「和牛」の漫才の言葉選びについての考察

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誰がなんといっても2016のM1最高の完成度はこれーーーー!!
和牛ー!
完成度、洗練度合いがハンパない。

まなみちゃんと花火大会ネタ〜。
カエルと人間が付き合うくだり最高ーーー。
「和牛」について
水田くんは愛媛出身。
川西は東大阪市だそう。

川西の大阪弁、昭和でちょっと古くていいですね。
ツッコミの言葉が洗練されていて無駄がないのがすばらしく美しい日本語。
言葉選びが、見る者の代弁の半歩先を行ってます。
感動的なのは冒頭!

「すごくかわいい浴衣、回り見渡してもいちばんすてきな浴衣、柄もかわいいし最高にきれいな浴衣」
「浴衣すがた〜までいうた方がええよ。わたしはーってなるから」


「浴衣だけかい」とストレートにツッコむのではなく、「浴衣姿」という新しいワードの
「提案型のツッコミ」になっています。
提案型なので、否定はしていないので、話がポジティブに(聞いてる者に心地よく、発見を与え)展開するのですね。

もう一昨日から何度も何度も見返していて、日本語で商売する端くれとして、分析して記さずにいられなくなりました〜。

あまりに感動したので〜〜、セリフをかき起こします。(どんだけ感動してんねん)


「上下迷彩と和服てこんなもん戦時中の恋愛やないかあ」

「ほな俺男やから6個で2個な」
「むっちゃ男やん」


(ジェンダー問題もさりげなく取り入れ)

「なんやまなみちゃんに見とれてんのかじっと見て。あげません僕の彼女です。お前は彼女が欲しいんならカエルの彼女を作りなさい。カエルと人間がつきあって何ができる?俺は人間やからまなみちゃんとつきあ…」
「カエルとしゃべるにしては長いわ」


「なんでそんなとこ行くの水田くん!ここから打ってー!わかってんのかあんた上下迷彩やで〜」


(この解説を受けて上沼さんが爆笑)
ツッコミながら解説をして絵を思い浮かばせ、見る者をその世界に引き込みます。

「小さい子ども連れたおじいさんに当たっちゃった。ものすごい顔でにらまれたわ」
「戦争思い出したんやろ」


(戦争問題も身近な話題に)



「指輪カエルのここに付けてたんやけど」
「あんた指輪カエルの腰に巻いて渡してきたん。」
「サプライズしよう思て」
「わあサプライズやびっくりしてる。探せ探せ指輪が逃げる」


(この古い日本語の表現とリズムはもはや一編の詩です)

「探せ探せ指輪が逃げる」
(このとき今田と松っちゃんのこらえきれない笑いをカメラは見逃さなかった)


「付けてあげる。記念に付けてあげる」
「汚いやんそんなん。それやったら洗ってきて。汚いから洗ってきて」


(最近の日本人の行き過ぎた清潔過敏症問題も取り入れ)


「金魚すくいだけして帰るから」
「どんな神経してんねん。もうええわあ」

ネットでも、川西の「もうええわ」がかっこいいという書き込みを見ました。
「もーえーわあ」の吐き捨て方が、実に流れと合致しています。

そして、疑うときの表情や演技力がすばらしい〜〜。
なにより川西の顔ですね。
あ、というわけで和牛の川西のファンになったという話でした〜。
でも水田くんも大事です。
水田くんあってこその和牛ですからね〜。
ただ漫才を見る(聞く)人というのはツッコミとシンクロさせながら見るので、
どんどん川西と自分が同化していくわけです。
1本目のネタで中川家も川西のツッコミを評価してましたからね。
だけど客席よりも半歩上のツッコミなので、ツッコミにも発見があり、笑いが生まれます。
また和牛の過去作品をあれから片っ端から見ているのですが、
完成度はもうダントツで、今回のM1の2本。
とりわけ優勝決定戦の花火大会がドライブネタよりも優れていました。
どちらも川西がまなみちゃん(女性役)になることで、言葉が男のツッコミより
丁寧になるんですね。
これがまたすばらしくよい効果をもたらしています。
やはり汚い言葉でののしるツッコミよりも丁寧な言葉で真髄をつく方が聞いていて心地よい。
ただふしぎなことに女性言葉だけでもないんです。
あくまでも「女性役をやっている」体(てい)を貫いているのでちょいちょい男言葉が垣間見えます。しかしこのバランスがまた、
おとなしく女役やってられるかーという気持ちが表れているようで、絶妙によい。

あと、覚え書きとして、
1本目のネタのリズミカルな2つは記しておきます。
①「カッチカッチそんなに曲がってないやろ」※しかもここの間の取り方がすごかったーー。
②「カッチカッチそんなに曲がってないねんて〜」

いかんいかん〜止まらなくなってきた〜わたしの解説なんて〜〜〜。もうええわ。




和牛評論家@ベジアナ・あゆ