『好きだよ』って言って。 『愛してる』って言って。


まだ足りないの。 全然足りないの。



そう、それぐらいカレに溺れてた。

でもどれだけ言葉をもらってもアタシには足りなかったんだ。


コレが最後の恋でもいいと思った。


でも。。。



あっけない電話で幕を閉じた。



忘れてたはずなのに。。。

街中で嗅いだ香水の匂いにカレを思い出しちゃったよ。


アタシの中のカレの記憶。 今では・・・イイ想い出だよ。

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気付かなければ良かった。


彼の視線の先に彼女がいることなんて。



待ちに待ってた席替えで彼の隣の席を引き当てた自分のくじ運の良さに

喜んだのは束の間だったのかもしれない。


彼の近くにいて彼のことがわかるようになった分・・・

知りたくないことまで気付いてしまった。



そしてアタシが気付いてしまったコトに彼も気付いてしまった時

好きな人から恋愛相談をされるという1番苦しい状況に陥った。


アタシの視線の先には彼がいる。

彼の視線の先には彼女がいる。


そしてその彼女の視線の先には・・・別の男がいることにも気付いちゃったよ。


視線というベクトルは上手く打ち消しあえないみたい。



アタシの視線のベクトルはいつか彼に気付いてもらえるのかな?


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学校の先生を好きになるとその教科の成績は上がる。


○か?、×か?


答えはきっと○。



理系科目の苦手なアタシが好きになったのは化学の先生。


元素記号ですら拒絶反応を起こしそうだったのに

週に3日ほどしかない授業を心待ちにするとは思わなかった。


実験なんてかったるいと思ってたのに

ここぞとばかり張り切って先生を呼びに行く機会を狙ってた。


授業でわからないトコを放課後わざわざ聞きに行って

頑張り屋なふりを一生懸命してた。



恋愛方程式なんて言葉を聞いたことはあるけど・・・

多分恋愛って方程式じゃ解けないよ。


きっと恋愛は化学反応式。

恋する気持ちはきっと周りの景色も変えちゃうくらい

自分を変化させるから。



憧れに近い恋だとわかっていても・・・

今日も黒板に向かうあの人の背中を見つめてるのは幸せな時間。


アタシの視線にいつか気付いてね。

先生の視界に入れるよう精一杯頑張るから。

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偶然、街中で元カレに出会った。



1人でいる時は常につけてるヘッドフォン。

細身のジーンズ。

パリッと糊を利かせたシャツ。

襟元から見えるTシャツには見覚えがある気がする。


アタシに気付いて見せてくれた笑顔も

みんなあの頃と変わらない。


だけど。。。


『よぉ!』と言って上げてくれた左手の薬指に光る指輪を発見。


小さいようで、きっと最大の変化。



アタシの知らない3年間に何があったんだろう?


そして


アタシはカレの目にどう映ってる?



そんなことを思いながら

あの頃から伸ばし始めた髪をなびかせて

カレの元に駆け寄った。


そんな偶然の再会も時にはあっていいよね。



そして最高の笑顔で言ってあげよう。


結婚したんだね、おめでとう!

ローマ字で綴ればすべて『SAKURA』


日本人はなんでこんなにもこの花が好きなんだろう?

カラオケで探してびっくりするほど曲は多いし。



“桜の木の下には死体が眠ってる”ってのはよく聞く話。

その血を吸って白い花が桜色になるんだと。



お花見でキミと出会った。


桜の花びらが散る中で別れ話を切り出した。


年が明ける前からマズイ状態は続いてたのにあえて切り出さなかった。

そしてキミから別れ話を切り出されないように気も遣った。


出会った場所で恋を終わらせたかったの。



桜は好きだけど・・・ちょっと切なくもなる。

きっとそんな切なさも吸って潔く散るんじゃないのかなぁ。。。



キミは今年の桜をダレとドコで見るの?


アタシにとって桜の思い出は全てキミのモノだよ。

春の雪山シーズンになると毎年思い出す。


確か高2の春休み。

突然の訃報の連絡が友達から回ってきた。


中学の同級生だった男友達が、中学時代の友人達とスキーに行って

転んだ時の打ち所が悪く一晩明けてから脳内出血で亡くなったという

かなり衝撃的な訃報だった。


中学の途中で隣の県に引っ越した親友もお通夜に来てくれた。


みんなとの久々の再会がこんなことだなんて。。。


彼女はかなり泣きじゃくっていた。



お通夜の席で一緒にスキーに行ってた友人達が

家族の人に土下座してる姿が痛々しいくらいだった。


転んだコトを周りに知られたくなかったのかかなり打ったとは言わなかったから

頭が痛いという言葉に『風邪じゃん?』と頭痛薬を飲ませちゃったそうだ。


倒れて救急車を呼んで。。。と大変な状況だったんだろうけど

『もっと早く病院に連れて行ってれば。。。』という後悔しか

彼らの中にはなかった。


遺影を見ながらも・・・まだ信じられない気分だった。

アタシだけでなくそこにいた友人達の誰もが呼べば

「何だよ~」と返事をしてくれそうな感じだったのだ。


食欲なんてなかったけど・・・落ち着いて話がしたくて

お通夜の会場を出て親友とファミレスに行った。


帰るギリギリまで一緒にいたけどホントにちゃんと帰れるのか心配になったぐらい

彼女は気落ちしてた。


駅まで見送りに行ったその時、彼女が空を見上げて言った。


誰にも言ってなかったんだけどね、アイツのコト好きだった時期があったんだ。。。

信じられないよね、もう会えないだなんて。。。


そう言って涙をこぼした彼女と抱き合った状態でアタシも泣いた。




それからもう10年近く経つ。


毎年ふと思い出しては生きてたら今頃。。。と思う。



そして彼女は今年結婚する。


きっともう帰らぬキミも空から祝福してくれるとアタシは思ってる。