真琴は、高熱を出した後徐々に人間としての能力が低下し、日常生活も出来なくなってしまった。その事
を祐一に教えた美汐も以前、祐一と同様の経験をしていたので、かつて妖狐と呼ばれていた狐との別れ
のつらさを知っていた。ただ真琴は、以前の様に敵意をむき出しにするわけではなく、祐一に「けっこんしたい
ずっといっしょにいたい。」とほとんどしゃべれなくなっているにも関わらず、本心を語る。しかしその願いは、
美汐の時と同様に叶う願いでは無くなっている。真琴は、もう「あぅ!」としかしゃべれなくなり、命が尽きよう
としているので別れが近づいている。最後は、涙が止まらない真琴編ラストです!
しばらく学校を休んで、真琴の側にいた祐一は、久々に学校に向かう。しかし真琴は、既に言葉を失い
元の子狐に退化した様になってしまい、秋子が真琴の遊び相手になっていた。学校に到着した祐一は
校門の前で、美汐を待っていた。 場所を変えて祐一は美汐に真琴の現状について話した。その内容は
真琴は、人間としての感情を失っている。秋子や名雪が世話をしてくれるが、本能的に気を許していない
という事で、祐一は事情を知る美汐に「会ってやってくれないか?」と持ちかける。祐一は、同様の体験を
経験している美汐ならば、真琴に接する事が出来ると考えていた。
美汐は、それを了承してから祐一が真琴を連れて来て引き合わせた。美汐は挨拶をしてから、真琴に
名前を聞いた。しかし真琴は、祐一から離れ様としない。そこで祐一は真琴に「ほら行けよ。」と促して上
げると、真琴もしぶしぶ美汐の所に向かう。美汐は、やって来た真琴を抱き寄せて髪の毛を撫でてやると
怖がっていた真琴が落ち付きを取り戻し、改めて「お名前は?」と尋ねた。すると真琴は、必死に自分の
名前を「ま・こ・と」と一文字ずつ力を振り絞って答えた。続けて美汐は、祐一を指さして「じゃあこの人の
名前は?」と再び尋ねた。真琴は、必死になって思い出そうとし「ゆ・う・い・ち」と呟き抱きついた。(感動
しました。涙が出そうになりました)たとえ一時的な記憶の回復だが、祐一にとっては、かけがえの無い
出来事だった。しかし美汐は「次に熱が出たらその時(消える時)です。この娘のしたかった事を叶えて
上げて下さい。」と祐一に依頼した。
夜祐一は、自分の部屋で真琴と一緒にいて「何かしたい事は無いのか?」と尋ねたが、真琴は赤
ちゃんの様な行動しか取れずに答えられない。そこで秋子と名雪と一緒に4人で外に食事をしに出かけた。
レストランでは、楽しく食事をした後皆でプリクラを撮る事した。プリクラの前に来た4人は、早速撮影を
しようとするのだが、真琴はまたプリクラの前で立ち止まったままだった。そんな真琴の様子を見て祐一
達は、真琴も一緒に撮ろうと誘い4人で記念のプリクラを撮影した。その後自宅に戻り季節外れの花火
大会を行ったが、ついに真琴は2度目の高熱を出してしまう。
必死に看病する祐一と秋子・名雪、そのかいもあり翌朝真琴の熱は下がった。それを確かめて「よく
頑張ったな。」とねぎらいの言葉を掛けてあげる祐一は、真琴の為にしてあげる事として、彼女が一番
好きな本を呼んであげる事にした。本を読んでいる内に祐一は、真琴が「けっこんしたい。」という言葉
を思い出し、ずっと一緒にいてあげたい気持ちが湧き上がり「けっこんしようか真琴!」と呟いた。そして
2人で真琴の生まれ故郷物見の丘に向かうが、家の中で秋子は真琴の後姿を見て涙した。(私も泣き
ました)