Google「エイジングフィルタ」との付き合い方 | ニュースなど

Google「エイジングフィルタ」との付き合い方

【2006年4月25日japan internet.comより転載

「最初から SEO を考慮に入れて設計、

色々な検索キーワードで検索上位に表示されることを期待して

公開した Web サイトが、いつまでたっても Google に表示されない。

Yahoo!では比較的よい成果を生んでいるのに…。」

2004年以降、新規に Web サイトを立ち上げた際に、

こうした経験をした企業の担当者がいるのではないだろうか。

新規に取得したドメインで Web サイトを立ち上げても、

最初の一定期間(おおよそ6ヶ月)は適切な SEO を実施しても

Google に上位表示されない、これは SEO 業界にて

「エイジングフィルタ(Aging filter)」※と呼ばれている現象だ。


明確なメカニズムについて解明されているわけではないが、

少なくとも米 Google エンジニアも巷で話されている現象に相当する

アルゴリズムが存在すること自体は認めている。


検索エンジン用に隠して配置した大量の相互リンクによって

削除されるような検索エンジンスパムとは異なる性格のもので、

いわば"仕様・特性"のようなものだ。

エイジングフィルタが有効になっている間はサイト名称を除く

- 例えばキーフレーズなども含めて -

ほとんどの検索ワードで上位に表示されない一方、

その時間が経過すれば検索上位に表示されるようになる。


決して全ての新規開設サイトがこの影響を受けるわけではないが、

こうした現象に遭遇することは少なくない。


こうした仕組みを Google が導入した真の理由はわからないが、

おそらく、サイト開設と同時に自らが運営する多数の他の Web サイトから

大量のリンクを張ることで、最初から検索上位を独占しようとする

SEO マーケッターが増加したことへの対策ではないかと推定される。

理由は何であれ困ったことに、例えば新規に立ち上げる Web サイトへの

トラフィック誘導施策としてあらかじめ SEM を想定していたのに

ふたを開けてみたら Google からの誘導が全く行えないという事態になる。


幸い日本においては Yahoo!のサーチシェアが高いため

海外市場の企業が被るほどの深刻なインパクトはないが、

SEM の戦略設計の修正を行う必要に迫られるケースもあろう。

対処策としては色々な案が考えられる。


例えばドメインをあらかじめ取得しておいて一定時間は放置しておく、

既存のドメインに新たなホスト名をあててサイトを開設する、などだ。


もっとも、ドメインを取得して Web を開設することが半年以上も前から

あらかじめわかっているようなことはそうないだろうし、

サブドメインを用いるのも後になって面倒な処理が発生してしまうこともある。

結局のところエイジングフィルタに遭遇することはあらかじめ想定した上で、

その間は Google からの集客は全くアテにしない前提で

Web マーケティングを組み立てておく、というのが近道となろう。


あるいは検索連動型広告を併用する。


中小企業の担当者の場合はクリックに対して課金されない SEO が魅力的に

感じるかもしれないが、検索連動型広告で補完するという柔軟な考え方も必要だ。

※ 本稿では特に新規サイトについて現れる現象について述べている。

それ以外でも発生する似たような症状(これを Sandbox として区別する場合がある)

についての説明は割愛している。




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