2006-05-31 11:37:16

デカイ、厚い、うまいは成立するのか? ~大森の超デカとんかつ「丸一」~

テーマ:B級グルメ

とんかつというものは衣のサクサク感だとか、肉のジューシーさだとか、衣と肉の密着感だとか、いろんな要素がよい出来にないと残念な結果に終わることが多い。

よって、肉の質以外の部分では料理人の技量というのがとても重要になる。

食べたときに肉汁がうっすらと口腔内に広がる柔らかさ、衣と肉の一体感…そんなとんかつに出会ったときはちょっと幸せであったりする。


そんな幸せなとんかつというのは適度なサイズ、というのが常識である。

あまりにも大きなとんかつというのは、揚げる時間が難しく中まで火が通っていなかったり、逆に揚げすぎになったり、衣が肉からポロポロと剥がれてしまったりとがっかりさせることが多く、とんかつ業界ではデカイとんかつに美味ナシ、といわれているくらいなのだが、どうも大森にそんな常識を覆すとんかつがあると聞いて出掛けてみた。

店の名は「丸一」。

どこにでもあるような風体をしたとんかつ屋である。


店はオヤジさん、おかあさん、そしておそらく息子さんの3人で回している。

メニューには170グラム250グラムのとんかつ定食、ひれ定食と300グラムのロースカツ定食が並んでいる。

170グラムでも普通に十分な量である。いや、普通のとんかつ屋からすれば一回り以上、デカイだろう。

デカイ=美味くない、という図式がふと頭に浮かび、様子見のため170グラムのとんかつ定食にしてみた。

肉厚、デカイだけに揚げ時間も10分以上たっぷりかかるとのことで、お新香とビールで一杯やりながら待った。(とんかつが揚がるのを待つ間の一杯が幸せであったりする)


待ちながらカウンター内のオヤジさんの仕事をなんとなく見ていた。

まず、6、7センチはありそうな分厚い肉を2つに切る。

おそらくこの元の肉が300グラムなのであろう。

次に肉の隅の方に鉄串を通す。

鉄串に串刺しにされた肉に小麦粉をさっと付ける。

そのまま卵の中に浸し、油の中に放りこむ、といった感じだ。


で、大きな鍋の中でグツグツと何枚ものとんかつが揚げられている。

あまりに大量のとんかつを同じ鍋で揚げているので、繊細、というものからはほど遠い感じがする。

むしろ大雑把といってもいいくらいの揚げ方である。

「大丈夫か…」

ジューシーなとんかつを揚げるためには繊細さが要求されるのではないか、

揚げすぎると衣が焦げ焦げになるのではないか、などとちょっと不安になってみる。


そして、ついにとんかつが揚がった。

デカイ…


maruichi2

(これが170グラムのとんかつ定食)



隣のビールの入ったコップと比べてみればわかると思うが、一番デカイ真ん中の肉などはゆうにコップの大きさを越えている。

果たしてどんな味なのか…

箸で肉をつまむ。

ダメなとんかつはこの時点で衣がポロポロと肉から剥がれ始める。

おっ、衣はピシリと肉についている。まずは合格だ。

味はどうか?

ムムム…なかなかにジューシー

雄に4,5センチはあろうかという肉厚ながら肉はうっすらとピンクがかり、しかも噛みごたえが柔らかい。

ぱさついた感じがしないのだ。

肉質の良さも伺える。


定食には豚汁と大きなお茶碗、いや小さめの丼に山盛りのご飯が付いている。

しかもこのご飯は釜炊きをしているので、ごはんにつやがあって美味。

とんかつ屋というところはご飯とかキャベツのお代わり無料の店が多いが、この店ではおかわりなど必要ないくらいの量が既にある。

これで1300円か…安


ふと、つれのとんかつを見ると焼き色が違うことに気がついた。

やはり焼きかたが大雑把なのかもしれない。

あれだけ大量に鍋の中にとんかつが投入されている状況では、こんなことがあってもおかしくはないのだろう。

注文を受けたからと言うよりもむしろお客さんが来ることを見越して、次々に揚げている節もあったから、それはそれで納得してしまう。



maruiti

(肉厚、ピンキーなロースかつ)



別の考え方をすれば、焼き加減が違う2つのとんかつを味わえたことになるからこれはこれで幸せである。

ソースはノーマルな濃厚ソースに、辛口の2種類あり、どちらもさっぱりとした味わいである。

2×2で4倍美味しい…ってことはないはな、さすがに。


しかし、こんな肉厚でどデカとんかつをここまで美味に食させてくれるならば文句はない。

こんなに量が多くなければちょくちょく食いにきてもいいのだが…

やはり大きすぎるとんかつは難敵なのであった…


●「丸一」

住所:大田区大森北1-7-2

電話:03-3762-2601

営業時間:11:30 - 14:00 / 17:00 - 21:00(但し、8時くらいには売り切れになる)

定休日:水曜日





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2006-05-23 09:08:45

モツは刺身で、マッコリは生で ~新宿「赤ちょうちん」は生々天国

テーマ:モツ焼き

モツとは焼くものである、と思われている方はかなり多いんでないかと思う。

レバやセンマイ、ガツなんかの刺身は普通にあるが、シビレ(膵臓)やホルモン、コブクロなんてものは焼いて食べるもの、というのが一般相場ではないかと思う。

が、モツだって新鮮ならば刺身で食べられる

ハラミだってタンだって刺身で食べられるのだ。

牛をまるごと生で食べさせてくれる、そんな素敵な店が新宿御苑付近に佇む「赤ちょうちん」である。


今回は事情があってしばし禁酒をしていた友人Tが、「ついに酒解禁日が来た。うまいもの食って、うまい酒をきゅーっといきたい」とのことから、厳選に厳選を重ねた結果、この店に白羽の矢が立てられた。

ごく普通の引き戸をガラガラと開けるとそこにはヤル気が漂う空間が現れた。

この店はやりそうだ…そんな感じがヒシヒシと伝わる。

いや別に故・小渕首相の写真が飾られているとか、有名人が訪れた痕跡が見受けられるからとかそんなことではない。

煙の向こうに何かが見えるのさ、と気取ったところで、早速、ホルモン刺しの盛り合わせをオーダーする。

で、でてきたのがこちら。


akatyoutin4

(各種生ホルモンが満載のホルモン刺し盛り合わせ)



冒頭に記したモツたちがごっそりと並んでいる。

焼き網があればつい焼いてしまいそうになるが、特製ダレでいただいてみる。

ふむ、なるほど。レバ刺しはプルンとしており、コブクロはコリコリ、ハラミは焼いて食べるのとは違って、ねっとりとした濃厚な味が堪能できる。

ほとんど鮮度が命だけに生の旨味が味わえるのだ。

タレもコチジャン、ニンニク、りんごなどバラエティに富んでおり、好きな味で食べられるのもうれしい。

ホルモンを刺身で食べる幸せをしばし噛みしめつつ、続いてモツ煮込みをいただく。


おぉ、なんか汁が白いぞ

聞くところによると水だけで煮込んでいるとのことだ。

友人T曰く「博多ラーメンのようなスープだ」と言うくらい、ゼラチン質がスープに良く溶け込んでいる。


akatyoutin

(白濁スープが特徴的な煮込み)


ほほぉー、水だけでもつの旨味を引き出すとは中々。

厚切りのモツも食べ出があって、ちょっとうれしくなる。

普通のモツ煮込みのモツの2倍近くはあるだろうか。

ワシワシとした食感と旨味が存分に堪能できるのだ。


そして〆にホルモン焼きのミックスを。

こちらは焼いたからこその旨味が噛めば噛むほどジュワジュワと溢れて口腔内に広がる。

生と焼きの両方を楽しめるのがなんともうれしい。


飲み物はビール、焼酎よりも生マッコリが気分。

作っている酒造が1つしかない貴重なマッコリである。

いわゆるマッコリのまったりとしたテイストはないが、発泡したシュワシュワ感と生モツがよく合うのである。

やはり生には生でいきたい。


まだまだ世の中にはウマイもんがあるねぇ、と久しぶりの酒を満喫した友人Tは、しみじみと噛みしめているようであった。

B級グルメ道の探求に終わりはないんである。



●「出世料理 赤ちょうちん」

住所:東京都新宿区新宿1-18-10

電話:03-3354-7266

営業時間:17:00~23:00

定休日:日、祝日(第2土曜休)



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(ウマイもん食って素敵な笑顔の我々)



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2006-05-18 00:33:57

北陸・みちのく旅情編⑦ ~喜多方ラーメン街で見た毒リンゴ~

テーマ:地方B級グルメ

さて、 北陸・みちのくの旅もついに最終盤を迎えた。

気仙沼から仙台をめぐり、喜多方へと赴いた。

最後はミーハーに喜多方ラーメンでも食べてみようかと思ったのである。

すでにゴールデンウィークに突入していたこともあって、喜多方の街には結構、観光客がいる。

喜多方ラーメンの元祖系である「まこと食堂」「坂内食堂」「あべ食堂」の御三家を覗いてみると当然の如く行列が出来ていた。

が、他の店にはまったく行列が出来ていない。

「まこと食堂」なんてどうみても1時間30分は待たなければならないだろう。

ウムム…これが観光客心理というものなのだろうか。

せっかく来たんだから有名店に行かなきゃ損だという。

はっきしいって他の120店ちかくある店と劇的に味が違う、なんてことはないはずだが、それが観光客というものなのだろうか。

かくいう私も比較的行列が空いていた「あべ食堂」に訪れてみることにした。


kitakata3

(老舗の風格漂う「あべ食堂」


待っている間に妙に気になる店が目の前にあった。

めん匠 やまぐち」。

製麺屋が経営しているというこのラーメン屋は喜多方で唯一の卵麺を使用していると書いてある。

しかし、店にはパンを売っていたり菓子を売っていたりもする。

かなり異色の店だが、それだけで引っ掛かっているのではない。

毒りんごサブレ」という代物が売っているのである。

なにもんだ毒リンゴサブレ…


そうこうしている間に順番が来て店内に。

待つこと10数分、ようやくラーメンが出来上がったが、実に気になることが一つあった。

厨房をのぞき込んだのだが、ラーメンを丼に移してから3分近く盛りつけをしてから出しているのだ

これではスープも冷めるし、麺も延びるのでは…と危惧していたのだが、なんと出てきたラーメンはスープも熱いし、麺も延びた感じはしない。

不思議だ。



kitakata2

(チャーシューはあまり評価しないが、ベーシックな

喜多方ラーメンの味が楽しめる)


これが喜多方ラーメンの実力なのか…。

うーん、しかし東京で食べるチェーン店の味と大差ないような。

喜多方ラーメンの性質上、あまり差異というのはでないのでしょうな。

だったらこんなに並ばなくてもいいじゃん、と思うのは私だけでしょうか?


さて、食後。

「あべ食堂」の目の前にある「やまぐち」を訪れてみる。

目当てはもちろん毒りんごサブレ。

なにやら効能のようなものが張られている。


・頭の悪い人は頭の上に乗せてから食べると頭が良くなります

・口の悪い人は口に当ててから食べると口が優しくなります

・顔の美しい人は顔に当ててから食べるとさらに美しくなります

・それなりの顔の人は顔に当ててもなおりません

・毎日食べると体の毒を取ります。それを蔵の街では毒りんご定説と呼びます


kitakata

(本当に蔵の町銘菓なのか疑いたくなるが…)



なめとんのか、とツッコミたくなるのは私だけでしょうか?

いかん、いかん、毒づいちまったぜ…口に当てて食べなければなりませんな。

店内には他にもラーメンまんじゅうなんてものも売っていた。

サブレの味は…誠に申し訳ありませんが一口で結構です、といった感じ。

さすがに毒りんごだけあって予想通りのりんごジャムがべったりと。

しかし、これが微妙なお味で、喜多方ラーメンのさっぱり感とはほど遠い代物だった。

これが旅の最後の食事とは…

うーん残念。


口に当てて食べたのだが、ちっとも口が優しくならんことを噛みしめつつ、東京へと車を走らせるのであった。



●「あべ食堂」

住所:福島県喜多方市緑町4506

電話:0241-22-2004

営業時間:7:30~15:00(スープがなくなり次第閉店)

定休日:水曜日


「めん匠 やまぐち」

住所:福島県喜多方市緑町4532

電話:0241-22-0336

営業時間:10:30~18:30

定休日:水曜日






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2006-05-15 00:26:33

北陸・みちのく旅情編⑥ フカヒレ寿司の真実に迫る ~気仙沼「すし処 谷口」の苦悩~

テーマ:地方B級グルメ

さて、岩手から秋田、青森と抜け再び岩手のリアス式海岸を南下した後、ついに宮城県に辿り着いた。

目指すは気仙沼港

知っている人は知っていると思うが(当たり前か)気仙沼はフカヒレの街なのである。

フカヒレじゃなかったら気仙沼ちゃん

欽ドンではっちゃけていたあの人です。

自慢じゃないが私は気仙沼という土地を彼女のおかげで知った。

気仙沼から来たから気仙沼ちゃん。

快活な女の子でした。(いまは地元で旅館の女将さんをしてるそうです)


そんなわけで、気仙沼ちゃんで有名になった気仙沼だが、いまはフカヒレで町おこしをたくらんでいる。

寿司屋に行けばフカヒレ寿司が、食堂にはフカヒレラーメンにフカヒレ丼、中にはフカヒレソフトクリームなんてのもある。

フカヒレ、フカヒレ、フカヒレですよ。

特に名物といわれているのがフカヒレの姿寿司

フカヒレ様が握られた美しい姿は実に美しいだろうな、と思いつつ、寿司屋に向かった。

さすがに漁港だけあって、そこかしこに寿司屋がある。

どの店にしようか…

ネットで調査したところ、その日揚がった魚しか握らないというこだわりの店を選んでみた。

店の名は「すし処たに口」。

思えばこれが運命の選択だったのかもしれない。


まずは軽くツマミをいただく。

地魚の刺身に酒に合いそうな肴の数々…

おやじさんの説明を聞きながら、フムフム、なかなかいけますねぇ、などと舌鼓を打っていた。

で、しばらくして出てきたのがこれ。



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(なんともいえない滑らかな感触のマンボウ)


マンボウの刺身です。

回転寿司屋なんかではたまに見掛ける魚だが、これほどまでに瑞々しいのは初めて。

食感はまさに水の如し…というかほとんど水のような滑らかさが面白い。

おやじさんに聞くと「マンボウなんてのはほとんど水だからね。揚がったそばからどんどんどんどん水気がなくなっていくから、新鮮じゃないと食べられないんだよ」という。

「ま、こんな魚、地元の人は金出して食わないけどね」と付け加えたのが気に掛かる。

「いや、マンボウはよく網に掛かるから漁港にいけばたくさん落ちてるのよ。だから地元の人はみんなもらって食べてんだ。こんなの出してるからいろいろ言われるんだけどね」

とのたまった。


話を聞いてみるとどうもこの店は気仙沼の寿司組合から毛嫌いされているらしい。

まず他の店より値段がかなり高いということと比較的新参者だということとおやじさんの上昇志向が気に入らないとのことだ。

そりゃね、私だって出来れば銀座で勝負したいですよ」とオヤジさんは言う。

「気仙沼の魚をそのまま直送すればいい勝負が出来ると思うんですけどね」

うんうん、そうですよ、気仙沼ってところで結構いけるかもしれませんよ、などと調子を合わせているとこの店のオヤジの弟さんがやってきた。

なんでも気仙沼最高料理技術研鑚会というのを兄弟で主催しているらしい。

弟さんはフランス料理のガストロノミー認定料理人だという。

ガストロノミーとはフランス語で美食だとか美味しく食べる術、という意味があるらしい。

在仏8年のフレンチシェフなのだ。

で、弟さんはなんとか気仙沼にフレンチを広めるべく奮闘しているとのことだ。

その名も気仙沼フレンチ。

フカヒレばかりに飽きた地元のおばちゃんの支持をひそかに受けているとのことだった。

漁港にフレンチを、しかも地元のおばちゃん相手に根づかせるのはかなり難しいことと思うが、是非とも頑張ってください。


気仙沼最高料理研鑚会か…気仙沼の食材を使った料理を広めようと講演会などをしていると聞く。新しいチャレンジを試みるということは、他の店の人から見ると「一人だけ目立ちやがって」となりますな。出る杭は打たれる。

が、もっと衝撃だったのは名物のフカヒレの姿寿司をいただいたときのことだった。


taniguci2

(見事なお姿のフカヒレ寿司様)


いやね、こんなもんホントは握りたくないんですよ。だってこれ加工品ですよ。生の魚がたくさんあるのになんで加工品なんか握らなきゃなんないんだって話ですよ」とオヤジさんは言う。

「一応、気仙沼はフカヒレで盛り上がろう、ってことになってるから握ってますけど、やっぱりお客さんには新鮮な気仙沼の魚を食べて欲しいんですよ」

確かにフカヒレ寿司の味は「ムムム…」であった。

フカヒレの淡泊な味がどうにも酢飯と馴染まない

フカヒレの味が際だつでもなくあれれ、ってなもんである。

やはりフカヒレはスープで煮てそのスープの味が染みこんだヤツが美味しいのであって、普通に戻しただけの素フカヒレは味がほとんどない。

「ね、美味しくないでしょ?こんなのありがたがって食べてる場合じゃないですよ」とオヤジさんは気仙沼の寿司屋らしからぬ発言を連発する。

これではフカヒレ姿寿司を看板にしている他の寿司屋から嫌がられて当然といえば当然か。


が、私は断然、「すし処たに口」を支持したい

話が盛り上がって、気仙沼復興プロジェクトなんて話にもなってしまった。

なので、宣言します。

気仙沼を盛り上げよう!いや盛り上げます…いつか、きっと、必ず…

私のB級グルメ魂を賭けたプロジェクトが今始まろうとしていたのだった…


余談

次の日、漁港の市場をのぞいたら鮫の心臓を見つけた。

気仙沼では有名な食材でモーカサメの心臓を食べさせるモーカの星、という。


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(さすがに心臓だけあって、ハート型をしている…結構、デカイです)



一口食べれば精力絶倫、という代物だ。

ちなみにたに口のオヤジさんは「別にウマイもんじゃないからうちには置いてないよ」と言っていた。

気仙沼最高料理研鑚会の主催者はアンチ気仙沼食材の人なのであった…



●「すし処 たに口」

住所:宮城県気仙沼市河原田2-5-12

電話:0226-21-3038 

営業時間:11:00~14:00

       17:00~23:00

定休日:水曜日










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2006-05-12 12:35:09

北陸・みちのく旅情編⑤ 盛岡麺の天国と地獄 ~盛岡「ぴょんぴょん舎」の冷麺とわんこそば~

テーマ:地方B級グルメ

さて、新潟から山形を抜け、盛岡へと辿り着いた。

山形では米沢牛をたらふく食べ、小岩井牧場ではソフトクリームとジンギスカンなんぞを食してみた。

「あー、観光客気分満喫だぜい」という軽口も飛び出す始末だ。

そんなわけで、盛岡。盛岡といえば冷麺

なぜか冷麺を食べなければ損したような気分になる。

他に名物あったけ?と思うくらい頭が冷麺で満たされる。


盛岡の冷麺はうまい。

冷麺だけを食べて満足、ってな感じだ。

が、なぜか東京ではそうはいかない。

冷麺だけを食べに焼肉屋に行く、という習慣がないばかりか、そうしたいという気にさえならない。

冷麺はあくまでも焼き肉を食べた後の〆であり、どうしてもあそこの冷麺を食べたい、と思えるほど素敵な冷麺様にはそう滅多にお目にかかれない。

焼肉>冷麺の図式は変わらないのである。


が、盛岡ではこの図式が真逆になってします。

焼肉屋でもあくまでも冷麺が主役であり、焼き肉を食べたければそれはそれでいいんじゃないか、みたいな感じだ。

いや、実際には焼肉は美味なんだろうと思います。

なにせ周囲はブランド牛ばかりだ。

焼肉食べてもかなり幸せになれることだろう。

しかしである。うまい肉は東京でも食えるが、うまい冷麺は東京では食べられない。

よって観光客的価値観によると盛岡といえば冷麺、となるわけである。



で、訪れたのが「ぴょんぴょん舎」という焼肉屋。

なんともふざけた名前だが、オーナーがピョンさんという名前。なんでも盛岡冷麺というネーミングを考えたのがこの店らしい。

またもや元祖、である。

前回の横手焼きそばの場合にしてもそうだが、元祖というのは往々にしてそれほどのもんじゃない。

むしろ何度食べても食べ飽きない味、つまりジモティに人気の店の方がうまいのが常識であろう。

だいたいガイドブックというのは、メジャーな情報を追うものであるからして、元祖物、観光客に人気の店を載せるのが常である。

よってどんなガイドブックを見ても似たような店が載っているものであり、然るにその店は観光客たちの巣窟になっていたりもする。

観光シーズンになんて行くモンじゃない。

が、いまはGWの前…さらにこのぴょんぴょん舎はガイドブックに載っているような他店とはひと味違う、と聞く。

ならばいくしかない、ということ向かいましたよ。


メニューを見るともちろん焼き肉屋であるからして、いろいろな肉が並んでいる。

しかし、いまはそんなものはどうでもいい。

肉なら昨日、米沢牛を食ったし、昼にはジンギスカンも食べた。

いまは冷麺ですよ。



pyonoyon

(やはり麺のツルツル感がたまらんす)


待ちかねた冷麺のスープをまずひとすすり。

やや甘めだが、ほどよく酢がきいており、キムチのピリリ感が引き締める。

コクがありながら、しかもフレッシュな感じだ。

そして麺をいただく。

おぉ、なんという素晴らしい喉越し

これですよ、これ!

どういうわけかこの素敵な喉越しが東京の冷麺にはない。

ぴょんぴょん舎だけにど根性が入っているのだろうか?

根性、根性、ド根性のぴょん吉様といったところでしょうか。


具はキムチ、ゆで卵、胡瓜、リンゴ、肉、ゴマなど。

麺をすすって、スープ飲んで、具をつまんで…

いいねぇ、盛岡風流。

すっかり満足して、盛岡はやはり冷麺だなぁと独りごちていると訳知りの知人から連絡が入り、

わんこそばの立場は!」

ジャージャー麺の立場は!」と突つかれた。

そうそう盛岡の三大麺、わんこそばとジャージャー麺も忘れてはならない。


そんなわけで、続いてわんこそばにチャレンジ。

次から次へと器に蕎麦が盛られていくというあれは一回は体験したいと思っていた。

なぜ、少量ずつ盛らなければならないのか、いっぺんに出せばいいじゃないか、と思わないこともないがそれが盛岡スタイルだ。

ちなみに調べたところによると少量ずつ出すのは、いにしえのおもてなしスタイルからだという。

遡ること江戸時代に、祝い事の時に必ず最後に蕎麦をだしたらしいが、

多くの人に一度に食べてもらえるほど大量の麺は茹でられないから、ゆであがった麺を小分けにして次々に出すようになったのが始まりだという。


で、チャレンジするにはしましたが、はっきしいって厳しいです。

いくら遊び気分といえども途中からはいっぱいいっぱい。

食べるそばからホイホイですからね。

なんとか24杯ほど食べてギブアップ。

いやー、なんとも粋な遊びですわな。


wanko

(こんだけ食えばもうたくさんでゴンス)


ちなみに現在の記録は559杯。

世の中には猛者がいるもんです。

盛岡の麺に天国と地獄を見た…



●「ぴょんぴょん舎」

住所:岩手県盛岡市稲荷町12-5

電話:019-646-0541

じかん:11:00~22:30

定休日:無休




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2006-05-08 16:33:35

北陸・みちのく旅情編④ 横手焼きそばのモツに? ~神谷やきそばの元祖味~

テーマ:地方B級グルメ

そんなわけで、新潟を抜け山形を駆け上り秋田に到着。

秋田料理に舌鼓を打つ前に地方名物・横手焼きそばを食べに行ってみる。

ちょいと調べたところによると横手焼きそばの醍醐味はモツにある、とのことだった。

モツね…肉の代わりにモツ。モツの濃厚な味が焼きそばとどうマッチするのかに期待していざ出陣した。


情報によると学生に人気のモツ大盛り焼きそばだとかオリジナルホルモン焼きそばを売りにする店とかB級テイスト漂う店は幾つもあった…が、何はともあれ元祖を知らなければ話にならん、ということで横手焼きそばの元祖を名乗る「元祖神谷焼きそば屋」へ向かうことにした。

私はことのほか元祖が好きなのである。

ちなみに横手焼きそば、神谷焼きそばのご主人が昭和28年に作り上げたということだ。


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(横手焼きそば暖簾会の暖簾は街中で目に付く)



歴史を感じさせない小綺麗な店は最近改築したのだろうか、ちと残念。

メニューを見ると普通の焼きそば、肉焼きそば、そしてモツ焼きそばとあった。

ここはもちろんモツ焼きそばをいただいてみることにする。

店は近代的だが作り手はおやじさんとおばばさんがよっこらしょ、という感じでやっている。

で、でてきたのがこちら。



yokote2

(存在感のある目玉焼きが特徴)


特徴は見ての通り、デーンと乗った目玉焼きだろう。

半熟気味で割ると黄身がにゅっと出てくるのが良いアクセントになっている。

麺は焼きそば界では一般的な蒸し麺ではなく茹で麺を使用。

縮れ麺ではなくストレート麺を使っているのも面白い。

さらに焼きそばとしてはかなりの太麺、歯ごたえ・食べ応えとも十分である。


早速、一口食べてみる。

ソース焼きそばというにはかなりの薄味。

濃厚なソース焼きそばに慣れていた身としては、やや物足りないというか、別物と考えれば納得する。

麺には汁気があるのかしんなりとしており、ギトギトなソース濃厚麺に較べるとかなりヘルシーな感じだ。


そして問題のモツである。

モツはこじんまりとした各種部位がちょこちょこと入っている。

味付けは焼きそばからしてみるとやや濃い味か。

麺と一緒に食べるとモツの味が強すぎて、モツがメインでそばが添え物、という気がしてくる。

焼きモツのそば添えってな感じだ。

焼きそばをメインで考えるとモツとの相性は正直にいって良いとは言えないような気がする。

となるとどうしてもおつまみの感じがしてしまうんですね。

ビールでも飲みながらちびちびモツ焼きそばを食べたらちょっと幸せかもしれない。

オツマミ系焼きそば、そんな称号を与えたいのだがどうでしょう?


横手焼きそばは神谷焼きそばから始まり現在では50軒以上の店がある。

地元の人間的には素朴な味の元祖物よりも創意工夫がガンガンと取り入れられているニューウェーブ系の方が人気があるに違いない。

しかし、観光客が訪れるのは元祖なり。

おそらく当初より味は変わらないのであろうが、横手焼きそばの今を感じることはできない。

本来なら元祖食って、最近の流行店を食って、はじめて横手焼きそばについて何かがわかるのだろう。

が、なにせ旅の身。この後にはまだまだ美味いもんが控えているのである。

焼きそばだけでなく居酒屋系モツ焼きそばを売りにする店があっても面白そうです。

「あー、ビール飲みてぇ」と思いつつ、横手市を後に夜の秋田市へと向かうのであった…



●「元祖神谷焼きそば屋」

住所:秋田県横手市大屋新町字中野117-67

電話:0182-33-4316

営業時間:10:00~19:00

定休日:月曜日


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2006-05-05 18:47:41

北陸・みちのく旅情編③ 本場のきときとを食らう ~富山「氷見きときと寿司」と回転寿司のトレンド~

テーマ:地方B級グルメ

富山を後にし、一路新潟へと向かう。

とにかくこのあたりは旬のホタルイカがどこに行ってもうまい。

東京だとホタルイカなんてものはボイルされて縮こまった物体を酢みそかなんかに付けて食べるのが相場、だったりするが、こちら本場ではやはり刺身が気分。

ボイル前のホタルイカは結構デカイ。

おぉ、こんなにデカかったの」と生ホタルイカを見て思わずつぶやいたほどだ。


で、意外なヒット作だったのがこちら。

hotaruika

(わたの濃厚な感じがたまらない)


ホタルイカの素干し。黒い部分はわただが、このわたが濃厚な味わいでなかなかいける。

酒のツマミにピッタリだ。

で、ご覧の通り、一つのサイズがデカイ。

ボイルされる前はこのくらいはあるわけだ。


で、次に向かうことにしたのは富山の魚が味わえる「氷見きときと寿司」。

最近、回転寿司関係の仕事が続いていたので、富山の名店といわれる同店に向かうことにした。

ちなみに回転寿司業界では石川県、富山県というのはかなり進んでいる県、とされている。

北陸最大の都市・金沢市などは人口1万人に対して回転寿司1店舗ある回転寿司激戦区。

氷見・能登などの漁港が近隣にあり、新鮮な魚介類が市場に豊富。

安くて美味くて+αがなければ人気店になれない、といった土地柄なのである。


このところ大手チェーンなども居酒屋系高級回転寿司の店を続々とオープンさせているが、

この両県には地元密着な居酒屋系回転寿司が多い。

回転寿司はそれこそ名前の通り、客の回転が命なのだが、居酒屋系は客の単価が高いのでツマミ類や酒が充実しているという寸法だ。

中でも「氷見きときと寿司」は新鮮な魚(きときととは新鮮という意味)を食べさせてくれるということで人気が高いと聞く。


氷見にある本店は土日にもなると客がひっきりなく訪れ、2重のレーン(上下に2重ではなく、内外に2重になっている)に廻っている皿は、握られたそばからなくなっていくという。注文するまでもなく握りたての皿が常時廻っている。しかも2重レーンなので多くの種類が廻っており、よりどりみどりという状況だ。

訪れたのは糸魚川支店。しかも平日の午後5時過ぎだったために客はまばら。(変える頃には満員でしたが)

あの活気が見られないのは残念だが、レーンには糸魚川産の地魚や氷見湾直送の白海老、のどぐろ、ホタルイカなどお馴染みの魚が流れているのはうれしい。


kito3

(白海老の軍艦。濃厚ねっちょりな味がオツ)



ちょっとここで、最近の回転寿司屋のトレンドについて触れてみたい。

1.居酒屋系回転寿司:寿司の他にも一品料理と酒類が充実している。

2.高級志向:立ち寿司と変わらないサービス(板前がいて握りたての寿司を出す。高級感のある店内)

3.産地直送:駿河湾直送、富山湾直送、三崎直送、銚子漁港とれたてなどピンポイントの場所に絞った魚を提供

4.マグロ問屋、寿司屋などが運営する本格的なネタを提供する店

5.異業種からの参入:永谷園、サンマルコ、松屋、JRなどが回転寿司業界に参入

6.低価格回転寿司チェーンが高級回転寿司屋を出店がってん寿司、元気寿司、アトムボーイなど。


といったところが、店に関するトレンドだ。


一方、ネタ関係ではいまは三種盛りがブーム。

この店にも三種盛りメニューが豊富にある。

中からイカ三種、納豆三種、軍艦三種、マグロ三種をオーダーした。

1貫ずつ違ったネタが食べられてお得感がありありなのが人気の理由だろうか。


kitoktio

(変わり種の納豆三種。納豆好きにはたまらない。

まさに回転寿司ならではのネタ)


kito2

(女性が喜びそうな軍艦三種。値段もビックだ)


個人的には華やかなレーンであることが望ましいと思っている。

普通の寿司が普通に廻っているだけではちと寂しい。

見ているだけで楽しくなるような創作寿司系の充実こそが回転寿司の醍醐味ではないだろうか。

そういう意味では、このきときと寿司はまぁまぁといったところでしょうか。

珍しいネタ、三種盛りの華やかさは十分に合格点として、あともうすこしインパクトのある華やかな創作寿司系があれば素晴らしいですが。


そんなことを仕事チックに考えながら、北陸から新潟を抜け、いよいよみちのくへと突入。

土地土地をめぐるB級グルメの旅はまだまだ続くのであった。


●「氷見きときと寿司 糸魚川店」

住所:新潟県糸魚川市上刈3-14-14

電話:025-553-1351

営業時間:11:00~21:00

定休日:無休

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2006-05-03 01:56:41

北陸・みちのく旅情編② ドス黒スープはごちゃまぜで ~富山ブラック「大喜」~

テーマ:地方B級グルメ

金沢から能登半島を一周して、魚の宝庫・氷見港を通り、富山へと。

富山で待ち受けているのは、通称「富山ブラック」と言われるラーメンである。

知り合いの放送作家に北陸に行くと言ったら「富山ブラックは是非、食べた方がいい」とすすめられた。

あれはね、忘れた頃に食べたくなる…そんな感じのモンなんだな」と言う。

富山ブラックとは何かと尋ねると「黒いスープのラーメン。食べてみればわかるよ」と言われた。

黒いスープのラーメン…醤油が濃厚なのか、はたまたイカスミでも入っているのか…

富山ブラックといういかにものB級センスなネーミングが妙に気になって、元祖富山ブラックを名乗る「大喜」という店を訪れることにした。


店は木の臭い漂う風格のある造り。

なんだかラーメン博物館が作り出したようなレトロ感が漂っている。

店の歴史を綴った写真や浮世絵やらが壁に飾られている。

店の奥には神棚がデーンと居座っている。


taiki2

(昭和22年創業の風格のある店内)


メニューを見るとラーメンは富山ブラック特大・大・小の3種類。
このあともいろいろと各地グルメを食べ歩こうと思っていたので、小を注文した。

出来上がりを待っている間にテーブルに備え付けの「大喜ラーメンの食べ方」という小冊子を読んでみる。

それによるとこのラーメンは昭和22年に考案されたものらしい。

おかずのようなラーメンを客に食べさせたい、とのことで生まれたのが富山ブラックだ。

麺は固めのストレート太麺、スープは濃い口醤油味スープ、具は塩っ辛いメンマ、手切りのチャーシュー、秘伝の醤油ダレ、粗挽き黒コショウと書いてある。

で、これらを最初に混ぜることで味が渾然一体となって大喜の味が出来上がると書いてあった。

まさに三位一体攻撃だ。


果たして出てきたのがこのラーメン。

taiki

(これが元祖富山ブラックだ)


最初に三位一体にかき混ぜろ、とあったが、まずは生のスープをひとすすり。

おっ、見た目通り塩っ辛いかなと思ったが、それ程でもない。

が、確かにこのスープだけではラーメンのスープとしては不出来な印象だ。

味に深みがないのである。

次に指示通りにごちゃ混ぜにしてみた。

うむ、味が濃厚になりいい感じの塩加減になった。

粗挽きの黒コショウとそしてメンマの塩味がスープと混ざってまろやかささえ感じる味加減となった。

飲んでいるときには塩辛さはそれほど感じない。

おかずラーメン、というだけあって、麺やチャーシューは食べでがあるだけにこのスープが良いアクセントになっている。

メンマは単体で食べると塩抜きをしていないザーサイみたいにかなり塩辛いが、このメンマから出る塩がスープに深みを与えているような気がする。


他の人々がスープを残す中、迷わずスープを飲み干した。

スープ単体で考えると塩辛いかもしれないが最後まで麺と具を残してスープと共にいただけば結構、いけます。


確かにこれはラーメン二郎的なヤミツキ感があるやもしれぬ。

また富山を訪れた際にはきっと食べたくなるだろう。

三位一体こそが富山ブラックの本領発揮なのだろう。

富山ブラックという強烈なインパクトのある名前に負けない味であった。

これでまた地方のB級グルメを一つ制覇したぜ…

が、この後に強烈な喉の渇きを覚えることを今はまだ知らずにいたのであった…


●「大喜」

住所:富山県富山市太田口通り1-1-7

電話:076-423-0502

営業時間:11:00~21:00

定休日:水曜




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2006-05-02 16:31:47

北陸・みちのく旅情編① ~ついに幻の魚・ゲンゲを食らう~ 居酒屋「五郎八」~

テーマ:地方B級グルメ

長い間留守にしていてスミマセン。

ひたすら日本を彷徨っていました。

昨年のGWに特別企画として、四国・九州ドライブ旅情ツアーの記事を書いたが、今回はディスカバージャパンシリーズ第2弾、「北陸・みちのくドライブ旅情ツアー」を大々的に敢行してきたのだ。

GW前のこの時期、実に11日間にも及び、ひたすら走り回った。

まだ吹雪いている厳寒の雪山もあれば、荒波打ち付ける海岸線の高波にビビったり、冬期通行止めの道路を無理矢理走ったこともあった…ハラホロヒレハレ


というわけで、まずは最初に訪れた金沢の地でついに出会えた幻の魚についての話である。


その魚の名前はゲンゲという。

ゲンゲと聞いてすぐにわかる人は、かなりの食通か、北陸出身者か、あるいは相当のプロレス通ではないだろうか?

食通と北陸出身はわかるとして、なぜプロレス通がゲンゲという名前に思い当たるのかというと、村松友視氏の名著であり、プロレスファンのバイブルとして君臨していた「当然、プロレスの味方です」にゲンゲが出現したからである。

村松氏はプロレスとはゲンゲのようなものだと述べている。ゲンゲという深海魚の特徴がプロレスそのものであると。

その時、村松氏はゲンゲ鍋を食べていたという。

そしてヌメヌメとした寒天状の膜に覆われたそのみたこともない不気味な魚の姿にプロレスを重ね合わせたわけだ

つまり、プロレスにも目に見えない膜のような物が覆い被さっており、世間からその本質を隠しているのだと。

うーむ、プロレスという物をこれほど的確な表現で表した言葉はないなと当時、熱狂的な新日本プロレスファンだった中学生の私は思ったものである。

それ以来、私の頭の中にはゲンゲという魚が住みつき、いつかはゲンゲを食べてみたい、そう思い続けて生きてきたのである。


東京でも加賀料理屋なんかに行く度、「ゲンゲありますか?」と必ず聞いていたのだが、「うちでは扱ってません」、「あるときはあるんですが、滅多に入らないですね」とまさに幻状態。

ゲンゲにお目に掛かるには金沢に行くしかない、と思いを強くしていたわけだ。


で、今回はまずゲンゲに会いに金沢へとひた走った。


地元で人気の高い郷土料理の居酒屋「五郎八」へと着いた足で向かった。

能登や氷見など富山湾の各港から揚がった新鮮な魚が並んでいる。

ホタルイカ、白海老、のどぐろなど地元の魚がずらずらとメニューに並ぶ。

もちろん、これらの魚は味わうとして、目はひたすらにゲンゲの文字を探す。

刺身のコーナーにゲンゲの文字はない。

ゲンゲは刺身では食べるもんじゃないらしい。

やはり村松氏も食べたゲンゲ鍋か、と思い、鍋のコーナーを探す。

ムム…ここにもゲンゲの文字はない。

ゲンゲは何処に、とメニューをくまなくなめまわすとなんと焼き物のコーナーにあるではないか。

おぉ、ゲンゲは焼き物でもいけるのか、と早速、注文した。


gennge

(やせ細り見る影もないゲンゲの姿)


で、出てきたのがこれです。

なんじゃこりゃ!一夜干しにでもしてあるのか水気がすっかりなくなっていてなんともやせ細ったお姿に。

これでは全体を覆い尽くすという寒天状の物体が見られないではないか、プロレスの真髄がわからないではないか、と大変、がっかりした。

しかもお店のお姉さんに「あー、そんなに焼いちゃダメ、さっと炙るくらいが美味しいのよ」と言われる始末。

「寒天状のヌルッとしたところが食べたいんですけど」と言ってみたが、「あれは冬でないと美味しくないのよね」とのこと。冬の魚だったんですね。がっくし。


しかし、こんなことで負けちゃいけないと翌日、金沢市民の台所とも言われる「近江町市場」へと足を運んだ。

なんとしても生ゲンゲを見てやろうという算段である。

近江市場は多数の魚卸問屋が所狭しとひしめき合っていた。

ここにならゲンゲは必ずいるはず、と思い、血眼に探すがゲンゲと書かれた札はない。

やはり冬の魚だけにいまの時期に水揚げはないのか、と思ったが、なんとも気になる奇妙な魚を発見した。


gegnge2

(ヌメヌメ感がなんともいえないゲンゲ様)


水魚という札が付いたその魚は薄ピンク色をした20センチほどの細長い魚で、表面をなんだかヌメヌメとした寒天質状の物体に覆われている

もしかしたらこれがゲンゲなのか、と思い、店の人に聞いてみると「そうだよ」の一言。

おぉ、これがプロレスの本質か!と感動の対面をしたが、確かに見るに付け奇妙な魚だ。

ヌルヌルのヌメヌメ、なんだか字面だけを追うといやらしい。

これはやはり焼き何ぞではなく、このヌメヌメ感を味あわなければならないだろう

神様、仏様、ゲンゲ様と唱え、今度冬に来るからなと再会を約束して彼の地を後にした。


これからの旅、さらなるB級グルメを求めて日本を駆け回ることになるが、まずは幸先の良い出だしを切ったといえるだろう。

次の富山には何が待っているのか…


●「五郎八」

住所:石川県金沢市片町2丁目6番12号

電話:076-222-5680
営業時間:17:30~23:20火曜~金曜

      17:00~22:50 日曜、祝日

定休日:月曜

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