クールな感触。
テーマ:ブログ■ラ・ヌメロ・ドス(LA NUMERO 2)
■ジューサ
written by YUSA
performed by YUSA
from the album[YUSA](2002年)
ちょっと歩けば、額に汗が。5月1日。八十八夜。曇り空だと思っていたら、やはり午後から雨が降り出した。
連休の中日。前半が終了し、今日と明日は平日。こんな日にお酒を飲もうなんて・・・たとえ仕事で街には出ているとはいえ、考えるはずもないだろう。こんな物憂げな日に、僕は相変わらず自己嫌悪に陥っている。自業自得。自暴自爆。
やさしい歌を。寄っかかれる歌を、聴きたいと思った。でも、決して哀しい歌ではなくて。あえていうなら〃クールな歌〃が欲しい。
お店のCD棚の一番奥から引っ張り出して来た。YUSA。ジューサと発音する。1973年キューバに生まれ、クアジ・ジャズ、ジューサ&ドミンゴを経てソロデビューに至る。キューバ音楽を骨肉としながらも、MPB、ジャズ、R&Bの影響を色濃く持つ彼女は、線の太いヴォーカルと巧みなギターテクニックで、独特でいながら大衆性のある音楽世界を構築している。
キューバ音楽といえば《ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ》が有名だが、このジューサはまったく手触りが違う。独特の感触がある。詳しい人の説明によれば、「ソン、ボレロ、ルンバ、ヌエバ・トローバといったキューバ音楽を核に、ジャズ、ソウル、ブラジリアンなど、実に豊かな広がりを持ったハイブリッドなサウンド。」と紹介されている。
サウンドはジャズやブラジルの音楽に近かったり。聞き慣れたポルトガル語でもない。当然である。キューバはスペイン語圏だ。ソウルフルかつクールな歌声で綴られるスペイン語の詩的な魅力あふれる歌詞とメロディ。
知り合いの女性バーテンダーに教えてもらった1枚だが、初めて聴いた時、そのリズムの複雑さといい、漆黒でスムーズな歌声にイッパツで魅了された。
「すげえ!」
「これで10代だっていうから、スゴイよね」
「エッ! なんてこったい。日本人じゃ有り得ないね。カッコイイ!」
その感動も冷めやらぬ翌日、即購入した。
今日選んだ1曲は、その中でもリズミックなナンバーではなく、心に沁みるメロディが印象的なT⑧【ラ・ヌメロ・ドス】 。
解説によれば、歌詞を含めて欧米で評価が高かったらしい。冒頭にアナログ・レコードの針音をかぶせたりしてノスタルジックな雰囲気を出している。また、ロベルト・カルカセスのピアノもいい。
ストリングスも入っていて、どこかカエターノ・ヴェローゾ(の曲)を歌うシャーデーのようだ。だからと言って〃シャーデーもどき〃なんて代物とはまったく違い、オリジナリティにあふれるミュージシャンだ。
自分でギターを弾くらしいのだが、とにかくその巧さには舌を巻く。その上、その声は漆黒でスムーズ。もう、最高にカッコイイのである。
ソウルフルであっても黒人特有のしつこさはない。感触はクール。今日一日、僕は、そんなジューサのしなやかでやさしい歌声に寄っかかっていたい。
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