岡崎朋也と古河渚、2人が運命的な出会いを果たす1年前、渚は高校3年生に進級した。改めてクラス分けが行われ、友達と一緒のクラスになり嬉しそうな生徒。嫌な教師が担任となりへこむ生徒など喜びと悲しみが交錯する光景が見られた。「おはよう古河さん!クラス別々になっちゃったね。2年の時同じクラスだった人はいた?」声を掛けて来たのは、2年生の時仲良くしていた木村と名の女子生徒。「いいえ女子は誰も!」引っ込み思案で弱気な渚にとって、男子生徒と話をするなどはありえない。知っている女子生徒がいない事は、知り合いが誰もおらずまた最初から人間関係を構築していく必要があった。「きっと直ぐに友達出来るよ、古河さん可愛いから。控え目にしてないで、どんどん話し掛ければいいんだよ。」可愛いから興味を持ってもらえるはずだから、自分から行動した方がいいとアドバイスした木村。そのまま所属するA組の方に戻って行った。その時1人の男子生徒とぶつかった。鋭い目付きで近づき難い雰囲気を持つ、不良少年岡崎朋也。2人の出会いは既に1年前存在した。互いに名前も知らなかったが。(自分に自信が持てない。木村さんのように積極的に出来たら渚は最初から苦労していない。話をするきっかけってやっぱり必要なんですよね。今だったらWBCなんていいんじゃないですか?でも私が観てきた物語と違う話は、また雰囲気も違い面白いですね。)



 始業式が終わり不良コンビの朋也と春原陽平は、入学式の準備作業を行っていた。勿論2人が率先して作業をしている訳ではなかった。「エスケープに失敗したからだろ。」文句ばっかりの陽平に授業エスケープがばれたからと教えた朋也。「なんだってあたしもあんた達を見張らなければならないのよ。」更にもう1人文句を言っているのは、クラス委員長になった藤林杏。カーテンを使ったエスケープを暴いた張本人だった。「見逃してくれればよかったじゃん。」文句言われて杏に八つ当たりした陽平。「そういうのを逆恨みっていうのよ。何なら頭蓋骨に釘ねじ込んで上げましょうか?」男勝りのクラス委員長には屁理屈は通用せず、マジな目で陽平に脅しを掛けて作業に従事させようとした。「さっさと終わらして帰ろうぜ。お互い時間の無駄だ。俺は岡崎朋也だお前は?」冷めた目で時間の無駄と言い切り帰ろうと告げた朋也。「バカに教える名前は無いわ。でもあんた人を見る目あるじゃない。」最初は教えるつもりが無かった杏。ただ朋也の容姿と態度が気になり、少し心を許し始めた。(杏と朋也・陽平の出会いは同じクラスだったことからでした。この頃から名物コンビとして活動してたんですね。これも幸村先生の差金だったのですがまだ気付いてないです。ただ最後もまで変わらなかったのは、陽平のキャラ設定だったのは悲しい限りですが。オチで板に潰されてましたし。)



 すると隙を付いてまたエスケープを試みた陽平。それに気付き捕まえようとした杏。その時立ててあった板が倒れて来た。「バカ!」大声で叫び寸前の所で朋也が救出。男子生徒に守ってもらい杏は、顔を赤らめまんざらではない。「一応感謝しておくわ。あたし藤林杏、これから1年間世話焼かせないでよね。あたしの事は杏でいいわじゃあね。」助けてもらったお礼に名前を教えた杏。「何だか変なのと知り合いになっちゃったね。」好意的ではない陽平。「向こうもそう思っているぞ。これから駅前の広場に行こうぜ。どうせやる事もないし。」自分達が変だと自覚しながら、無気力な毎日を過ごす朋也。当時3人が、今度長い付き合いになるとは知る由も無かった。同じ頃渚は1人で、古河パンに帰宅した。「誰とも話せなくてちょっと寂しかったです。」秋生から学校での様子を聞かれ、話せなくて寂しいと返答した渚。「あーどうして突っ込んでいかないんだよ?自己紹介しろよ。」引っ込み思案な娘の行動に納得いかずいらつく秋生。振り込め詐欺の真似をするなどピントはずれていたが、積極的にアピールしろとアドバイスした。(杏ちゃんはこのころは朋也とフラグ立ってたんですね。惜しいなあ告白しておけば、CLANNADのメインヒロインは違っていたのになあ。杏ファンの方はどう思いますか?NEWTYPEにも掲載されてましたけど、杏と朋也というのも中々いいじゃないですか。)



 しかし木村とは友達になれたが、渚は関係を構築する為に時間が掛かっていると自分でも分かっていた。「きっかけだよきっかけ!周りの奴もお前と友達作りたいって思ってるって。取って置きの策を伝授してやる。ウルトラの母って呼ぶんだよ。そうしたらみんなが噂を始めるんだ。それが駄目なら早苗のパンを食わせろ。中には食ってくれる心優しい奴もいるはず。そういう奴と友達になれよ。」秋生流の友達作りは、変な行動とって注目を集める事。プレゼントになるかは高いハードルだが、早苗のパンをあげる事。とにかく何かきっかけを作れという事だった。しかし早苗が傷付いて店から出て行くお約束の光景を見ながら、秋生のアドバイスを聞いて溜め息を付く渚。入学式の注意事項説明時、ウルトラの母発言をした自分を想像したものの、とても出来ないと首を横に振った。しかしそんな渚を見つめて気にする1人の女子生徒がいた。(これから新しい出会いがある人多いはず。大学のサークルは、新入生はただで飲めると思いますから狙いですね。ブログやってますなんて言ったら、結構食いつきがいいかも。CLANNADが好きですって言って反応したら、話してみるなんて良いかもしれません。間違ってもウルトラの母とか父とかは無理じゃないでしょうか。)



 昼休み当然のようにエスケープして1人中庭で寝ていた朋也。「こいつはまた?起きなさい岡崎5時間目始まるわよ。」常習犯を教室に連れて行こうとした杏。「まあ格好良い方ね。彼女とかいるのかしら?」意外にイケメンだと気付き、ちょっと赤らめ近づこうとした。「岡崎危ない!寝てる間に息の根を止めようとしたのか?それとも男と女の関係で襲おうとしたのか?意外と見られる顔してるわねなんて思ったんじゃないの?」杏が取った行動の理由をずばりと言い当てた陽平。舐めていたバカに自分の気持ちを見抜かれ「殴れば記憶って消えるわよね。」拳を見せて強硬手段に出ようとした杏。その時大声で目を覚ました朋也に「こいつ男と女の関係で襲おうとしてたんだぞ。」陽平が事実を言おうとした。しかし杏のパンチが炸裂してその場は収まった。ただ陽平は杏に対する恨みを抱くようになった。授業が終わり結局渚には友達は出来ず1人で下校しようとした時、木村と新しいクラスで作った友達が声を掛けて来た。「古河さん洋服見に行かない?古河さんってとっても面白い人なんだよ。」渚を友人に紹介した木村。3人で洋服を見に行こうと渚を誘った。「えっでも寄り道はよくないですし。」小学生みたいな倫理観をぶつけ断ろうとしたが「今時そんな事言う人いないって。行こう行こう!」強引にブティックに連れて行かれた。ブティックでは、試着した洋服を褒めてもらえたり、先生を気にする渚を騙しにからかい面白がるちょっとしたいたずらにまきこまれながら、楽しい時間を過ごせたと渚は感じた。(杏はとっても可愛い所がありますね。後木村さんもとっても可愛くて面白い女の子です。渚の面白い一面を引き出すのがとても上手い。彼女みたいに理解してくる人を見つけるには、自分を分かってもらえないと絶対に無理です。これは新しい場所に行ったら誰でも同じなんですけど。それが出来るか出来ないかが、円滑な人間関係を構築する第一歩!)



 知っている女子生徒とは、いい関係を築けている渚。しかし未だ新たな友達は誰もおらず、それを秋生に話した。「クラスじゃ相変わらず1人か。せめえ教室に30人いるんだ1人ぐらい気の合う奴はいるだろ?廊下ですれ違う奴の中にも、かけがえのねえ存在になる奴だっているかも知れないぞ。だがな動き出さなきゃ赤の他人だ。」自分から何もしないと、ずっと赤の他人だと忠告した秋生。また早苗のパンをネタにして、注目を集める作戦を伝授した。当然早苗に出て行かれて追い掛けるいつものパターンになり、渚は溜め息を付くだけだった。その夜妹の椋が考案したトランプ占いで「告白される!」と言われた杏。思わず朋也の事が頭に浮かんだが、同じ頃陽平が復習作戦として直筆のラブレターを書いていた。「明日あいつの下駄箱に入れて、どきどきしている所を観察して大笑いするのさ。」自ら頭脳作戦として書いたラブレターは、平仮名だらけの小学生レベルの文章。復讐のやり方もも小学生並み。「こんな頭悪そうなラブレター初めて見たな。いろんな意味で恐ろしさを味わう事になるな。」内容の薄いラブレターと陽平の末路を予期して、朋也は呆れ果てていた。しかし翌日ラブレターを読んだ杏は、占いの事もあり思惑通りどきどきしていた。「そわそわしちゃって、結構可愛い所あるじゃん。」隠れて様子を見ながら、意外な一面に気付く陽平。「絶対これ悪趣味だぞ。」朋也は陽平の作戦に対し否定的だった。(ラブレターで人を騙すのは、人間の気持ちを踏み躙る卑劣な作戦。まあずる賢い陽平らしい作戦ですが、朋也には末路が分かっているようです。2年生の頃からやってる事がコントなんですよ陽平はただテンパッテる杏はめっちゃ可愛かった。)



 当日は入学式が行われ初々しい1年生がリボンをつけて、体育館に向かって歩いていた。「ほらあの子、何年か前に流行ったあれに似てない?えっと何だったかなこんなのだよ。」1年生の中に丸顔の生徒がいた。キャラクターに似ていると気付たが思い出せず、絵を描いて説明したクラスメイト。それは渚が大好きなだんご大家族。「あのうそれは・・・・・・」渚が勇気を出して声を掛けようとした瞬間、教師が生徒達に体育館に集まるよう指示を出した。結局話をするきっかけを逃し悲しそうな顔をした渚。その様子をホームルームの時と同じ女子生徒が見つめていた。入学式が終わりラブレターの差出人が分からず、顔を赤らめながら男子生徒を見つめる杏。「嫌だあたしまさか期待してるの?」本気のラブレターで恋愛関係になると内心期待していた。しかし指定通り向かった資料室には誰もおらず、黒板に屋上に来るようにと書かれてあった。そして屋上に行くと今度は体育用具室に向かうように貼り紙が合った。これを何度も繰り返し杏は、完全に陽平の術中にはまっていた。「もうやめようぜ!」調子に乗る悪友を止めようとした朋也。「何言ってるんだよ。まだまだこれからだよ。」先回りしようと渚の前を走る2人。しかし因果応報結局悪戯はばれ、2人は地獄送りになるお約束の結末を迎えた。(ウルトラの母・ウルトラの母って呟きながらアンパンを食べる渚ちゃんがシュール。しかも石みたいにスルーされた時は、本編を見ているので更にシュールになりました。素通りした2人特に陽平は、女心をもてあそんだ罰がたたりいつも通りの結果に終わりました。でもこれでもめげないのがすごい所です。)



 ボコボコにされた陽平は、やられたストレス発散を新入生にぶつけようと、くす玉を朋也と一緒に作り始めた。「高校生活が甘くないって思い知らせてやる。」くす玉の中には、朋也が新入生に送るメッセージと落ちたら痛いコントに使う小道具が仕込まれていた。夕方新入生歓迎のゲート下に設置されたくす玉。「何あれ?」「怪しすぎるだろ?」「水とか被ったらシャレにならないだろ。」引いて下さいと罠だとバレバレのくす玉の紐を引く1年生は誰も居ない。「お前の頭なんて1番下だから。」様子を見ながら呆れ顔で、悔しがる陽平に言い放つ朋也。しかしこんな馬鹿げたくす玉の下に渚が立ち、何も疑わずに紐を引っ張った。くす玉の中からドリフのコントで使うたらいが落ち渚の頭を直撃。倒れて気絶し、保健室に担ぎ込まれた。「アホの子がいた。」本当に引っ張る女の子の存在に朋也は呆れ顔だった。一方保健室で目を覚ました渚のベッドの隣には、ずっと見ていた女子生徒が座っていた。「誰かの悪戯だったんだって。でもドリフみたいで笑っちゃった。私前から古河さんと話してみたかった。木村さんから古河さんって素敵な人だよって聞いていたから。でもきkっかけがなかったんだ。よかったらこれから仲良しになってくれる?」木村から渚の存在を聞いていた女子生徒もきっかけがつかめなかった。しかし今回の一件で話をするきっかけが出来思い切って友達になろうと誘った。「えっと私・・・・・・・ハイよろしくお願いします。」最初は戸惑ったが、友達になろうという申し出を受け取った。自宅に帰って勇気を出した理由を話した渚。それは、くす玉の中に入っていた朋也のメッセージだった。「この先の困難に負けずにがんばれ by 夜露死苦」挫折した先輩から後輩に託した思い。「ありがとうございます。難しい名前の人。」誰だか分からない人に背中を押してもらった渚。今まで出来なかった事が出来てとても嬉しそうにメッセージを飾った。(藤林姉妹のサービスおっぱいカットでおなか一杯でしたが、朋也と渚がこんな風につながり渚を導く第一歩になっていたとは思いませんでした。ギャグ満載で久し振りに学生時代の話は新鮮で面白かったです。どうせだったらあの女の子と木村さんの下の名前も教えてくれれば更に感情移入できてよかったと思います。)