2017-02-21 22:39:44

コンゴ  東部で続く混乱 映画「ランボー」のような政府軍による民間人虐殺?

テーマ:植民地・アフリカ問題

(カビラ大統領の写真を掲げ、「私のした仕事を信じてください」と訴える看板【1月17日 朝日】)

【大統領が居座り 合意はあるものの・・・】
アフリカの資源大国コンゴ民主共和国で、カビラ大統領が任期切れを過ぎても“居座り”を続けている件については、2016年9月20日ブログ“コンゴ 任期切れ近づくも、「居座り」を進めるカビラ大統領 「資源の呪い」と国際対応”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20160920.htmlで、また、同じような混乱が生じたガンビア・ジャメ大統領を取り上げた今年1月15日ブログ“西アフリカ・ガンビア 奇行の独裁者ジャメ大統領、選挙敗北を認めず居座り 軍事介入の動きも”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20170115.htmlでも取り上げたところです。

一応“与野党は昨年12月末、今年中に大統領選を実施し、カビラ氏の3選を認めないことで合意した”ということにはなっていますが・・・・素直に信じていいものか?

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任期切れた大統領が居座り、混乱続く 資源国のコンゴ****
アフリカ中部の資源国・コンゴ民主共和国(旧ザイール)で、昨年12月に任期が切れたカビラ大統領がそのまま居座り、混乱が続いている。与野党は今年中に大統領選を実施することで合意したが、実際に行われるかは不透明だ。
 
「私の言葉を信じないなら、私のした仕事を信じてください」。南部の主要都市ルブンバシでは、カビラ氏への支持を訴える看板が随所に掲げられている。

ホテル従業員のジュネヒブ・ムセンダさん(32)は「ここには治安警察がたくさんいるので、大統領選については話せない。とにかく平和な時代が来て欲しい」と話した。
 
カビラ氏は2001年、父親の前大統領が暗殺されたことを受け、暫定的に大統領に就任。06年と11年の大統領選に勝利した。
 
憲法は3選を禁じている。カビラ氏は任期満了を迎える昨年12月19日までに退陣する予定だったが、「選挙に必要な有権者名簿を更新できない」などの理由で選挙の実施を拒否。その後も大統領にとどまる姿勢を示している。
 
野党や市民は退陣を求める抗議デモを展開。治安部隊との衝突でルブンバシなど各地で数十人以上の犠牲者が出た。カトリック教会の仲裁で、与野党は昨年12月末、今年中に大統領選を実施し、カビラ氏の3選を認めないことで合意した。しかし、カビラ氏が従わないのではないかという見方も根強い。
 
コンゴ民主共和国は電子機器などの製造に不可欠なレアメタルなどの地下資源が豊富だが、東部を中心に武装勢力が乱立している。混乱を受け、国内情勢がさらに悪化する可能性が出ている。【1月17日 朝日】
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「私の言葉を信じないなら、私のした仕事を信じてください」・・・・“だから信じられないだよ!”ともいいたくなるところです。

一応、カビラ大統領のために公平を期してコンゴの明るい点について言えば、IMF(国際通貨基金)が2015年10月に発表した2014年の各国の経済成長率を見ると、1位から順に「エチオピア」「トルクメニスタン」「コンゴ民主共和国」「パプアニューギニア」「ミャンマー」と、なんとコンゴは世界第3位の高成長を達成しています(!)。

長年の紛争・混乱でベースとなる「現状」が極めて低い水準にあること、そしてやはり資源のもたらす収益がマクロ的には大きいことが要因です。従って、資源価格の動向次第で数字は大きくも、小さくもなります。

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第3位 コンゴ民主共和国 9.170%****
長年紛争が続き、2013年にようやく主な反政府勢力であるM23を駆逐したものの、現在も東部では武力紛争が続いています。その東部で産出される鉱物資源が、経済成長を支えています。

銅の生産は世界6位、コバルトは世界の約半分を産出している他、ダイヤモンドや金も採れます。国営の鉱山会社6社と、近年では中国やカザフスタンなどの新興国を含む外国企業との合弁などにより、開発が行なわれています。
 
ただ、世界の銅の半分を消費していた中国の景気が減速しているため、銅の価格は下落しており、2014年初めと2015年末を比べると3割以上も下がっています。そのため、調査機関の中には2016年の経済成長率は5.0%に低下すると予測するところもあるようです。【2016年6月15日 THE21ONLINE】
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【“資源の呪い”】
こうした数字は大半の国民、特に混乱が続く東部の住民にとっては、何の意味もない数字でしょう。
いつも言及しているように、コンゴはその資源の豊かさゆえに戦乱・紛争の絶えない“資源の呪い”の典型のような国です。

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<コンゴ民主共和国>居座る大統領、混乱招く*****
日本の約6倍の国土を持つコンゴは、コバルトやダイヤモンドなど豊かな天然資源の獲得を巡って紛争が絶えない。
1998年に東部を中心に起きた大規模な内戦は、周辺国を巻き込んで「アフリカ大戦」と呼ばれる国際紛争に発展。03年に終結したが、紛争関連の死者は約540万人に上る。
 
東部では政府の支配が十分に及ばず武装勢力が乱立しているが、大統領選を巡る混乱に乗じて武装集団の活動が活発化しているとも伝えられる。ロイター通信によると、昨年12月24〜25日に東部北キブ州の町ベニ近郊などで武装集団が住民を襲い、34人が死亡した。
 
アフリカ諸国では近年、民主化の進展がみられる半面、一部の指導者が任期制限を撤廃して続投を図る「憲法クーデター」(国際人権団体)が相次ぐ。
 
15年には近隣のコンゴ共和国やルワンダで現職の任期延長を認める憲法改正が承認された。ブルンジでは、ヌクルンジザ大統領の3期目続投に対する抗議デモが激化。治安当局による弾圧で数百人が死亡し、30万人以上が周辺国へ避難した。(後略)【1月11日 毎日】
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地下資源の収益は武装勢力の資金源となります。その豊富な地下資源をめぐって武装勢力が争い、周辺国が介入・・・ということで、争いが絶えません。

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コンゴ民主共和国で金鉱が崩落、20人死亡 違法採掘に従事****
コンゴ民主共和国東部の南キブ州で金鉱の崩落事故があり、少なくとも20人が死亡した。地元当局者が18日明らかにした。
 
同州のアポリネール・ビュランディ鉱山相によると、事故は17日から18日にかけての夜間に発生。現場では「違法な採掘者が大勢働いていた」ことから、死者はさらに増える可能性があるという。

鉱物資源が豊富なコンゴ民主共和国では鉱山事故が多発している。南東部では違法採掘が横行する中、昨年も採掘中に15人が窒息死する事故が起きている。
 
違法な金取引は反政府武装勢力がしばしば財源として利用している。【2016年12月19日 AFP】
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多数の周辺国を巻き込んで540万人もの犠牲者を出した「アフリカ大戦」などは、本来なら世界の一大惨事として注目されるところですが、“いつものアフリカの混乱”として先進国の目を引くことはあまりないようです。


【東部で続く紛争 武装勢力・民兵に加え政府軍も】
カビラ大統領の今後の去就も気になりますが、相変わらずの国内の混乱ぶりも目に余ります。

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コンゴ民族紛争、民兵組織がフツ人の村襲撃 25人殺害****
紛争状態が続くコンゴ民主共和国(旧ザイール)東部で、ナンデ人の民兵組織がフツ人の村を襲撃し住民25人を殺害した。地元当局らが18日、明らかにした。被害者はほぼ全員がなたで首を斬られていたという。
 
北キブ州で知事代理人を務めるフランシス・バクンダカボ氏がAFPに語ったところによると、キャグハラ村および周辺で18日、計25人がナンデ人らの民兵組織「マイマイ・マゼンべ」に斬首されるなどして殺害された。犠牲者は全員がフツ系住民で、18日の午前4時から8時にかけて襲われたという。
 
襲撃後の現場を確認したという地元市民団体の活動家ホープ・クブヤ氏は、犠牲者のうち24人はなたで殺害され、女性1人は銃で射殺されていたと語った。

「マイマイ」は自衛を旗印にナンデ人、フンデ人、コボ人で構成された民兵組織で、主にフツ人から成るニャトゥル語系民族と対立している。
 
コンゴ民主共和国のナンデ人、フンデ人、コボ人の多くがフツ人をよそ者とみなすなか、農耕民族のフツ人たちは地価の高騰や地主からの圧力によって南部から北部への移住を余儀なくされており、これが両者間の緊張に拍車をかけている。
 
コンゴ東部は20年以上にわたって紛争状態にあるが、同様に北キブ州も中部でナンデ人とフツ人の民兵組織による互いの村の襲撃が繰り返され、両者間の緊張は1年以上前から悪化の一途をたどっている。
 
コンゴでは総選挙が年内に予定されており、国際社会はコンゴ政府と民兵勢力に対し暗礁に乗り上げたままの和平交渉を早期に再開するよう求めている。【2月19日 AFP】
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“フツ人”ということからすぐにわかるように、北キブ州はあのフツ・ツチの大虐殺が起きたルワンダと接する地域です。数十人の命など軽く吹き飛んでしまいかねない地域です。

こうしたむき出しの暴力は無法な武装勢力や民兵組織によるものかというと、そうではなく、これを鎮圧すべき政府軍の暴力もすさまじいものがあります。

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コンゴ軍が民間人虐殺か、動画公開に米国務省「深く憂慮****
米国務省は19日、アフリカ中部にあるコンゴ民主共和国の軍兵士らが非武装の民間人50~100人を射殺している様子を映したとする動画が公開されたことについて、「深く憂慮する」との声明を発表した。
 
18日に公開された動画には、武装した兵士らが女性や子どもを含む民間人に向けて予告なく発砲し殺害しているとみられる場面が映されている。
 
米国務省のマーク・トナー報道官代行は、声明で「事実と確認された場合、このような超法規的な殺害は甚だしい人権侵害に当たる。既に脆弱な国家においては、暴力と不安定な情勢の拡大をあおりかねない」と非難した。
 
さらに、「直ちに徹底的な調査を開始し、国際的な人権監視団体と共同で、このような凶悪な人権侵害を行った加害者らを特定し、関与が証明された者には責任を取らせるようコンゴ政府に求める」と声明は述べている。
 
約7分間のこの動画が撮影されたのは、コンゴ軍と部族長カムウィナ・ンサプ氏率いる民兵組織の衝突が続いている村だとみられる。

しかし、コンゴ政府は「ばかげた偽物だ」と一蹴し、「(映画の)『ランボー』のシーン」のようだとして動画の信ぴょう性を疑う姿勢を示している。【2月20日 AFP】
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確かに“ランボー”の世界です。
最近は、都合の悪い報道・情報には“偽物だ!”と言えばそれで済むような風潮にもなっていますが、今回映像が偽物かどうかはともかく、コンゴ政府軍の悪評は今に始まった話ではありません。

2008年11月13日ブログ“コンゴ 「反政府軍は強くて怖い。酔った政府軍はもっと恐ろしい。国連は何もしてくれない」”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20081113.html
2011年6月25日ブログ“コンゴ 後を絶たない「集団レイプ」事件 毎日1100人以上の女性たちがレイプ被害”http://ameblo.jp/azianokaze/day-20110625.html

表題を見るだけで、政府軍の悪行が推測されます。
それだけに今回映像についても、“コンゴ政府軍だったら・・・”と思わずにいられないところが、コンゴの抱える問題です。

カビラ大統領が“した仕事”(あるいは、しなかったこと)の結果がこの現実です。

大統領が交代したからといって現状がすぐに改善するものではありませんが、“居座り”と、それにも伴う政治混乱は悲惨な現状を深刻化させるだけです。

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