2005-05-15 00:53:42

ウンチク店主は是か非か?~四谷「浅間」の日本酒問答~

テーマ:日本酒

ウンチク、というのはTPOをわきまえて語らないと、往々にして

ウザッたがられるという悲劇が待っている。

よっぽど知識に自信があるのならばともかく、プロの前で下手な知識をひけらかすと痛い目に会う、こともままあるだろう。

やっぱり十四代はウマイね、米は山田だね

なんてことをうかつに言ったとしよう。

普通の店というのは「もう一杯、いかがですか?」と言う。

いい店というのは、「雄町もうまいですよ」と他の十四代を勧めてくれる。

悪い店というのは「いやー、十四代は見せ酒というか一応、リクエストがあるんで置いてるんですけど…。個人的にはあんまりおすすめしませんけどね」とか言って突き放す。

気分台無し、である。

しかし、世の中にはもっと恐るべき男もいる。

「じゃ、ちょっとこれ飲んでみてよ。さっきの十四代の山田と飲み比べてもらえばわかると思うんだけど

九平次さんの山田は…なんたらかんたら…それで、長谷川さんのところで…なんたらかんたら…東一の勝木社長が…なんたらかんたら…種麹は…なんたらかんたらYK35で…なんたらかんたら」

ってな感じで、日本酒の知識がない者にはサッパリとわからない話を延々とし出す、のである。

しかも、我々は彼が話し終わるのを待たないと酒にありつくことが出来ない。

いや、勝手に飲んじゃってもいいんだが、あんまり熱心に話すので、

ちゃんと聞かないと申し訳ないのかなぁ、という気になるのだ。

asama

それが四谷3丁目にある地酒「浅間」という店の若き店主・畠山氏であったりする。

彼の日本酒にかける情熱は素晴らしい

話の端々に日本酒に対する愛を感じる。

日本酒講座を聴きに来たのであれば、充実した時間を過ごすことが出来るだろう。

料理も日本酒にあった素敵な和食がずらりと並ぶ。

日本酒もお任せ、料理もお任せ

しかも、日本酒で有名な三軒茶屋の「赤●」某店と比べても、

リーズナブルな価格、品揃えも文句なし

日本酒好きなら満足すること間違いなし、の店である。

しかし、そんな素晴らしい店をこのblogで紹介するわけにはいかない。

「浅間」のアキレス腱が二代目店主・畠山氏なのである。

とにかく語る、んである。

新しい酒を持ってくる度にひたすら語る。

我々、お客さんたちがその時にどんな話をしていようが

お構いなしに語りを入れる。

初めて訪れる人はおそらくド肝を抜かれるに違いない。

「なぜこの人は一切の空気を読まずにこんなに語るのだろう?」と。

ただ知識をひけらかすだけのウンチク野郎であれば、こんな不快な店はないことだろう。

しかし、畠山氏の場合は自分の知識の自慢をしたいわけではない。

ただお客さんたちに日本酒のことをもっと知ってもらって、もっと好きになってもらいたい、

その気持ちが彼特有のサービス精神となって表れているのだ。

これはちとややこしい。

向こうはよかれと思ってサービスしてくれる。

こちらからみると過剰サービスである。

はてはて、困ったモンである。

ちなみに私の知り合いには、お客の知識に真っ向からケンカを挑むバーテンがいる。

彼はお客の半端な知識には厳しく、やりこめてしまうのだ。

それは、客からするとひどい仕打ち、であるが、畠山氏の場合はあくまでもサービスの一環なのである。


ちなみに『散歩の達人』(1998年12月号)に以下のように紹介されている。


二代目に目を向けると、なるほど確かに“銘酒界の書生”といった風情が。
お酒について尋ねると、造りから風味の特徴までを、誠実かつ熱心に教えてくれる。それが、またおもしろい
そんな日本酒談義をしつつ味わう銘酒の肴は、全国各地の旬の幸を使ったホッとするようなお袋の味…


さすがに雑誌だけあって、気をつかって書いてますね。

最初はありがたがって聞いていた話も、3度、4度と店を訪れる度に

ちょいとウザったくなってくる

でも、美味しいお酒は飲みたいから店に入ってみる。

やっぱりウザイ

でも行く

なんてことを延々と繰り返していると

彼の話も酒のつまみ、のように思えてくる。

つまり、詩吟だとか浪曲といったような伝統芸みたいなものである。

そのうち、日本酒オンリーのある意味でつまらない話が面白く思えてくるようになるのだ。

話が面白いんではない。(彼は残念ながら話を面白おかしく聞かせる才能には乏しいんである)

ひたすら真面目に話している畠山氏の素晴らしさに感動を通りこえ、その畠山節に思わず唸ってしまうのだ。

感動と笑いは紙一重ですな。

独りでしみじみと酒を飲みたい、なんて時にはちょいと似つかわしくないが、

畠山ファミリーが奏でる家庭的な雰囲気は、ちょっと日本酒が好き、くらいの人を誘って行くと喜ばれるかもしれません。

ざっくばらんに日本酒の話が聞きたい、なんて時もいいでしょう。


いろいろと語る店主は世の中に五万と存在するが、これだけ情熱をもって語る人間はそうはいないはず…

世の中にはいろんなB級がまだまだ眠っているんである

●地酒 「浅間」
東京都新宿区四谷3-7
電話: 03-3355-2977

営業時間:月~金17:00~24:00 土 17:00~22:00
定休日:日

「浅間」のHPはこちら


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