【海外鉄】チェコの美濃町線
テーマ:駅長岐阜から美濃・関を結んでいた名鉄美濃町線は2005年に廃止されたが、今なおこの路線に何らかの思い入れを持っているファンの方も多いのではないだろうか?都市間を路面電車型車両で結ぶというインタアーバンとしての面白みに加え、旧道というか、狭い生活道路を大きな鉄道車両が、しかもあまり状態の良くない軌道上を走るという、特異で長閑な光景が気に入り、何度も訪問された方もあるだろう。
こうしたヘロヘロ軌道を走るインタアーバンは、かつて美濃町線以外にも、花巻や福島などが昭和40年代まで残っていた。現在は、土佐電鉄にかろうじて、その片鱗を伺うことができるだけである。
かくいう筆者も、こうしたヘロヘロ併用軌道が大好きな1人である。美濃町線のヘロヘロ軌道が好きだった同業者の多くは、現在は撮影対象を変えたりしているのだろう。ところが筆者は、日本では十分に味わえなかったヘロヘロ併用軌道の面影を求めて、困ったことに対象を世界に広げていったのである。
これまで訪れた中で、感慨を受けたヘロヘロ併用軌道は、ディーゼルであるがタイのメークロン線と、イタリア・ミラノのデージオ、リンビアーテ線である。いずでもこのブログで紹介しているはずだ。ところが、それ以上のヘロヘロ併用軌道がチェコのリベレツにあるらしい、という情報が入ってきた。たまたま、今年のGWにドレスデンに用があったので、それをチャンスにチェコのリベレツまで足を伸ばして見てくることにした。
リベレツというのは、チェコの北部、ドイツとポーランドの国境近くにある人口6万人の都市である。ここには路面電車があるが、南部に10kmほど離れた衛星都市であるヤブロネツまで郊外線が延びており、この路線が美濃町線とそっくりの雰囲気という。
なお、リベレツまでは首都のプラハより、ドイツのドレスデンからの方がはるかに早く、便利である。このあたりの話は、実に興味深いのであるが、本論から外れるのでここでは述べない。
さて、リベレツからヤブロネツまでの路線のほとんどはこんな感じで、道路の脇を走っている。
この雰囲気自体も美濃町線を思い出させてくれて悪くない。
ところが2箇所ほど、こうした国道を離れて、旧道沿いに走るところがある。そうした場所が実に雰囲気が素晴らしいのである。
まずは、野一色。
300mほどの区間であるが、幹線道路から離れ、さらに生活道路に入り込んでいる。この先は併用軌道ではなく、新設軌道になっている。
次は上芥見である。
幹線道路から脇道に入り込んでいく路線の形態は、まさに、上芥見を彷彿とさせる。
ここは旧道であろうか、やはり200mほど、狭い道路沿いに軌道が敷かれている。所々、はげた舗装や朽ちかけそうな民家が実に良い雰囲気である。
上記の場所から、反対を見ると、こんな感じである。なんとも雰囲気が宜しい。
仲間の集まりで、この写真を見せたところ、さっそく夏の旅行に予定を組み入れる、という友人も出てきている。
ところで、ここに載せた4枚の内、3枚が18という車号なのだが、実はこの車両、極めて貴重な車両なのである。
東ヨーロッパの旧社会主義国は、コメコンの分業体制で工業製品の製造を分担したが、その中で路面電車の車両を製造して供給したのがチェコのタトラ社であった。なかでもアメリカの無音電車であるPCCの技術を受け継いで製造したT3形は14,000両も製造され、これらのどの国でも見られる標準車となった。
T3という形式があれば、その前にT2形があるだろうことは想像がつく。このT2とT3のどこが異なるか、まだ調べていないが、T3の試作的要素を持つT2は、すでに10年前程前にチェコの4都市にわずかな数が残るだけとなっており、現在では、もはや稼働車はないと思われていた。
ところが、そのT2が残っていたのである。帰国後に調べると、どうもこの2両が世界で最後の現役車、らしい。なぜ、今回、T2の写真を3枚載せたか、といえば、良い場所で狙っていた時にちょうどこの車両が来たからなのである。
1枚だけでも恵まれているのに、何度も撮影のチャンスがあったのは、幸運以外の何ものでもない。
こうした雰囲気の良いヘロヘロ併用軌道は、ポーランドや旧ソ連邦の国々にあるという。さすがに旧ソ連邦の国々を訪れることは難しそうだが、ポーランドくらいならそのうちなんとかならないかな、などとも思っている。(駅長)
最近の画像つき記事
[ 画像一覧へ ]-
162.紀勢本線 俯…
05月28日
-
【海外鉄】瑞西のパノ…
05月26日
-
‘非 旅客’ネタ …
05月25日





















































