「ウィッチ」(2015)

テーマ:
村から追放された一家に次々と襲いかかる不幸は魔女の仕業なのか?というホラー。

ウィッチ

ホラーよりのオカルトテイスト満載という感じの映画でした。
予告を観た感じだと、娘が魔女の疑いを掛けられて魔女裁判でも行われてしまう感じのホラーかなと思っていましたが全然違いました。

追放された一家の話なのでとても狭い範囲の中の話で、この手のオカルトは信仰がつきものですがこれはオカルトより信仰の概念と言ったらいいのかそっちの方がかなり強かったです。

まず夫婦に五人の子供たちという家族構成で長女が透けっ子の赤ちゃんをあやしている時に赤ちゃんが突然姿を消しますが、いないいないばぁをして見たらいきなり赤ちゃんが消えているって肝を冷やす恐ろしさでつかみはOK。

これをきっかけに母親の精神状態が崩壊していき長女に辛く当たり、双子たちも長女を魔女扱いし始めて追い詰められていくのですが、唯一理解のある弟も狩りに出かけて行方不明に。
狂おしいほどに信仰心の強い絶対的権力を持つ一家の父親も精神のバランスを崩していき娘に疑惑の視線んを向けていくという超所にとっては悪夢のような出来事が次々と起こりこれという恐怖描写はないのですが心理的に追い込んでいく見せ方が新鮮で怖かったです。

それと17世紀の寒々しいニューイングランドという舞台、黒山羊とか魔女っぽい怪しげな何かとかとにかく不穏な空気を醸し出している雰囲気が薄気味悪く、全体的に後味も悪めでどことなくラース・フォン・トリアーっぽい作風でどん底に落とされる感じもよかったと思います。

ヒロインのアニヤ・テイラー=ジョイは「スピリット」の時と同じでホラー系の似合う人でこういうタイプのヒロインは目が離れている感じの美少女がよく合うなと観ながら思っていました。


予告編

おまけ
別ポスター
ウィッチ

ウィッチ

ウィッチ

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7部作すべてが上映終了したので振り返り。

嘆きの王冠

シェイクスピアなんて崇高なもの7作、しかも全て2時間越えで2時間半以上のものがあったりとトータル15時間で気が遠くなりましたが、観はじめたらこれが面白くて最後まで見終えた自分が誇らしかったです。

でこの「嘆きの王冠」は前半「リチャード二世」「ヘンリー四世 Part 1」「ヘンリー四世 Part 1」「ヘンリー五世」を百年戦争として、後半「ヘンリー六世 Part 1」「ヘンリー六世 Part 2」「リチャード三世」を薔薇戦争として描いていましたが一番面白かったのは最初の「リチャード二世」でした。

ベン・ウィショーの浮世離れしたところが貴族にぴったりだったし、栄光から転げ落ちる様もドラマチックでよかったです。人を陥れるという腹黒い考えはなく単純に自分の気持ちで動く人はこの人とヘンリー六世だけだったと思います。多分この二人は生まれながらにしてそういう地位を約束された人だからかですかね。

そして老年期のヘンリー四世になる前にリチャード二世に酷い仕打ちを受けるヘンリー役がロリー・キニアで最初なにこの地味なおじさん。と思っていたらこの人シェイクスピア俳優なのに「マン・アップ!」でキモいおっさんやっていた人だよって教えてもらってから感慨深くなったり色々と思い入れが強くなりました。

トム・ヒドルストンが出てくる残りの3作品は庶民が出てきて雰囲気がガラッと変わりつつもヘンリー四世、五世ともに浮き沈みは激しくないので印象は薄かったです。

薔薇戦争に入ってからは何と言ってもマーガレットの存在感。
ソフィー・オコネドーが絶世の美女的扱いで登場した時には何で?と思いましたけど王妃になり不倫をし軍を指揮したりと唯一無二の女性キャラで最後の「リチャード三世」での変貌っぷりがはまっていてこの人で大正解ですよ。
薔薇戦争はみんなが腹黒くて何かしら悪だくみをしているところも面白いんですよね。

そしてリチャードの兄たちのダメンズっぷりも見どころのひとつで、ヘンリーから王座を奪ったエドワードが未亡人に一目惚れ。政略結婚を反故にして未亡人と結婚して不穏な空気が流れだしたり、次男の優柔不断っぷりがすごかったりと、周りの人たちがいい仕事をしてもトップがダメだとみんなが振り回されるという虚しさ。

結局身内同士の壮大な権力争いなんですよね。もう十分貴族としての恩恵もあるのでそんなに王座が欲しいですか?と思うのですが欲が出てくるものなんですね。人間て奴は。
その最終形がカンバーバッチで恐ろしいまでの欲望で身内でさえも陥れて王座に就くという超邪悪な存在感。まだまだ好きにはなれそうにありません。

という事で全部観るのは大変な人が観ておくなら「リチャード二世」と後半の薔薇戦争三部作がお勧めです。

予告編
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シーズン1からのその後の世界を描いたテレビシリーズ。

ウェイワード・パインズ

マット・ディロンの活躍も虚しく街を支配している第一世代と新たに目覚めさせられ街にやって来た医師のジェイソン・パトリックが対立しあいながら、フェンスの外のアビーの脅威が迫りウェイワード・パインズ最大の危機が訪れるという展開になっていました。

シーズン1の途中で大オチを持ってきて仰天させてしまったので前シーズンの後半はそれほどの盛り上がりを見せなくて続編はどうなるのかと思いきや、視聴者としてはウェイワード・パインズという街の世界観を把握している状態なので街の脅威が迫る中、最善の選択は何なのかという決断が前面に押し出されていたと思います。

何が何だかわからないという状態で目覚めた新たな主人公がジェイソン・パトリックというで何か久しぶりに見て感慨深かったです。そして街の建設に初期段階から加わっていたジャイモン・フンスーも新たに追加と演技派を揃えて来ています。
先生業を引退したホープ・デイヴィスはアビーの研究をしていて権力もあるという役どころで再登場。とジェイソン・パトリックの美人妻も登場しますが彼女にも色々と秘密があって登場人物は相変わらず一癖も二癖もありました。

ジェイソン・パトリックと対立する第一世代のリーダーがピルチャーの意志を受け継ぎ過ぎた故に独裁的になっているのですがどうも若すぎジェイソン・パトリックと貫禄が違い過ぎてもうひとつパンチがなかったのが残念でした。
それを補うためか、前作で死んだ人たちがちょいちょい回想シーンとかで出てきて世界観に深みを与えたのはいいアイディアで、特に最終回前にあの人とあの人がああいうう関係というオチがありビックリです。

という最大のショックが最終回前にあったせいで最終回は無難に終わった感じでしたが話の流れと重要そうなキャラクターがあっさりと死んでいく潔さも前作と変わらず全体的に思っていたよりよかったです。

予告編

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最新のハイテクカーで家族旅行に出かけたらシステムエラーで高速道路大暴走というフランスのコメディ。

ボン・ボヤージュ

細心のシステムで自動運転も出来るハイテクカーが制御不能で速度も落とせず時速160kmで高速を走り続けこの家族は無事生還できるのかというベタなコメディでしたが、こんなシチュエーションでいちいち伏線があってそれが最終的に見事に拐取されているという意外としっかりした内容に驚きました。

脇役たちもみんないい味出していたし。


これ、ハイテク車も悪いのですが、爺さんがトラブルメーカー。

やることなすことイラっとするのすが完全に憎み切れないといういいキャラでした。

そしてロバート・ダウニー・Jrそっくりのお父さんが踏んだり蹴ったりで可哀そうだけど悲壮感がなくて明るく楽しく家族の危機なのに全く感じさせず最後まで突っ走るところが良かったです。

 

冷静に考えて高速道路でスピードが落ちずに暴走ってとても怖くてこれってどうやってオチをつけるのかと思いきや、思いがけない終わり方でびっくり。

 

そしてさりげなく暴走車を先導してくれた交通警察?の二人がいい人でした。

予告編

交通事故で瀕死の重傷を負いながら復活したボクサーの実話です。

ビニー/信じる男

チャンピオンが事故で再起不能になりながらも奇跡的に復活した実話ですが、最初から勝っていて調子に乗っているわけではなく、負け続きで後がないところから始まるところがいつものボクシング映画と違ってっ珍しくかったです。

負けが続きで後がなく、プロモーターからほぼ見放された状態で新しく着いたコーチが飲んだくれというのがボクシング界では何となく定番だなと思いますが、このコーチが実はマイク・タイソンのコーチだったりさりげなくすごいです。
そんなコーチがびにーのそしつを見抜きいきなり二階級アップするという無謀な浅酌にでるも見事に勝利しチャンピオンに。
と思ったらその余韻を楽しむ暇もなくいきなり交通事故に遭い首の骨を折る重傷。歩ける可能性もないかもと言われ半分自暴自棄になりつつも今後自分は何ができるかって考えた時に子供たちにボクシングを教えることも出来るけどやっぱりまだ戦いたいという気持ちが強く、コーチと一から出直す意志の強さが熱かったです。

そして常に戦わせたがるお父さんが事故後に試合に出たがる息子に出てもらいたくないと思い心を痛める親心とかもさりげなくよかったし、胡散臭いプロモーター親子もいいスパイスになっていました。

主演のマイルズ・テラーもいいのですが何といっても酔いどれなのに腕はピカイチのコーチ役のアーロン・エッカートが素晴らしくよくて、事故の後も密かに家の地下でトレーニングしている彼をこっそりサポートしたりと家族のように接して時には親のように厳しく接し、時には親友のように接する二人の関係性が最高でこういう相棒的な存在を見つけることだけでもすごい事だと思いました。

予告編

おまけ
別ポスター
ビニー/信じる男