デフレからの脱却などと言われていますが、中小零細企業は絶対に値引きやおまけをしてはいけません。

 

値引きやおまけは誰を幸せにするのでしょうか。

 

そんなお話を動画でアップしました。

https://youtu.be/qjDYcsdTtSo

 

ぜひ、ご覧ください。
ユーチューブをお気に入り頂けましたら
『チャンネル登録』を頂けたら幸いです。

 

高萩徳宗

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ゴールデンウィークの前半はポルトガルでしたので
後半は、脳みその中を整理しています。



総務省統計です。(日本の人口推移)


日本の生産年齢人口は減少の一途。
高齢化が進み、シニアビジネスが活況と言う
声が大きくなっていますが、
高齢者向けのビジネスの
最前線で仕事をしている私から見れば、
上っ面の安っぽい議論にしか聞こえません。

商いをする私たちにとって、高齢化はリスクでしかありません。
元気でお財布にお金をじゃらじゃら入れた高齢者が
街を闊歩しているなんてのは幻想。

目の前で介護や病気へのリスクに直面し、
不安と恐怖におびえているお客様がここ数年、
明らかに増えています。



●陣地を拡大したいのは、男の性

自分を世間に認めさせるには、
成功者として尊敬されるには、

陣地をどれだけ取れるかという戦国武将のような
ビジネススタイルが尊ばれるのでしょう。

でも、私思うのですが、
人口減少の局面で、それでも売り上げを増やせと
社員に命じるのは、

1 他社からお客様を奪い取る
2 社員に大きな負荷をかけて無理をさせる
3 お客さまを騙すか恐怖を煽るか、お得だと誤認させる


人口が減るのだから、
そして、デフレが進行しているのですから、
(旅行業界ではここ数十年、ツアー代金は下がることはあっても
単価が上がった話は聞きません)

対前年95%、対前年90%と言った「経営のダウンサイジング」は
経営者にとって大きな決断ですが、やってみる価値はあると思います。


●ダウンサイジングとエッセンシャル思考

なんで、こんなことを書くかと言うと、
世の中で今、ブームになっている「働き方改革」、
私は「働かせ方改革」だと思いますが、
論点がずれまくりで、こんな議論を日本全体でやっていては、

10年経っても、
20年経っても、

日本は変わらないどころか、どんどん悪くなっていくとの
危機感を抱いているからです。

小さくするのは勇気がいることです。

カッコ悪いから。
あそこ、大丈夫なの、と言われるから。


残業なんてやめましょうよ。
残業やめても会社はつぶれませんから。

意味のない無駄な会議も、
管理職が延々、演説をぶるだけの朝礼も、

やめてみませんか。

生産性を上げるのは、
働いている現場の人の努力だけではできません。
上層部から仕事の邪魔が延々と投げ込まれるからです。

「●●君、ちょっといいかな?」(良くねーよ)
「▲▲!、会議資料は出来たのか?」
(勤務時間の50%が会議資料作成に費やす時間だよ、仕事させてくれよ)

さんざん、部下の時間を奪い、仕事のペースを乱して、

「おい、どうして今月はこんなに数字が悪いんだ!」
(社長、おまえのせいだよ)


拡大志向の経営者の方からは猛反発を受けてしまいそうですし、
売上がなければ、給与の原資も増やせないと言う反論もあるでしょう。

でも、何のために会社を経営しているのかを
ちょっとだけ立ち止まって考えてみませんか。


業容拡大を「目的化」しないで欲しいのです。

雑誌や新聞で取材を受けると
「来季の目標売上は?」と聴かれます。

売上や取扱高が目標?目的?


自社が

 

「余人を持って代えがたいサービス」
 

を世に送り届けていれば、営業マンに負荷を掛けなくても、
売り上げは伸びるはずです。

たとえば、経営を、選挙の1票にあてはめてみませんか?

自社のサービスや経営理念が「公約」です。
日ごろの勤務態度やサービスへの評判が「評価」です。

「私に一票入れると(サービスを買うと得しますよ)と、お得感をアピールするのは有権者への買収です。

「30分以内にお電話を」は「買わないと後悔する」と恐怖を煽る、政治で言うと「自分に投票しないと仕事がなくなるよ」と
言うのと、やっているのは同じことです。

選挙で頂けた得票が、自分の会社の売上です。

政治家なら、選挙の時だけ有権者を煽れば、
あとは知らんぷりで良いのかも知れませんが、
経営はお客さまとずっと付き合わないといけません。

値引きだおまけだ期間限定だと煽り続けて、
お客さまは、これから先、いったいどこまでその「煽り」に
付き合ってくれるものなのでしょうか。

やならければ敵からやられるだけだ。
そうかも知れません。

私が言っているのは理想、空想だと言われればそれまでですが、
近江商人が徹底していた原理原則の商いは煽りでも
値引きでもなかったはずです。


社員が家に帰れない、クレーム対応で疲弊する、
休日も家族と過ごせない、祝日に渋滞にまみれてしか、
旅行に行けない。
上司からの圧力やストレスで心を病む。


無理な負荷が掛かる会社の業績拡大、売り上げ増大が、
働く社員のためになっているとは
どうしても思えないのです。

こんなに働かせて、社員がくたくたに疲弊して、
日本の幸福度は先進国最低で、
大人も子供も自殺してしまう社会で、商売をしていて、

あなたは、
自社の売り上げだけが伸びれば、それで満足ですか?

私は会社を大きくすることが不得意な経営者なので、
負け犬の言い訳みたいなオピニオンですが、
会社を大きくすることが、とても上手な経営者の方に、
どうしても言いたいのです。

社員やその家族を犠牲にした『業績拡大』などやめませんか。
日本人、みんなが疲れ果てています。

日本はおかしい。


年間3万人が自殺する社会。
中高生だけでなく、小学生までが命を自ら断ってしまう社会。

こんな社会に誰がしたのでしょうか。
子供たちの世界は、大人の社会を映す鏡です。

拡大志向が犯して来た、社会のひずみを修正できるのは
政府でもなければ政治家でもありません。

会社を経営している人の意識改革でしかないのです。

 

 


ここで儲けなきゃという気持ちは分かるのですが、
お客様の側は、常に支払った対価に対しての価値を見る訳で

「この値段でこのサービス?
まあ、ゴールデンウィークだから、仕方ないのか」
 
くらいは思ってくれても、

「次はないよな」

と、もう二度と来ないことで無言の抵抗をします。

これって、
目の前の現金をお客様の財布から奪い取ることには
成功できても、
長い目で見て、リピート客が期待できず、
悪い評判をSNSに書かれたりすることで、
最悪の結末へ一直線だと思うのです。

資本主義経済って目の前の現金がすべて、
みたいな所からは永遠に抜け出せない。

 

夢と魔法の国を揶揄すると、ファンから怒られてしまいそうですが、どんなに感動のサービスを売りにしても、
アトラクションが270分待ち、ジャンクフード買うのに60分待ちが
常態化するようでは、リピーターは減るばかりです。

 

あの、魔法の国ですら減収減益です。


経営陣がお客様、特に小さな子供を連れたお母さんやお父さんの心理を無視して、収益を最大化することにのみ突き進むと、
こういうことになります。

 

お客様は正直です。

株主利益を最大化させないといけないサラリーマン経営者は
大変だとも思います。

 

経営の自由度なんてないに等しいでしょうから。

サラリーマン社長のもとで働く社員はもっと気の毒です。


切ないですね。

どうしたらいいのだろう。

 

 

●お客様の体がどんどん動くように

私のブログの読者には、
介護や福祉の専門家も多くいらっしゃると思います。

お医者さん、看護師さん、理学療法士さん、作業療法士さん、
ケアマネさん・・・。

今回、ポルトガルにご一緒しているお客さまは
ベルテンポの旅は3回目。

 

車イスから立ち上がることは出来ないのですが、
明らかに昨年のスイスの旅よりも足が動いていて、
食欲も増しています。

リハビリの先生にも
「股関節など、明らかに可動域が広がっている」。と
言われたそうです。

年齢やご病気のことを考えると、凄いことです。

今回、車イスから立ち上がろうとする場面が多々あり、
娘さんを驚かせています。

「いやいや、お母さん、立てないから(笑)」。

食欲も旺盛。
そして食べたいものをはっきりとおっしゃいます。

人間、食欲がある限りは大丈夫。
そう思わせるに充分なほど、本当に良く召し上がります。

朝ごはんの時もフルーツをプレートにたくさん。
お昼もあんこうのリゾットやタコの炭火焼きを完食。

顔色も良く、本当に気持ちよいくらい召し上がります。
もちろん、ご自宅ではここまで食欲はないそうです。

旅の力は本当に凄いと、お母さまを拝見していて
つくづく感じます。

ベルテンポが凄いのではなく、旅の力が凄い。

そして、お体がこんなに大変な状況でも旅をしたいと
考えるお母さまと娘さんが凄い。

ベルテンポはそのバックサポートです。
黒子のように、石畳を車イスで進むのみ。
(良い汗をかきました)

 


   坂道って、車イスを押していると、その角度が結構なことに気が付きます。

 

この道20年、石畳もお任せください。(笑)

 

 


●旅のスタイルは色々

私は日本に1万社もある旅行会社が、
そろそろ「昭和のバブル時代の旅行のあり方」を卒業して、
お客様に「お損」を煽るのではなく、
それぞれの旅行会社各社の個性と強みでお客様に
旅を提案して欲しいと思うのです。

・食べることに特化した旅行会社
・世界遺産にどこよりも詳しい旅行会社
・植物の名前なら必ず答える旅行会社
・いつも必ず晴れる旅行会社
・コンパニオンの質に自信がある旅行会社
・石畳の車椅子アテンドに腕を持つ旅行会社
・ガイドブックに載っていない場所専門の旅行会社


リスボンのガイドさんが、おっしゃっていました。
旅行業界への苦言です。

旅行会社は「売れる商品しか売らない。」

私もカナダでツアーガイドの経験があるので、
リスボンのガイドさんがおっしゃることは痛いほど判ります。

 

現場の最前線でお客さまをご案内されているガイドさんは
「もっとこうしたらよい旅になるのに」と考えています。

 

日本でエアコンの聞いたオフィスで、現場を知らずに
企画された商品は、現場のガイドさんからすると
「良心の呵責と戦いながらご案内をする」ことも多いのです。

 

でも、現場がそんなことを指摘しても聴く耳を持ってくれず、
現場目線の良い旅を提案しても、旅行会社の答えはひとつ。

「そう言うツアーは売れないんです。」

 

売れるツアーと良いツアーは違う。
これが現実です。

 

この現実に流されるのか、
理想を目指して踏ん張るのか。

 

私たちは旅を生業とするプロとして試されています。



ガイドさんは「売れない、売れないと嘆いているのではなく、
それをお客様にきちんと伝えるのが旅行会社の仕事だ」
と言います。

現場の最前線でツアーガイドをされていると、
日本の旅行会社本社がどんどんコストを削られていることを
肌で感じます。

ホテルのランクを下げ、
レストランの予算を下げ、
イヤホンガイドすら使わない。

売値を安くして、中身を削って、誰が幸せになるのか。
何のためにそんなことをするのか。

 

「安く、お得な旅を作って売るため」です。

 

気持ちは分かりますが、とても残念です。
残念としか言いようがない。

 

私は低予算の旅があっても良いと思います。
でも、今の旅行業界は、
「あと1万円払うから、美味しい食事がしたい」とか
「あと2万円払うから、私の希望を取り入れて欲しい」
というオーダーに正面から向き合っていません。

 

丁寧にお客様の声をくみ取る旅行会社は
本当に限られます。



私が今回に限らず、旅に込める想いは、

「お客様に、その国を好きになってもらうこと」

美味しくて、楽しくて、
素敵な人と出逢えた旅は、良い旅です。

帰国したらお客様に

「ポルトガルっていい国ですね。好きになりました。」

と言って、会社の人、親戚、友達に話をして欲しい。

素敵な土地と人、お客さまを繋ぐのが私たちの仕事です。
安く、お得な旅なら、お客様ご自身で組み立てられるのです。

 

 

遊園地ではありません。イワシの缶詰屋さんです。

棚に詰まっているのはすべてイワシの缶詰。

 

リスボンにて。