2011年02月24日

木下さんは何者か?の考察~ベスト版⑤~(パソコン読者用)

テーマ:木下さん

※過去の木下さんの記事をごちゃ混ぜにして再編集


 今年の元旦のことです。


 その日の夜の9時すぎに、僕は家の台所にいました。


 僕の母親は、友達とカラオケに行きました。父親は朝が早かったため、もう寝ています。僕はおせち料理がダメで、1人でカップラーメンをすすっていたのですが、近所のおじさんがやってきたのです。


 お酒を飲みすぎたのか、このおじさんの顔は真っ赤です。坂本九の『上を向いて歩こう』を口ずさみ、台所のテーブルに座る僕の前に来ました。踊りながら、「♪上を向ーいて!」と口ずさんでいたのですが、僕と一切会話することなく、ワンコーラス歌い切ってそのまま帰って行ったんですよ!


 何しに来てん、お前!用事はなんやねん、用事は!?


 家を出たおじさんは、ガレージにいる、うちの犬(ゴン太)に話しかけています。


 ですが、なにやらおかしなことを言っています。耳を澄まして聞いたところ、ゴン太にこう話しかけていました。


 「ワン太、今年も吠えんの?ワンワンて?ワンワンて?」


 はっ?はっ?


 「でも、今年は馬年です!犬年やったらよかったけど、残念ながら牛年やわ、ワン太!」


 ごめん、何言ってんの、自分!?皆目わからんねんけど、お前の日本語!?


 謎の言葉を残して、おじさんは帰って行きました。ゴン太が心配になった僕は、安否を確認しにガレージに向かったのですが、エサ入れの中に、透明の袋に包まれたままのカッチコチの切り餅が入ってたんですよ!


 何がしたいねん、お前!意味わからんねん、さっきから!何もかもが意味不明すぎて手のつけようがないねん!


 このおじさんの名前は、木下さん。僕の近所に住む、「天然の天才」なのです。


 日ごろからおかしなことを連発し、つい先日も、行きつけの食堂がご飯の大盛りに別料金を取りだしたのを見て、警察に言いに行ったのです。


 動くか、警察!「大盛り課」とかあるか!「ヤス、行くぞ!2丁目の食堂が大盛りに別料金を取りだしやがった!」とか言うか!


 とにかく、おかしいのです。同じ人間とは思えない、奇人中の奇人なのです。


 そこで今回は、「木下さんは何者か?」の考察~ベスト版⑤~です。


 木下さんは、うちの母親の同級生で64歳。ボロボロの自転車屋を経営し、奥さんとの共働きで、僕の小学校の同級生の息子(サラリーマン・既婚)と娘(フリーター)がいます。


 このプロフィールを踏まえていただき、以下、木下さんにまつわるエピソードをご紹介します。信じがたいお話ばかりなのですが、すべて実話です。


検証エピソード①『常識力チェック』
 木下さんほど、頭の悪い人はいません。僕も過去にいろいろなアホを見てきましたが、群を抜いてすごいのです。


 なにしろ木下さんは、自分の名前を頻繁に間違えます。木下なのに、「木ノ下」「木の下」と表記するなど、自分の名前さえもきちんと書けないのです。


 木下さんは、中学校すら、まともに出ていません。もちろん、学歴をとやかく言うつもりはないのですが、すべての理屈を超えてもう、「何もかもがアホ」としか言いようがないのです。


 今回、僕は「常識力チェック」と題して、木下さんの知能をテストすることにしました。


 1問10点で、都合10問です。「仕事で必要やから!」とウソをついて、僕の両親、ならびに、ほかの近所の人にもやらせてカモフラージュし、木下さんの知能をあぶり出すことにしたのです。


 問題は、次のような簡単なものばかりです。


 「アメリカの首都は?」


 「コンビニの名前を3つ書いてください」


 「世界三大珍味は?」


 僕の近所には、頭の悪い人が多いです。僕の母親も天然ボケなのですが、それでもみんな、40点以上は取りました。


 ですが1人だけ、当たり前のように0点を叩き出した奴がいるのです。


 言わずもがな、木下さんです。


 もうね、ありえないんですよ、間違え方が。まず、「アメリカの首都は?」という問題で、ニューヨーク、譲ってテキサスぐらいなら、まだわかりますよ。これが世間で言うところの「普通のアホ」なのでしょうが、木下さん、「ロンコン」って書いてるんですよ。


 ロンコンですよ、ロンコン?ロンドンと香港が混ざったのか知りませんけど、普通のアホではこんな間違いはしないでしょ!?


 次に、「コンビニの名前を3つ書いてください」で、これはさすがに間違いようがないですよ。なにしろ、僕の近所にも3種類あるのですから。


 1つ目は、「ローソン」と正解でした。2つ目は「さんくすー」と少し間違っていたものの、おまけで正解にしました。ところが3つ目の回答を目にした瞬間、僕の体が震えだしたのです。


 「牛丼」


 何言ってんねん、お前!牛丼!?ぎゅぎゅぎゅ、牛丼!?なんでも置いてるのがコンビニの売りやのに店名は牛丼なんや!?


 それでも、これらは、まだましです。問題は「世界三大珍味は?」で、なにしろこれ、白紙回答やったんですよ。問題の意味がわからないらしく、「世界三大珍味」が何なのかが理解できていないのです。


 「なんでもいいから、高級そうな食べ物を3つ書いてくれ!おっちゃんにとって、めったに食べられないものを3つ書いてくれたらいいから!」


 僕がこのように要求したところ、木下さんは以下の回答をしました。


 「おすしのなかのとろ。すじ肉。ロース肉」


 ブルーなるわ!貧乏すぎてブルーなんねん!ていうかすじ肉は安いやろ!


 「プリン」


 4つあるやんけ!数学もボロボロやんけ、こいつ!


 結果、0点です。ほかの簡単な問題にも誤答をし、僕は震えた手で「0点」と書こうとしたのですが、何気に用紙の上を見たところ、僕の背筋が凍りついたのです。


 「木の下」


 マイナス点やんけ!0点と違うぞ、名前も間違ったお前はマイナス点やぞ!マイナス10点で、人類史上最低の点数やぞ、これは!


 もうね、ヘキサゴンの出演者が天然ボケだとか、そんなレベルの話じゃないですよ。次元が違う、としか言いようがなく、なにしろ本人は、「30点は取れてる!」と思っていたらしいですから。


検証エピソード②『蚊』
 これは、2ヶ月ほど前のお話です。


 その日の昼すぎ、僕は家の台所で、僕の母親と、ざるうどんを食べていました。


 しばらくして、木下さんがやってきました。家に昼ごはんがなかったらしく、見かねた僕の母親は、木下さんの分も作ってあげることにしました。


 3人して、ざるうどんを食べます。とりとめのない話で盛り上がり、しばらくして、台所に蚊がいることに気がつきました。


 この蚊は、めちゃくちゃ手強いです。近くまで来ても、叩こうとした瞬間、別の場所に移動します。今まで見たことがないほどのすばやい蚊で、瞬間移動をするかのごとく、そそくさと逃げ去ってしまうのです。


 案の定、僕の左腕が刺されました。刺されないように、肌を露出した部分は動かすなどして抵抗したものの、間隙を縫って刺してきやがったのです。


 しかも、お腹がいっぱいになったはずなのに、スピードは衰えていません。次の獲物を狙っているのか、再び僕らの前を猛スピードでうろつき始めたのです。


 僕には、仕事で仕上げなければならない原稿があります。結局、僕は始末するのをあきらめて、部屋に戻りました。


 3時間後。


 小腹が空いた僕は、何か甘いものはないかと、台所に行きました。台所では僕の母親と木下さんが雑談をしており、先ほどの憎き蚊が、再び姿を現したのです。


 先ほどと、何らスピードが変わることはありません。いやむしろ、腹ごしらえをしたためかスピードはアップしており、僕らの前をビュンビュンと飛び始めたのです。


 これは、むかつきましたよ。そこでリベンジするべく、僕はあらゆるところを叩いたものの仕留められず、ほどなくして、木下さんの首元が刺されていることに気がついたのです。


 「うわー、今度は俺や!」


 木下さんは叫びました。「絶対に殺したる!」と声を張り上げたのですが、今しがた猛スピードで飛び回っていた蚊が、僕の血でお腹が膨れてもスピードが衰えなかった蚊が、アホの血吸った途端、ヨレヨレになってるんですよ!


 これ、マジですよ!木下さんの血を吸った途端、「私はアホになりました!」とばかりにヨレヨレなんですよ!露骨なまでに僕らの前を超スローでうろつき始めたのです!


 シャレならんわ、お前の血!まだマラリアのほうがましやわ!


 「(手で叩きながら)死ね、ボケ!死ね、ボケ!」


 お前もボケやねん!お前がボケやからその蚊もボケになってん!


 正直、「アホはうつるんや……」と考えて、一緒にいるのが怖くなりましたよ。それを証拠に、僕が「おっちゃんの血を吸ったら蚊はアホになるんやな!」と言うのを聞いた瞬間、僕の母親は買物に行きましたから。


検証エピソード③『お葬式』
 これは、7年ほど前のお話です。


 僕の母方の祖父が亡くなり、祖父の家で、葬儀が営まれました。


 葬儀には、たくさんの参列客が集まってくれました。そして葬儀を終え、道路沿いに停車している霊柩車まで、男8人で棺桶を担ぐことになったのです。


 誰が担ぐかは、事前に決めてあります。ですが、式に参列していた木下さんが、急に「俺も担ぎたい!」と、わがままを言いだしたのです。


 棺桶を担ぐのは、仏さんと血縁関係にある人と決まっています。部外者である木下さんに権利はないものの、「お願いやから担がせて!おじいさんにあれだけお世話になったから、俺も力を貸したいんや!」と、涙ながらにお願いしてきたのです。


 それでも、これ以上人が増えたら邪魔になります。結局、僕の母親が言って聞かせ、木下さんはあきらめました。


 すると木下さんは、少しでもみんなの役に立ちたいと思ったのでしょう。僕らが棺桶を担いで家を出た途端、「はい、そこ、足元を気をつけて!」と、エスコートを始めました。棺桶を先導し、妙な指示を出してきたのです。


 それでも、何か役に立つ情報なら、いいですよ。ただ、「そこは坂やから気をつけて!」と言うものの、言われた場所は坂でもなんでもありません。10度あるかないかの平坦な道なのです。


 ウソついてるやんけ、お前!迷惑やねん、お前のやってること!


 「犬が来たよ!危ないよ!」


 チワワやんけ、これ!土佐犬とかやったらわかるけど、おとなしそうなチワワやんけ、この犬!


 「人が来るぞー!」


 お前も人やろ!そう言ってる、人であるお前が来たわ!


 それでも、木下さんは一生懸命です。笑うわけにはいかず、木下さんは、僕らを邪魔する障害物がないかを確認するために先にカーブを曲がったのですが、僕らがカーブにさしかかろうとした瞬間、「牛乳屋が来るぞーーー!!!」と叫びながら全速力で走ってきたんですよ!


 ただの牛乳屋やろ!オバハンが牛乳瓶回収してるだけやろ!


 「牛乳屋が来るぞ、みんな!!!」


 だからなんやねん!で、叫ぶんやったら「自転車が来るぞ!」って言えや!牛乳屋が来るってなんやねん!


 「もう来る、もう来る!もうすぐ牛乳屋が来るぞーーー!!!」


 もう来たわ!牛乳屋はもう俺らの横を通りすぎて行ったわ!で、何もなかったわ!なんやったら牛乳屋のほうが俺らをよけてくれたわ!ある種のオオカミ少年やねん、お前のやってること!


 これを言われた瞬間、棺桶を持つ8人、全員が笑いましたからね。先ほどまで哀しみにくれていたのに、全員、普通に笑いましたから。


検証エピソード④『目』
 木下さんは、目がいいです。唯一の自慢が視力で、60を過ぎても両目ともに1・5。老眼鏡も持ってはいる
ものの、それすらも使うことは少ないのです。


 ですが、2年ほど前から、視力が落ちはじめました。そのことにショックを受け、「目をよくする!」と言って、いろいろと試しはじめたのです。


 目にいいと聞いて、ウナギの肝や海草を食べます。ことあるごとに目を洗い、僕に、「たけちゃん、視力を上げたいから、目を引っ張ってくれ!」とお願いしてきたのです。


 何の意味あんねん、それ!引っ張ってよくなるんやったら、伊達政宗も独眼流の看板下ろしてるわ!


 「目がちぎれてもいいから引っ張って!」


 ちぎれたら視力もクソもないやろ!視力上がるどころかレセプトの点数上がるわ、手術代で!


 それでも本人は、よかれと思ってやっています。注意しすぎると怒られるので、ほっておくことにしました。


 2年前のある日のことです。


 その日の夜、僕は寝つけませんでした。近所を散歩することにし、音楽を聴きながら歩いていたところ、木下さんも散歩していたのです。


 時刻は夜の11時をすぎています。木下さんは缶ビールを飲みながら歩いており、木下さんの行動が気になった僕は、あとをつけることにしました。


 コンビニの近くに来た木下さんが、急に歩くのをやめました。道路の近くに寄って立ち止まり、前を走る車を見ながら、なにやらぶつぶつ言いはじめたのです。


 不審に思った僕は、バレないように近づきました。後ろから耳を澄ましたところ、「神戸市 あ 7735」「姫路市 い 2881」と、車のナンバープレートを暗唱しているのです。


 木下さんは視力を上げるために、目のトレーニングをしているのでしょう。遠目にナンバープレートを見ながら、ロボットのような声で「香川市 う 16885」「大阪市 え 33852」などと叫びまくっているのです。


 しばらくして、車の往来が途切れました。


 木下さんは、ナンバプレートを読むのをやめて、街中を移動しはじめました。そして先ほど同様に、ロボットみたいな声で「やまもとせいこついん」「えいぎょうじかん じゅうじからにじゅうさんじ」「うせつきんし」などと、目に入るすべての文字を暗唱しはじめたのです。


 ですが、読めない漢字は飛ばします。「月極駐車場」「泌尿器科」は飛ばし、しまいには「貸倉庫」を飛ばしたんですよ。


 読めよ、貸倉庫ぐらい!ていうか、俺の家の倉庫を貸したったことあるやろ!俺に「倉庫貸してくれへん?」と口にしたことがあるやろ!


 「アコム」


 めっちゃでかいわ、その看板の字!誰でも読めるわ、そんなでかい字!


 僕は怖くなってきました。


 こう見えて、木下さんは健常者です。ぎりぎりこっちの世界に踏みとどまっているので、こんなことをこれ以上やらせたら、そっちの世界に行ってしまいそうな気がしたのです。


 僕は木下さんに、このトレーニングをやめさせることにしました。


 商店街に入り、木下さんが「よしのや」「わぎゅうせんもんてん」などと言っている中、僕は後ろから近づきました。「おっちゃん、何してんねん?」と話しかけたところ、僕を見た木下さんが、今まで同様のロボットの声で「たけちゃん」って言ったんですよ。


 俺は字と違うわ!俺は俺や!


 「たけちゃん」


 俺を「読む」な!俺は字と違うねん、だから!


 結局、このトレーニングの効果が出たのか、木下さんの視力は回復しました。ですが、視力ならぬ「脳力」は、ほとんど0ですよ。「脳力検査」と題して、視力ボードみたいに常識問題を上から並べていったら、1番上の問題も答えられないですから。


検証エピソード⑤『クロス』
 その昔、僕の近所に、頭のおかしいおじさんがいました。


 木下さんも充分おかしいのですが、このおじさんは完全に「そっちの人」です。意味不明のことをぶつぶつ言いながら街を徘徊するなど、完全にイってしまっているのです。


 一度、近所の公園でガンガンにゴルフをしていたので、僕の父親が注意しました。


 「こんなところでゴルフをしたら危ないやろ!」


 すると、「♪うちのじいちゃんは、河原でヒョイ!ヒョイヒョイヒョイヒョイ、河原でヒョイ!」と口ずさみながら帰って行きました。自分の気持ちを表現できない人で、会話が一切成立しないのです。


 そしてあるときから、自転車に乗る人に自分の自転車を近づけて、「クロース!」と叫びはじめました。自分の自転車を交差し、「クロース!」「ダブルクロース!」などと一日中、叫ぶようになったのです。


 僕も、何回もクロスされました。大雨の日に一度、「雨の中、クロース!」とやられたときなど、あまりの突撃感に、マジで殺されると思ったほどなのです。


 とはいえ、ややこしいおじさんです。文句を言うのは怖く、注意しても、意味不明の言葉を返されるのは目に見えています。警察に相談しても助けてもらえず、僕らはあきらめることにしました。


 僕が高校生のときのことです。


 ある日、僕の家に木下さんがやってきました。ニヤニヤしており、訊くと、高収入を得られる短期バイトを見つけたらしいのです。


 ですが、話を聞くうちに、木下さんがだまされていることに気がつきました。


 当時は国政選挙の直前。このバイトは、「天皇陛下、万歳!」的な言葉を録音したカセットテープを持ち、自転車に乗って街中に流す仕事だったのです。


 仕事を依頼したのは、街の政治結社です。近所でも、関わったら殺されると風評が立つような恐ろしい団体で、日ごろから暇をしている木下さんに目をつけて、お願いしたのです。


 これは困りましたよ。それがややこしい仕事だということを説明したところ、木下さんが泣きはじめたのです。


 幸いにも、このバイトは、選挙中の短い期間だけです。選挙が終わっても頼まれるようなら、そのときは警察に連絡してなんとかしてもらうと約束し、その日は木下さんを帰しました。


 やがてラジカセ片手に、自転車に乗った木下さんが街を徘徊しはじめました。


 そしてあるとき、学校帰りに自転車に乗る僕と、ばったりと遭遇したのです。


 木下さんは自転車を止めて、僕のところに来ました。


 「たけちゃん、選挙が終わったら俺、ほんまにもうやらんでいいよな?変な団体に入れられへんよな?」


 こう言いながら、半泣きになっているのです。


 「大丈夫や!心配せんでも、警察がなんとかしてくれるわ!」


 僕はこう言って、木下さんを慰めました。木下さんも、泣きながらとはいえ僕の言葉に納得し、再び街中を自転車で周りはじめました。


 すると前から、クロスがやってきたのです。僕の前を自転車で走る木下さんに、クロスが近づいてきたのです。


 「クローーーース!!!」


 クロスが木下さんの自転車にクロスをしました。


 クロスされた木下さんは、「ふざけんな!」と怒鳴って自転車を止め、クロスに近づきました。クロスの胸倉をつかみ、「クロスって、お前はアホか!お前みたいなアホがこの街をうろつくな!」と、ものすごい形相で怒鳴り散らしたのです。


 ですが、途中から興奮で我を忘れ、ワケのわからないことを言いはじめました。


 「お前みたいなアホは、アメリカの奥のほうに住め!アメリカの奥のほうにアフリカのジャングルがあるから、そこで迷ってヘビに噛まれて、誰にも助けてもらえんと救急車を呼べ!」


 このように、アホに対してアホを丸出しにしたのです。


 言われたクロスは、まったく意に介しません。感情、そして自分の意見を言葉にできない人なので、ワケのわからないことをぶつぶつ言いながら、木下さんを無視し続けているのです。


 結局、僕があいだに入って、アホ2人の争いは終わりました。


 クロスは新たなクロスの相手を求めて、立ち去りました。木下さんは、「アホ、わかったな?お前は明日からアメリカのジャングルに行ってヘビに噛まれるんやぞ!」と妙な捨てゼリフを吐いて、ラジカセ片手に雑踏に紛れました


 それから、10分後のことです。


 僕の家の近くのパン屋の前で、僕がやきそばパンを食べていたところ、クロスが通りがかったのです。それもなぜか満面の笑み。何かあったのか、今までに見せたことがないような笑みを浮かべて、こう口ずさみながら僕の前を横切ったのです。


 「♪アーホに~、アーホと~、言われたくない~!!!」


 あのクロスが初めて自分の意見を言ったのです!今まで怒鳴られても警察に怒られても自分の意見を口にしなかったクロスが、アホのおかげで覚醒したんですよ!アホ同士が化学反応を起こし、クロスの心の闇を断ち切ったのです


 最近、クロスの姿を見かけなくなりました。新しい住みかが見つかったのか、街では見かけなくなったのですが、どこかで幸せに暮らしていると、僕は信じます。


 なにしろ、クロスの心の闇は絶たれたのですから。アホという化学反応によって、自分の意見を言えるまでに成長したのですから……。



 以上が、木下さんにまつわるエピソードです。


 ちなみに①でご紹介した、常識力チェック。


 先日、第2弾を決行したところ、第1弾にも増してひどいことになりました。その結果はいずれ、このブログでご紹介したいと思います……。


AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

放送作家・バスコさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

コメント

[コメントをする]

1 ■無題

コメントありがとうございます(^O^)

木下さん面白いですね(笑)

コメント投稿

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。