書店員バツ丸の気ままにエンタメ

 音楽・映画・本・女優大好きな書店員バツ丸によるエンタメブログです。映画・音楽・お気に入りの女性・本の紹介・レビューを中心に気ままに放談していきます。相互リンクも随時受け付けています。


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・評価:70点




<あらすじ>

誕生日である7月31日に、事故に遭ってしまった大学生の葵海(miwa)。だが、ふと目を覚ますと事故に遭う1週間前の教室にいた。混乱する彼女の前に幼なじみの陸(坂口健太郎)が現われ、時間をさかのぼれる不思議なレコードを使って何度もタイムリープしては、事故から救っていたと告げる。二人とも抱いていた恋心を伝えられずにいたが、この出来事を機に1年前へと戻って恋人同士になって楽しい時間を過ごす。こうして再び7月27日が近づき……。


小説・コミックと連動したメディアミックス企画の一環で制作された映画。作風としては、所謂「タイムリープ」もの。

この手の作品は、「時をかける少女」「タイムリープ」らを筆頭に傑作が少なからずある。
やはり「時空を超える」ということが、人にとって永遠の憧れであるからだろうか?

結論から言うと、まずまずの出来であったとは思う。

その理由はそれなりにあるが、

やはり「愛する人を救うため」という、「タイムリープ」することの目的・意味、必然性を作品を通して明確に伝えられている点にあろう。

そして、もう1つ。極めて登場人物が少ない中、インナーサークルの人間模様・人間関係の描写が上々で、さらに、その関係の果ての結末が安易・安直な方向に行かなかったことだ。

つまりは、主題もその描写も非常にシンプル明快であり、演出、脚本といった制作面もその具現化に向けてきちんと無駄なく集約されていた、というわけだ。


で、インナーサークルを構成した、坂口、真野、竜星といった役者や、脇を締めた田辺誠一・堀内敬子といった役者の演技、存在感も派手さはないが、各々がきちんと自身の役割を踏まえた上での質の高いものを見せていたと思う。

但し・・・。

映画として題材も完成度も、役者の演技も平均以上の佳作ではあった。

しかし、そういった点での評価は評価として、今作への評価や好悪の感情を最終的に決定づけるのは、

今作のヒロインを演じたmiwaをどう捉え、どう評価するかであると思う。

以前彼女が出演した作品とは違って今作はオリジナル作品だ。インナーサークルの主要構成員をバンドメンバーにした時点で、miwaをヒロインにする。もしくは、miwaをヒロインにするから、バンド編成にした。

との可能性が推測される。外れているかもしれないが。彼女の歌も映画の重要要素にしようと・・・。

バンドの女性ボーカル役は、彼女にはまっていた。たぶん、そういう面をして、非女優たる彼女の今作での必要性を暗に示したかったという魂胆は少なからずあったと思う。もちろん、レコード会社とか所属事務所云々の事情もあろうが・・・。女優じゃない彼女が有力俳優らに交じり、というか、立場上は押しのけて主役になっていることへの違和感を観客に抱かせないために・・・。

だが、だからこそ、女優miwaとしての適性・能力・魅力がより求められる逆説的な結果になり、今作の数少ない、というかほぼ唯一の減点材料になってしまったと個人的に感じずにはいられなかった。

意味が分からないと思われるので、ここはもう少し詳しく書いていく。

彼女ほどのアーティストスキルやステイタスがあれば、「バンドの歌姫」を問題なくこなせることは、彼女を少しでも知っている人であれば誰でも容易に鑑賞前に理解できることだ。

だから、このことは、映画やこの点に関する彼女の評価を考える上でプラスにもマイナスにもならない。というか、相当出来が良くてもプラスにはほぼならない。

よって、残るは=つまりは、「女優miwa」としてどうだったのかと言うことに集約される。

繰り返すが、歌姫役としてのmiwaは当然良かった。でも・・・。女優としての彼女がどうだったのかに関しては、残念ながら個人的には、どちらかと言うと低評価に近い。

作中において、インナーサークル内での彼女はとても魅力的でモテる、という設定になっている。

だが、演技面でもビジュアル面でも彼女では説得力が弱い。

まずビジュアル。顔立ちは確かにかわいらしい。少なくとも若手女性アーティストの中ではトップクラスと断じて良いだろう。

しかしだ、それはあくまで若手女性アーティストの中で、という但し書きが付く。真野のような女優には全く対抗できていない。

図らずも、恋愛面で親友ながらライバルともなってしまった役を演じたのが、その文句なしの美人たる真野だからして・・・。

そして、スタイルに関しては真野どころか一般人レベルと比較しても相当悪い。身長は149センチとかなり低く、平均並みでしかない真野ですら大きく見える程だ。それでいて小顔ではないので頭身バランスがかなり悪く、さらに手足も短く痩身でもないので、小顔痩身でスタイルもまずまずの真野と比較した時の落差がより誇張される結果にしかなっていない。


人は美人だからといって必ずしも好きになるわけではないが、真野を差し置いてイケメン2人から思いを寄せられるmiwaという構図に全く説得力がないのだ。

設定上そうなっているから、と言われればそうとしか言いようがないが、理論理屈でそうわかっていても、いざ映画で「絵面」として見せられると、そうした思いは彼方へとふっとばずにはいられない。

制作側が、多くの者が感じるであろうこの不満や疑問を減らすべく、miwa演じた役の人間的に魅力あふれるエピソードの1つ2つ盛り込むなどの工夫をするべきであったが、残念ながらそういったものはなかったと言わざるを得ない。これは明らかな制作サイドのミスだ。


で、容姿と共に物議を醸しそうなのが、miwa特有のあのキンキンした甘ったるい口調だ。

演技に関しては誰も彼女に凄いものを期待していないだろう。だとすれば、どこまで好感が持てるものであるかどうか、最低限、作品の質や役への説得力を損なわないものであるかどうかが、重要なポイントとなるが、残念ながらこの口調がネックとなってしまっている。そもそもの彼女へのマイナス評価となっている点でもある。

歌い手としての魅力にはなっていても、女優としての魅力にこの点は殆ど貢献していない。この点は、今作のように圧倒的にセリフ量が多い主役において多大なマイナスにしかならなかった。個人的に彼女の長広舌は演技べたさやセリフ回しの抑揚のなさも相まって、観ていてかなり厳しかった。さらに、これも演技巧者の真野の存在がこの問題をより深刻化させた。


以上、結論として、

映画全体としての出来は良かった。

故に、映画に対する歌姫miwaとしての貢献と、女優miwaとしての減点要素に関し、どう評価するか、折り合いをつけるかが、冒頭に書いたように今作に対する評価の殆どを担うように思う。

個人的にmiwaじゃなくて、真野と対抗できる女優でやるべきであったと思う。

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・評価:90点



<あらすじ>

福井県立福井中央高校に入学した、明るく天真爛漫な女の子友永ひかり(広瀬すず)は中学からの同級生かつサッカー部の憧れの男子であった孝介を応援したいがために軽い気持ちでチアリーダー部へ入部する。しかし、入部してみると、顧問の早乙女薫子 (天海祐希)の想像を絶する厳しい練習と規則で退部する生徒も出てくる。しかし、部長の玉置彩乃(中条あやみ)らチームメイトと支えあいながら毎日鍛錬に励み、最終的にメンバーの中心を務める重要なポジションを担うまでになる。チームを引っ張りながら、時に部員と対立し、時に泣きながらも、無謀ともいえる全米選手権優勝を目指して進んでいく。


正式上映2ヶ月程前ですが、業界人向け試写会にて先行鑑賞。関係者から、2015年に公開され大ヒットした「ビリギャル」に続けて的作品として位置付けていると事前に聞かされたが・・・。

「ビリギャル」が結構な良作で評価も高かったことから、正直「そりゃ無理だろう~」との思いしかなかった。そうそう甘くいくわけがないでしょうと。

しかし、観終わった後、逆に「ビリギャルに続けて」的位置づけに今作をすることが間違いであるとすら思えたのが率直な感想だ。

そう、あの「ビリギャル」を超える見事な作品であったことだ。間違いなく2017年、いや、5年スパンで考えても、新たな「矢口スタイル」的傑作の見本とすら思う。

以下、その点について書いていく。



既に書いたが、今作は、「スウィング・ガールズ」「ウォーター・ボーイズ」を筆頭とした、典型的「○○が(主に若者)マニアックな××に挑戦する」及びそこでの人間模様を喜怒哀楽やギャグ、挑戦する題材のうんちくや魅力をふんだんに織り交ぜて表現した、典型的「矢口スタイル」(上記作品の監督であり、この手の作品のパイオニアである矢口監督の名をとってこう称される)

ともいうべき作品だ。上戸・長澤・沢尻の3人の登場により始まり、宮崎・蒼井・加藤ローサ、上野・貫地谷・綾瀬といった85年生まれの女優や、新垣・堀北・榮倉・戸田・黒木・比嘉らといった88年生まれの女優らによって劇的に進化発展し、今なお続く「若手女優ブーム」

を確たるものとした、映画史的にも若手女優史的にももはや「王道普遍」の定番作品であり、邦画の伝統と言ってもいい作品だ。だが、「書道ガールズ」「シムソンズ」「恋は五・七・五」などなど、

上記矢口作品以降、若手女優を主役に配した同種作品が数限りなく作られているが、作風が故に安定した出来にはなるものの、残念ながらこれら作品を凌ぐ程の傑作はなかなか出てこないのが実情だ。既にしょっぱなとなる矢口作品で1つの完成形を極めたからだ。

それはさておき、当ブログでも何度も書いてきたが、この手の作品の出来不出来を考える上で重要となるのは、

・題材の面白さ及び、それに絡む知識・うんちく・醍醐味の適切な開陳
・盛り上げどころ、落としどころ及び喜怒哀楽の描写とそれを軸にしたメリハリのついた展開
・出演する役者の魅力や個性
・これらすべての集大成ともいうべき「クライマックスシーン」の出来

であろう。

逆に言うと、これらのどれかに関して瑕疵があると、良作・傑作にはなりえない。

では、今作においてそれらはどうだったのであろうか。

まず、「チアダンス」という題材は、女性の魅力や躍動感を明確に出せる、及び誰しもが知っているけれど知らないことも多い、という点で絶妙と言える。

そもそも、恥ずかしながら、「チアリーディング」と「チアダンス」が別物であることを、天海演じる「チアダンズ部顧問」が冒頭で説明するのを聞くまで全く知らなかった。

やや性急さが否めなくはあったが、「チアダンス」における「ダンスの基本4形」を含め、メイクや髪形といった蘊蓄の披露と、それと絡めたギャグパートや人物描写は中々に出来が良く面白かったと言える。

また、特にスポーツで且つ勝敗が必ず生じるこの手の作品に尽きものの、

敗北や仲間割れ、顧問との対立、怪我、更には青春作品的な恋愛や家族関係を軸にした起承転結・喜怒哀楽も、個性には欠けるし、少し盛り込みすぎな面もあったが、概ね良好であった。

ただ、ここまでだと今まで数多存在したただの「普通の作品」でしかない。今作が非常に素晴らしいものとなったのは、上記残りの2項目である、

役者の魅力とクライマックスシーンがとても素晴らしかったからだ。

役者は広瀬・中条という現役セブンティーン看板モデルで且つ若手女優筆頭格でもあるこの2人を軸として、協調性はないがスキルはある部員を演じた山崎、地下アイドル的で目立ちたがりな部員を演じた福原など、売り出し中の若手女優を活用した適切なキャスティングが秀逸。

そして、作品と同様女優としても成長真っ只中な彼女らをベテランの天海がこれまた作品と同様びしっと導き、締めることでより作品の完成度や面白みが増した。

こういう破天荒で独裁的でありながら人情味や人間味もある教師役は、天海だからこそ演じられたとしか思えない見事な出来。天海と、広瀬・中条が対峙する数々の場面における演技の素晴らしさが胸を打つ。演技の相乗効果による魅力の強化としか言いようがない。

広瀬は人気者、実力者が故に何かと叩かれまくっているが、やはりその実力・魅力がまぎれもなく本物であることを今作でも明確に示した。演技が下手とかと批判されるが、今作に出演した若手女優の中でもその存在感や表情の豊かさ、輝くばかりのスター性は群を抜いていた。

怪我で大会に出場できず裏方で皆を支えるものの、メンバーを送り出した後、悔しさや歯がゆさで涙を堪える場面や、海辺で落ち込み佇んでいる天海を見つめる場面での表情・演技は早くも今年屈指の名場面と言ってもいいだろう。「怒り」「海街diary」「ちはやふる」といった良作への出演を通し、広瀬の演技は飛躍的に進化成長を遂げた。

そして、もう1人忘れてならないのが中条。まだまだ経験が浅いこともあり、技量面では拙い所も多々あった中条であるが、この作品をよきものにしよう・少しでもいい演技をしようとする熱意はひしと伝わってきた点は高く評価できる。何より、抜群のスタイルと美貌を軸にした圧倒的な美しさと存在感は神かかっているとしか言いようがない。ただの白ニットとブラウンのロングスカートをはいてこれだけ超人的な美しさと神秘性を出せるものは、現状中条のみだろう。

レッスン着を着ていようが試合用のコスチュームを着ていようが、制服を着ていようが、カジュアルな装いをしていようが、〇〇の服を着ていようが、出演しているどの場面のどの個所を切り取ろうが、ただただ、その圧倒的な美しさを前にひれ伏すのみ。ただ存在している1点のみでこれ程画面に締りと華やかさを与えられる人は中々居ない。

広瀬やこの中条を観ていると、選ばれた者が出るべくして出てきただけとの意見しかない。今作に出演している他の若手女優らと比較しても、それ以外の同世代の若手女優らと比較しても、この2人の魅力・存在感は突出している。対抗できるのは、芳根・小松・二階堂・松岡といった面々ぐらいだろう。今年も間違いなく彼女らを軸として邦画シーンは突き進んでいくと断言する。

この2人及び天海を軸にした構成にした点は、製作側の大勝利と言えよう。

そして、この手の作品の醍醐味であり、それまで積み重ねてきたすべてが問われる「クライマックスシーン」・・・。

全米選手権決勝シーンにおけるメンバーのチアダンスは、同種「矢口スタイル」的作品の中でも歴代トップクラスと言える圧倒的な完成度と感動があった。もちろん、本職のプロからみたら至らない点が多々あろう。しかし、素人目には本当に素晴らしいものであったし、本職ではない面々がこれ程までのレベルに仕上げてきた点はただただ称賛しかない。これは映像で訴える「実写映画」だからこそ持ち得る魅力であり感動だ。広瀬や中条を始め、今作に出演した若手女優には頭が下がる思いだ。

是非ともこれはスクリーンで確認していただきたい。

ただ、今作が矢口スタイル的作品の新たな金字塔・基準軸とも言える程の出来であったが故に、少しの不満が残念ながら気にならずにはいられなかった。

1つは既に書いたように、序盤の展開がやや性急であったのと、いろんな要素を盛り込みすぎであったこと。

もう1つは、全体的に秀逸であったキャスティングにおける唯一のミス=ヒール役とも言うべきダンス経験者(バレエ)役に柳ゆり菜を起用したことだ。

柳そのものは綺麗だし、上昇志向の塊で他人を見下すヒール的役をそれなりに演じられていた。

しかし、柳が美人でも演技が良くても、県大会で上位に行ける程のバレエ経験者を演じるには、グラドル然としたむっちり体形があまりに説得力に欠ける。こんな体型のバレリーナなんて存在しない。健康維持や姿勢改善でやっているのならいざ知らず・・・。

今やグラドルトップの位置づけにある彼女の魅力は評価するが、何故にこの役に起用したのか、さっぱりわからない。もちろん、本職程の激烈な細さや筋肉である必要はないが、いくら何でもこれはない。

個人的には山崎と柳を入れ替えた方が良かったと思う。キャスティングには実力・魅力・能力・美貌以前の適性というものが絶対的にあるのだ。


と、文句も書いたが、今作は間違いなく今年の代表作。後に公開される作品にとって立ちはだかる大きな壁となろう。

広瀬・中条・天海らの雄姿を是非とも堪能して頂きたい。



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後編です。




☆2月18日

・スプリング、ハズ、カム


E-girlsのメンバーながら女優業への進出著しく、評価も得ている石井杏奈主演作品。

日本映画が得意としている「片親ファミリードラマ」ということもあり、結構期待している。
この手の作品は出演者の数が少ないこともあり、作品の成否を考える上で主演俳優の演技や魅力が重要となってくるが、どの作品でも良い演技をしている石井が故に期待が高まる。

メジャー映画でも大作映画でもないが、こういう小品で結果を残すことは女優として非常に大切であると思う。


☆2月24日

・ラ・ラ・ランド


今年のゴールデングローブ賞を総なめした話題作。監督があの「セッション」をやっていたデイミアン・チャゼルであることもあり、とても期待しているのだけれど、個人的にこの手のミュージカル的作品は苦手・・・。

あと、エマ・ストーンのビジュアルの劣化が・・・。まだ若いのに、スパイダーマン出演時と比べるとちょっとどうかと思う。


☆3月11日

・チア☆ダン


この新春公開予定作で個人的に最も期待しているのがこの作品。広瀬すず、中条あやみのセブンティーン看板モデルを筆頭に、期待の若手女優で揃えた今作。

内容的には典型的「矢口スタイル」作品で、若手女優の登竜門的・定番王道的作品。この手の作品は題材、話や演出の起承転結、そして役者の魅力の3つがうまくかみ合わないと傑作にはならない。

業界ではこの作品を「第2のビリギャル」的位置づけにしたいらしいけれど、果たしてうまくいくかどうか・・・。とりあえず、広瀬すずの今年初主演作であり、中条あやみ出演という2点のみでも期待が高まり過ぎるが・・・。


☆3月18日

・3月のライオン


あの人気の原作が実写化でどのようになるのか? とりあえず神木くんは合っているような気がする。ただ、大友監督は作品によって出来不出来が激しいので、不安が拭えない。


☆3月24日

・ひるなかの流星


今年もまた少女漫画の実写化が続くのか・・・。主役はここ1年で演技・ビジュアル共に成長著しい永野芽郁。期待しないで観ることになろうと思うが、良い作品であってほしい。


☆3月25日

・サクラダリセット


特殊能力にセカイケイ的要素も内包した、ラノベテイストの小説の実写化作品。なんか地雷作の臭いを感じずにはいられないが、どうあれ黒島結菜が主演なので絶対に観にはいく。「ストレイヤーズ・クロニクル」の二の舞にならなければいいが・・・。


☆4月1日

・暗黒女子


若手女優王道の、女子高を舞台にしたインナーサークルミステリー作品。とにかく旬の若手女優が目白押しの今作は、自分にとっては外せない。まあ、清水さんはそんなに好きじゃないけれど・・・。飯豊、清野両名に期待。


以上。他におすすめの作品がありましたら、お教えくださいませ。

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小休止的に今年新春公開予定作品の中から、個人的に観たいと思う作品、気になっている作品を紹介します。




☆1月17日

・奴隷の島、消えた人々

世間的なブームは去ったものの、定期的に良作を輩出し続けている韓流。日本と比べても、映画事業が国家から後押しされている実情もあってか、スケールや物量では日本の作品を上回る場合が多々ある。そして、日本ではなかなか出来ない韓国ノワールともいうべき暴力表現や社会派作品で傑作が多いのもその大きな特徴だろう。

知的障害者を人心売買で購入して過酷労働をさせる事実を取材している記者に起こった・・・。
興味をそそられます。


☆1月21日

・沈黙ーサイレンスー



遠藤周作の傑作同名小説を巨匠マーチン・スコセッシが映画化したヒューマン作品。小松菜奈、リーアム・ニーソンら個人的に好きな役者が出ているので期待したいが・・・。最近、この監督との相性が良くないのがね・・・。


・ザ・コンサルタント

表は弁護士だが、夜は悪に鉄槌を下すという王道ダークヒーロー作品化。ベン・アフレックのアクションに期待したい。


☆2月3日

・咲 -Saki-

東宝芸能の新鋭、浜辺美波主演のスポ根的麻雀作品。内容はちょっと期待できなさそうだが、次世代若手女優候補が出演することもあり、若手女優好きには気になる作品か。浜辺がいかほどのものをみせるか、楽しみだ。

こういう作品を欅メンバーでやればいいのにと、勝手に思ってしまわずにはいられない。



☆2月4日

・傷だらけの悪魔

主役の足立は別にして、学園ドラマということもあり、売り出し中の10代女優・モデル目白押しのキャストに注目か。カースト逆転のいじめリベンジという題材も気になる所。


・サバイバル ファミリー

「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」など、オリジナリティーと完成度と面白さと商業性とを高次元で兼ね備えてヒット作を連発し、「矢口スタイル」という定番を生み出した矢口監督久しぶりの作品。今までと毛色が違う内容、題材に不安もあるが、彼の手腕に期待したい。後、最近は脇で居ることが多かった葵わかながどういう演技を見せるかも楽しみだ。


・君と100回目の恋

「時をかける少女」を筆頭にエンタメ界に於いては多々傑作を輩出している「タイムリープ」もの。ヒロインがmiwaというのが悪い意味でかなり気になるが、脚本と演出がしっかりとしていれば良作になる予感大。

☆2月11日

・SYNCHRONIZER

役者は無名に近いが、脳波の研究者である男女の愛と狂気をSFのような要素を交えて描いたサイコスリラー、という内容は面白そう。


・一週間フレンズ

川口春奈主演の学園恋愛ドラマ。優れた美貌とキャリアを持ちながら、何故か不遇のままでいた川口。ただ、2016年以降はドラマや映画で主要役での起用が増えつつあり、少しずつではあるが評価されてきていると言えるのではないだろうか。

昨年の勢いをより加速させて頂きたい所であるが、作品の内容がら大いに不安がある。山崎賢人出演作で良い作品が少ないのが・・・。


☆2月18日

・天使のいる図書館

本屋勤務で図書館司書資格を持っている管理人として気にならずにはいられない今作。小芝風花主演のハートフルドラマということだが、こういう作品ははまると傑作になる可能性が高い一方、何かを間違えると救いようのない駄作になる可能性もある。

本を扱う立場として良い作品であって欲しいと切に願うところ。


・愚行録

貫井徳郎原作小説の実写映画化作品。妻夫木、満島のW主演を筆頭に豪華役者目白押しの今作。第二の「怒り」的作品になるかどうか・・・。


☆2月25日

・きょうのキラ君

監督が「近キョリ恋愛」を撮った人であり、更にはヒロインが飯豊まりえということで個人的には注目せざるを得ない作品。

どの作品でも健闘している飯豊が、本格的な映画主演となる今作でどれほどの演技とビジュアルを見せるのか、ファンとしてはとても楽しみ。

今、人気急上昇の中川くん、かっこよすぎ。


☆3月4日

・ハルチカ

橋本環奈主演の映画。



予告を観る限りかなり面白そうな予感があるが、KADOKAWA映画&橋本というと「セーラー服と機関銃」でのだめっぷりをトラウマ的に思い出さずにはいられない・・・。

今作もKADOKAWAにとって記念作品と位置付けられているようだが、「セーラー服~」と同様の世紀の大こけとならないことを本当に心から願わずにはいられない。

女優橋本としては、今作が正念場だろう。内容が良さそうなだけに、果たして・・・。


長くなったので今回はここまで。次回後編に続きます。





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引き続きやっていきます。



洋画よりは圧倒的にましではあったが、ここ数年と同様、少なからずの「傑作」と少なからずの「駄作」がある、という傾向に変わりはない。

ただ、1つ、2016年に顕著な動きは、「君の名は。」「この世界の片隅に」「殻の声」の3作に代表される「アニメ作品」が、洋画邦画の実写メジャー作品を凌駕する興行や評価を得たとこにあろう。

作品のスケールにおいても、映像の良さにおいても、役者の演技においても、作品の完成度や感動においても、この3作を凌駕する実写作品はなかったように思う。

そして、アニメ作品が支持・評価を得たもう1つの理由は、「アニメ」だからこそ良さや特性があろう。

人気コミックを実在の人間で演じさせた場合、どうしても違和感や不一致さが否めない。コミックではさして問題なかった人物描写や演出も、実写になったとたん、たちまち違和感が出てしまう例は、過去の作品が明確に物語っている。

しかし、アニメーションなら、コミックの作画レベルを維持・発展さえさせれば、見た目印象での違和感はなくなる。実在の人間でやらせると観てる方が恥ずかしくなってくるような演技も演出も、アニメだから許される可能性が高い。
(「君の名は。」のおっぱい揺れとかはその典型例だろう)

個人的な推測に過ぎないが、アニメ作品が支持を得た理由がこういった点にあったのではと思う。アニメならではの良さを存分に生かした・・・。それに尽きる。


さて、実写作品に話を移そう。


やはり、以前から言い続けている小説原作・コミック原作の実写化に伴う問題と「リメイク」「続編」「リバイバル」に伴う問題が、今年も極めて酷かったと言える。

大よそ考えられる作品のほとんどが映像化、もしくはアニメ化された今、「何でこの程度の作品を実写化したのか?」

との疑念や不満を拭えない作品が多すぎる。

「残穢」「セトウツミ」「変態仮面」「密のあわれ」「溺れるナイフ」「ライチ☆光クラブ」などなど、枚挙に暇がない。

これら作品にあるのは、


・何でこの作品を実写化したのかの意味・必然性・道理を感じ取ることが出来ない


に尽きる。


これは大きく分けて、


1・今の時代にやることの意味を感じ取れない
2・実写化に即していない
3・そもそも実写化する価値もない

があると思う。これら要素のどれか1つ、もしくは複数占めているのが今年の駄作に共通する点だ。


1つ目は「セーラー服と機関銃」「ライチ☆光クラブ」が典型例。この作品は3つすべてに該当するが・・・。

2つ目は「溺れるナイフ」「変態仮面」が典型例だろう。総じて、長期連載となった名作コミックは、2時間程度という映画の枠組み及び、実在の人間で演じさせなければという問題がある以上、それらの低減なくして良作、傑作になることはありえない。

3つ目は「残穢」や「セトウツミ」「クリーピー」が典型例だろう。めぼしい作品の殆どが実写化されてしまった実情もあってか、そもそも「わざわざ実写化するに値しない低レベルの小説やコミックを実写化」してしまう傾向が続いているが、そんな作品を通り一遍に実写化したところで面白くなるはずがない。

ただ、「青空エール」「ちはやふる」「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」「疾風ロンド」と、それなりの作品もあったわけだが、

これら作品に共通しているのは、「割り切りの良さ」があること。

コミックや小説の実写には様々な制約や問題が絶対的に付きまとう。

そのリスクを「実写化ならではの魅力」を提示しつつ、「残すべきところ、捨てるべきところ」をわきまえた作品構成をすることで「低減」させられた作品が

総じて「良い結果」を出している。


特に「ぼくきみ」と「疾風ロンド」「ちはやふる」はその点に優れていた作品だ。「ぼくきみ」に至っては、あの程度の原作を実写ならではの演出と役者の魅力・演技であそこまでの傑作に仕上げた点に感動しかない。

また、問題2にも関わるが、以前「少女漫画」の実写化の風潮が続いていることも問題だろう。ほぼ恋愛と学園ものに特化した薄い内容が故に、実写化しても全然面白くはならないし、主要役を演じている役者に対する違和感や不満が拭うことが難しい。山崎賢人や福士蒼汰が主演を務めた作品らは見事にその問題を露呈させただけだ。

「ちはやふる」「青空エール」は稀有な例外と言えるが、前者は役者の魅力と「矢口スタイル」に割り切った力技で押し切った且つ競技かるたを題材にした作品である点が、後者は「人を支え支えられることの尊さや感動」をうまく出せていた点が良かったからだ。

どうせ今後も少女漫画の実写化の動きがなくなることはないだろうが、だったら、せめて良い作品を作れよと思わずにはいられない。上記2作は、そのための参考例になることだろう。


さて、邦画に関しては1つとても気になった問題がある。既に各作品評価の際にも書いているが、

俳優の良さを制作側が台無しにしている「俳高制低」も言うべき問題が多々あったことだ。

若手女優ブームによる若手女優の魅力・能力の高まり。及びそれに引っ張られる形でここ数年でようやく少しずつレベルが高まってきた若手男優・・・。

だが、本来は役者を鍛え、その能力や魅力を開花させなければならない監督や演出を始めとした制作側がそれに応えているとは言えない。健闘した役者に対して、作品及びそれを構成する要素のレベルが低い。


「エヴェレスト」「怒り。」「クハナ」「クリーピー」「planetarian~星の人~」、特に「エヴェレスト」はこのことを痛感した代表作と言える。

往年の「スター女優映画」や「アイドル映画」は別にして、役者及びその演技は、あくまで作品を構成する1要素に過ぎない。役者がどんなに優れた演技をしようとも、優れた魅力を見せようとも、作品の質、演出の質、脚本の質といった点が良くなければ、意味をなさない。逆に役者の演技に稚拙さがあっても、脚本や演出といった制作面が優れていれば、良い作品になる。

だが、制作面での稚拙さを役者の演技や魅力で払しょくすることは絶対的に叶わない。

そして、独力でやっていける要素がある音楽・書道・絵画と言った芸術とは違って、俳優(声優含む)という仕事は、他者の成果や努力の上に乗っかる仕事で独力でやっていける要素がない以上、良い作品・良い制作者の存在なくして俳優が成長することはありえない。


安易な成果主義やら株主重視やら、短期で結果を求める今の社会的風潮もあり、じっくりとオリジナルの良作を作り上げていく、という映画の醍醐味がどんどんなくなり、人気コミックや小説の威光に頼った安易な作品作りが横行している。

バカな経営陣や投資家を納得させるには、こうした他の威光を借りた作品作りは一定以上の意味があるのだろうが、これが作品や俳優の質を高めるとはどう考えても有益であるとは思えない。

クールジャパンだの、ジャパ二メーションなどともてはやされているが、是枝監督が指摘しているように、一見の興行的成果に反して、映画業界を取り巻く実情は決して明るいものではないと思う。

状況が改善するまで言い続けるが、

・安易な実写化をやめること
・映画の制作者を育てること

が邦画の真の意味での復活を果たすための絶対条件だと確信している。


と、まあ、固い話は置いておいて、2017年、いい映画が1作でも出てくれることを心より願って2016年の総評を終わりとする。


次回は小休止で「新春鑑賞予定の映画」をやる予定。

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2017年、あけましておめでとうございます。何分多忙なのと、若かったころに比べ心身の衰えが否めなくなってきましたので、極めてマイペースな更新となりますが、今年もよろしくお願い申し上げます。


さて、映画総評も「総評の総評」に移ります。今回は洋画編。



さて、ここ何年も当ブログにおいて「洋画の質低下」を嘆き、批判しまくっているが、いよいよそれも、行きつく所まで行ってしまった感がある。

ドラマにおいても、映画においても、つまるところエンタメ分野において安易な「コミック・小説の実写化」「続編」「リメイク」「リバイバル」が横行しまくっている。それが確かに興行的な成功をもたらしてはいるものの、原作ファン・映画ファン両方から厳しく叩かれる要因になっていることは疑う余地がないだろう。

ただ、この動き。日本に顕著だと思われがちであるが、、実はここ数年のハリウッドも同様の傾向を見せている。

ざっと振り返るだけでも、「スーパーマンVSバッドマン」「メカニック」「ジャックリーチャー」「スターウォーズ」「レヴェナント」「バイオハザード」「君がくれた物語」「デッドプール」などなど、多数。

で、一部の例外中の例外というべき作品を除き、質が低く面白みに欠ける作品を量産しまくっている点でも日本と同様で、まさしく両国映画界に共通して蔓延している深刻極まりない問題と断じて良いだろう。

特に2016年のアメリカにおいて顕著なのは、今まではある程度以上の質を保証していた「アメコミ原作」作品の質が著しく低かったこと。アメコミ作品をそれなりに観てきた自分でも、2016年作品の惨状は到底耐えられるものではなかった。

何故そうなってしまったのかはいくつか理由があれど、世界的にポピュリズムや自国・自文化中心の風潮が強まる中、ある意味「パックス・アメリカーナ」を前提とした世界観に嫌気がさしたことと、

映像面での進化行き過ぎで鑑賞者がそれについていけない、そして、映像の凄さが品の完成度や面白さの向上につながるどころか、その「やりすぎ具合」に興ざめしてしまうからだろう。

映像面での何でもありは、結局のところ作品そのものの面白さや、「なぜその技術を用いるのか」という思想的な肉付けなくしては全く意味を成さない、ということを痛感させられたアメリカ映画の1年であったと思う。


そして、もう1つ大きな特徴として、「ノンフィクション」もしくはそれに近い作品の質が低かったことが挙げられる。

最低劣作品とした「ボーダーライン」、期待外れだったで賞とした「ブリッジオブスパイ」「レヴェナント」「奇蹟がくれた数式」

はこれら要素に該当する作品だ。

アメコミ原作の作品と同様、実在の事件や人物を題材にした作品は「安全パイ」の代名詞であった。しかし、そろいもそろってつまらない。出来が悪い。

「レヴェナント」は主人公の超人性や犯人とのやり取りがまるでドリフコント。「ブリッジオブスパイ」は日本でも人気でよく放送される「再現ドラマ」の超豪華版に過ぎず、作品を通して伝えたいことが伝わってこない。「奇蹟がくれた数式」はそもそもの題材ミス。

日本と同様、「実写映画化」に向いているのかそうでないのか。この時代で何で実写化したのかと、それを通して鑑賞者に何を伝えたいのか。

という点に関する考察や配慮が感じられないことが、駄作に至った主要因であろう。

「ザ・ギフト」や「ロスト・バケーション」「メカニック」「君がくれた物語」などの作品があったからまだよかったが、これら作品はお世辞でも「大作」とは言えない好きものがメインで観る作品だろう。

ハリウッドの大作は、昔程ではないが、映画ファンのすそ野を広げる上で少なからずの役割、責任を担っている。だからこそ、大金と有名役者を起用したこれら作品は傑作であってほしいのだ。万人が注目するであろうこの手の作品で駄作が多いのは、一般層の映画離れをもたらすだけで業界の自殺行為に等しい。で、ヒットによって大金を得られなければ映画も作れないし、役者も製作者もスタッフも育たない。2016年を筆頭にここ数年で顕著になったハリウッドの目も当てられない惨状であるが、遥か前からの、様々な関係各社の動きや業界全体の風潮の積み重ねがもたらした至極当然の結果であると言わざるを得ない。

2017年、ハリウッドの状況改善に期待したいが、難しいだろうな。

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いよいよ、メインの邦画編です。


<1月1日 選出を一部変更をしました>





☆最優秀邦画作品賞

・大賞:この世界の片隅に
・次点:ぼくは明日、昨日のきみとデートする
   :君の名は。

洋画と違い、邦画は佳作以上の作品が多かったように思う。これら作品以外にも、「ちはやふる」「古都」「怒り」「リップヴァンウィンクルの花嫁」「青空エール」「後妻業の女」などが良かった。

ただ、大賞は「この世界の片隅に」を選出。「歌バカ」やmixi時代を含め、アニメ作品を大賞にしたのは初。

不可能と思われたあの原作の雰囲気を、「サイドストーリー」を含め見事に再現しただけでなく、当時の時代の世相や生活、ミリタリー考証まできちんと反映させ、「映像」としての面白さや演出に見事につなげた点が本当に素晴らしかった。現政権だけでなく、世界的に保守主義やポピュリズム、復古主義やテロリズムの流れが強まっていく今の時代。為政者たちの美辞麗句で塗り固められた威勢の良い言葉に乗せられた結果の「あの戦争」で最も被害を受けた人が誰か? 心身ともに傷つくのは誰か?

そういったことを考える上で今作は何よりの指標となろう。「ほたるの墓」と共に、この先の日本に於いて永遠に語り継いで頂きたい歴史的作品だ。日本人なら観てほしい。

次点の2作のうちの1作も、今作と同様のアニメ作品「君の名は。」を選出。RADWINPSの音楽の良さに引っ張られた感があるが、それは彼らを選んだ製作者の力量として称賛されてしかるべき点だろう。歴史的興行収益が文句なしに示す、アニメ史に残るべき傑作だ。

この監督ならではオタ要素やエロチシズムを盛り込んだ「セカイケイ」の様相を見せつつも、いい意味で洗練されたように思う。中盤から後半にかけての圧倒的な勢い躍動感と、「まあ、このオチしかないな」と思える最後の場面には年甲斐もなくカタルシスと感動とを感じてならなかった。

それにしても、ここまでのヒットになるとは・・・。作品の公開規模や制作規模は確かに大きくなったものの、作風としては従来の新海路線とそう大きくは変わっていないだろうこともあり、細田作品と違って、特に若い世代からの支持を得られそうにないと、公開前から公開当初まで思っていたが・・・。実際は真逆で、若い世代らに支えられたが故の大ヒット。未だにこのブームを理解できていない。

次点もう1作は、まさかまさかの「ぼく明日」。原作は正直面白くなく、小松菜奈が主演している以外何一つ期待せずに鑑賞したが、個人的にドツボであった。

原作小説が凡作であった「疾風ロンド」もそうだけれど、映画ならではの「実写映像が故の面白さや説得力」を作品を通して見せてくれたことが良い結果に繋がったと思う。

今作ではヒロイン、小松の存在感と演技、そして、クライマックスへと至る映像と演出の巧みさがそれに該当しよう。

今作を含め、どうも個人的に時間や空間を超える運命の出会いや強固な人の縁を題材にした作品いめっぽう弱いなと、改めて感じさせられた。


☆最優秀主演男優賞

・大賞:岡田准一(「海賊と呼ばれた男」)
・次点:佐藤健(「世界から猫が消えたなら」)
   :鈴木亮平(「変態仮面2」)
   :大木民夫(「planetarian~星の人~」)

大賞は有力男優ひしめく中、ひとり別次元の役への力の入れ具合を見せつけた岡田君に。特に、作中年齢ごとに即した「加齢」の演技が見事であった。間違いなく彼の代表作と言えよう。

佐藤は相変わらず、同一作品内における役の演じ分けがうまい。いい俳優だ。

鈴木亮平はどの作品においても役作りの見事さが光っている点を評価して。ただ、「海賊~」は良かったが、「俺物語」や「変態仮面」では、彼のプロフェッショナルな姿勢が悲しいかな、作品で浮いてしまっていたのが残念至極。

大木民夫はとにかく、圧倒的な演技力と存在感とを評価して。これぞプロの声優、これぞ大御所ともいうべきものだ。すべての声優や俳優が見習うべき完璧な演技であった。


☆最優秀主演女優賞

・大賞:小松菜奈(「ぼくは明日、昨日の君とデートする」)
・次点:広瀬すず(「ちはやふる」)
   :黒木華(「リップヴァンウィンクルの花嫁」)
   :上白石萌音(「君の名は。」)

今年の若手女優シーンも非常に充実していたと言える。その中でも、小松・広瀬・芳根・吉岡・二階堂・中条といった面々の活躍が際立っていた。ただし、銀幕においては、演技と出演作両方の質の高さに関し、小松・広瀬の実質2強体制であったと考える。

小松菜奈はセリフ回しなどに課題はあるが、やはり超個性的なルックスに抜群のスタイル、何よりそれを柱とした圧倒的な存在感と多彩な表情が素晴らしかった。上記作品は、小松だからこそより作品の魅力が増したのだと断言できる。

小松・広瀬・芳根・二階堂・・・、若手女優ネクストジェネレーションの2017年での凌ぎあいも楽しみでならない。

黒木はさすがの上手さと存在感とを評価して。作品の質や世界観にマッチするとこの人は本当に強い。


☆最優秀助演男優賞

・大賞:豊川悦司(「後妻業の女」)
次点:綾野剛(「リップヴァンウィンクルの花嫁」)
  :香川照之(「クリーピー」)

大賞はうさん臭さ全開の「結婚コンサルタント所長」の肩書を有した極悪詐欺師役にこの上なくはまっていた。正直、ここ何年もの彼は、往年の2枚目的役どころとは無縁の怪しさ全開のそればかりなのだけれど、今やこの点で彼以上の者はいないとすら思う。

綾野は個人的に全く好きな役者ではないが、この作品での演技や「コウノドリ」での演技を観ていると、やはりうまい役者だなと痛感させられる。結局彼が演じた役どころの意味が理解できなかった点は作品評価ではマイナスとなったが、彼の演技そのものは見事であった。

香川は、はっきり言って作品は糞だったけれど、気持ち悪さ全開の演技があまりに素晴らしかったので選出。


☆最優秀助演女優賞

・大賞:宮崎あおい(「怒り」)
・次点:広瀬すず(「怒り」)
   :松岡茉優(「ちはやふる」)
   :志田未来(「青空エール」)
   :岡本杏理(「インターン」)
   :鈴木保奈美(「カノン」)

主演以上に助演のレベルが高かった女優シーン。

しかし、大賞は文句なしに宮崎あおい。85年の筆頭格であり、今日へと至る若手女優のけん引役としての存在感やうまさを存分に見せつけた。所謂普通のOL役や娘役をやれないのが彼女の致命的な欠点であるが、浮世離れした役や常人と一線を隔した役を演じさせたら、今や日本一だとすら思える。

広瀬に関しては、今までの役どころと全く違う極めて困難でデリケートな役どころを見事に演じきった点を評価して。宮崎という化物が居たが故に残念ながら次点になってしまったが、間違いなく2016年の映画シーンを代表する素晴らしい演技であったと思う。

人気者でシーン最前線で居るが故に、益々風当たりが厳しくなっているきらいがあるが、個人的には彼女は「選ばれた」人物・女優であると思っている。

松岡はクイーン役での存在感やいやらしさたっぷりの演技を評価して。広瀬との対峙は、「龍虎相まみえる」に相応しい見事なシーンであった。

志田はさすがの経験が物語る演技の上手さを評価して。彼女の存在が作品をびしっと締めていたと思う。

岡本は技量的には、ここで選出した女優の中で2ランクぐらい落ちるが、思いのほかの好演ぶりを評価して。「インターン」は実質彼女が主役だったのではと、新木ファンの自分でも感じた。

鈴木はアル中で壊れた母親役での壮絶な演技を評価して。ひっくり返りながら酒瓶くらい続けている場面は、観ていて恐怖すら覚えるほどであった。


☆「思いの他良かったで賞」

・大賞:ぼくは明日、昨日のきみとデートする
・次点:カノン
   :青空エール
   :CUTIE HONEY
   :古都

これは断トツで「ぼく明日」。50点行けば上々と思っていたのに・・・。凡作でしかない原作小説を、映像をしてここまでの内容に仕上げた関係者と小松の演技に感謝。

残りの作品もなかなかに良かったので、「観ず嫌い」で避けていた方にこそ観て頂きたく思う。「CUTIE HONEY」はCGに稚拙さはあるし、展開にも突っ込みどころはあるが、「CUTIE HONEY」という作品名を考慮せず、ただの1作品として観れば、そこそこよく出来ていると思う。西内、石田ニコルのビューティー対決も良し。逆に、このタイトルをつけた関係者の無能ぶりが嘆かわしい。


・管理人特別賞

・大賞:蒼あんな・れいな
・次点:佐々木千惺(「クハナ!」)
   :佐生雪(「風のたよりに」)
   :樋井明日香(「後妻業の女」
   :中条あやみ(「セトウツミ」「ライチ☆光クラブ」)

大賞は、「古都」で昭和女優的美しさと存在感を見せつけた蒼姉妹に決定。癖があるし、今の若い子たちにはひょっとしたら受けが悪いと思わないでもないが、こういうレトロな美しさは、懐古的な作品を業界が作り続ける限り求められると思う。今後の活躍に期待したいが、頼むから業界は彼女らを大切に育ててほしいと願わずにはいられない。

佐生は新木とはまた違う美しさを見せた点を評価して。この先の活動が楽しみな新鋭だ。

樋井は可愛さと見事な脱ぎっぷりを評価して。いや、ほんとこんなレベルの可愛さ・スタイルの良さを持つ人のあんなシーンやこんなシーンが観れるとは・・・。いい時代だ。


中条は、ただ立った居るだけで画面が締まる圧倒的な美しさを評価して。魅力はあれど、まだ代表作がないのが唯一の問題か・・・。広瀬と共演した「チアダン」でどこまでのものを見せるか・・・。一つ今後の活動を占うカギとなろう。






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今回から総評本編に入っていきます。

その前に、鑑賞作品に追加・訂正がありましたので、それをご報告をば。


☆洋画

・バイオハザードファイナル 80点
・ドント・ブリーズ 70点

☆邦画

・海賊と呼ばれた男 80点
・ぼくは明日、昨日のきみとデートする 90点
・桜ノ雨 50点
・古都 80点


を追加。洋画計16作品、邦画計43作、アニメ計5作の計63作品を対象に選出を行っていきます。今回は洋画編。



☆最優秀洋画作品賞

・大賞:ザ・ギフト
・次点:メカニック ワールドミッション

大賞は、王道の「ストーカーサスペンス」ものと思いきや、実は・・・。と人間の心理の様々な面やその隙を見事についた構成と、「ギフト」というタイトル以外の何物でもない見事な幕引きに脱帽。「不法侵入」を始め、ストーカーサスペンスには傑作が多いが、今作は新たにその列に加わるべき作品だろう。レベッカ・ホール以外はそう有名どころではないし、出演者も少ないが、予算や映像技術などなくても、設定・演出・ストーリーの妙で面白い作品を生み出せることの見事な見本例だ。

美人で頭が良く、意志も強いが、一方でお人好しでそうであるが故の無防備さ・危うさを見せる妻役を演じたレベッカ・ホールの美しさと存在感も素晴らしかった。


次点はジェイソン・ステイサムとジェシカ・アルバ主演のこの作品。正直1作目がそう面白い作品とは思わなかっただけにさして期待していなかったが、王道のアクション映画として完成度が高かった。

流石に加齢もあり、ジェイソンの風貌やアクションには往年ほどの凄みはなかったものの、アイデアや演出の妙が十二分にそれを補ったと思う。ジェシカの絶頂期を髣髴とさせる美貌・スタイルは殿方必見だろう。


☆最優秀主演男優賞

・大賞:ジェイソン・ステイサム(「メカニック・ワールドミッション」)
・次点:該当なし


う~む、毎度のワンパターン選出であることを承知でジェイソン・ステイサムを選出。他に良いと思える男優が居なかったし、良いものは良いということで。

いつも同じような役、演技と言われればそれまでであるが、文句なしにかっこいいし、独特且つ圧倒的な存在感はやはり俳優として評価されるべき点であると思う。

彼に関しては、演技にしてもセリフ回しにしても「無駄」がないところがいい。セリフがなくても表情と背中で語ることが出来る・・・。

いい役者だと思う。



☆最優秀主演女優賞

・大賞:ミラ・ジョヴォヴィッチ(「バイオハザード・ファイナル」)
・次点:ブレイク・ライヴリー(「ロスト・バケーション」)


大賞はこの作品をして最終作となった「バイオハザード」シリーズを15年近くに渡って支え続けてきたミラさんに。容姿面ではシリーズ開始時と比べ相当に衰えてしまっているものの、存在感は流石であるし、40歳を超えてあのアクションレベルは称賛に値する。この人なくしてシリーズは成立しなかっただろう。

次点は、出演ほぼ自身のみ、という究極のワンシチェーションパニックアクション映画のヒロインを務めきったブレイクに。

個性的な美貌と抜群のスタイルはほんと・・・。体を張りまくった演技も素晴らしかった。

次点には挙げなかったが、「きみがくれた物語」のテリーサ・パーマー、「ザ・ギフト」のレベッカ・ホールも良かった。


☆最優秀助演男優賞

・該当なし

きちんと探せばいるのかもしれないが、パット考えて誰も名前が浮かばなかった。


☆最優秀助演女優賞 

・大賞:モリーナ・バッカリン(「デットプール」)
・次点:該当なし

大賞は美人であることただ一点のみでモリーナを選出。それ以外に理由なし。



☆思いの他良かったで賞

・大賞:ロスト・バケーション
・次点:該当なし

スピルバーグの「ジョーズ」があるが故に、B級作品やパロディーは別として、中々「ジョーズ」ものの傑作が存在しない中、今作は「大傑作」とはいかないまでも、新たなひな形を作ったのではないだろうか。その点を評価して選出。

ワンシチュエーションで終始見せ切った作品構成や演出も良かったと思う。


次回は邦画の選出です。



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続いては邦画編です。




☆最低劣作品賞

・大賞:残穢
・次点:クハナ
   :ライチ☆光クラブ

今年に関しても、酷い作品が少なからずあったことは本当に残念であるが、とにもかくにも、この3作のひどさが突出していた。

大賞に関しては、原作の問題もあるのかもしれないが、怨霊なりに人に取り付いたり、取り付いた人を不幸にしたりするのは由としても、その根拠なりを示してほしい。例えば、べたなパターンで言うと、男に不幸な目にあわされた怨霊が幸せそうな女に取り付くとか、女性に対して酷いことをする男に取り付くとか・・・。

そういった筋立てや根拠がなく、怨霊がただただ女子供年寄り関係なく残虐に殺していった挙句の、あのオチと言うにもはばかられる幕引きに・・・。何の面白さも感動もなし。役者は一流どころばかりだけれど、ホント糞だった。

「クハナ」はとにかく、子役の魅力と奮闘ぶりを無にするあほすぎる大会でのオチが・・・。大人パートの存在意義や、地元の過疎及び産業低迷の問題を盛り込んだ構成にも甚だ疑問と意味不明さしかなかった。

「ライチ☆光クラブ」は中条見たさだけに観たけれど、まあ、自分が観るべき作品ではなかったなと。そもそも、30年以上前の強烈サブカルコミックを今の時代に実写化する意味を全く感じ取れなかった。

所々奮闘しているとは言え、残虐描写やホモ性描写もどちらかと言うと中途半端。出演男性が好きな腐な方々以外「誰得?」としか言いようがない作品。

と言うか、実写化の案が通ったこと自体がある意味異常だなと。



☆最低劣主演女優賞

該当なし


☆最低劣主演男優賞

・大賞:大杉漣(「密のあわれ」)
・次点:池松壮亮(「セトウツミ」)
   :L.JOE(「絶壁の上のトランペット」)


大賞は名脇役との評価も高い大杉。だけれど、彼の演技は個人的に全くいいと思っていない。目ひんむいて抑揚のないダミ声でしゃべっているだけ。

それでも雰囲気があるにはあるので、露出の少ない脇役でならまだいいのだが、セリフや出番が圧倒的に多い主演だと観るに堪えない。ひたすらに拷問であった・・・。


次点の1人は若手男優の有望株として評価が高い池松。だけれど、大杉同様彼の魅力も能力も評価してはいない。ぼそぼそとしゃべっているだけ。

大杉やこの池松、そして今クールドラマに出た岸谷五朗らといった個人的に低評価にする男優に共通することは、

「セリフを鑑賞者にきちんと伝える」という意識を演技を通して全く感じ取れないこと。本人は役作りの一環とでも思い込んでいるのかもしれないが・・・。

出来が悪いときの木村拓哉や山Pもそうなのだけれど、こうぼそぼそとしゃべることが役作りとか雰囲気作りとかと勘違いしている男優が少なからず、しかも主力級で居ることに虚しさしかない。どんなにいいセリフを言っていたとしても、全くそれに重みを感じられないのだ。

この辺りは、今年逝去された平幹二郎を大いに見習ってほしいと思わずにはいられない。彼らには「セリフ」の意味を改めて考えて頂きたく思う。

L.JOEに関しては、どちらかと言うと、彼を起用した連中が悪い。そもそも、実話を基にした作品でもないのに、沖縄土着の漁師の孫が韓国人という設定が理解できない。彼自身は健闘していたと言えるが、作品に即していないのは明らかで、更には韓国人特有の「さ行」発音のだめさが作品の質を下げてしまった。簡易映画評でも書いたが、この作品、きちんとした日本人男優が演じていたとすれば、佳作になったと思う。


☆最低劣助演女優賞

・大賞:大島優子(「疾風ロンド」)
・次点:石原さとみ(「シン・ゴジラ」)

2人ともとても酷かったに尽きる。作品に占める露出や役割の大きさに関して、やや上回っていた点のみで大島を大賞にした。

原作小説ではルックスもスタイルも良い美人スノーボーダーという設定であるが、大島のビジュアル、演技、存在感すべてがそれを否定している。元々良いとは言えないスタイルと、AKB在籍時より加齢で劣化しすぎたルックスは、申し訳ないけれど、銀幕の華やかなヒロインを演じるに値しない。と言うより、ギャグ。佐々木希や向井理が非モテ設定のキャラを演じる以上のミスマッチさ。


石原は、大杉と同様、どの作品でもただただ目をひんむいてわめくだけの演技に辟易。

「逃げ恥」のガッキーや「海賊と呼ばれた男」の綾瀬、「真田丸」の長澤、「怒り」の宮崎、「カノン」の比嘉愛実らと、今日に至る邦画ブーム、若手女優ブームの礎を築いた85~88年生まれの女優の存在感や良さが今年も目立ったが、その中で一人、女優としても人としても魅力や成長を全く感じ取れず、私的女優評価に於いて完全に取り残されているのが石原。

上記低評価男優よりセリフ面ではまだましだが、何のために演技をしているのか?という点での理解しがたさに関して、今の石原より酷い俳優はいないと思っている。今クール主演を務めた「校閲ガール」は評価された向きもあるが、まだましだった1話以降、「校閲」という面白い題材を作品に殆ど反映させられておらず加速度的に酷くなっていった内容に加え、石原・岸谷というへっぽこ俳優の演技も相まって、個人的には駄作でしかなかった。



☆最低劣助演男優賞

・大賞:ムロツヨシ(「変態仮面2」「疾風ロンド」)
・次点:浜田岳(「グッドモーニングショー」)

大賞は『』書きの2作でだめっぷりを見せたムロツヨシに。今年大活躍の俳優であることは間違いないが、彼は「個性派」ではあっても断じて「演技派」ではないだろう。

本人の意識や実力の問題なのか、それとも監督や演出側の問題であるか、さらにはその両方なのかは判断がつかないが、作品において一人「すべりまくり・浮きまくり」であるのに終始イライラさせられた。話題性はあるし、魅力のある人なのは認めるけれど、個人的にもう少し演技を磨いてほしいと思う。


☆期待はずれでしたで賞

・大賞:クハナ
・次点:エヴェレスト
   :planetarian~星の人~
   :残穢

大賞は、「矢口スタイル」的面白さや完成度であることを期待したのに、結果その真逆を行く酷さを存分に見せつけてくれた「クハナ」に決定。桑名が舞台で、愛知県の書店員として商売的にも期待しただけに、がっかりさはひとしおだ。ホント、あの終盤の出来が・・・。

「エヴェレスト」は出演役者や予告映像、原作小説の評価といったものから「傑作」であることに期待していたが、ただただ「役者の奮闘」と「映像美」以外何ひとつ面白さがない駄作となった。

総評にも改めて書くが、業界人相手の試写で一般人より早く鑑賞した今作が、2016年の邦画の悪しき特徴を象徴する作品になってしまうとは・・・。


「残穢」に関しては、「作品賞」の所に書いた通り。酷さと中身のなさしかなかった今作こそが、作中の怨霊以上のホラーであった。


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今年も残すところ10日。恒例の映画総評やっていきますよ。

今回はアンチ映画総評編。




・洋画編

☆最低劣作品賞

・大賞:ボーダーライン
・次点:リディーマー
    デッドプール

大賞は、映像やストーリー、演出に高い評価をする向きもあるが、個人的に全く感じるものがなかった、というか、ただただ退屈で稚拙なだけの「ボーダーライン」。

ノンフィクション的な要素もあり、アメリカとメキシコの麻薬王との激闘を優れたアクションと緊張感あふれる演出で描くと思いきや、実際の出来はその真逆・・・。

序盤、部隊の移動シーンを始めそれなりに緊張感があったものの、捜査官の女性が主人公と思いきや、後半殆ど存在感がなく、デル・トロ演じるコロンビア人の協力者がメインとなる後半の、そのあまりにグタグタな進行、演出、話に愕然・・・。

捜査官の女性を演じたエミリー・ブラントはミスキャストで且つ役作りもできていないこともあり、離婚歴のある複雑な経歴を抱えつつも、麻薬カルテルの捜査を任されるほどの優秀さも正義心も全く感じられないだめっぷり。

最後は、いくら優秀で数多くの修羅場をくぐってきたであろうとは言え、協力者の男性がたった一人で麻薬王の家に乗り込んで皆殺し、というリアル路線・ノンフィクション的路線を押し出した作品とは到底思えないトンデモ展開且つ後味悪すぎる内容。

麻薬問題の深刻さも、それと戦うことの困難さもさして伝わってこなかった・・・。

サスペンスアクションとしてはアクションが物足らなすぎ、かといって心理面や人間関係を描いたサスペンスドラマとしては描写が乱暴。リアル路線にしては最後がファンタジー過ぎ・・・。


次点のリディーマーは、主役男性の身体能力こそ凄かったが、ストーリーは全く理解できず、展開はのろすぎ。アクションは少なめで且つ、せっかくの身体能力を全くいかせていないたるい出来。


この両作品に共通するのは、何故にもっとシンプルでわかりやすくできないのか、ということ。

無駄な要素を盛り込みすぎた結果、どの点から見ても何の魅力もない作品になってしまった。


もう1作の次点は「デッドプール」。アメコミ作品はそれなりに安定した完成度を見せ続けていたが、どうもそれは昨年までで今年は振るっていない。今作はその象徴。

「リディーマー」とは意味合いや質が違うが、今作も無駄な展開や話が多く、観ていてなんらそそられるものがない。とにかく、ただただ会話も映像もがちゃがちゃしていただけのくそ作品。わずか1秒程であるが、文句なしの美人女優、モリーナ・バッカリンのおっぱいを観れる以外に見どころなし。


☆最低劣主演男優賞

・大賞:ベン・アフレック(「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」)

演技が悪いとかでは到底ないのだが、とにもかくにも、ブルース・ウェインを演じるには彼は暑苦しく、知的な印象がなさすぎるのが痛かった。


☆最低劣助演男優賞者

・大賞:エミリー・ブラント(「ボーダーライン」)

この人自身はダメな女優ではないのだろうが、今作で求められるであろう「複雑な心的問題を抱えつつも正義心のある優秀な捜査官」

というタフな役を演じるには、演技も見た目も全く合致していなかった。

これは当人の問題もあるが、それ以上に彼女を選んだ関係者が悪い。


☆最低劣助演男優賞者 ☆最低劣助演女優賞

 
 ・該当なし


☆期待はずれで賞

・大賞:奇蹟がくれた数式
・次点:ブリッジオブスパイ
   :レヴェナント

この3作も含め、鑑賞した洋画の半分はこの枠に入れてもいいぐらいであったが、苦労の末に厳選した結果、大賞は「奇蹟がくれた数式」にした。

今作を選んだのは、作品としては次点の2点と違って悪い・駄作ではなかったが、個人的な期待値が高かったから。

インド人が主役のノンフィクション的作品ということで、「スラムドッグ☆ミリオネア」のような作品を期待していたが・・・。

簡易映画評の所にも書いたけれど、結局の所、ラマヌジャンという人物を題材に映画を作ってしまったことが、とにもかくにものだめ要因。

彼の数学者としての凄さを押し出しても、一般人には全く理解できない作りになるし、かと言って、人間ドラマ部分を充実させるには、彼の人生の凄惨さがネックとなる・・・。

その両問題を克服して作品として面白いものを作ることは不可能だろう。でも作ってしまった・・・。それがだめさのすべて。今作を観終わったときの虚脱感足るやあまりに悲しかった。


スピルバーグとトム・ハンクスコンビが送り出した「ブリッジオブスパイ」も「シンドラーのリスト」といった作品に比べると小粒すぎ。

世界的危機を救ったかような人物を知れたことは良かったが、日本でも多くやっている再現バラエティードラマの超豪華版以上の評価・感想はなし。

娯楽作品である映画でやった意味が理解できなかった。過去の偉人の業績や人物像を通して、今の時代に、今を生きる人々に対して何を訴えかけるかが重要であるのに、その点が何らなかった。ようは、「それで、何?」「だから」との突き詰めがなされていない。

ほんと、ここ何年にも至るスピルバーグの凋落ぶりには・・・。


同じく有名監督・有名俳優コンビの「レヴェナント」も酷い・・・。

話が動き出すのが中盤以上で、それまでの展開がグダグダ過ぎるのと、熊との激闘を筆頭にとんでもない重傷を負ったにもかかわらず、漫画的な超回復ぶりを見せるのと、終盤のお粗末すぎる展開に唖然。往年のドリフのコントや志村コントかよ!!

全体的なつくりや構成はいたってまじめなのに、何故にこういうことになってしまうのか・・・。


総評にも改めて書くが、今年も洋画のレベルが低すぎる。このような評価:感想は2010年代になってからずっと続いているが、今年に顕著なのは、

アメコミ作品とノンフィク、もしくはそれに近い作品のレベルが低かったこと。ここで今回取り上げたのは、すべてノンフィク的作品だ。

ハリウッドのレベルが高い、それに比べ邦画のレベルが低いとのたまう輩が今でも多いが、もはや幻想に過ぎない。

今年は昨年よりも鑑賞数が10本以上も減っており、そもそも観たいと思える作品が少なすぎるにも関わらず、観た作品の半数が65点以下の低評価。本当に酷い。




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