68-2001  28歳男性.幼児期には,蚊に刺されると発熱や関節痛が生じ,刺入部皮膚は壊死・潰 | 皮膚科専門医試験勉強されている方、皮膚病、皮膚に関心のある方のためのブログ!!!

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68-2001 訂正版
 28歳男性.幼児期には,蚊に刺されると発熱や関節痛が生じ,刺入部皮膚は壊死・潰瘍化していた.1年前から,全身倦怠感,微熱,体重減少があり,1週間前から高熱が続いた.抗生剤無効で,全身のリンパ節腫脹,LDHやGOT ・ GPT, 血中フェリチンの高値を指摘された.末梢血には異型リンパ球は無く,肝炎ウイルス抗原・抗体も陰性であった.最も可能性の高い疾患名を記せ.

 28歳男性.幼児期には,蚊に刺されると発熱や関節痛が生じ,刺入部皮膚は壊死・潰瘍化していた.1年前から,全身倦怠感,微熱,体重減少があり,1週間前から高熱が続いた.抗生剤無効で,全身のリンパ節腫脹,LDHやGOT ・ GPT, 血中フェリチンの高値を指摘された.末梢血には異型リンパ球は無く,肝炎ウイルス抗原・抗体も陰性であった.最も可能性の高い疾患名を記せ.

コメント
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1 ■これ
慢性活動性EVウイルス感染症
がより適切な答えかもしれません。
ネコさん 2011-08-05 17:42:39 >>このコメントに返信
2 ■Re:これ
>ネコさんさん
コメントありがとうございます。
azking3☆ 2011-08-05 18:01:27 >>このコメントに返信


訂正前
血球貪食症候群

ウイルス関連血球貪食症候群
 
EBウイルス関連血球貪食症候群
(慢性活動性EBウイルス感染症:何ヶ月も続く)

リンパ腫関連血球貪食症候群  ???
http://www.med.osaka-cu.ac.jp/labmed/page120.html
類題 平成12年度問題49がほぼおなじ問題


血球貪食症候群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E7%90%83%E8%B2%AA%E9%A3%9F%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

血球貪食症候群(Hemophagocytic syndrome; HPS,欧米ではHemophagocytic lymphohistiocytosis; HLHなど、国際的に統一の呼び名はまだない)は、医学の発達に伴って明らかとなってきた疾患のひとつで、本来人間をまもるべきマクロファージや好中球といった免疫細胞が暴走し、自らの血球(とくに血小板)を食べてしまう病気である。小児で先に報告されたが、成人に起こることは現在ではわかっている。きわめて重篤な致死的疾患である。突然健常者におこるようなものではなく、たいてい重篤な基礎疾患が背景にある。

ウイルス関連血球貪食症候群(Virus-associated hemophagocytic syndrome; VAHSヴァース)
EBV-AHS (イービーヴァース):EBウイルスによる、最重症型のHPS
そのほかサイトメガロウイルス、パルボウイルス、単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス、麻疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス8型、HIVウイルスなどのウイルスや、ブルセラ、結核菌、リーシュマニア、またグラム陰性桿菌や真菌によって生じたとする報告がある。
自己免疫疾患関連血球貪食症候群(Autoimmune disease-associated hemophagocytic syndrome; AAHSアース)
全身性エリテマトーデスにともなうもの
そのほか関節リウマチ、成人スティル病などたいていの膠原病に合併する報告があるが、なぜかこの病型のHPSは軽症で、ステロイドが奏効することが多い。
悪性腫瘍関連血球貪食症候群(Malignancy-associated hemophagocytic syndrome; MAHSマーズ)
節外性NK-T細胞性リンパ腫をはじめとする悪性リンパ腫や白血病

症状

発熱、全身倦怠感、リンパ節腫脹、肝脾腫などである。

検査

血球を食べてしまうので、赤血球、白血球、血小板が激減する。特に血小板の減少があまり激しいと、治療するまもなく重篤な出血(脳出血、消化管出血など)をひきおこし命を落とす。凝固能も低下する。トリグリセリドが異常に上昇するのは特徴的といわれる。フィブリノーゲンは低下する。フェリチン、可溶性IL-2受容体の上昇は(発熱+血球減少という検査前情報を含めれば)診断的な情報である。腫瘍マーカーのひとつであるNSEも上昇するという[1]。

診断 [編集]

骨髄生検による。異常なマクロファージが自らの血球を貪食している像が見られる。

治療

基本的には基礎疾患の治療であるが、EBウイルスによる最重症型などでは早期にエトポシドのようなきわめて強力な(そして副作用の強い)治療に踏み切らなければならないといわれている(HLH-94プロトコル)。新しい治療法ではさらにシクロスポリンを早期から併用する(HLH-2004プロトコル)。





血球貪食症候群の症状
http://www.elmuu.com/bk/bloo/kekkyuudonnsyoku.htm
肝腫、脾腫、リンパ節腫脹、継続する高熱などを出現させます。 また肝機能障害や低フィブリノーゲン血症、高トリグリセリド血症、高ビリルビン血症、血球数低下なども 見られます。 更に血液検査では可溶性IL-2受容体α鎖、フェリチン、LDHの上昇も示されます。 その他、血球貪食像をリンパ節、脾臓、骨髄にて確認されます。
原因
あまり見られない病気ですが、組織球増殖症及び血球貪食性リンパ症とも呼ばれます。 血球貪食症候群(けっきゅうどんしょくしょうこうぐん)は、マクロファージが血球を貪食することが原因であり、 これはウイルスや細菌の感染症、白血病や悪性リンパ腫といった悪性腫瘍に起因して異常なサイトカイン生成が 引き起こされるためで、このサイトカインがマクロファージを活性化するために貪食を引き起こします。 リンパ腫関連血球貪食症候群は悪性リンパ腫に起因して生じる血球貪食症候群を言います。 本疾患の原因は原発性と反応性に大別されており、前者は家族性血球貪食性組織球症が原因となります。 後者では、白血病や固形癌、悪性リンパ腫など悪性腫瘍に起因するもの、 ウイルスや原虫、細菌、真菌に起因するもの、 全身性エリテマトーデスなど膠原病由来のものがあります。 またアルコールや薬物、免疫不全などによっても引き起こされます。 本疾患を招くウイルスではEBウイルスの他、サイトメガロウイルスなどがあります。
治療法
元となる病気を治療することが重要であり、それと共に対症療法が実施されます。 リンパ腫関連血球貪食症候群においては造血幹細胞移植やより強い化学療法が求められるケースが多いとされます。 尚、ウイルスに起因するものでは通常、抗癌薬は適用されません。 しかしEBウイルスに関しては用いられることがあります。









ウイルス関連血球貪食症候群
http://www.f-teisinhp.jp/pdf/byokinoprofile/ProfileNo.05.pdf


 ここでは、次のような条件を充たす病気を「比較的新しい病気」とする。
⑴ 最初の報告がなされて以来、20年以上経っていないもの
⑵ わが国の学術用語集(文部省)にまだ病名が出ていないもの
⑶ 内外の医学辞典の一部しか病名が出ていないもの
 ウイルス関連血球貪食症候群とは
 この病気のオリジナルな名はvirus-associated hemophagocytic syndrome(VAHS)
 この病名を最初に提唱した人はRisdallら(1979)で、この病気のentityを要約すれば、次のとおりである。
 「生体に何らかの免疫不全の状態が内在し、その基盤の上に、ウイルス感染が引き金になって骨髄とリンパ節に組織球(histiocyte)が一様に増殖している細網症(reticulosis)の一つである。組織球は成熟した組織球で、異型性は見られず、血球を貪食している」。
 以下、この病気をVAHSの略名で呼ぶことにする。
 どの科に多いか
 この病気は小児科で多く報告されていたが、次第に内科、外科系からの報告も増えて、現在では小児科と他科との割合は大体6対4ぐらいではないかと思う。
 私は、15歳までの患者と16歳以上の患者とではこの病気の原因は若干異なるのではないかという印象を持っている。
 病 像
⑴ 本格的な発病の前に前駆的に感冒様症状が続く。
⑵ 発熱
 熱型は不定で、解熱剤があまり効かない38℃~39℃の熱が続く。
⑶ 全身のリンパ節腫脹
⑷ 汎血球減少
 ときとして末梢血中に異型リンパ球が見いだされる。
⑸ 肝機能障害
 一般に普遍的な肝炎ウイルスは証明されず、経過は急性肝炎のそれに似ていることが多い。
⑹ 皮膚の発疹
⑺ 肝脾腫
 さほど目立たない程度の肝脾腫。
⑻ ウイルス抗体陽性
 EBVやCMVを中心としたウイルス抗体が陽性で、多種類の抗体が証明されることがある。
⑼ 骨髄とリンパ節の組織学的所見
 前述のように、成熟した組織球が赤血球、顆粒球、血小板を貪食している。
⑽ 血清の検査所見
 フェリチンが異常に高い。
 類縁病と鑑別の対象になる病気
 まだ病気の単位として完全に確立しているわけではないから、伝染性単核球症や亜急性壊死性リンパ節炎などのリンパ節症とともに、さしあたり次の細網症(reticulosis)を主に考えなければならない。
⑴ 組織球・骨髄細網症 histiocytic medullary reticulosis (HMR)
⑵ 悪性組織球症 malignant histiocytosis (MH)
⑶ 原因不明の組織球増加症 histiocytosis X
⑷ 急性ループス血球貪食症候群 acute lupus hemophagocytic syndrome (ALHS)
 これらのなかで、明らかに血球を貪食している組織球が見いだされるのは⑴、⑵、および⑷で、さらにこれらのなかで病像がVAHSとよく似ているのはMHである。
VAHSの患者と同じ部屋に入院していた患者が一ヶ月後にMHを発症した例があり、同種のウイルス感染が濃厚に疑われている (Martelliら 1982)。このようなことから、VAHSとMHの病因に共通したところがあるのではないかという意見もある。
 しかし、現在のところ、MHでは未熟な組織球と組織球前駆細胞が増加していて、異型性が強いのに対して、VAHSでは成熟した組織球で、異型性は見られない。さらにまた小児のVAHSでは予後は良好であるという、MHとはクリア・カットに分けられる特徴がある。しかし、成人のVAHSは予後の点でMHとの間にはハッキリした線が引けない。
 病 因
 病因については、私の推論がかなり入るのをお許し願いたい。20数例の症例報告総括してみると、断片的ながら、次のような所見がある。
⑴ 免疫不全状態
 免疫不全が発病の基礎になっているらしい。その根拠は、⒜ SLE、RA、シェーグレン症候群、MCTDなどの自己免疫病にVAHSが発症している。
⒝ immunocompromised hostに発症している。
⒞ ナチュラル・キラー細胞(NK細胞)の活性が低下、CD4陽性T細胞対CD8陽性T細胞の比は0.3前後まで低下、免疫グロブリンのいくつかのクラスが上昇している。
⑵ ウイルス感染
 感染が証明されるウイルスではEBVが最も多く、そのほかにCMV、単純ヘルペス、麻疹、風疹、水痘帯状疱疹、アデノウイルスなどが報告されている。
 病因についての私の推論は次のとおりである。
 普通、ウイルスが生体に感染すると、宿主細胞内でウイルス遺伝子が転写 - 翻訳されてウイルスのタンパク質が産生され、細胞質内に放出される。これは生体にとって有害な非自己抗原で、これにキラーT細胞が働いて、感染した細胞を排除するか、不活性化する。ところが、免疫不全の状態にある個体ではキラーT細胞の働きが落ちていて、それを代償するために、代わって細網系細胞が異常に増殖する。
 もう一つの要因は、数種類のウイルスが同時に大量感染することである。
 予 後
 小児科側の報告例では対症療法だけで治っている例がほとんどで、この点がVAHSがMHと違う点の一つとされている。
 ところが、成人患者の例では、短期間のうちに急速に悪化してDICを起こし、死亡している例が多い。この点で小児科のVAHSとはentityが異なるのではないかという疑問が出てくる。
 しかし、成人例の報告の一つ一つを点検すると、早期から思い切った治療をせずに、様子を見ているうちにどんどん進行したという感じのものが多い。私は、上の意見には反対ではないが、早期に適切に治療をすれば、また様相が変わってくるのではないかと今一つの期待を持っている。
 血清フェリチンの値がこの病気の予後を推定する指標になるらしい。フェリチンの大部分は組織球由来であるから、フェリチンの値が病勢を反映していることはよく理解できる。
 治 療
⑴ 患者は発熱しているから、初めに大抵抗生物質を使っている。しかしほとんど効いていない。
⑵ ステロイド療法
 発病早期から40~50㎎/日のステロイド大量療法が成人例によく効いている。パルス療法も効果を挙げている。
⑶ γグロブリン製剤
 γグロブリン製剤をステロイド療法と併用することをすすめる人が多い。ステロイドがあまり効かなかった例で、γグロブリン製剤を併用して急速に好転した例が報告されている。たぶん液性免疫応答を促進し、T細胞を活性化する作用によるのであろう。
⑷ 抗ウイルス剤
 アデニン・アラビノシド、アシクロビル、インターフェロンなども推奨されている。