最終回

 昨年秋からスタートした良作「Canvas2」が、ついに最終回を迎えました。最初全く知識が無く放送を観たのですが、いや本当にはまりました。エリス・霧・菫・可奈・朋子・ひかり・紗綾・紫衣と主人公上倉浩樹と描く作品なのですが、心理描写が本当に上手く出来ているのですよ。また普通の萌えアニメとは異なるコンセプトで作られている事にとても感心しました。またこの様な良作にめぐり合いたいと思える様な作品です

 いよいよクリスマス会が開始された。菫は、見事に独唱する事が出来て皆を感動させた。エリスは、菫に

「感動しました。」と言います。それに対して「いいクリスマスを、メリークリスマス」と菫はなにやら意味深な

言葉を残し、合唱部の打ち上げに向かう。

 無事クリスマス会も終了し、浩樹と霧は後片付けです。そんな時に理事長代理の紗綾が、自分が来年度

から正式に理事長に就任する事になった事を報告した。それを聞いた霧は、みんながそれぞれ未来に向かって進んでいる事を実感し、勿論浩樹と自分との仲も前に進んでいる事も!

 一方エリスは、朋子と一緒に学校から帰る途中に可奈に出会う。可奈は、新作の原稿が完成していない為にクリスマスは、ホテルに缶詰になると言う。この新作というのが、エリス達をモチーフに使っている事は

言うまでも無いですよね。その後美術部の先輩の麻巳とひかりがクリスマスプレゼントという事で赤い手袋を渡してくれた。ただエリスは、ここで朋子と別れる。浩樹には「朋子ちゃんの家に泊まると言っていたが。」

 夜になって浩樹は、自宅に戻ってくるとエリスが描いていた絵が完成していた。その絵は、エリスにとってのトラウマになっていた赤をベースに天使が描かれてあった。その絵を観た後浩樹は、電話をした。その電話の中で浩樹は、エリスの別れの言葉を聞く事になる。エリスは、浩樹に「おにいちゃんにその絵をあげる。

クリスマスプレゼント。今までありがとう。これからは、おにいちゃんに甘えないで1人頑張って絵を描いていく。だからおにいちゃんは、霧さんと幸せになって。最後にもう一度だけ言ってもいいおにいちゃん大好!」と言い残し電話を切った。浩樹は、もう一度掛け直したが、もうエリスが電話に出る事はなかった。電話を

切った後浩樹は、エリスとの思い出を思い出していた。そして一度は霧との約束の為に着替えてプレゼントまで用意しドアを開けようとした。しかし浩樹は、行くのをやめてエリスが一番喜ぶプレゼント=自分の描いた絵を描き始めた!

 後半霧は、すっかり美容院でおめかしして予約していたホテルに到着した。実はそのホテルには、既に

家から出て行ったエリスも宿泊していた。(よかった鉢合わせにならなくて。それに美容師役がほっちゃんだなんて豪華すぎです)到着しているはずの浩樹がまだホテルに来ていないので、心配した霧が浩樹の携帯に電話した。1度目は繋がらなかったが、2度目でつながった。その時浩樹は、スタートから今まで筆を取って絵を描く事はなかった。でもついにエリスの為に絵を描き始めていたのです。そして霧の電話に出た

浩樹は「エリスは、もう出て行った。俺今家で絵を描いている。エリスが俺の為に絵を残していったんだ、暖かい天使の絵を!」と答えた。それに対して「絵を描き続けて浩樹!子供の頃からずっと一緒だったから浩樹の事よくわかるよ。絵が完成したらお祝いしよう。クリスマスより浩樹が絵を描く事の方が大切だもん。」と心情を理解している様な返答をした。霧の気持ちを推し量った浩樹は「ありがとう!」と言い残した。

 それにしても同じホテルにいて違うそれぞれが、違う気持ちでクリスマスイブを迎えているなんて粋な演出だと思いますよ。

 翌日のクリスマス、外は雪が降り始め同じホテルで朝を迎えて、エリスと霧と缶詰になっていた可奈と

紫衣はそれぞれ別々にチェックアウトしていった。しかし紫衣は、霧がホテルのエレベーターに乗る所を見かけていた。(可奈は別人じゃないのなんて言っていましたが)一方浩樹の描いていた絵は、徹夜で完成

した。それを届けるために空港に向かう浩樹は、途中の駅の反対ホームで霧に出会う。(またまた粋な演出

ですなあ)霧は「これから見送りに行くんでしょ。エリスちゃんに宜しく!」と浩樹に声を掛ける。浩樹も電車に乗った後必死に霧に話しかけるが、霧には届かなかった。まるで霧の想いが浩樹に届かないみたいに

 浩樹が行った後、霧の所に先輩の紫衣がやって来た。霧は、紫衣に「またちゃんと幼馴染みに戻ります!」と言って紫衣に抱きついた。紫衣は、全てを悟ったかの様に頭をなでた。霧の気持ちを一番わかっている理解者ですから、当然の行為ですよ。

 浩樹が空港に向かっている時には、エリスは既に朋子と一緒に空港に到着し友人や先輩達に別れの挨拶をしていた。それが終わっても浩樹は到着しない事に、皆一様に心配をしていた。そこで麻巳が空港から

出て行って浩樹をバイクで迎えに行った。(メガネっ子で単車とはまたギャップが凄いですなあ)一方の浩樹は、電車が雪の影響でストップし、代わりに乗ったタクシーも渋滞に巻き込まれいた。時計を見て間に合わないと悟った浩樹は、タクシーを降りて道路を走り始めた。そんな時に空港からやって来た麻巳が浩樹を拾ってバイクで一緒に空港に向かう。

 しかし出発の時間は、刻々と近づいている。朋子は既に出発をしていて、エリスも搭乗する時刻がやって来てしまった。エリスは、空港の入口を名残惜しそうに見ていた。しかし浩樹は、現れなかった。ついに搭乗

カウンターに向かうエリスに可奈は小説の一節を一緒に口ずさみ、菫は歌のプレゼントを贈った。そうして

時間が経過した時、ついに浩樹が空港に到着した。バイクを降りる時に「教師はやめだ。俺は美術部顧問

代理だけだからな。」と麻巳に言い残した。麻巳も浩樹には、教師ではなく画家として自覚して欲しかったので、ずっと言葉を待っていました。浩樹にも自分は、画家だ!と再認識させた言葉になりました。

 空港の中に入り浩樹は、エリスに向かって自分が描いた青い天使の絵を見せた。まるで自分とエリスの絵が2つで1つの絵の様に思えました。エリスは、浩樹の気持ちを知り抱きついた。(粋な演出が続きます)

 まあ最後は、大どんでん返し(予定通り)のエリスエンドで物語は、幕を閉じました。でもキャラクターの

未来へのキャンバスは、まだまだ新しい絵が描かれ続けられるでしょう。未来は、白いキャンバスと同じ

なのですから、可能性は無限大なのです。