①春の新作劇場アニメも単館がお約束
3月6日、劇場公開が始まった『イヴの時間 劇場版』が好調なスタートを切った。作品の最新情報を伝える作品の公式ブログ「イヴのブログ」によれば、『イヴの時間 劇場版』は池袋テアトルダイヤの興行で劇場リニューアル後の初日動員数、興行収入で歴代1位に輝いた。池袋テアトルダイヤはこの作品のメイン館の位置づけで、初日はこのほかテアトル新宿のアーリー上映、レイト上映が行われている。映画の前評判の高さに加えて、劇場数が限定されていたことが大きなヒットにつながったようだ。
初日は吉浦康裕監督のほか、リクオ役の福山潤さん、サミィ役田中理恵さん、ナギ役佐藤利奈さんらが登壇する舞台挨拶が池袋テアトルダイヤだけでも日に4回行われた。また、初日土曜日、翌日曜日限定の「イヴレンド」のオリジナルブレンド限定コーヒーの試飲企画も行われ、イベント感を盛り上げた。ネット配信の頃からのファン、そして今回の劇場で初めて作品に触れるファン、多くの人たちで賑った。4月3日からは大阪・テアトル池袋でもスタートする、都内は2館体制となるので、劇場内の賑わいはいま暫く続く。
劇場アニメが比較的小規模な公開からヒットを生みだすのは、ここ数年の映画興行の特徴だ。昨年も『東のエデン劇場版Ⅰ The King of Eden』や『劇場版 マクロスF 虚空歌姫~イツワリノウタヒメ~』などのヒットがあり、今年に入っても『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』、『Fate/stay night UMLIMITED BLADE WORKS』、『涼宮ハルヒの消失』などが同じパターンでのヒットを生みだしている。
『イヴの時間 劇場版』の好調は作品の人気とクオリティーの高さを示めすと同時に、こうした傾向が様々なタイプの作品に及んでいることも示している。池袋テアトルダイヤは、2009年8月22日にこれまでひとつの劇場だったものを2分割するふたつの劇場にリニューアルされた。分割後は劇場アニメの上映にも力を入れている。これまで『劇場版 空の境界 第七章 殺人考察(後)』、『センコロール』、『東のエデン劇場版Ⅰ The King of Eden』、『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』などの作品が上映されている。今回はそうしたアニメ重視の路線が、結果となって表れた。映画のヒットを受けて拡大公開にも期待がかかる。
アニメアニメより
②大きなお友達は子供向けにはちょっと場違い
6日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇2で映画『映画ドラえもんのび太の人魚大海戦』の初日舞台あいさつが行われ、レギュラー声優の水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一をはじめ、映画のオリジナルキャラクターの声を演じた田中理恵、飯塚雅弓、主題歌を歌うmao、そして楠葉宏三監督が登壇した。
ドラえもんやのび太の着ぐるみに子どもたちが大歓声をあげる中、声優アイドルの飯塚が舞台に登場すると、客席の空気が一変。飯塚のファンと思しき“大きなお友だち”が野太い声援を送っていた。飯塚は以前から「ドラえもん」の大ファンだったそうで、「出演できてうれしい」とニッコリ笑顔を見せた。ドラえもんの声を務める水田は、「これからもまだまだ頑張る」と劇場版30周年の節目に、気合いを入れ、楠葉監督も「40周年、50周年と面白いドラえもんを作っていきたいので、応援お願いします」と観客に頭を下げていた。
『映画ドラえもん のび太の人魚大海戦』は劇場版シリーズ30作目にして、第1弾『ドラえもんのび太の恐竜』公開から30周年の節目を迎える記念すべき最新作。ひょんなことから、人魚族のソフィアと出会ったドラえもんたちが、不思議なパワーを持った「人魚の剣」を奪おうとする怪魚族と戦いを繰り広げる冒険活劇。
シネマトゥディより
昨日から春休みシーズンの新作劇場版アニメが公開が開始されました。そこで気になったのが、現代のアニメ作品の大きな違いです。具体的に言うと子供向けアニメと深夜アニメに代表されるアニヲタ向け作品の違いです。子供向けアニメの代表作を挙げると、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「ケロロ軍曹」「名探偵コナン」などゴールデンタイムで放送されている作品で、視聴者層は浅く広い。一方深夜アニメは、このブログのメインテーマとなっている作品です。劇場板の「マクロスF」「涼宮ハルヒの消失」「東のエデン」「Fate/stay night」「イヴの時間」など、熱し線を送るアニヲタ層をターゲットにしています。
2つの種類の劇場板アニメを比較して見ると、違いは一目瞭然です。子供向け作品は、公開劇場数が300以上あるのが当たり前。地上波での番宣番組もあり、話題集めとして芸能人がゲスト声優を務めるのがよくあるパターンです。ネームヴァリューと知名度を生かし、キャラが好きでいつも観ているアニメのスペシャル版だと考える、幼稚園児から小学生ぐらいまでの子供と家族連れがメインターゲット。例えばドラえもんならそのストーリーが楽しめれば、声優や作画などのディテールにはこだわらない人が中心です。
一方深夜アニメ発の劇場板作品は、公開劇場数が限られ多くても30ぐらい。宣伝もネットのみで深夜アニメで放送された内容の延長戦で、あえて劇場版作品として製作しています。だから作品の世界観を大切にする人達から支持を集め、芸能人が話題集めとしてゲスト声優として出演する事を極端に嫌うのは、アニヲタが作品を壊して欲しくないからです。ターゲットは中学生ぐらいから大人まで幅広いですが、作画やストーリー性声優の出来など非常にディテールにこだわる人が多いのが特徴です。
こうして分析すると明らかに劇場板アニメ、ひいては日本のアニメ業界は二極化している事が理解していただけると思います。しかしただ1つどちらにも共通している部分があります。それは演じる声優さんです。今回ドラえもんの劇場版舞台挨拶を取り上げたのは、我々が当たり前のようにやっている事が、子供向け作品に関わるイベントで行うと強烈な違和感と一般人からの冷たい視線を感じるしまう事。つまり普段深夜アニメに出演する田中理恵さんや飯塚雅弓さん目当てで来た「大きなお友達」と揶揄されるアニヲタとキャラクターや作品自体に興味がある子供や家族連れが、混在するカオス客層が出来上がる事が問題だと思ったからです。
何故カオスと表現したかと言うと、アイドル声優達が出演するイベントは、俗世間からかけ離れており一般には知られていないからです。例えば果たして昨日発表された第四会声優アワードを受賞された方々をどれだけの方が知っているのか?水樹奈々さんはもう別格ですが、多分殆どの人が名前すら知らないでしょう。しかし我々は声を聴けば誰なのか判る人種です。そんな普段のイベントと同じようにやって来る人達が、子供向け劇場版アニメの代名詞「ドラえもん」の舞台挨拶で、野太い声で応援したら周りの人は驚くだけでしょうね。
しかしそれではいけない!勿論ファンの行動はちょっと自重して欲しいけど、深夜アニメも狭いニッチ的なファン層を狙い撃ちしていますが、私は自信を持って素晴らしいと断言出来ます。現在の日本の最先端のアニメーション技術を駆使しているのですから、それをスルーするなんて勿体無い。もっとアピールしてこういうカオスな状況が無くなって欲しいと思います。アニソンのオリコン1位運動もアニメランキングでの抗議行動も全ては、ちゃんと認めて欲しい気持ちの裏返しなのですから。


