2017-03-18 22:00:57

飢餓と戦乱のソマリア・イエメン 逃げ惑う人々を襲う更なる悲劇 門戸を閉ざす国際社会

テーマ:移民・難民

(ソマリア難民の乗った船が襲撃されたイエメン・ホデイダ【3月17日 AFP】 アデン湾を挟んでイエメンの南側対岸がソマリア)

【予測はできても防げない“人災” 広範囲の危機で国際支援にも限界】
東アフリカ・ソマリアが深刻な干ばつにより飢餓の危機に直面していることは、これまでも取り上げてきました。

2月25日ブログ“今後半年間でナイジェリア、南スーダン、ソマリア、イエメンの4カ国で、2000万人以上が飢餓に直面する恐れ”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20170225.html
1月30日ブログ“干ばつの危機も迫るソマリア 難民受け入れを停止したアメリカ”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20170130.html

“数十年に及ぶ紛争と干ばつに疲弊したソマリアにはセーフティネットなどあるはずもなく、今月中に雨が降らなければ、大量の餓死者が出るだろうと懸念されている。”という状況にあります。

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ソマリア、干ばつで大量餓死の危機高まる*****
2010年、ソマリアを干ばつが襲い、それに続いて飢饉が起こった。ようやく雨が戻った時には、25万人以上が死亡していた。そして今、再びソマリアで起こっている干ばつを、政府は国家的災害と宣言した。
 
3月5日の政府発表によると、ある地域ではこの干ばつのために48時間で110人が死亡した。気象専門家は、この数字が単なる始まりにすぎず、2011年の悪夢が再び繰り返されるのではないかと恐れている。
 
現在、ソマリアでは300万人近い人々に緊急支援の必要があると、国連では推測している。社会的なセーフティネットが整っていないと、干ばつの後に飢饉が起こる。

数十年に及ぶ紛争と干ばつに疲弊したソマリアにはセーフティネットなどあるはずもなく、今月中に雨が降らなければ、大量の餓死者が出るだろうと懸念されている。
 
ソマリアには、年に2回雨期が訪れる。春の雨期は「グ」と呼ばれ、秋のそれは「デヤー」と呼ばれる。2016年の春は降水量がいつもよりも少なく、秋には全く降らなかった。そのため、今年3月から始まる「グ」に国中が期待をかけている。
 
今年2月、気候科学者と人道団体が共同で運営する「飢饉早期警告システムズ・ネットワーク」は、このまま雨が降らなければ飢饉が起こるだろうと警告を発した。

「この地域の食糧供給は慢性的に不安定で、気候がわずかに変化するだけでも大きな影響が出てしまいます」と、米メイン大学の気候変動研究所のブラッドフィールド・ライオン助教授は言う。
 
干ばつは2015年から続いており、昨年秋から専門家は悪化の兆候をとらえていたが、それでも危機に至るのを回避することはできなかった。

インフラの整っていないソマリアでは、農業は灌漑システムではなく降雨に頼るしかない。また、人道団体は武装勢力アル・シャバブに阻まれて必要な地域へ支援を届けることができない。

「干ばつは予測できなかったわけではありません」と、ライオン氏は言う。「しかし、効果的に対応できるネットワークが確立されていないのです」。また、必要な人々へ警戒情報が行き渡らないことも問題だという。「ソマリアの農業従事者は、最先端の研究所が発表した気象情報を調べることはしません」

増加する干ばつ
アフリカでは、1990年代から干ばつの発生頻度が増加している。ライオン氏の研究によると、その原因の一部は、東太平洋で海水温が下がり、西太平洋では上がっているためであるという。これがエルニーニョとラニーニャの周期に影響を与え、気候変動も加わって気温は上昇し、陸地が乾燥した。
 
カリフォルニア大学サンタバーバラ校の気候災害グループで研究ディレクターを務めるクリス・ファンク氏は、ソマリアで干ばつの発生頻度が増えていることに関して、過去20年間の研究生活のなかでも「前代未聞」のことだと話している。

昨年秋、ファンク氏はソマリアの雨期は厳しいものになるだろうと警告していたが、その予報は的中してしまった。土地は干上がり、多くの住民が食糧を求めて首都を目指した。

干ばつが飢饉につながる背景
国連は、全世帯数の20%が食糧不足に対処できず、急性栄養不良が30%を超え、1日で1万人あたり2人以上が餓死すると、飢饉の発生を宣言する。
 
2011年、ソマリアはこの条件をすべて満たしてしまった。過去60年間で最悪と言われた干ばつは、同時期にケニアとエチオピアをも襲った。しかし、この2カ国は食糧援助と備蓄食糧のおかげで危機をかろうじて回避することができた。しかし、ソマリアの場合は長年にわたる紛争でインフラと支援体制が疲弊し、頼りの食糧備蓄も皆無だった。

「干ばつが起こったからといって、それが直接飢饉につながるわけではありません。飢饉は、人々が食糧を購入できないために起こるのです」と、ファンク氏は説明する。
 
現在起こっている干ばつは、気温とともに食料価格も上昇させている。少しばかり備蓄はあるが、ソマリア人の主食であるソルガム(モロコシ)とトウモロコシの価格は数カ月で50〜88%上昇し、2011年と同じレベルに達しようとしている。
 
ファンク氏は、早期追跡システムと支援体制が改善されたことで、これを埋め合わせできると期待している。飢饉警告システムズ・ネットワークは2011年当時、現在のような人工衛星による観測システムや現地での情報収集法を持たなかった。人道支援へのアクセスも、武装したアル・シャバブによって阻まれていた。

現在、首都の治安は良くなり、今年2月に数十年ぶりの民主的な選挙で選ばれた新大統領が、テロや暴動を鎮圧させると期待されている。だが、事態は差し迫っている。2011年の干ばつによる死者数は、4月から5月にかけて急増していた。
 
人道団体の焦点は、干ばつ対策から飢饉防止計画へと移行している。しかし、南スーダン、シリア、イエメンで同時進行している大規模な人道危機のなかで、ソマリアまで支援金が回らないのではないかという懸念もある。

国連は2017年度にソマリアに対し8億6400万ドルの支援を呼びかけているが、現在までのところまだその6%しか満たされていない。

「こうした危機に向き合うのは困難なことです。けれども、向き合うことをせず悲劇が起こるままにしておけば、さらに大変なことになるでしょう」と、ファンク氏は語る。【3月17日 ナショナル ジオグラフィック日本版】
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干ばつはある程度予測できる技術水準にありますが、その情報が生かされない現状は“人災”とも言えます。
アル・シャバブが国際支援を阻んでいた2011年に比べれば、政治環境は改善していますが、“支援疲れ”している国際社会の無関心、対応の限界によって、飢餓が放置される危険性もあります。


【戦乱のイエメンを逃れるソマリア難民を襲う悲劇】
ながく無政府状態が続き“破たん国家”の代名詞でもあったソマリアにあっては(そうした状況がどこまで回復しているのかは定かでありませんが)、国家的なセーフティネットはほとんど期待できませんので、戦乱と飢餓の危機に直面した人々が可能な対策は“逃げる”ことしかありません。

しかし、そうしたソマリア難民はアメリカ・トランプ政権の拒絶にも見られるように、安心できる行き場はありません。

これまでの戦乱を逃れてアデン湾をはさむ対岸のイエメンに脱出したソマリア難民も多数いますが、イエメンも長引く紛争によって飢餓の危機が進行しています。

国連が「国連創設以来で最大の人道危機」という状況下で、イエメンは“3人に2人にあたる約1900万人が何らかの支援を必要としている。食料支援を待つ人は700万人に上り、1月時点より300万人も増えている”【3月11日 朝日】と言われています。

紛争の危険性で言えば、サウジアラビアが支援するハディ暫定大統領側と反政府勢力フーシ派の戦闘が一向に収まらないイエメンよりは、アル・シャバブの勢力が弱体化したソマリアのほうがまだまし・・・ということでしょうか、イエメンからソマリアに戻る難民もいるようです。

人々は一縷の望みにすがって、脱出を試みていますが、そこでも人々を待つのは悲惨な現実です。

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イエメン沖 ソマリア難民らの船が攻撃受け42人死亡****
内戦が続く中東イエメンの沖合で、17日、ソマリアの難民らを乗せた船が、軍用と見られるヘリコプターなどからの攻撃を受け、これまでに少なくとも42人が死亡しました。

IOM=国際移住機関によりますと、内戦が続くイエメン西部の港町ホデイダの沖合で、17日午前3時ごろ、ソマリアの難民ら160人以上を乗せた船が攻撃を受け、これまでに少なくとも42人が死亡しました。

難民らは、難民キャンプがあるイエメンの治安が悪化したため、船でソマリアに戻る途中だったということで、生存者は当時の状況について、海軍の艦船のような大型の船と、そこから飛び立ったヘリコプターから攻撃を受けたと証言しています。

イエメンでは政権側と反体制派による激しい内戦が続き、政権側を支援する隣国サウジアラビアを中心とした連合軍が介入して、反体制派への空爆も行われています。

とりわけ、船が攻撃を受けた場所に近いホデイダをめぐっては、国連機関などが、ここ数か月の戦闘で港が大きな被害を受け、貨物船の入港や漁業が中断し、食糧不足が深刻化しているとして警鐘を鳴らしていました。

国連は「イエメンの状況は悪化していて、難民たちは海を渡って逃げ出している。イエメン内戦の当事者に対し、市民の命を守るため全力を尽くすよう求める」とコメントしています。【3月18日 NHK】
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“(国際移住機関)IOMによると、船はスーダンに向かっていた”【3月17日 AFP】という報道もあります。

誰が攻撃したのか?ということについては。今のところ定かではありません。

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フーシ派の勢力下にある国営サバ通信は、同派と敵対するサウジアラビア主導の連合軍が空からソマリア難民に攻撃を加えたと非難したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。
 
一方、連合軍の報道官はAFPに対し、同軍はホデイダでの戦闘に参加していなかったとして、事件への関与を否定した。政府側を支援する連合軍は、フーシ派からイエメンの紅海沿岸地域を奪還するため攻勢をかけている。
 
国連(の各機関や赤十字国際委員会(ICRC)は事件を非難。ICRCはさらに、速やかな調査の開始を要求している。【3月17日 AFP】
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ただ、“海軍の艦船のような大型の船と、そこから飛び立ったヘリコプターから攻撃”という話を聞くと、サウジアラビアなど連合軍のようにも思えますが・・・もちろんわかりません。

今回はいすれかの“軍”による攻撃の犠牲ですが、そうしたものがなくても、ソマリアとイエメンを渡る航海が極めて危険なものであることは以前から言われているところです。

密航業者が海上でお金を要求して、難民らを海に叩き落す・・・といった話を以前はよく聞きました。今が当時より改善した・・・ということはまずないでしょう。

祖国も避難先も戦乱と飢餓に直面し、余裕のある国々は“自国第一”“テロの危険”で“厄介者”に門戸を閉ざし、逃げ惑う人々は軍や密航業者の餌食となる・・・まったく心が寒くなる話でが、世界の現実です。

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コメント

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1 ■無題

ソマリアの一番の問題は

 国家の体を為していない

ということでしょう。

部族単位にまで国家が分裂してしまったのでセーフティーネットの構築なんてそもそも不可能だし、国際社会との窓口を一本化することも出来ない。

とはいえこればかりは外部からどうこう出来ないので厄介ですね。

イエメンもそうだが…南北統一したのが失敗でしたねえ…

(´・ω・`)

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