ダッチワイフは電動コケシの夢を見るか?

ダッチワイフは電動コケシの夢を見るか?

残念ですが、貴方がお望みのエロエロな画像や動画などはありません・・・

Amebaでブログを始めよう!

空手バカボン -(おおもうけバカボン)



 もうそろそろ夜中の12時だけれども、僕はまだ起きてテレビを見ている。なんでかと言うと、今日はベビィおじさんが僕の家で留守番をしてくれてて、僕と二人きりだからだ。
 お母さんは今日、友達の雅美おばさんと一緒にお母さん達の知り合いのお通夜に行くことになったんだけど、そんな時にかぎってお父さんは夜勤の日(お母さんは川に洗濯に、お父さんは山に柴刈りに行ったんだよってベビィおじさんがふざけてた)だったりする。だからお父さんとお母さんは、お母さんのお兄ちゃんのベビィおじさんに僕の家の留守番を頼んだんだ。

 こんな事は一ヶ月に1回か2回くらいある。そしていつも楽しい。
 ベビィおじさんと2人で留守番する時、おじさんはいつも夜遅くまで僕が起きていても文句は言わないし、夜中にコンビニや散歩に連れて行ってくれたり、車でドライブに行ったりしたこともあった。でも、今日は違う。それは、あの黒とオレンジ色の本のせいだ。
 おじさんがいま読んでいるその本は『韓国人が暴く 黒韓史』という韓国の人が書いた本らしいけど、僕が読もうとしたらおじさんに、まだお前には早いと言われた。僕は物凄くエッチな本だからかなと思ったけど、覗き見したら難しい字だけの本なのでがっかりした。そして、そんな本のページを広げて、おじさんは死んだ魚の様な顔(顔じゃなくて目だっけ?)で眺めている。

 なあ、やっぱり全部同じ本だ。表紙だけじゃなくて中身も同じだよ。

 どうするのおじさん?


 おじさんは、さあ分からんと言うように両手を広げて肩をすくめたけど、『韓国人が暴く 黒韓史』はおじさんが手に持っている以外にも目の前のテーブルにまだ31冊も積んである。
 どうしてこうなったのかだって? そんなの僕に分かる訳がないよ。うーん違うな。こんなになっちゃった理由は分からないけど、どうしてこうなったのかだけは説明できるよ・・・・・


黒韓史





 最初の2冊に僕たちは全く気づかなかった。でもこれは、おじさんが女の店員さんの足に見惚れていたせいじゃない。靴屋で、しかも買った靴の箱の中に靴と一緒に本を入れられてるなんて誰が考えつく?
 そう、最初はその靴屋だったんだ。
 お母さんが雅美おばさんと渋谷で待ち合わせる事になったんで、僕たちも渋谷までついて行った。その後に、ベビィおじさんが新しいスニーカーを買いたいって言うから2人で靴屋に行って、おじさんは僕にもスニーカーを買ってくれた。

 男なら黙ってアディタスだ。俺とお揃いのキャンパスにしようぜ。

 じゃあ、僕は青色がいいな。


 でも僕の足に合うサイズの青色が無かった。だからおじさんと一緒の黒にしたんだけど、いま考えればこの時に僕が靴を買わなければあの本は1冊減っていたんじゃないかな? ああ、こう言うのをレバニラって言うんだっけ?
 そして僕たちは何も気づかず、店員の可愛いお姉さんから靴の入った紙の手提げ袋を受け取った。もしこれが他人事だったらおじさんは絶対にこう言うだろうな。イッツショータイム!って。

 そのあとにあの本が増えていく速さは凄かったなあ。
 おじさんの携帯電話が鳴って、なんだか突然おじさんの仕事仲間とかに会わなきゃいけなくなったんだ。そしたらおじさんはその人から包み紙を渡された。中身はあの本だったんだけど、その時は中身はなにかも聞かされないで受け取ったらしい。
 その仕事仲間の人からは5冊、でもその次は本とは別に受け取った書類をおじさんの取引先の会社に持って行った後も続くんだ。その会社でも5冊渡されて(これもズルイのが、お菓子の箱と一緒の袋に入れて僕に渡してきたんだ!)、結局僕たちが気が付いたのは帰る途中で寄った池袋のレストランでだった。

 ん?なんだコレ。全部同じ本じゃないか・・・・5冊とも。

 こっちのお菓子が入ってる袋の底にも何か別な包みが入ってるよ。


 ここで、靴の箱に入っている気が付いていない分もあわせると12冊。
 ただこの後も酷かったんだ。池袋駅についてやっと電車に乗ったら、知らない間に僕やおじさんの上着のポケットにあの本が何冊か入れられてた。それに手提げの紙袋にも!僕たちは全く気がつかなかった・・・・スリって言葉は知ってるけど、その逆はなんて言うんだろう。
 そうして出かけた時の何倍もの荷物を持って僕たちは家に帰ってきた。でもそのあとに、僕の家を何人もの人があの本を持って訪ねて来るなんて思いもしなかったけどね。


有頂天 -(心の旅)


 ベビィおじさんが言うには、これを押し付けてきた人達は決して嫌がらせや何かでくれた訳じゃないと言っている。確かにどの本も買ったばっかりの様に綺麗だし、ポケットとかにこっそり入れられたやつ以外の本には手紙の様なカードが挟んであって、大変に良い本ですぜひ読んでくださいとか、皆さんにも読ませてあげてくださいとか書いてあった。

 煙草が切れたんでコンビニに行くけど、一緒に行こうぜ。

 おじさん、一人で行くのが怖いんでしょ?

 そりゃそうさ。もし途中であの本を両手に持った奴が何人も叫びながら追っかけてきたら、俺は泣くぞ確実に。


 僕もそれは絶対に泣くな、うん。
 ベビィおじさんは上着を着ると立ち上がって玄関に向かった。僕も急いでパジャマから着替えておじさんの後ろについていった。
 おじさんが玄関のドアを開けると、ゴツンと音がして扉が一旦止まる。それ以上開けようとすると何かが擦るようなズズッという音がした。おじさんが半開きのドアから外廊下に顔を出すと、そこで動きが止まる。まさか両手にあの本を持った人が何人も立っているのかな。

 なあ、カッターナイフあっただろ?ちょっと持ってきてくれ。

 なんで?なにかいるの?

 いや、段ボール箱がある・・・・それも、向かいの部屋のドアの前にもあるな。ああ、このフロア全部の部屋の前に箱があるな。


 僕はすぐにキッチンの机の抽斗からカッターナイフを取り出してベビィおじさんに渡した。おじさんは僕に、俺が外に出たら扉を閉めて鍵をかけて離れてろといった。そして、何かあったらお母さんかお父さんの携帯に電話しろとも言った。
 長いなと思ったけど、5分位だったと思う。おじさんはインターフォンを鳴らして開けてくれと言うので鍵を開けてあげると、ちょっと大き目のダンボールを持って部屋に入ってきた。なんだか凄く嫌な予感がする。

 爆弾とかじゃないよね?

 狙われるような悪いことしてるのか?

 じゃあ何?

 本当は中身が何だか分かってるんだろ?


 おじさんはそう言うとダンボール箱の上の部分に貼ってあった紙を見せてくれた。その紙には手書きで、どうかこの可愛い子達を大切に育ててくださいと書いてある。おじさんがカッターでガムテープを切って開けたところから箱の中をのぞくと、あの黒とオレンジ色の表紙に白地の文字で『韓国人が暴く 黒韓史』と書いてあった。しかも箱ぎっしりに詰まっていた。








例の、沼にハマった埼玉在住の有名ブロガーであるシンシアリー女史の第三弾!しかも絶賛増刷中です!
いやぁほんと継続は力なりですね。つーかね、たぶんね、物を書きたくて書きたくて仕方ないんだと思いますよアノ人はw

さーて最新刊の『黒韓史』ですが、私すでに買ってますけど未だ読んでません(笑
実はですね、前作の『沈韓論』の時もそうだったのですが同書以外の本も同時に何冊か買ってしまいまして、今回は更に大型書店に直で買いに行ったもんですから浮かれて馬鹿買いしちゃいまして。
で、脳味噌ツルンツルンの私に何が起るかといいますと、前作『沈韓論』の時には同書と並行して冒険小説も読んでいたもんだから・・・・読んでいるうちに「あれ?主人公は檀君神話の秘密を知ってしまい、そのせいでIMFに追われながら宿敵の日帝極右集団とセウォル号の船上で戦うんだったっけ?」などとワカメな事になってしまうんですよコレが。

なもんで今回の『黒韓史』は他の本とは並行読みをせず、じっくりと楽しんで拝読させていただきます。まぁ結局は何度か読み返すんだけどねw