セピア色した祈り

小さい頃生き別れた兄がいた。
私は母の方へ、兄は父の方へ引き取られた。その後の消息は不明で、母は父の名前も、兄の名前すら、教えてはくれなかった。兄がいると教えられたときにはすでに、父方との行き来は途絶えていた。

先日、母が死んだ。
私の身寄りは、誰もいなくなった。元々早くに両親を亡くしていた母は、親戚付き合いもなく、女手ひとつで私を育ててくれた。私がハタチになったばかりの5月、母は帰らぬ人となった。
そんな時、出てきたのが兄の写真だった。
写真の兄はまだ子どもで、目元が母にそっくりだった。今までどんなに探しても、父の物も兄の物も何ひとつ出てこなかったのに、どうして今になってこんな写真が見つかったのか。
私には、母が兄を探すように言っているようにしか思えなかった。
これは母の祈りだ。
そう、思った。

私は必要最低限のものだけを持って、家を出た。ただ当てもなく、どこまでも続く道を歩いた。途中、何度もくじけそうになった。でもそんなときは、名前も知らぬ少年時代の兄が、助けてくれるのだ。
「待ってる」
耳元で呟く声が聞こえた。
私は、兄がどこかで私の到着を願ってくれているような気がして、また立ち上がった。
私は、どうしても会いたかった。
名前も知らない、少年時代の顔しか知らない兄に。
どこで何をしているのかすら分からない兄に。
母が会わせたがっている兄に。

私は今夜も祈る。
今はもういない母とともに。
明日こそ、兄にめぐり逢えますように。
ただ兄の姿だけを求めて、私はずっと歩き続ける。



お題配布元:中途半端な言葉

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RPP第14回作品募集開始。

テーマ:
予告していたRPP。
作品募集を開始いたしました。
詩での交流を楽しみたい方、普段から返詩を楽しまれている方、返詩に興味のある方、言葉を綴るのが好きな方・・・。
ぜひご参加くださいませ☆


『君のてのひら』


君と手をつないだら
とてもあたたかくて
とても切なくなった

君が好きだよ

言葉に出来ないまま
小さく揺れた


こちらから、ご参加ください↓
『RESPONSE POEM PROJECT』
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RESPONSE POEM PROJECT

テーマ:
準備が遅れているのですが、近々『RPP』を始めたいと思います。
『RESPONSE POEM PROJECT(RPP)』は、みんなで返詩を楽しもうという企画。私がサイトを企画運営をしていますが、企画は参加者みなさんでという感じ。
興味を持たれた方は、ぜひサイトの方へ遊びにいらしてくださいませ☆
今週末にでも、メルマガとこことで告知したいと思っています。

『RESPONSE POEM PROJECT』
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擬似世界

気がついたら、振られていた。
たまには、そんなこともあると思う。
でも私には、少し傷が深かったのだ。

気がついたら、ベッドの隣には彼がいた。
そのおかしな事実に、私はずっと目をそむけてきた。
現実を知るのが怖かった。
独りになりたくなかった。
彼のことが好きだった。
手放したくなかったのだ。
幸せを。
彼のぬくもりを。
私はやさしく彼の頬を撫でると、その子どものような寝顔に微笑んで、そっとベッドを抜け出した。
本当は、ずっとそうしなくてはいけないと思っていた。
でも怖くて、出来なかった。
「ありがとう」
耳元で呟いて、私は家を後にした。
もうここには戻ってこない。
私は、本当の「私の家」に帰るのだ。
偽物のやわらかい世界を切り離して、「現実」に戻るのだ。
彼とのあるはずのない時間は、私を充分満たしてくれた。
だから、大丈夫。
もう大丈夫。
私は、私の人生を生きる。
そう決めたのだ。

大好きだった彼は、私より年下の、かわいい男の子だった。



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MEMO続きで申し訳なく。

テーマ:
大好きな方が、突然の申し出を受け入れてくださいました☆
わーい、やった!
大好きな方もお忙しい方なので、どこまで上手くお互いに連絡を取り合ってやっていけるか分かりませんが、とっても面白い企画☆(私にとってはこの上なく!)
早く事を進めたいのだけど、なかなか追いつかなくて、気持ちばかりが焦っています。
身体は正直で、疲れていると、ついどんな時間でも眠ってしまうのね(そしてこんな時間に目が覚めて活動してしまうのね)。
今年いっぱいは、大好きな方にメールを送りまくって、ここも更新しまくって、準備を進めようと思っています。

楽しみすぎて、困ってしまうわ!
早くここでも発表したいわ!!