The Best of Times

舞台・映画・本・音楽・・好きなものについてのんびり気ままに書いてます


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最後になりましたが、今回の舞台を観てどうしても触れておきたかったこと。

非常に長くなってしまいそうなので(^^ゞご興味ある方はよろしかったらおつきあいくださいませ。


長らく日本に上演許可がおりなかったミュージカル「ハロー・ドーリー!」。

パンフレットに寄稿されている劇評家の扇田昭彦さん、小藤田千栄子さんが「オーバードホールの快挙」と書かれているように、この夢の舞台が実現したのは富山オーバードホールの志があってのこと。

まず、そのことにこの舞台を観ることができた観客のひとりとして、心から感謝したいと思います。


ミュージカルの普及を目標に5年計画で名作ミュージカルを企画している富山オーバードホール。

話題性や奇をてらったスペクタクルな作品ではなく、本来の古き良き時代の、人と人のやりとりや音楽やダンスを楽しませてくれるミュージカルを届けたいという気持が作品選択にも表れているように思います。

昨年の第一弾「回転木馬」でも名曲「You'll never walk alone」が効果的に使われていて、オリジナル作品の何が大切であるかを第一に考えた演出にとても好感が持てました。(以前銀河劇場で観た「回転木馬」ではこのナンバーがバッサリとカットされていたので、同じ作品とは思えなかったくらいです)

今回の「ハロードーリー!」上演に関しても、制作発表の記者会見で、芸術監督の奈木隆さん(今回の舞台実現への功労者なのではないかと思います)が「今舞台そのものがテーマパークのアトラクション化しているような中で、そうじゃない本当に歌って踊って芝居をしてという王道、ミュージカルの王道といったものを富山で発信していきたいと思い、この作品を選びました」と語った言葉は、そのような作品、ミュージカルを求めていたひとりとして心強く、そういう志を持っている人が創り手にいることをとても嬉しく感じました。

朝日新聞の記事 でも、前に進むこと、人生を楽しむことをうたった、アメリカの精神が輝いていた頃の話。みんなが幸せになれる物語がいい。世が明るくない中で、日本で上演する意味は大きい」と話されています)


もちろん、今の時代にしか表現できない作品も、話題性のあるものも観たい人もいるし必要だとも思うけれど、でもそれ一辺倒になってしまうのではなく、シンプルだからこそ人と人とのつながりが感じられて、歌とダンスとお芝居の中で前に進む力をもらえる古きよき時代の作品も存在してほしい。


この公演をご覧になったユーイさんのブログ で、今回の舞台は文化庁の予算枠を使ったものであることを知りました。そしてその実現には、関係する人の理解と情熱、努力がないと難しいものであると、私も感じます。

厳しいご時世では、舞台の世界もどうしても知名度や話題が先行してしまう部分はいたしかたないことかもしれないのですが・・それでも、やはり何が受けるかではなく、何を届けたいか何を伝えたいかが一番純粋な志なのではないかと思うと、今回のこの試みは本当に意義あることだと思います。


今回「ハロー・ドーリー!」の記事を書くにあたって、動画を検索すると実に沢山のアメリカの高校生がこの作品を上演していることに驚かされました。約50年前のこの古典といってもいい作品を10代から大事に演じていること、古き良き時代のものを守り伝え育てていく土壌があることを実感しました。そして、年齢を重ね人生を感じさせてくれる世代の女性がタイトルロールとなる作品が数多くある欧米のミュージカルの豊かさ。高校生の彼女たちは、まだこの作品をやるには若すぎる(十分達者ではありますが)けれど、将来年を重ねた先にもこんな作品が役があることは大きな目標にもなるのではと思います。

スタンディングなどのカルチャーの表面的な部分だけを取り入れるだけではなく、本場のミュージカルが何を大事にしているかというその本質を取り入れてほしいと思わずにいられません。


今回の舞台は、何を大事にし何を伝えたいかというその気持ちが強く感じられるものでした。

奈木さんが依頼された共同演出のロジャー・カステヤーノさん、寺崎秀臣さんの振り付け、訳詞もこの作品の世界が伝わってきて素晴らしかった。

創り手の気持ちが志が見えるからこそ、その情熱が感じられるからこそ、関わった人も演じた人も皆作品に無条件の愛情を注ぐことができたのではないかと。客席にいて何度も何度も「こういう舞台が、ミュージカルが観たかった、これを待っていた」との思いで涙が出そうになりました。観客としてそのような客席にいられたことを心から幸せに思います。


この作品に携わった全ての方に感謝を。本当にありがとうございました。


奇跡のような夢の舞台。これ以上のことを望んではいけないと思いながらも願わくばもう一度奇跡が起きてくれたら・・と夢をみています。



The Best of Times


大変長い記事におつきあいくださった皆さま、本当にありがとうございました。

(これ以上長い記事を書くことは今後ないと思いますので、ご安心?ください(^^ゞ)

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