(Reuters)
[焦点]日経平均が5年ぶりの1万5000円回復、短期過熱も先高期待が収まらず

 河口 浩一記者


 [東京 30日 ロイター] 東京株式市場で、日経平均が取引時間中としては、2000年12月4日以来、約5年ぶりの1万5000円回復となった。日本経済の完全復活が視野に入る中で、投資家の先高期待が収まらない。短期的にはテクニカル調整もあり得るが、需給主導の中期上昇相場は持続するとの見方が大勢となっている。


 日経平均が歴史的な節目ともいえる1万5000円を回復したのは、寄り付き直後の午前9時08分だった。証券会社のディーリングルームでは、「バブル崩壊後の低迷が長かっただけに感慨深い。大台回復の瞬間、久々に歓声が沸いた」(準大手証券トレーダー)。日経平均は03年4月28日にバブル崩壊後の最安値7603円76銭を付けたが、約2年7カ月で2倍の水準に到達したことになる。


 相場をけん引しているのは、外国人、個人の根強い買い需要だ。特に外国人の勢いが止まらない。東証が25日に発表した11月第3週(14日―18日)の3市場投資部門別売買動向によると、外国人は23週連続で買い越し。1月からの累計買越額は9兆4416億円となり、年間ベースで過去最高だった1999年の9兆1277億円を上回った。「利上げ観測が強い欧米と比べて、日本は金融緩和環境が当面維持される。インフレ懸念もないことから、来年の日本株高を見越して、外国人が積極的に組み入れている」(UBS証券チーフストラテジストの平川昇二氏)という。


 物色面での循環が順調に進んでいることで、個別銘柄は指数ほどの過熱感が出ていない。「為替の円安/ドル高基調が強まっていることに加え、半導体の動向が改善してきたことで、これまで弱気でみていたハイテク株に明かりが差してきた。内需株とハイテク株の間で資金の循環が利いている」(楽天証券経済研究所チーフストラテジストの福永博之氏)ことも良好な投資環境が持続している要因だ。

 東京海上アセットマネジメント投信の後藤伸樹投資調査部長は、「ファンダメンタルズと政策の両輪がそろっていることで市場のセンチメントが非常に良くなっている」とみている。同氏は、「米国の利上げが最終局面とみられていることに加え、日銀のゼロ金利解除へのアクションにも政治的なけん制がかかり、安易な引き上げはしにくくなっている。さらに、足元の企業業績も堅調だ。市場は出てきた材料をすべてプラス方向でとらえている」と指摘、来年3月までに1万6000円までの上振れもあり得ると予想している。


 テクニカル的には過熱感が否めない。騰落レシオ、移動平均線とのカイ離などはいずれも過熱を示唆している。日経平均は11月の月足が陽線になると7カ月連続陽線であり、1998年以降では一度もない長期上昇局面になる。「8カ月連続陽線の確度は低い。テクニカル的には調整局面が近い」(SMBCフレンド証券株式ストラテジストの中西文行氏)との見方も出ている。4兆円を超す水準まで積み上がった信用買い残も重荷になる。


 しかし、過熱感を無視した資金流入は続いている。「世界的に株価は強く、過剰流動性がマーケットを支配している。バリュエーションで語ろうとすると若干厳しい水準だが、流動性が途絶える気配を見せていないので売り方も売れない状況だ」(損保ジャパン・アセットマネジメント シニア・インベストメントマネージャーの鈴木浩一郎氏)。需給主導の上値追いには危うさもあるが、「国内企業の収益が来期から減益になるとの見方は乏しく、マクロ的にも良い方向だ。下がり出せば相応の調整はあるが、年内は強い基調が続く可能性がある」(同)との見方が株式市場で支配的となっている。



Copyright © 2005 ロイター・ジャパン(株) All rights reserved.

AD