プトレマイオス2に向けて宙域ポイントだけが表示された暗号通信が届いた。ポイントはラグランジュ5に存在する建設中のコロニーエクリプス。情報提供者はヴェーダの所在をソレスタルビーイングに教え、自分の目的を果たそうとする王留美。そうとは知らないスメラギは、刹那の未来を予見する言葉とラグランジュ5に非難したリンダ達が、開発する新兵器を手に入れるチャンスだと提案したイアンの言葉を考慮し、プトレマイオス2をアロウズ艦隊の囮とする間、無傷のダブルオーライザーが留美との接触を図るように指示した。



 出発前人助けだからと同行した沙慈に対し、ライルを助けるには自我を失ったアニューを殺すしかないと答えた刹那。しかしそれは徐々にイノベイター化し、ヒリングとリヴァイヴを圧倒的な力で撤退に追い込んだ本人の直感だった。そして感情的になり何発も殴ったライルが謝罪に現れた。本来の目的を忘れて、女性を守りたい気持ちを優先した自分を「マイスター失格」と断罪。これからは立場を忘れて、自分の意志で戦う決意を告げた。刹那もライルの言葉を受け入れ出発しようとしたが、背後からどうしても許せない刹那を狙撃しようとした。しかしトリガーに指を引く事は出来なかった。



 一方アロウズは、グッドマン率いる主力艦隊がプトレマイオス2を確認し攻撃準備を開始したその影で、ミスターブシドーとルイスに特命が下された。これは刹那と留美達の動きを読んだリボンズが手を打った作戦であり、2人は新型モビルスーツスサノオとレグナントで出撃した。その頃エクリプスでは、留美と紅龍がソレスタルビーイングの到着を待っていた。状況が進まず何度も質問する紅龍に対し、珍しく感情を露にした留美。自分が無能な兄の代わりに王家の当主を命じられ歪んだ人生を送った、過去をリセットする為に世界の変革を求めている心境を明かした。その時留美を狙うネーナが現れ、再び命を狙おうと銃を発射した。しかし妹を守ろうとする紅龍が、身体を張って狙撃を阻止。留美を安全な場所に避難させたが、ネーナの怒りを買い射殺された。



 兄から助けられた留美は、1人でやって来た刹那と合流。イノベイターに知られない内にヴェーダの所在地が書かれたメモを手渡した。刹那は怪我をしていた留美を助けようとしたが、早く情報を知らせる事を優先するように進言され、先にエクリプスから脱出した。実は自分の理想とは異なるソレスタルビーイングとは道が違うと考え、未来を掴むべく袂を分かったのだった。その頃ダブルオーライザーに戻った刹那は、スサノオで現れたミスターブシドーから勝負を挑まれた。もし拒めばガンダムを破壊すると脅迫したミスターブシドーは、自らグラハム・エーカーと名乗り自分の恩師・仲間・プライドを奪ったガンダムとの戦いを、宿命と位置づけ刹那との4年振りの戦いで決着をつけようと考えた。グラハムの話を聞き、ガンダムで人生を歪められた男であると知りスサノオを駆逐すべく勝負を受けた。



 勝負が一進一退の攻防から始まったが、刹那は脱出した留美のシャトルが気になり集中出来ない。そして留美の世界変革への願いは、再び現れたネーナのスローネドライの粒子ビームによって打ち砕かれた。ネーナも生きるために留美とイノベイター達を利用し、兄の敵を討つべく逆襲を決意していた。しかしリボンズにとってネーナが邪魔な留美を殺す事は想定内の出来事。逆にネーナ自身も用済みとして、新たな刺客を送り込んだ。刺客が兄の敵サーシェスだと最初思ったが、刺客の正体は両親をきまぐれで殺されたルイスのレグナントだった。変形したレグナントは圧倒的な力で、スローネドライを追い詰めた。それでも自由の無い人生から幸せな人生を掴もうと必死に抵抗するネーナは、まだ死ねないと執念を燃やした。その言葉は、ルイスからみたら命乞いにしか思えず、何も知らないまま殺された恨みを晴らしついに敵を討った。大願を成就し喜びに溢れるルイスの表情。しかし誰も認めてくれる人間はおらず、やりきれない思いが断末魔の叫びとなって表現された。過去に囚われ戦う者は未来を見る事は出来ない。一方で刹那は、トランザムしたGN粒子を介しグラハムにイオリアの目的が人類の革新あると教え、自分が変革していると自覚し始めていた。



 「変革。それが君が会得した極みだというのか?」刹那が戦いから導き出された極みが、変革だと知ったグラハム。どうしてもガンダムを倒したい思いから、ホーマーにアロウズ入隊を直訴していた。全ては戦いから会得した極みを見つける為。グラハムにとっての極みは、宿敵刹那と戦い打ち倒す勝利のみだった。「勝利だけが望みか?未来へと繋がる明日だ!」刹那を革新へと誘った未来への希望。その為に戦う力が、過去の因縁と勝利だけを求めるグラハムに迫った。「斬り捨て御免!」自分を信じるグラハムもダブルオーライザーに切りかかった。しかし真剣白刃取りで受け止められると、スサノオはダブルオーライザーの軍門に下り、ビームサーベルを突き刺された。「戦え少年!私を切り裂きその手に勝利を掴め。」スサノオは制御不能となり、敗北を認め止めを刺すように求めたグラハム。「俺は生きる!生きて明日を掴む。それが俺の戦いだ!生きるために戦え。」生きるための戦いをグラハムに求め、刹那は止めを刺さなかった。「戦士として覚醒したか刹那・F・セイエイ。それは人類の命運を握る力だ。」様子を見ていたリジェネ。刹那の覚醒が、人類の未来を握っていると理解した。(過去と勝利に囚われるだけでは刹那には勝てない事が証明されました。ハムも自分の気持ちを高めようと修行したけど、結局は刹那という存在にこだわっていただけ。それでは未来に目を向けている人間に勝てない。人間は新たな未来に目を向けて行動する事が大切だと教えられてるようです。沙慈は吹っ切れたみたいですが、何に感謝したのか?)



 帰還した刹那は、スメラギ達にヴェーダの位置情報を報告した。「暗号解析終了しました。ポイントCZ9842R、ラグランジュ2です。」留美からの情報を解析した結果、ヴェーダはラグランジュ2つまり月の裏側に存在していた。しかも距離は直径15kmあり、光学迷彩で隠されていた。これでソレスタルビーイングのヴェーダ奪還ミッションの目的地が決定すると同時に、リンダが乗る輸送船が合流。新たな装備と補給物資が到着した。一方アロウズ艦隊は、プトレマイオス2が向かおうとする月の裏側に集結していた。「独立治安維持部隊アロウズは、全戦力を持ってソレスタルビーイング殲滅作戦を敢行する。反政府勢力最後の砦である彼らを打ち倒し、統一世界と心の平和を勝ち取るのだ。」アロウズの全精力を持って、ソレスタルビーイングを殲滅するように訓示したホーマー。「21隻の巡洋艦に108機のモビルスーツ。これだけの戦力があれば。」物量差を生かす作戦で殲滅を狙うグッドマン。独自行動可能なイノベイター達が撤退するのが、結束を乱さず好都合だと考えていた。(リボンズはイノベイターとルイスを帰島させました。それは来るべき対話が、もう直ぐ訪れる意味でしょうか?アロウズを恒久統一と平和という名の元に、ちょうどいい駒のように利用しています。それでもホーマー以下は、それぞれの目的の為に戦っていると信じている。凄く滑稽に見えるのは私だけでしょうか?)



 ヴェーダを奪還する為にアロウズ艦隊と激突は、避けられないソレスタルビーイング。リンダが運んで来た新たな装備は、ガンダム各機に存在。更には粒子貯蔵タンクを取り付けたOガンダムも使用可能となった。搬入中刹那達は、アロウズ艦隊の集結ポイントが月であると認識。間違いなくそこにヴェーダとイノベイター達の本拠地があると確信した。「行くよ僕の戦いをする。決めたんです。もう迷いません。」アロウズとの激戦は必死。それでもルイスを取り戻すには、戦わなければならない。迷っていた沙慈は自分が今やるべき事、戦う事を決めた。「私も参加させてもらう。私にもそうするだけの理由がある。」セルゲイの敵アンドレイを討つ。ソーマもGNアーチャで戦いに参加すると直訴した。「そうだな目的は違っても俺達は、あそこに向かう理由がある。」「そして未来に繋がっている。俺達は未来の為に戦うんだ。」イノベイターを叩き潰そうと決意したライル。イノベイターに支配された世界ではない、自分達の自由と平和がある未来を求め戦う刹那。「イノベイターの支配から人類を解放する為に。」「僕はソーマ・ピーリスのような存在が、二度と現れないような世界にする為に。」ティエリアとアレルヤも未来を創る為に戦う。ソレスタルビーイングとアロウズ。それぞれの未来を掛けた戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。(これははっきりとした善悪はありません。それぞれが、信じる未来の為に戦うのです。アロウズだって求める未来がある。ソレスタルビーイングも求める未来があります。しかしルイスは、いまだ過去に囚われている。それはソーマにも言えるのですが、いい意味での過去との決別が必要ではないかと思っています。マリナ様の歌も酷評されてますが、それは平和な未来を求めているのだからあの世界ではOKなんですよ。)


 「トレミーを発進させるわ。」ガンダムマイスター達の固い決意を受け、スメラギはヴェーダ奪還ミッションに行うべく発進を命じた。しかし操舵士が不在というネックがあったが、ラッセの怪我が癒え復帰を果たした。これでプトレマイオス2は、態勢を整え決戦の場へ向かった。その頃ライルの情報により、カタロンにもアロウズ艦隊がラグランジュ2に集結している事が伝えられた。「クーデター派からも同様の情報が届いている。詳細な戦術プランを添えてな。」連携していたクーデター派からも情報が届いていた。しかも詳細な戦術プランも加えられていた。そのプランを考案した人物こそ、ブレイク・ピラー以後アロウズから姿を消したカティ・マネキンである。「武士道とは死ぬ事と見つけたり。」刹那に敗北し、武士道を理解した上で自害しようとしたグラハム。しかし生きるために戦う事を求めた言葉を思い出し、死という選択に迷いが生じた。(イノベイター達は一杯いましたね。変わりは沢山居るクローンという事でしょう。純粋種になった刹那と元祖イノベイターの勝負はどうなるか?一方グラハムは、敗北=死という考えから刹那の言葉を受けてどうするのか気になります。私は生きる戦いをすると思うのですが。)



 ラグランジュ2に向けて航行中ミレイナが、アロウズ艦隊の存在を確認した。「総員第一種戦闘配備。」戦闘準備を指示したスメラギ。ダブルオーガンダムに乗り込もうとする刹那の前に、フェルトが現れた。「刹那これをあなたにあげたくて!リンダさんが、ラボで育てたんだって。マリナさんに怒られるかな?」戦場へ向かう男に花をプレゼントした。ただマリナに対して申し訳ない気持ちが、フェルトの心の中にあった。「ありがとう。だが俺とマリナはそんな関係じゃない。ガンダムに行く。」花を受け取りそっけなく恋人関係ではないと否定した刹那。フェルトは後姿を見送りながら、死んで欲しくないと祈っていた。「何としてもヴェーダを取り戻す。僕を導いてくれロックオン。」自分を変えてくれたニールに戦いの導きを願い、ヴェーダを取り戻す強い決意で出撃したセラヴィーとティエリア。「マリーでいい。そう呼びたければそれでいい。」頑なだった態度を和らげ心を開き始めたソーマと愛する彼女を守る為に戦うアレルヤ。「アニュー俺はやるぜ。」失った恋人に誓いイノベイターを狙い撃つ決意をしたライル。「心配しないでくれ僕だって未来を見つけたんだ。」刹那の思いを知り、自分の未来の為に戦う決意をした沙慈。未来を切り開く戦いをする為出撃した刹那。それぞれの思いを持ちながら、アロウズに立ち向かう。(沙慈は刹那と一緒に戦う中で、思いを知り自分が何をしなければならないのか理解したと思います。戦いを否定し現実を直視しなかった頃から、未来を見つけるために戦う決意をしたのは成長の証。そしてソーマもマリーという名前を受け入れ、アレルヤに対する態度を軟化させました。ただのデレかそれとも新たな決意の表れなのか。)



 「先行部隊攻撃開始。特務隊上手くやれよ。」ガンダム発進が報告され、攻撃命令を出したグッドマン。頭の中には、ガンダムを倒す作戦が練られていた。一方ガンダム4機は、それぞれ分散しアロウズのモビルスーツ部隊に対抗した。セラヴィーのGNバズーカが炸裂し、敵を飲み込んでいった。アリオスとGNアーチャーも抜群のコンビネーションで中央突破。アロウズ艦隊に向け進撃を開始した。「行けるぜこの新装備。」2段になったライフルを用い、確実に敵モビルスーツを仕留めるケルディム。最初はガンダムが優勢に戦いを繰り広げた。しかし突如アロウズの船3隻が、プトレマイオス2に向けて進撃していた。「刹那ライザーソードを!」一気に壊滅すべく刹那にライザーソード使用を命じたスメラギ。「トランザムライザー!」メメントモリを仕留めたトランザムライザーを使用したダブルオーライザー。3隻まとめて沈め事無きを得たかに思えた。他のガンダムもプトレマイオス2の状況を知るべく集まったその時、粒子を拡散させるアンチフィールドが展開された。粒子ビームの効力が低下するアンチフィールドの散布。これがグッドマンが仕掛けた作戦の正体だった。



 「主力部隊攻撃開始!数で圧倒せよ。」アンチフィールドから脱出を試みたプトレマイオス2に対し、主力モビルスーツ部隊の攻撃を命じたグッドマン。数で勝るアロウズのアヘッド・ジンクスⅢは、ミサイルを主体とした攻撃を展開。GNフィールドを展開したセラヴィーもフィールドを破られ攻撃に晒された。「突破された!」物量戦に持ち込まれ、セラヴィーのの危機を救ったケルティムの穴を突かれ、アロウズのモビルスーツ侵入を許してしまった。プトレマイオス2もGNフィールドで守りミサイルで応戦したが、ここも数で勝る敵モビルスーツのミサイル攻撃を防ぎ切れない。ついには集中砲火を浴びなぶり殺しの状態に晒され、ブリッジが狙われる絶体絶命の大ピンチに陥った。しかし寸前の所で、援軍が現れスメラギ達は救われた。「ソレスタルビーイングを援護する。」ミッションプランに従い、クラウス率いるカタロン艦隊が救援に駆け付けた。「よく来てくれた。いいタイミングだ。」ライルも救出のタイミング絶賛するほど、カタロンの旧式モビルスーツの装備が、粒子ビームが使えない状況で逆に威力を発揮した。「カタロンの武装、アンチフィールドを予測していた。トレミーを敵艦隊へ。」逆襲のチャンスと読み、一気にアロウズ艦隊に進路を向けるよう指示したスメラギ。グッドマン達はカタロンの戦力を過小評価していたが、突然の奇襲を受け浮き足だった。(グッドマンさんも考えてましたが、ここはカティさんの読み勝ちという事ですね。カタロンの武装を逆手に取った、逆襲作戦はお見事!スメラギさんと力を合わせて戦う姿は素晴らしい。これでアロウズに立ち向かう勢力が集まりました。本当にクライマックスが近いなあと思います。)



 「アロウズに告ぐ。我々は決起する。悪性を行う連邦の傀儡となったアロウズは、もはや軍隊ではない。世界の行く末は市民の総意にのみよって決められるものだ。我々は貴様らの蛮行を断罪し、市民にその是非を問う。」クーデター派に属し、アロウズを裏切ったカティ。ハーキュリーの思いを代弁し、グッドマンに宣戦布告した。「あの女狐め。叩け奴らは、反政府勢力だ。」裏切り者は許さない。反政府勢力と断定しアロウズは、モビルスーツ部隊を差し向けた。「不死身のコーラサワーただいま参上。」対抗するクーデター派の中には、カティと共にアロウズを裏切ったパトリックの姿もあった。「何をしている。動けない味方に用は無い。敵もろとも打ち落とせ。」飼い犬に腕を噛まれ怒り心頭のグッドマン。味方もろともカティ達を撃破するよう無茶な命令を下した。しかしそのような横暴は、アンチフィールドを脱出したダブルオーライザーが阻止した。「目標を駆逐する。」トランザム状態で放たれた粒子ビームは、グッドマンの輸送船を飲み込んだ。指揮官を失ったアロウズ艦隊を突破し、月の裏側にプトレマイオス2は近づいた。(豚のおっさんの小物振りが目に映りました。なんとも出来ないでしょうこんなバカな組織。力で押さえ込もうとしても

無駄なんですよ悪政が続くわけないし、ハーキュリーの思いが伝わったのは非常によかったと思います。)



 リボンズは戦況を見届け、戦い続ける人類を見下した。「そう仕向けたのは君の方じゃじゃないのかい?」苦言を呈するのはリジェネ。「それは君の願いでもあったはず。言っただろう、僕は君達の上位種、創造主とも言える。だから野心に囚われた君の考えは、脳量子波を通して僕に筒抜けなのだ。残念だったねリジェネ・レジェッタ。」全てお見通しリジェネの野望もリボンズは、理解し最後通告をした。「僕だ僕なんだ。人類を導くのは、リジェネ・レジェッタだ。」ついにリーダーのリボンズを撃ち抜き、裏切ったリジェネ。イノベイター同士でも大きな変化が起こり、戦いは新たな局面に向かう。(裏切っちゃいました。フラグ立っていたから分かっていましたけど、リボンズさんは、予告にきっちり出ていたので死んでませんでした。やっぱりというか、こんな簡単に死ぬ訳無いです。問題はリジェネの行動に対して、どのような処置を取るか?戦いもクライマックスに向けて盛り上がり、グラハムの動向も気になります。)