杏子が自爆して残った魔法少女はほむらたた1人となった。キュゥべえはほむらの自宅を訪ねて「助ける事なんて出来るわけないじゃないか。佐倉杏子の脱落には意味があった。この街を守るにはまどかが魔法少女になるしかないわけだ。」思惑通りになった事を口にした。そしてほむらが一ヶ月間を繰り返す事を理解した上で、まどかが魔法少女として破格の素質を備えた理由の仮説を説明し始めた。



「魔法少女の潜在力はね、背負い込んだ因果の量で決まってくる。一国の女王や救世主ならともかく、平凡な人生しか与えられて来たまどかに、どうしてあれだけ膨大な因果の糸が集中してしまったのかわからなかった?ねえほむら、ひょっとして君が同じ時間を繰り返すごとに強力な魔法少女になったんじゃないのかい?」仮説とはほむらの時間を繰り返し、平行世界を行き来した結果因果が集まり、結果的にまどかの魔法少女の力が増したのだという事。ほむらは何も答えず、それはキュゥべえの仮説通りだった。「お手柄だよほむら、君がまどかを最強の魔女に育ててくれたんだ。」まどかの力を高め、エネルギー獲得のチャンスを作ってくれた事を手放しに喜んだ。(副作用とは中々良い言葉です。何度も繰り返した結果、まどかを中心に因果が集まってしまった。ほむらは問題が無いと思っていたけど、自分の行為がまどかのちからを高める事になった。因果応報って言葉がありますけど、凄く自分としては当てはまっているなって思いました。)



後日、ソウルジェムの抜け殻となったさやかの遺体が発見された。「死体」という当たり前の扱いをされ葬儀が行われたが、死因を知る者は魔法少女に関わるまどかやほむらしか知らず、本当の事なんて言えるはずも無かった。「なあまどか、さやかちゃんの事本当に何も知らないんだな?」さやかの死について洵子は、帰宅したまどかに尋ねた。しかし帰ってきた答えは「うん」の一言。非常識な最期を語れるはずもなく、そのまま自分の部屋に戻った。「さやかちゃんも杏子ちゃんも死んじゃった。」魔法少女の死に不安を覚えた時、決して意外ではないと主張するキュゥべえが現れた。(常識では考えられない事に巻き込まれている。本当の事を言ったら両親はどう思うか?そんな状況になったら言えるはずも無いですよ。ただあのお母さんなら話を聞いたら、娘を助けようと必死になると思いました。娘の事をしっかり理解していますからね。)



まどかは騙されて魔法少女達は死んだのだと抗議するが、インキュベーターにとって魔法少女は、人間の食卓に並ぶ牛や豚や鳥と同等の家畜だとみなしていた。ビジョンを見せられ拒否反応を示すまどかだが、家畜と魔法少女を同等にみなすキュゥべえからみたら「理不尽」としか受け止められない。「むしろ僕らは、人類が家畜を扱うよりもずっと君達に譲歩している。まがりなりにも知的生命体として交渉している。信じられないなら見せてあげるよ、インキュベーターと人類が共に歩んだ道を。僕達は有史以前から君達の文明に関わって来た。数え切れないほどの少女達が、インキュベーターと契約したんだ。希望を叶えて絶望に身をゆだねて行った。祈りから始まり呪いで終わる。数多の魔法少女達が繰り返して来たサイクルだ。」有史以前からインキュベーターは、人類、少女達に干渉して来た。彼女達が祈れば魔法少女として活動し、クレオパトラや卑弥呼、ジャンヌ・ダルクなど歴史に関わる人物とも契約した。言うなれば、自分達が人類を導いて来たのだと。(まさかそこまで歴史上の人物に関わっている設定があるとは。確かに願いだけで全てがうまく行くなんてありえない。流れを曲げてしまうとどこかに破綻を来たすのは、当然と言えば当然。ただまどかはこの話を聞いた上で、願った人が呪いを生み出す事に違和感を感じたとだと思いました。)



人類の歴史は、魔法少女が紡いで来た歴史。マミ・さやか・杏子の死も未来への礎程度にしか思っていない。キュゥべえは全体的・客観的にしか見られない生命体なのだ。「あの娘達を見守りながらあなたは何も感じなかったの?皆がどんなにつらかったのかわかってあげようとしなかったの?」まどかは出あった魔法少女達に感情を抱いている。何故キュゥべえにはそれが理解されないのか疑問をぶつけた。「それが判れば、僕達はこんな星まで来ないよ。感情というのは、精神疾患でしかないからね。もしも僕達が来なかったら、今でも裸で洞穴に住んでいたんじゃないのかな?」個体それぞれが感情を持っているのは驚いたインキュベーターは、エネルギー獲得のチャンスだと思った。そうしななければ、今でも有史以前のままだったと主張した。(主観と客観、見方の違いは恐ろしい。今回の原発事故でもそういう事を感じたので、人間の事を考えて行かないと駄目だなと再認識しました。)



夜、洵子と担任の和子はバーで酒を飲んでいた。「教え子とこんな別れ方をするのは辛いわよ。事情はハッキリしないのは本当だし、3年生にも行方不明の娘がいる。職員会議はひっちゃかめっちゃかよ。」さやかとの別れが死という結果だった事。マミも行方不明で職員達は、慌てふためいている。死因もわからず、恋のライバルになった仁美はショックを受けている。そんな現状を踏まえ和子が辛い心境を口にして、まどかの様子を尋ねた。「わかんねえ。あたしのカンじゃ何か知っているように見えるけど、嘘を付いているようにも思えない。初めてなんだよ、あいつの本音を見抜けないのは。近頃は妙だなとは思っていたけど、何か1人で背負い込んでいるって思っていたけど、何時まで立っても相談してこない。」洵子もうすうす感じていたが、まどかは自分を頼って相談して来ない。そんな状況に歯がゆさを覚えていた。それに対し和子は、時間が必要だと答えた。(こういうシーンは初めてですね。親世代の会話というのは、子どもの事を考えているのですけど、子どもが抱えている事がわからず何もして上げられないのはつらいです。そういうシーンをバーで話すのは良い演出だと思いました。)



まどかはほむらの自宅を訪れ、ワルプルギスの夜を倒す為に杏子と共闘して準備を進めていた事を知った。「今までの魔女と違って、こいつは結界に隠れる必要なんてない。ただ一度具現しただけで、何千人という人が犠牲になるわ。」ワルプルギスの夜の強さをまどかに説明するほむら。「杏子ちゃんが死んで、戦える魔法少女はほむらちゃんだけ。なら・・・・」倒さなければならない魔女だが、戦えるのはほむらただ1人。まどかは戦う必要があるのだと、自分も契約する必要があるのだと思い始めた。しかしそれは絶対に避けなければならない事。だからほむらは自分が1人で戦えると強がり、杏子の顔を立てただけだと説明した。「何でだろう私、ほむらちゃんの事信じたいのに、嘘つきだって思いたくないのに、全然大丈夫だって気持ちになれない。ほむらちゃんの言っている事が、本当だって思えない。」ほむらを信じたいけど、ワルプルギスの夜にたった1人で立ち向かえるなんて信じられない。まどかの目には涙が溢れていた。(なぜ本当だと思えないのか?杏子の存在があるからだと思います。綿密な打ち合わせをしていたのが、全部フリだったとは思えない。杏子の存在なくしては、ワルプルギスの夜を倒せないとまどかは分析したのだと思います。意外と鋭いな。)



本当の気持ちなんて伝えられるわけないのよ。だって私は、まどかとは違う時間を生きているだもの。私ね未来から来たんだよ。何度も何度も同じ時間を巡って、それと同じ回数だけあなたが死ぬ所を見てきたの。どうすればあなたを助けられるか?どうすれば運命を変えられるのか?その答えを探して、何度も始めからやり直して。ごめんねわけわからないよね。気持ち悪いよね。まどかにとっての私は、出会ってからまだ1ヶ月しか経っていない転校生でしかないものね。だけど私のとってのあなたは・・・・・繰り返せば繰り返すほど時間はずれて行くの。気持ちもずれて言葉も通じなくなっていくのよ。あなたを救う!それが最初の気持ち、今となってはたった1つだけ最後に残った道しるべ!お願いだからあなたを私に守らせて!」ほむらは自分の正体とまどかに対する思いを口にした。助けたい気持ちは最初から変わっていない。しかし今となっては、最後の拠り所となっている。涙を流し自分の気持ちをさらけ出す姿を見て、まどか戸惑いを覚えていた。(このシーンはお話を進める上でも絶対必要です。ほむらが自分の素性と目的を明かし、まどかがどう受け止めるのか?クールに徹して来たのは全てまどかの為だったのは既知の事実ですが、まどかの前だとそれも保てなくなる。まあ女の子が必死で頑張ってきたのですから当然ですよ。)



ワルプルギスの夜がやって来た。見滝原市には、スーパーセルと呼ばれる巨大積乱雲が発生、住民達に避難勧告が出された。そんな中ほむらは、たった1人で立ち向かおうとした。まどかは家族全員非難したが、ほむらの事が心配でたまらない。一方ほむらは今度こそ決着をつけようとモチベーションも高く、ありったけのミサイルやバズーカをワルプルギスの夜に向けて発射した。そして間髪入れずに攻撃を繰り出すが、ワルプルギスの夜は笑っていた。余裕で攻撃を受け止め、逆に長い腕を生かした攻撃でほむらにダメージを与えた。同じ頃、心配になったまどかは、家族の元から離れキュゥべえが現れた。


「ほむらちゃんが、1人でも勝てるって本当?」疑念を抱いていた事を尋ねるまどか。「今更言葉にして解くまでもない。その目で見届けてあげれば良い。ワルプルギスを前にして暁美ほむらがどこまで戦えるのか?彼女はね希望を求めているんだよ。いざとなればこの時間軸を無為にして、戦い続けるだろう。証拠にも無く、この無意味な連鎖を繰り返すのだろうね。立ち止まる事と諦める事は同義だ。何もかも無駄で、決してまどかの運命を変えられないと知った時、絶望に負けてグリーフシードに変わるだろう。勝ち目のある無しなんて関係なく、ほむらは戦い続けるしかないんだよ。」自分の目的を果たす為に立ち止まる事は出来ない。ほむらは最後に残った道しるべ「まどか」の為に戦い、それが果たせなくなれば、魔女に変わると答えたキュゥべえ。



それは過去の魔法少女と同じ、希望から絶望に変わるのが運命である。まどかはその光景がフィードバックして、思わず吐き出してしまった。それでもほむらを助けようと、足が階段に向かったその時、止める手が伸びて来た。その手は母洵子の手だった。「友達を助けたいの。私じゃなきゃ駄目なの。」どうしても自分が助けようとするまどかだが、洵子は命を粗末にする事が許せず思わず叩いた。まどかは理由は説明できないが、どうしても行かなければならないと頑として主張する。「理由はいえないのか?ならあたしを連れて行け。」自分も連れて行けと頼む洵子に対し、まどかは首を横に振った。「ママは私が良い子に育ったって言ってくれたよね。嘘もつかない、悪い事もしないって。今でも信じてくれる?私も正しいって信じてくれる?」自分の事を信じて欲しい、家族を安心させて欲しい。まどかの強い気持ち口にすると、洵子は心配しながらもまどかを送り出した。(家族の会話ってまどかだけですよね。魔法少女は家族とは無縁って感じがありましたけど、このシーンは親子の気持ちが良く出ていたと思います。子どもが心配な親と自分の道を進もうとしている子ども。成長と心配の両面が、非常に引き出されたシーンでした。)




ほむらは苦戦を強いられ、このままだと体育館にまで被害が及んでしまう危機が迫っていた。絶対に食い止めなければならないと挑んだ。「どうして何度やっても勝てないの?」その強大な力を前にして無力だと涙を流し、ソウルジェムは絶望の穢れが支配しようとした。その時まどかが現れほむらの手を握った。「もう良いんだよ、ありがとう。でもごめんねほむらちゃん。」ほむらの気持ちは嬉しい。でも最後は自分が契約して、魔法少女にならなければ解決しない。まどかは既に決心を固めていた。(これはまどかが今までの事を踏まえて出した結論ですよね。ほむらが頑張った事。マミやさやかや杏子がいた事もあります。希望が絶望に変わるなんて理不尽だと思うし、魔法少女はそんな存在ではないと思ったのでしょう。しかしああついに主人公が、魔法少女になりますか。ここまで引っ張ったのだから、きちんとした結論を出して欲しいと思いました。)




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