同世代のダンスオフ会は、毎回、かなり盛り上がります。
率直に言って楽しいです。
それもなんとなく「懐かしい楽しさ」です。
何なんだろうな~、と思っていたら、以前読んだ、霊長類学者の山極さんが書いた文章にこんなのがありました。
ゴリラの子供たちの遊びに関する記述です。

「子供のゴリラの遊びは、相手の出方によって自分の出方を臨機応変に変える、というかたちで展開していく。
 臨機応変に自分の出方を変えるには、相手が何をしようとしているのか、どんな気分なのかを察する必要がある。
 要するに共感する能力を力を高めることが求められる。
 このように相手に合わせ続けられる「体の能力」と「心の能力」と、なにより続けようとする意思があるからこそ、続けられる。
 人間やゴリラは遊びという複雑な行為をやすやすとやってのける体と心を進化させてきた。
 遊ぶ能力を引き出すには、小さい頃に同じような年頃の子どもと遊ぶ経験が必要である。」

「相手の出方によって、自分の出方を臨機応変に変える」、って「社交ダンス」そのものです。
そういえば、私も子供のころ、そういう風に周囲の男女と遊んでいました。
共感能力の低い私ですが、そういう時代もあったのです。
大人になるにしたがって、遊ぶ楽しさを忘れていったのでしょう。

そして、遊びや踊りを通じて育まれた共感能力こそが、人間が楽しく生きられる社会を作るために必須なんだそうです。

中学校でダンスが必修になりましたが、その理由はここにあるのではないか、と私は思っています。