどうかは別にして、論理。これらを難しくまとめると、第一と第二を根拠とする推測は帰納(induction)である。第三のものを根拠とする推測は演繹(deduction)である。そして、帰納の場合は、過去の経験や類似の事例の豊富さと判断をする人間の勘や資質が重要となる。演繹の場合は論理の正確性が何よりも重要である。  こう考えてくると、日本人が好む血液型性格判断の問題点が明確となる。最近はようやく日本人の非科学的思考の代表例として批判する人も出てきたが、この迷信的思考の問題点は以下の点にある。まず、血液型と性格を対応させた統計データが不十分という点で科学的合理性に欠ける。さらに重要なことは、血液型の分類に医学的な根拠があるのに対して、人間の持つ多様かつ錯綜した性格の分類に関しては全く恣意的で大雑把であり、特定個人の性格についての判断が判断する人の自由意志に任されている点である。そしてもっと重要なことは血液型と性格の根本的な因果関係についての理論的研究が行われていない点である。万が一、性格に関する科学的な分類が可能であり、その性格と血液型に関する大量の統計データが得られたとしても、因果関係の分析に関して統計学が出来ることはその数量的証明という支援的な作業だけである。なぜこの血液型の人はこのような性格を持つのかということに関しては、他の学問分野での研究成果を待たなければならない。  現時点では「あなたはB型だから杜撰なのね」というものの言いようはその言及する内容において「あなたは杜撰ね」と言うことと全く同じである。血液型性格判断とは、血液型というショックアブソーバを介して会話をとげとげしくせずに、人間同士を論理を超えた何かの縁で結び付けようとする、独特の間接的な話法なのではないだろうか。  選挙予測がよく当たり、円レート予測や株価予測、あるいは競馬予想がはずれるのもこれと似たような問題をはらんでいる。すなわち「原因の多様性」と「結果の多様性」である。選挙の場合、原因は多様だが結果は当選か落選の二通りしかない。一方、円レートや株価、競馬においては原因も結果も多様である。ここに予測の困難性の根源があると思う。  血液型性格判断のように笑って済ませることが出来るようなものは放っておいてもよいかもしれないが、乏しい経験から物事を一般化することほど危険なことはない。あらゆる偏見はここから生まれる。この危険を出来るだけ最小化しようとする手法の一つが推測統計学である。これはデータに基づく帰納的な推測を確率論に基づく演繹的な論理で強化しようとするもであり、統計的な思考の基盤を形成するものである。例えば、千名の学生の平均体重を推測しようとしてこの中から10名を標本として抽出して体重を調査するとする。その時、どうやって10名を抽出するのか。ちょうどスープの味見をする時と同じである。この時、よくかき混ぜてから舌にのせて判断するのが理性というものである。推測統計学では、どの個別データも等しく標本に選ばれる可能性があるような仕方で標本を選ぶ。これを無作為標本抽出という。しかし、それでもスープの素の固まりが残っていてこれをすくったがために「味が濃すぎる」と判断してしまうことがあるかもしれない。同じように、運悪く体重の重い人ばかりを選んでしまって、異常に重い体重を母集団の平均値として推測してしまうこともあろう。その危険性(確率)をどれくらいに見込むか、ということが推測統計学の基盤となる「有意水準」の考え方である。  推測統計学の基本的な思考の背景にあるのは、統計的推測の対象となる自然現象も社会現象も賭博のサイコロ投げに近似できるとみなす、という考え方である。そこでは、サイコロの出目という結果の原因が1から6までの六つの数字に限定されるように、論理的には有限個数の究極原因の存在を前提としている。すなわち、われわれの眼前に現れた事象は無数に近い究極原因という目を持つサイコロを投げた結果であると考えているのである。投げられて出た目から、確率論の論理を基に、サイコロの形状を推測しているようなものである。ここに推測統計学の長所と短所がある。むろん、予測やコンサルティングを稼業とする人たちの経済予測・市場予測にはこれ以前の問題がたくさんあるように思えるが。  「確率の重要性は、われわれが行動する時、それによって導かれることが合理的であると判断することからのみ導き出される。実際の行動において確率に依存することは、われわれはこれを考慮に入れて進むべきである、という判断によって正当化されるにすぎない。確率はわれわれにとって『生活の指針』なのである」(ケインズ)。 ============================================================================ もの国総合研究所マンスリーレポート 第101号  ◆ 中村智彦 ============================================================================  四月からニュースのコメンテーターをレギュラーでやるようになりました。といっても大阪ローカルでほとんどのみなさんには見ていただけないのが残念です。テレビ東京系のワールドビジネスサテライトの関西版のイメージで、記者のみなさんもがんばっています。さて、そのことを勤務先の上司に報告すると、開口一番、「いらんことを口走って降ろされないよう。」やっぱり心配されるところはそこか...。 景気はどうなっているのか ~その1  名古屋の大須商店街を歩いてみても、佐世保の商店街を歩いてみても、ほんの一年前にはあまり目立たなかった空き店舗が増えていて、不況なのだと実感させられる。  景気に関しては様々な味方が錯綜していて、どれが本当なのかさっぱり分からない。ある大学の先生は、マスコミが悲壮論ばかり書き立てるからだと言い、自分の知り合いの中小企業経営者はすでに景気が回復していると言っていると言う。片や国際経済を専門とする評論家は、世界的な不況は根が深く回復には十年近くかかり、日本経済への悪影響はこれからだと警告する。  筆者も、今後の経済見通しについて聞かれることがあるが、「そんなことが正確に判れば、私はここにいません」と答えるのを常としている。そもそもわずか一年前に経済見通しについて、何を言っていたのかと問われたら赤面するしかない経済評論家やエコノミストやら大学教授は全国にごまんといるだろう。  筆者の会った経営者たちの意見を書こう。四月に入り、受注の落ち込みは一段落したようだ。しかし、Better than the worst 最悪よりはましという程度で、「一、二月期の七割り減に比べると、四月、五月は三割から四割減」という感じだ。在庫調整が一巡し、輸出も戻りはじめ、国内需要も底を打ったようだという感じ。  「高炉を止める鉄鋼メーカーを見ると、彼らは少なくとも一年から、二年は元には戻らないだろうと見ているはずだ。」ある機械部品メーカーの経営者はそう言う。「底を打ったと少しはほっとしているが、私は元通りになることは無いだろうと見ている。」金属加工メーカーの社長はそう考え、管理職全員での新規顧客開拓を進めているという。  話を伺った多くの経営者は、景気悪化の底は打ったのではないかと感じつつも、その底の柔さに多少の懸念を感じつつ、さらに昨年のような状況に戻ることはなく産業構造そのものが変化するのではないかと感じている。  底の柔さとは、輸出の回復が中国国内の需要の拡大に依存していることにある。中国政府の農村部への電気製品の普及支援策の影響で、家電製品の売り上げが急増し、それが都市部富裕層にまで影響を及ぼしていると伝えられている。これが果たして推進力となって世界経済を浮揚させるのか、いなか。  自動車産業を見ると、昨年後半にあそこまで人員削減を行いながら、海外工場の拡充を着々と進めている。ハイブリッド車や電気自動車は人気がでているにしても、かつての日本国内の自動車産業の興隆ぶりが再現されることはなさそうである。  こうした変革期に中小企業、特にものづくり企業の経営者はどう行動すべきなのだろうか。全国各地で多くの経営者が頭を悩ませていることだろう。本業に立ち返り、新たなユーザーを切り開くか。本業に関連しつつも、新業態に進出するか。あるいはいっそ、廃業するか。いずれも正解を見つけるのは難しいだろう。次回、こうした変革期を経験した経営者たちの言葉を検証してみたい。

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インフルエンザ 成田空港で外国帰りの女性に陽性反応 

4月30日20時26分配信 産経新聞

インフルエンザ 成田空港で外国帰りの女性に陽性反応 
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タラップで降りる新型インフルエンザ感染の疑いがある乗客=成田空港(写真:産経新聞)
 成田空港に30日午後到着した米ノースウエスト機内で行ったインフルエンザの簡易検査で、乗客の1人に陽性反応が出たことが分かった。乗客は25歳の日本人女性。

 乗客は救急搬送された。女性の周囲に座っていた乗客も隔離し、健康状態を確認する。

  [写真でチェック」警戒水準「フェーズ5」新型インフルエンザ

 厚生労働省成田空港検疫所から連絡を受けた成田赤十字病院は、患者の受け入れ準備を始めた。

ロスからの到着便、日本人女性が新型インフル感染の疑い

4月30日21時41分配信 読売新聞

ロスからの到着便、日本人女性が新型インフル感染の疑い
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飛行機から救急車で搬送される、簡易検査で陽性反応が出た女性(30日午後8時8分、成田空港で)=立石紀和撮影
 厚生労働省などに入った連絡によると、30日午後3時半過ぎに成田空港に到着した米ロサンゼルス発のノースウエスト便の機内検疫で、発熱を訴えた日本人女性が簡易検査で陽性反応を示した。

 女性は新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)を含むA型インフルエンザに感染している疑いがあり、午後7時ごろから遺伝子検査を開始。同検査は最大8時間かかる見通しで、周辺座席にいた乗客ら約20人は空港近くに留め置かれた。28日に機内検疫が始まってから、簡易検査の陽性反応は初めて。新型インフルエンザ上陸阻止に全力を挙げる同省や空港などの関係者に緊張が走った。

 成田国際空港会社によると、同機は到着後、21番スポットにとどまり、発熱した女性と周囲の席の客が機内に残された。午後7時半過ぎ、成田空港第1ターミナル21番ゲートから、青い防護服にマスクとゴーグル姿の検疫官2人が機内から出てきた。同8時ごろ、救急車がノースウエスト機に横付けされ、布を頭からかぶった乗客1人が検疫官に付き添われてタラップを降り、救急車に乗り込んだ。救急車は赤色灯をつけ、サイレンは鳴らさずに走り、病院に着くと、女性は検疫官に支えられ、新型インフルエンザ患者の専用口から歩いて入った。

最終更新:4月30日21時41分

読売新聞

トップレベルドメインに「.日本」導入へ パブリックコメント募集

4月30日18時51分配信 ITmediaニュース

 トップレベルドメイン(TLD)に、「.日本」が加わる見通しだ。総務省の情報通信審議会はこのほど、TLDに「.日本」を加えることを盛り込んだ報告書「21世紀におけるインターネット政策の在り方~新たなトップレベルドメイン名の導入に向けて~(案)」を公表した。6月3日までパブリックコメントを募集する。

 報告書は、「.日本」のほか、「.大阪」や「.京都」など、地域ドメイン導入についても言及している。

 ICANNは昨年6月、トップレベルドメインの自由化を承認。早ければ09年末にも、新たなTLDが導入可能になる見込みだ。これを受けて情報通信審議会は、新たなTLDについて検討してきた。

最終更新:4月30日18時51分

ITmediaニュース

<新型インフル>「国立感染症研」詐称メール出回る

4月30日10時39分配信 毎日新聞

 新型インフルエンザの発生に乗じて「国立感染症研究所」(東京都新宿区)を詐称した不審なメールが出回っていることが分かった。メールに添付されたファイルを開くと、パソコンへの不正侵入やシステム破壊の恐れがあり、同研究所はウェブサイトを通じて「公的な知らせはメールを用いない。添付ファイルを開かずメールごと削除してほしい」と呼び掛けている。

 不審メールのタイトルは「豚インフルエンザに注意!」などで、「ブタインフルエンザに関する知識.zip」などと題したファイルが添付されている。添付ファイルを開いた場合、パソコン内の情報を勝手に読み取られたり、パソコンを壊されるなどの被害に遭う可能性があるという。【青木純】

30代男性ビジネスマンの8割が体の不調や衰えを実感 大正製薬調査

4月30日15時55分配信 nikkei TRENDYnet

 大正製薬が2009年4月28日に発表した30代男性ビジネスマンの体の衰えや変化についての実態調査によると、30代になって体の衰えを感じることが増えた人は全体の87%にのぼり、「肩こり」(63%)、「腰痛」(58%)などが多かった。

 調査結果によると、回答者の多くは「最近は不況だ」(86%)、「会社の業績やリストラなどが不安」(83%)といった重圧にさらされながら、「仕事に前向きに取り組んでいる」(56%)、「仕事で結果をきちんと出して行きたい」(49%)と正面から仕事に向き合っているという。

 これを反映してか、不調を感じる原因としては「仕事の内容」(69%)、「会社の人間関係」(33%)が多くを占めていた。肩こり・腰痛を感じると答えた人のうち、「週1回以上感じる」と答えた人は肩こりで76%、腰痛で56%だった。

 こうした不調を改善する方法では、「特にない」(41%)に続き、「貼り薬・塗り薬」(34%)、「マッサージ・整体」(24%)、「栄養ドリンク」(21%)が多く、その平均費用は月3600円。回答者の74%は、より効果的な外用鎮痛・消炎剤を求めているという。

 調査は同月、ネットリサーチのクロス・マーケティング社のWeb調査モニターから30~39歳の男性ビジネスマンを対象に実施。357人から回答を得た。大正製薬のスイッチOTC成分ジクロフェナクナトリウム配合外用鎮痛・消炎剤「ジクロテクト」を発売に合わせ、メインターゲットである30代ビジネスマンの調査を行った。(文/平城奈緒里=Infostand)

ブレの軽減:筋肉や脂肪のブルブルが止まる

「アシックス TI ロングタイツCF」11,550円 骨盤の直立安定、脚の側方安定性、大腿部の振動抑制、膝のへの着地衝撃緩和効果を実現。ソックス、シューズとのコンビネーションで、膝にかかる衝撃度を60%軽減(同社従来タイプのタイツ比較)している
大相撲の取り組みスローモーションビデオで、お相撲さんのお尻がブルブルと波を打っているのを見たことがありませんか。あのような筋肉や脂肪の振動は痩せたランナーにもあります。「30kmの壁を突破する下り坂トレーニング 」で説明しましたが、ランナーの筋肉は緩んだり、緊張したりという行為を繰り返しています。腿に手をあてて走ってみればすぐにわかります。坂道を下ると、その震えがより強まることがわかります。

特に筋肉の多い大腿筋はよく震えます。大腿筋部が鍛えられていないと、より震えることになります。鉄筋が細い建造物が地震に弱いのと同じことで、早く痛んでしまいます。早々に走りがつらくなるわけです。この筋肉部を締めて強度を増す機能をうたった製品が何点か登場しました。初心者フルマラソンランナーにはとてもオススメの機能です。

古賀誠、安倍晋三、武部勤…「五月解散」論者たちの思惑

「ガハハ」笑いと連夜のバー通いも復活し、絶好調の麻生太郎首相。大好きな外遊予定が目白押しで、「少しでも長くやりたい」(周辺)のが本音とあって、解散は遠のいたというのが政界の常識だ。では、四月に俄かに盛り上がり、あっという間に消えた「五月解散」説は何だったのか。

 まずは自民党の古賀誠・選対委員長。四月六日の会合で「首相は任期満了まで待たなくても、やるべきことを積み上げ、決断できる環境が出来上がる」と述べ、補正予算案を国会に提出すれば、成立前でも解散はあると煽った。

 七日には安倍晋三元首相がBSテレビで「首相はきっちりと選挙で勝って、サミット(七月)を迎えた方が結果を出しやすいと考えるタイプではないか」と発言。

 さらに八日、今度は武部勤元党幹事長がグループの会合で、「解散をやるなら今が一番良い。麻生首相はもっと全体を見なければいけない」と挑発。「反麻生」の急先鋒だった塩崎恭久元官房長官まで、当面は麻生首相を支える姿勢を強調するなど、「近く解散か」と党内は浮き足立った。しかし、いずれの面々もよく見れば、今の政権では何の実権もない。

 古賀氏は選対責任者とは名ばかり。首相側近の菅義偉選対副委員長の台頭で、すっかり影がかすんでいる。麻生首相は就任時、古賀氏を「党四役」から外そうとし、古賀氏も政権ができる前から「十一月解散」説を流して首相に足かせをはめようとした関係。古賀氏にすれば「選挙の責任者は俺だ」と虚勢を張って見せたわけだ。

 安倍氏も病気から復帰したものの、影響力はなきに等しい。大した意義もないのに、訪米してバイデン副大統領に首相親書を渡したと大仰にアピールしたり、「民主党政権になっても前原誠司副代表が首相をやれば、自民党とほとんど変わりがない」と発言してみせたのも、「何とか存在感を示そうとしているだけ。麻生首相のためというより、首相再登板への予行演習のつもり」(自民党中堅議員)と勘繰られるのも無理はない。

 時ならぬ空騒ぎに、麻生首相に今、最も近い菅氏や園田博之政調会長代理が、たまらず「解散は補正成立後」と冷水を浴びせた。二人は「早期解散」論者だったが、「冷や飯」組の手前勝手な乱入は、さぞ苦々しかったのだろう。個々の政治家の思惑抜きに発言をタレ流す新聞・テレビ報道は、もっと問題だらけだが。

安倍昭恵夫人「SPに隠れて代々木公園で手をつないでます」

週刊文春 4月28日(火) 17時33分配信 / 国内 - 政治
「意地悪なことを書くならイヤよ~(笑)」

 小誌の取材申し込みに対し、アッキーこと安倍晋三元首相の昭恵夫人(46)は、そう漏らしたそうな。元首相の辞任以降、露出は少なくなったが、アッキースマイルは健在だった。

 三月には東京マラソンを五時間四十二分で完走している。

「主人が総理を辞める前の一カ月で、私も二キロ痩せてしまいました。辞任後はしばらく一緒に家にこもって、ホッとしたのか太ってしまって。家の中だけは安心できて、もっぱらゴムベルトの服(笑)。週刊誌に“激太り”と書かれた時はヒドいと思いましたけど、痩せた二キロは元に戻り、その上で三キロ増ですから……。その後、主人も元気になり、私もエクササイズに通いはじめたら、目標が欲しくなって、マラソンに挑戦しました。次は地元の山口で十一月に開催される下関海響マラソン。五時間を切るのが目標です」

 安倍氏の首相在任中は、外遊に同行する際など、夫妻が手をつないで政府専用機のタラップを降りる姿が報道され、“パフォーマンス”とも揶揄されたが、今でも手はつないでいるの?

「手をつないでタラップを降りたのは、ある光景が頭にあったからです。一九九三年、主人が初当選する前にクリントン大統領の就任式に一緒に行ったのですが、国を挙げて就任のお祝いをする中、御夫妻が手をつないで歩く姿が格好良くて。それで二人で事前に相談して手をつなぎました。タラップを降りたら、主人はサッサと先に行ってしまいましたけど(笑)。

 今でも代々木公園を散歩する時などは、時々手をつないでいますよ。主人には今もSPさんがついていますが、その時は離れて歩いてくれています。

 昨年七月には、一緒に沖縄へ行ってダイビングの免許を取りました。以前から免許を取りたがっていた主人が初めて誘ってくれたのです。三月は、二人で河口湖のログハウスで一泊しました。外では“主人”とか“晋三さん”と呼んでますが、家では“晋ちゃん”です。

 公邸での一年間は特別の生活でした。洋服を選ぶのも難しく、途中からスタイリストさんに手伝ってもらいました。公邸で食事を作る時はスーパーが近くにないので、どこへ行けばいいか分からなかった。銀座三越の地下に行っても、見栄で(笑)、お惣菜は買えなかったりもした。公邸の裏門は記者の方もいなくて、私は割と自由に出入りしてましたが、私自身が普通の感覚に戻るのに一年かかりました」

 辞任から一年七カ月。安倍元首相は現在、精力的に地元の山口を回るほか、ワシントンを訪問したり、党内の会合でも積極的に発言している。

「主人が総理になるのはもっと先のことと思っていて、総理を辞めた後は、年齢的にも政治家を辞めるものと考えていました。主人は映画監督になるのが夢ですので、次は映画監督の妻かしら、なんて漠然と思ったりしていた。でも、今、主人は引退するつもりはまったくありません。やりたかったことができていない。そう言うと、また総理を狙っているといわれそうですが、今は次の選挙のことだけを考えています。

 主人は元気になって、毎晩、会合が一つ二つと続き、家で食事することがなくなりましたので、私も知人などに誘われれば出掛けています。そう言うと、まるで毎晩出掛けているみたい(笑)。酔って陽気になり過ぎると主人に時々たしなめられますが、選挙へ向けて、東京でのんびりできるのもあと少しと思ってます」

(週刊文春2009年5月7日・14日ゴールデンウィーク特大号「ワイド大特集 この女のナゾを解く!」より)