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2012年05月01日

クールな感触。

テーマ:ブログ

■ラ・ヌメロ・ドス(LA NUMERO 2)
■ジューサ
written by YUSA
performed by YUSA
from the album[YUSA](2002年)

 
 
ちょっと歩けば、額に汗が。5月1日。八十八夜。曇り空だと思っていたら、やはり午後から雨が降り出した。
 

連休の中日。前半が終了し、今日と明日は平日。こんな日にお酒を飲もうなんて・・・たとえ仕事で街には出ているとはいえ、考えるはずもないだろう。こんな物憂げな日に、僕は相変わらず自己嫌悪に陥っている。自業自得。自暴自爆。

 
やさしい歌を。寄っかかれる歌を、聴きたいと思った。でも、決して哀しい歌ではなくて。あえていうなら〃クールな歌〃が欲しい。
 
お店のCD棚の一番奥から引っ張り出して来た。YUSA。ジューサと発音する。1973年キューバに生まれ、クアジ・ジャズ、ジューサ&ドミンゴを経てソロデビューに至る。キューバ音楽を骨肉としながらも、MPB、ジャズ、R&Bの影響を色濃く持つ彼女は、線の太いヴォーカルと巧みなギターテクニックで、独特でいながら大衆性のある音楽世界を構築している。

 
キューバ音楽といえば《ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ》が有名だが、このジューサはまったく手触りが違う。独特の感触がある。詳しい人の説明によれば、「ソン、ボレロ、ルンバ、ヌエバ・トローバといったキューバ音楽を核に、ジャズ、ソウル、ブラジリアンなど、実に豊かな広がりを持ったハイブリッドなサウンド。」と紹介されている。

 
サウンドはジャズやブラジルの音楽に近かったり。聞き慣れたポルトガル語でもない。当然である。キューバはスペイン語圏だ。ソウルフルかつクールな歌声で綴られるスペイン語の詩的な魅力あふれる歌詞とメロディ。
 
知り合いの女性バーテンダーに教えてもらった1枚だが、初めて聴いた時、そのリズムの複雑さといい、漆黒でスムーズな歌声にイッパツで魅了された。

 
「すげえ!」
 
「これで10代だっていうから、スゴイよね」

 
「エッ! なんてこったい。日本人じゃ有り得ないね。カッコイイ!」
 
その感動も冷めやらぬ翌日、即購入した。

 
今日選んだ1曲は、その中でもリズミックなナンバーではなく、心に沁みるメロディが印象的なT⑧【ラ・ヌメロ・ドス】 。

 
解説によれば、歌詞を含めて欧米で評価が高かったらしい。冒頭にアナログ・レコードの針音をかぶせたりしてノスタルジックな雰囲気を出している。また、ロベルト・カルカセスのピアノもいい。
 
ストリングスも入っていて、どこかカエターノ・ヴェローゾ(の曲)を歌うシャーデーのようだ。だからと言って〃シャーデーもどき〃なんて代物とはまったく違い、オリジナリティにあふれるミュージシャンだ。
 
自分でギターを弾くらしいのだが、とにかくその巧さには舌を巻く。その上、その声は漆黒でスムーズ。もう、最高にカッコイイのである。 
 
ソウルフルであっても黒人特有のしつこさはない。感触はクール。今日一日、僕は、そんなジューサのしなやかでやさしい歌声に寄っかかっていたい。


 

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2012年04月02日

男らしいって、わかるかい。

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■ROOM 522
■JEB LOY NICHOLS
written by JEB LOY NICHOLS
performed by JEB LOY NICHOLS
from the album[JUST WHAT TIME IT IS](2000年)
 
今週はジェブ・ロイ・ニコルズ週間だ。どっぷりと、彼のレイドバックしたユルユルな世界に浸っている。嫌世的になっているわけではない。はたまたブロークン・ハートの後遺症でもない。ただ、桜満開で浮かれる世間が、ちょっとだけうっとしくて。少しだけ一人静かに時と遊びたかっただけ・・・。

 
ジェブ・ロイ・ニコルズの魅力は、アコースティック・ソウル・サウンドと、少し鼻にかかった枯れ切ったような(味わい深い)ヴォーカルだが。もうひとつ、歌詞がある。
 
登場する男はどれも情けない。女に去られたり、街で見かけた女のしぐさに昔の恋人を思い出したり。寂しがり屋だったり、未練がましかったりと。とにかく情けない。男気をまったく感じない。どこか僕に似ていなくもない・・・アハハ。
 
だが、あえて言うなら。ここには男のロマンティシズムやセンチメンタリズムがあふれている。現代のような女性優位の時代には理解しがたいだろうが。

 
「ダンディズム」と書いて「女々しさ」と読む--。まさに、そんな感じ。だからこそ、僕はジェブ・ロイ・ニコルズにシンパシーを感じずにはおれないのだろう。

 
 
【ルーム 522】(作詞・作曲:ジェブ・ロイ・ニコルズ)

 
このところ出て行くしかない気がして
朝の6時でも泣けてくる
僕は車に酔うし船にも酔うし おまけに恋わずらい
行きたい場所には ここからじゃ辿り着けない

552号室でジっとしてる
淋しいよこんなにも独りぼっちだ
552号室でジっとしてる
故郷から遠く離れて

昨日 飛行機で君の街へ行ったんだよ
感じたかい? 死ってたかい? 僕が来てる、って
君の部屋の窓から 微風が入ってこなかったかい?
君は振り返って髪を揺らさなかったかい?
 
(対訳:岩田祐未子)


2012年03月29日

熱き思い

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人生を語らず
■吉田拓郎
written by 吉田拓郎
performed by 吉田拓郎
from the album[今はまだ人生を語らず](1974年)

 

深夜ラジオから懐かしい歌が流れて来た。


吉田拓郎。
 

「旅の宿」「人生を語らず」「今日まで そして明日から」・・・
 
あの頃。70年代前半。拓郎の歌に何を感じていた。
 
熱くなることのカッコよさ。カッコ悪さ。
 
時代における、社会における、個の小ささ。
 

伝えなければ、
消えてしまいそうな

 
個の小ささ。無力さ。健気さ。そして愛おしさ。
 

個が世界を創って来た。
個が世界を育てて来た。
 
それが今はどうだ。
 
世界が個を・・・
 
音楽で、世界は変えられない。
 
だが、少なくとも
僕の人生は音楽で変わった。
 

ちっぽけな自分だけれど。
 
ちっぽけな音楽だけれど。
 
あの頃。僕らは拓郎の歌を通じて、熱かった時代の余熱を感じていた。

 
 
【人生を語らず】
        作詞・作曲:吉田拓郎

朝日が 昇るから
起きるんじゃなくて
目覚めるときだから 旅をする
教えられるものに 別れを告げて
届かないものを 身近に感じて
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず

嵐の中に 人の姿を見たら
消えいるような 叫びをきこう
わかり合うよりは たしかめ合う事だ
季節のめぐる中で 今日をたしかめる
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず


あの人のための 自分などと言わず
あの人のために 去り行く事だ
空を飛ぶ事よりは 地をはうために
口を閉ざすんだ 臆病者として
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず

おそすぎる事はない 早すぎる冬よりも
始発電車は行け 風を切ってすすめ
目の前のコップの水を ひと息にのみほせば
傷もいえるし それからでもおそくない
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず

今はまだまだ 人生を語らず
目の前にも まだ道はなし
越えるものはすべて 手さぐりの中で
見知らぬ旅人に 夢よ多かれ
越えて行け そこを
越えて行け それを
今はまだ 人生を 人生を語らず




 
 

 

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