2009年11月21日

Max Huber

テーマ:COLLEZIONE

先月、Amazonでマックス・フーバーの本を購入しました。マックス・フーバー(Max Huber : 1919-1992)
と言えば、20世紀を代表するグラフィック・デザイナーの一人である事は疑う余地の無いアーティストで、

今年の6月に東京の銀座で「「Max Huber - a graphic designer」展が開催され、フーバーの希少な
オリジナル・ポスターの数々が展示されていたそうなのですが、こんなの大阪ではやらないのね...

フーバーの個展と言うのは、日本では1965年に銀座松屋で開催されて以来、実に44年ぶり!だそうで
私はなんとか観に行きたかったのですが残念です...仕事でも東京に行ける人が羨ましい!東京行きたい!

$Bar Giulietta$Bar Giulietta

1919年にスイスで生まれたマックス・フーバーは、チューリッヒのクンストゲヴェルベシューレ工芸専門学校
(現チューリッヒ芸術大学)でアルフレード・ヴィリマンに学び、タイポグラフィック界のバイブルとも言える、

「ノイエ・グラフィーク誌」を立ち上げた、ヨゼフ・ミューラー・ブロックマンや、後にスイス航空の広告ポスター
などを手掛けた、バウハウス出身のマックス・ビルなどと親交を深めています

$Bar Giulietta$Bar Giulietta

1940年代から活動の拠点をミラノに移し、その後イタリアにおけるグラフィック・デザインに大きな影響を
与えた人物で、ミラノの老舗百貨店、ラ・リナシェンテのロゴ&広告(包装紙のデザインも秀逸です)を初め、

オリベッティ、ボルサリーノ、ピレリ、国営放送・RAI、ミラノ・サローネ(国際見本市)のアーキ・グラフィック等々、
イタリアの名立たる企業の商業デザインを手掛けた事は、G・デザイン史において大変有名であります

$Bar Giulietta$Bar Giulietta

ミラノを拠点に活動していた事から、モンツァのレース・ポスターも数多く手がけていて、代表作に数えられる
名作も多いのですが、私がこの様なイタリアの印刷物に心惹かれるようになったのも、彼の影響が大きい

もちろん、私はデザインに関して専門的な教育を受けた訳ではありませんので、最初は何も知識が無いまま、
直感で気に入ったレース・ポスターを収集し始めたのですが、それらの多くが一人のデザイナーによって

描かれていたと言う事を知った時は、大変驚きましたし、私の好きな作風、すなわちそれは、
マックス・フーバー的なものだったのであります

$Bar Giulietta
34゜Gran Premio d'Italia. Max Huber (1963)
Print: Fratelli Azzimonti. Milano. 700×1000


そこで、今回紹介するのは、私が持っているフーバー作品のオリジナルの中で、額装状態にある、
1963年のF1・イタリア・グランプリのイベント・ポスターです

フーバーのスタイルは、良く言われるように先進的(40~50年代のイタリアでは前衛的とも言える)な
スイス・タイポグラフィを大胆なグリッドに配置すると言う手法で、カラフルなレイヤーを重ねたような

鮮やかな色彩に組み合わせたモノクロ写真のモンタージュ等、印刷技術の進歩と共にイタリアのグラフィック
デザインに、旧来のイタリアには無かった資質も持ち込んだところが最大の魅力なのでありましょう

このポスターを見ても、ファニーな画風のマシンに、白地から飛び出した市松模様が躍動感を持たせた
チェッカーフラッグ、そして変則的なグリッドに置かれたクールなタイポグラフィ

一つ一つ見るとバラバラなのですが、作品としての全体は「緻密な遊び心」が見事に纏まっていますし、
コンピューターの無い時代の丁寧に手書きされたタイポグラフィは、温かみに溢れています

$Bar Giulietta

これは17年前に、パリの古本屋で見つけて五千円ほどで購入したのですが、三年前にイモラの蚤の市
で同じ物を見つけた時は、当時、私が使ったイタリアへの飛行機代ほどの値が付けられていました

このポスターの入手の経緯には、面白い思い出があって、古本屋を訪ねた時、その店の子供と思われる
中学生ぐらいの娘さんが一人で店番をしていたのですが、私が店の奥から掘り出して来たこのポスターの

値段を聞いてなかったのでしょう。価格を尋ねると、彼女は「分からないから明日来て」と言っていたのですが、
「明日帰国するので今買いたい」と、私がゴネると「じゃあ...」と言う事で、五千円ほどで売ってくれた(笑)

吉田秀樹氏のリトグラフなんかも置いてる店だったので、オヤジさんでも居たら、もっと良い値段を言われた
かも知れない。このポスターを見ると、あの娘が後で怒られたのではないか?と、今でも思い出します


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コメント

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12 ■ちゅうじさん

そうなんですよ、大阪ではあまりマニアックな催しはやりませんね
京都でやったジウジアーロ展のプログラムはヤフオクで高値が付いていますよ

そうです、奥さんは日本人ですね。奥さんのお父さんは東京五輪のロゴのデザインに係わっていたと思いますよ。多分、、

11 ■alfabreraさん

やはり今ではCGが主流になりましたので、
返ってこのような時代のモノに新鮮味とか温かみを感じるのでしょうね
モンツァのレースポスターで私が好きなモノは殆どフーバーの作品だったんですよ

10 ■heyさん

heyさんの感性は正しいです。フーバーはポスターと同じぐらいJAZZのアルバム・ジャケットを手掛けているんですよ!
フーバーは大のJAZZファンで、アトリエではいつもJAZZをかけていたそうです

9 ■師匠

フーバーは見本市の展示スペースのデザインなんかも手掛けて
いますので、師匠のような方がフーバーを見れば、また違った見方が出来ると思いますよ

ナカナカ面白い本ですよ

8 ■すみたんさん

「緻密な遊び心」と言うのは、重要なキーワードだと思うんです
クルマもそうでしょ?で、イタリア車は特にその傾向が強いです。
ミニカーでも何でもそうだと思います。遊び心だけでは軽薄なので、そこに緻密さが感じられるか?ですね

7 ■marqueさん

MostraScambioですか~私もまた行きたいなぁ...
marqueさんの視点でこのようなオートモビリアの事を書かれたら
また一層面白いと思いますので、ゼヒ!ゼヒ!

6 ■大阪は、げーじつモノは、あきません

大阪では、アート系の○○展って、
あんまりやらんね、困ったもんだ。
随分前に開かれたジュジアーロ展も、
京都まで観に行ったもんなぁ・・・・

マックス・フーバー氏の奥さんは、たしか、グラフィックデザイナーの父を持つ、日本人の方でしたよね?
オイラは、チャリンコのポスターが好きかな。

5 ■深いですね。

今でもお手本になる
有名なデザインですね。
その素晴らしさもさることながら

知らず知らずのうちに
そこに目をつける
Forghieriさんもすごいです。
お宅には、どれだけお宝が眠っているやら
ワクワクしますね。

4 ■知らなかった

Max Huberというアーティストは知りませんでしたが、これらの
作品は琴線に触れるものがあります。
計算されつくした色使いとレイアウト。
フォントの選び方ひとつとっても素晴らしい。
50~60年代のBlue Noteレーベルのアルバムジャケットを
想起させるものがありますね。
カラフルなのにクールで、センスのかたまりのような作品の
数々。唸らせるなぁ・・・。

3 ■レイヤー

Photoshopの無い時代に、レイヤーを重ねたようなデザインは素晴らしいです。
F1・イタリア・グランプリの、チェッカーフラグは絶妙ですね。白地はフラッグの外形にも見えますが、黒いチェックを目からそらすと、タイヤのあたりから放射状に広がるシェイプです。その角度に沿ったタイポグラフィ。これはなかなかできません。
僕もMax Huberの本が欲しくなりました。

2 ■緻密な遊び心

何気に飾ってある物でも歴史を感じさせますね。
さすがフォルギエリさん
う~ん。。。。深いですね

1 ■あっ

これは!

先週末のMostraScambioで見ましたよっ!!
私が僅か4枚撮影した写真の中にまさにこれがありました(正確にはポスターじゃないのですけど・・・)。Max Huberという方の作品なのですね。フォルギエリさんに煽られて、私もblog書こうかなぁ~~


ネタシリーズはおもしろくてGOOD、大好きです。

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