怪しい少年少女博物館1階の昭和のファッションと雑貨のコーナーに展示しているセイコー製 ミュージカル・クロック。お客様からご寄贈頂いた物です
斜め上方から見た所 サイズは幅27cm 高さ11.5cm 奥行7cmです。文字盤の両端に✖印のような立体的な模様があしらわれていますが、洋間でも和室でもマッチするように巧みにデザインされていると言えます。色的には洋間が似合いそうですが・・・
時間を表す目盛りや針には暗くなっても光って判別出来るように夜光塗料が使われています
文字は平面にプリントされているのではなく立体的になっています
後ろ側 電子式ではなく手巻きのゼンマイ式です
白い樹脂製のゼンマイが時計用で、金属製がオルゴール用です
丸形のシルバーのシールには印字が薄くなっていますが、花嫁人形 Hanayome Ningyōと曲名が入っています。オルゴール用のゼンマイの上に白い樹脂製のつまみが付いています。このつまみで、オルゴールを①今鳴らす、②オルゴールを指定時刻に鳴らす、③鳴らさないと3種類の設定が選べるようになっています
右下に型式と思われる1BM846と言うナンバーとJAPANと言う文字が入っており、もちろん日本製です。表側の文字盤のMUSICAL CLOCKの文字の下にもJAPANの表示があり信頼性の証としています
こちらは時刻用のゼンマイと時刻合わせ用のつまみ
左下にメッシュ入りの丸い穴が5つ並んでいますが、オルゴールの音がよく聞こえるように開けられた物で、なかなかおしゃれにデザインされています
時計を展示している辺りの様子 向かって左下、以前にご紹介した黒電話と一緒に展示をしています
懐かしの横長の置き時計
「あ~ こういう時計 うちにもあったな~ 」なんて思われる方も多いのではないでしょうか?
この時計は匿名の来館者様より、ご寄贈を頂いた物です。「こういった時計もだんだん少なくなりました」という旨のメモが入っていたのですが、60年代の物と思われます
私の自宅や祖父の家にもあった横長の置き時計
似たようなデザインの横長の時計は私の自宅にもありましたし、母方の祖父の家には2つあったのを憶えています。私の自宅にあったのは文字盤に木目がプリントされていて、両端にキラキラしたメタリックなパネルを配した東京時計の物でしたが、いつも和室の父母の寝床の枕元に置かれており、目覚まし時計として使われていました。もちろんゼンマイ式でしたが、私が物心ついた頃から、かなり長い間使われていました
祖父の家にあったのは2種類。一つは私の自宅にあった物とほとんど同じ、こげ茶色を基調とした東京時計の物ですが、前面の右下にオルゴールのセレクトつまみが付いているのが自宅の物と少し違っていました。もう一つは当時まだ大学生であった叔母が自室で使っていた物で、ほとんど博物館で展示している物とデザインが同じでした。カラーも同じでしたので、恐らくセイコー製だったのでしょう
デザインが横長なのは、全高を低くする事によって、和室の枕元に置いて使う際に、足を引っ掛けて蹴とばしてしまわないようにする為の工夫なのかもしれませんね
視認性よりデザイン性を重視した物も多かった
博物館の時計は、オルゴールはきちんと鳴りましたが、時計のムーブメントの方は残念ながら要オーバーホール状態で、少し動いたかと思うと、すぐ針が止まってしまいます。年代から考えれは外観は十分きれいと言えますが・・・
レトロモダンなデザインがクールなこの時計ですが、パッと見た時に短時間で正確に時刻を把握出来る視認性を重視するより、デザイン性を重視している所がポイントと言えると思います
車のメーターも最近は視認性を重視した機能的な物がほとんどですが、70年代までは四角いメーターが並んでいたり、枠や針がメッキでキラキラしていたりと、デザインや装飾性を重視した物も多かったように思います。見にくいメーターは嫌ですが、遊び心が減ってしまったようにも思え、ちょっと寂しい気もします
面倒くさいゼンマイ式 当てにするとかえって怖い? 電子式
ゼンマイ式の目覚まし時計は、私も丸いオーソドックスな形の物を自室の枕元に置いていました。毎日ゼンマイを巻く必要があるタイプで、寝る前に巻くのを日課にしていました。巻くのを忘れると目覚ましベルも鳴らないので、慌てる事になりました
ゼンマイ式の置き時計の後は、電池を入れる電子式の他に、コンセントにつないで、中にランプを点けて、液晶ではなく、文字をプリントした鉄のプレートをパタリパタリとめくって時刻を表す物を使っていました
毎日のゼンマイ巻きの儀式から解放されたのは良かったのですが、仕方がない話なのですが、停電すると、停電した時間だけ遅れてしまうのが困った所でした。当てにしているとかえって怖いのでした
プレートがめくれて時間を表すタイプの物は、ステレオのタイマーにも使われていましたが、停電すると時間がずれて、FMでエアチェックしてカセットデッキに録音するはずの物が入っておらず、がっかりした事もありました。以前は停電も結構多かった物ですから・・・ちなみにクオーツではもちろんありませんでした
私の自宅にあるオルゴール時計
置き時計ではなく掛け時計ですが、結婚式の引出物で10数年前に頂いた物です。メーカー名不詳。ハイテク化され、時刻毎にロミオとジュリエット等様々な曲が流れます
電波時計で狂いがないのは良いのですが、オルゴールと動き物を動かす為に使っている電池の消耗が、ちょっと早いのが玉に瑕で、音楽だけが比較的すぐに流れなくなってしまいます。これを置き時計化したような物も出回っています。「MUSICAL CLOCK」で検索すると、この様なタイプの時計が沢山引っかかってきます
SEIKO MUSICAL CLOCKで昭和にトリップ
近頃のオルゴール時計は、上の写真の時計もそうですが、曲数も増え、クオーツを超えて電波時計化される等かなりハイテク化が進んでいます。時計自体の値段が下がっていることもあり、それ程高価でない物もあります
怪しい少年少女博物館に展示をしているSEIKO MUSICAL CLOCKですが、「花嫁人形」の曲が入っており、親御さんが嫁いでいく娘さんに嫁入り道具の一つとして持たせる事も考えて作られた物かもしれませんね
この空色の横長の時計は眺めているだけでも、昭和の日にトリップ出来る、私の大好きな展示物の一つです