2017-02-09 22:34:54

ロシア  “異質”な政治・社会への流れを強める それはロシアだけではないのかも・・・

テーマ:ヨーロッパ

ロシア プーチンは殺人者

((不可解な急性中毒で昏睡状態にあるとされる)2010年当時のウラジーミル・カラムルザ氏(右)。中央は2015年に暗殺された野党指導者ボリス・ネムツォフ氏(2010年12月11日撮影)【2月8日 AFP】

【新たな国家イデオロギーの下、欧米的な価値観とシステムを拒絶】
かつて、中国が経済成長すればやがては欧米諸国と価値観を共有できる国になっていくのでは・・・との期待感がありました。
ロシアについても、ソ連崩壊・冷戦終結でロシアも同様に価値観を共有できる民主的な国家になるのでは・・・との期待感もありました。

そのいずれも誤りであったことが明確になっており、両国とも国際政治の舞台で、異質な力を発揮しています。

そんなロシアはウクライナ問題で欧米との対立が鮮明化して制裁にまで至り、クリミア併合以降は急速に“異質性”を強めています。

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被害妄想プーチンの暴走が止まらない*****
ブログヘの規制、政府職員の出国禁止、同性愛者や二重国籍者の敵視など、反欧米主義と人権抑圧がクリミア後に噴出

今更驚くような話ではない? 
確かに、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「超大国ソ連」の時代に郷愁を抱き、国内の対立勢力を弾圧し、世界で好き勝手に振る舞うのは、最近になって始まったことではない。プーチンは権力を握ってから14年間、その手の言動を繰り返してきた。

しかし、3月にロシアがクリミアを併合した後の言動は、それまでとは次元が違う。
91年にソ連が崩壊して以降初めて、ロシア政府は公然と、自国を世界から切り離そうとし始めた。
プーチンは新たな国家イデオロギーの下、欧米的な価値観とシステムを拒絶し、国内の反対勢力を徹底的に糾弾している。

この3ヵ月、ロシアは急速に孤立への道を突き進んできた。
ロシア政府と議会の親政府派の議員たちは、安全保障上の問題を理由に500万人近い政府職員の出国を禁止。政府公認の歴史観を批判することに対する刑事罰も導入した。

二重国籍を保有する国民全員に報告を義務付け、外国から資金を得ているNGO(非政府組織)すべてを「外国の手先」と決め付けた。

ブロガーが政府への抗議活動を呼び掛けることを罰する法律も制定。1日のアクセス数が3000を超すブログは実名登録を義務付けるとした。

政府はフェイスブックやスカイプ、YouTube、ツイッターのアクセス制限も検討し始めた。ロシア限定のインターネットをつくるという案も議論されている。

ロシアでまだ生き残っていた数少ない独立系のニュースサイトとネットテレビ局も沈黙させられた。ニュースサイトの「グラニール」が裁判所に異議を申し立てると、裁判所はこう言い放った・・・「当局はウェブサイトに対し、アクセス遮断の理由を説明する必要はない」。

(中略)プーチンの保守的でナショナリスティックなイデオロギーは、数年かけて形成されてきたものだが、クリミア問題を機に一挙に噴き出した。

「ロシアはヨーロッパではない」と、ロシア文化省は公式に宣言。プーチンは、寛容と多文化主義という欧米的価値観を厳しく批判し、欧米の「いわゆる寛容の姿勢」を「不毛で不能」と切り捨てた。(中略)

ロシア政府が国民の生活と思考を統制しようとする動きの核を成すのは、「同性愛者、移民、多文化主義、欧米、ファシズムといった『他者』をつくり出すこと」だと、ピッツバーグ大学ロシア・東欧研究センターのショーンーギロリーは言う。「そうした『他者』を排除し敵視することで、脅威に対抗する形で社会を結束させようとする」(中略)

クリミア併合前のプーチンはおおむね現実的で、安定と繁栄を優先した。そのためなら抗議運動や新興財閥をつぶすことも辞さなかった。

そんな彼がクリミア併合を境に、一転してロシアの経済的繁栄を犠牲にしてイデオロギーで動くようになった。

ロシアのGDPが世界全体の2%を切ろうと構わない、ロシアにはビザカードも国際金融市場も外国での休暇も必要ない、とプーチンは考えている。G8や欧州会議の一員である必要もない。ロシア市民を欧米の腐敗した価値観とネットの悪影響から隔離しなければならない・・・。

プーチンはロシア独自の道を突き進んでいる。たとえそれが孤立と資本逃避と頭脳流出につながる道だとしても、だ。【2014年7月8日号 Newsweek日本版】
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【強力な理解者が出現】
アメリカ・オバマ政権は特にその末期に、サイバー攻撃などをめぐりロシアとの対決姿勢を強めました。
しかし状況は一転、今や強力な支援者・理解者を得たことは周知のところです。

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トランプ米大統領、プーチン・ロシア大統領を「尊敬する」=協力関係構築に期待****
トランプ米大統領は4日に放送されたFOXニュースとのインタビューで、ロシアのプーチン大統領を「尊敬している」と語った。また、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦でロシアから支援を得られれば感謝すると述べ、協力関係の構築に期待を示した。
 
一方、質問者から「しかし(プーチン氏は)殺人者だ」と詰め寄られると、「多くの殺人者がいる。われわれの国が無実だと思うのか」と反論した。
 
トランプ氏は選挙中から、オバマ前政権で悪化した対ロシア関係を修復する方針を公言。就任から1週間が過ぎた1月28日にプーチン大統領と約1時間、電話会談を行っている。【2月5日 時事】 
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この「われわれの国が無実だと思うのか」というトランプ発言に関しては、“卓見”であるとの個人的感想はこれまでも書いてきましたが、さすがにアメリカ国内では、度重なるプーチン礼賛、また、アメリカをロシアと同列の“殺人者”と呼ぶことへの拒否感から、多くの批判があるようです。

もちろん、いろんな国際問題でロシア・プーチン大統領と協調することは重要ですが、“尊敬”という話になると・・・・。


【政治的、時に肉体的に葬られるプーチン批判指導者】
今日は、“殺人者”とされるロシア・プーチン大統領がシリア空爆などで何をやっているかといった国際的な話はさておき、ロシア国内の最近の話題・状況などについてです。

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ロシア野党勢力指導者、再び有罪判決 大統領選の出馬困難に****
ロシアの野党勢力指導者で横領罪に問われたアレクセイ・ナワリヌイ被告(40)の再審で、中部の都市キーロフの裁判所は8日、執行猶予付き禁錮5年の有罪判決を言い渡した。ナワリヌイ被告は来年の大統領選に出馬する意向を表明しているが、今回の有罪判決で難しくなった。
 
ナワリヌイ被告と実業家のピヨートル・オフィツェロフ被告は、ナワリヌイ氏がキーロフ州知事の顧問を務めていた時期に材木取引で1600万ルーブル(約3000万円)を州予算から横領したとして、2013年に有罪判決を受けた。

ナワリヌイ被告らはこれを不服として欧州人権裁判所(ECHR)に提訴。人権裁は昨年、公正な裁判ではなかったとして判決を無効としていた。
 
しかし、ロシアの最高裁判所は両被告の裁判の再審を命令。それを受けた今回の裁判で、裁判官は前回とまったく同じ内容の判決を下した。判決文で用いた表現もほぼ同じだった。
 
ナワリヌイ被告は昨年12月、来年3月に予定される大統領選への立候補を表明。この裁判について、大統領選から自身を締め出すことを狙ったものだと批判していた。ウラジーミル・プーチン大統領はまだ出馬を表明していないものの、4期目の選出が確実視されている。

ロシアでは有罪となった被告が公職に立候補することは法律で禁じられている。だがナワリヌイ被告は上訴する考えを示し、活動も続けていくと言明した。
 
ナワリヌイ被告は2011~12年に行われた大規模な抗議活動を率いて一躍有名となり、ロシア政府批判や反汚職運動を展開している。【2月9日 AFP】
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06年にプーチン批判著名ジャーナリストであったアンナ・ポリトコフスカヤが射殺された事件、元KGB(国家保安委員会)職員のルゴボイ(現在は極右政党に所属する国会議員)が、プーチンの政敵アレクサンドル・リトビネンコ氏を06年に毒殺したとされる事件、2015年にはプーチン政権を批判する野党指導者、ネムツォフ元第1副首相がモスクワ中心部で射殺、やはり政敵の元石油王、ミハイル・ホドルコフスキー氏は2013年まで10年間投獄・・・・と、プーチン政権による政敵潰しは常習化しています。

2011~12年のプーチン批判が高まった時期ならともかく、クリミア併合後の圧倒的支持率を獲得した状況で、虚弱な野党の存在など気にしなくてもいいものを・・・と思うのですが、権力者というのは僅かばかりの批判・抵抗にも不安になるのでしょうか?

プーチン大統領に批判的な政治団体の幹部が毒を盛られたのでは・・・との疑惑も。

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何者かに毒盛られたか 反プーチン団体幹部、臓器不全で昏睡****
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に批判的な政治団体の幹部が病院に搬送され、臓器不全で昏睡状態に陥っている。幹部の妻は7日、何らかの物質による「急性中毒」と診断されたと明らかにした。この幹部は2年前にも毒物を盛られた疑いがあり、一時重体となっていた。
 
入院しているのは、元石油王のミハイル・ホドルコフスキー氏が創設した政治団体「開かれたロシア」のコーディネーター、ウラジーミル・カラムルザ氏(35)。2日にモスクワで倒れて病院に搬送されて以来、人工呼吸器につながれ、腎臓透析を受けている。
 
妻のエフゲニアさんはAFPに「正式な診断結果は未確認の物質による急性中毒だ」と説明した。容体は深刻だが安定しているという。
 
これまでのところカラムルザ氏が何らかの犯罪に巻き込まれた確証はない。エフゲニアさんによると国内で行った検査では何も明らかにならなかったため、中毒の原因を突き止めるべく検査用のサンプルをフランスとイスラエルの研究所に送ったという。
 
カラムルザ氏は2015年にも中毒に関連した急性腎不全を起こし、血中から高濃度の重金属が検出されていた。その後、ロシア連邦捜査委員会に対して何者かが故意に毒を盛ったのか捜査するよう求めたが、結局刑事捜査は見送られた。
 
カラムルザ氏は、2015年にロシア大統領府近くで射殺された野党指導者ボリス・ネムツォフ元第1副首相とも親しかった。【2月8日 AFP】
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真相はわかりませんが、反プーチン運動・野党指導者の中核を次々に失い、脆弱なプーチン批判勢力は当分冬の時代が続きそうです。


【「伝統的な家族文化」への回帰】
ロシアの異質な“独自性”を強める国内の動きも。

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ロシア、家庭内暴力への刑罰、通称“平手打ち法”を軽減 “規律”優先で人権配慮されず****
ロシアでドメスティックバイオレンス(DV)への刑罰を軽減する法改定がこのほど行われ、欧州や国際人権団体から批判の声が上がっている。

露議員らは子供への“しつけ”に必要と強調するが、実際には女性など社会的弱者へのDVを助長しかねないためだ。家父長的な家庭を理想とする社会的風潮の強まりも、今回の動きの背景にあるとみられている。
 
改定法はプーチン大統領が7日に署名し、即日施行された。通称“平手打ち法”とも呼ばれ、露メディアによると骨折などの大けがに至らない近親者の暴力に対し、これまで最大で自由剥奪2年だった初犯への刑罰が、罰金最大3万ルーブル(約6万円)などの行政罰に変更された。
 
法改定の動きに対しては、欧州評議会のヤーグラン事務局長が「女性や子供に対する暴力は重大犯罪であり、人権侵害だ」と警告したほか、国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」も「DV被害者が救済を得ることが著しく困難なロシアで、状況をさらに悪化させかねない」と糾弾していた。
 
しかし改定を推進した保守派女性議員は、親の権威を基盤とする「伝統的な家族文化」を強めると主張。ボロジン下院議長は「欧州評議会による圧力は容認できない」と反発するなど、国際社会との“価値観論争”の様相も帯びていた。
 
DV被害者の救済活動に携わる女性法律家のダフチャン氏は、法改定の背景には「ロシア正教会の圧力があった」と指摘する。
 
露正教会は家庭内の規律を重視する立場から、親への刑事罰を定めた従来法を強く批判していた。ダフチャン氏によれば、露社会では「絶対的な家父長制」を尊ぶ風潮が強まっており、DV問題の議論すら受けつけない傾向にあるという。
 
ロシアの暴力犯罪の約4割は家庭内で起きており、女性の被害者は子供の3倍に上るとされる。ダフチャン氏は「従来は少なくとも彼女らを守る仕組みがあったが法改定でそれも失われた」と述べ、事態は深刻化するとの見方を示している。【2月9日 産経】
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改正案を支持する保守派は、子どものしつけを行う親を罰することは誤っており、また国が家庭生活に口を出すべきではないと主張しているそうです。

日本でも伝統的家族観を重視する立場の方は大勢いらっしゃいますので、賛同する方も少なくないのでは。

“国の統計によると、DVに関する犯罪は2015年に4万9579件発生し、うち3万5899件が女性に対する暴力だったという”【2月8日 AFP】とのことですが、表面化したこれらは氷山の一角であり、今回法改正で益々DVの実態は闇にかくれることになるでしょう。


【気が付けばアメリカもロシア・中国と価値観共有?異質なのは自分の方か?】
他にも、ロシアがどこへ向かっているのか・・・と思わせるニュースもいくつか。

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ロシアの人権活動家、小児性愛の容疑で逮捕 でっち上げの声も****
旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン時代の抑圧について研究していたロシアの歴史学者が、小児性愛の疑いで逮捕されていたことが分かった。この歴史学者が所属する著名な人権団体「メモリアル(Memorial)」が先月31日、明らかにした。メモリアルは今回の事件を、でっち上げられたものと批判している。
 
メモリアルの人権活動家セルゲイ・クリベンコ氏によると、1930年代のスターリンによる大粛清を研究していた歴史学者のユーリ・ドミトリエフ容疑者(61)は昨年12月13日、「わいせつな画像を作成」したとして、ロシア北部のペトロザボーツクで逮捕された。
 
クリベンコ氏はAFPの取材に対し、「われわれの組織を標的にした、でっち上げられた事件だ」と主張した。旧ソ連時代の抑圧と人権問題の調査を行っているメモリアルで、ドミトリエフ容疑者はカレリア地方の支部長を務めていた。
 
ドミトリエフ容疑者の弁護士はAFPに対し、「わいせつな画像を作成するために、養子に迎えた11歳の少女を搾取した」との容疑がかけられていると述べた。有罪になれば最大で禁固15年の刑が科される。
 
ただ、弁護士は障害のある養子の「成長の遅れを観察する」ため、女児の裸の写真を撮影したと主張している。
 
一方、フランスの歴史学者ニコラ・ベルト氏は仏紙リベラシオンに寄稿し、「ドミトリエフ氏が見舞われた今回の事件は、スターリン時代にもあったような、でっち上げのようなものに思える」と述べた。【2月1日 AFP】
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ロシア当局、連邦保安庁とカスペルスキー社員を訴追 国家反逆罪****
ロシア当局は、連邦保安庁の職員2人とコンピュータセキュリティ会社カスペルスキーの社員1人を国家反逆罪で訴追した。3人のうちの1人を代表する弁護士が明らかにした。

同弁護士によると、カスペルスキーの調査チームのトップと連邦保安庁の情報セキュリティセンター職員2人は、米諜報機関に協力したとし、国家反逆罪に問われているという。

カスペルスキーは、この社員が逮捕されたことを確認した。ただ、社員は入社前の出来事に関連したものとしている。【2月2日 ロイター】
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「ヨーロッパではない」とするロシアにあって、プーチン政権が国家主義的、強権的支配を強め、“ロシアの独自性”を重視した社会風潮が強まる・・・・そんなロシア・プーチン大統領を称賛するアメリカ大統領。

なんだかおかしな世の中になったものです。

もっとも、トランプ大統領は「国家の安全のためなら入国の停止や制限など何をしてもよい。」とも発言しています。
もちろん非常時に“非常事態宣言”などのもとで市民生活が制約されることはどの社会でもあることですが、“何をしてもよい”と言い切る“感覚”が従来の価値観とは異質です。

アメリカ・トランプ政権もロシアや中国と価値観を共有する流れにもなっているのかも。
そうなると、気づけば向こうがノーマルで、私が“異質”な存在になってしまっている・・・といったこともあるのかも。周りを眺めると、日本国内も・・・・。

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