急性骨髄性白血病 | 金剛の健康体回復法ーがん病を克服して百寿を与う!!

急性骨髄性白血病

(参照:急性骨髄性白血病)


1.急性骨髄性白血病とは

白血病は、白血球が悪性腫瘍(がん)化して白血病細胞となり、血液または骨髄の中で増殖する病気です。

骨髄とは、骨の中心部にある血液を造る場所のことです。

白血病は一般的に臨床経過、または検査所見により、急性白血病と慢性白血病に分類されます。

急性白血病は、白血病細胞の種類により、さらに急性骨髄性白血病(急性非リンパ性白血病)と急性リンパ性白血病に大別されます。

我が国での急性白血病の発症頻度は人口10万人あたり約6人で、成人では骨髄性白血病が80%以上を占めます。

正常な骨髄は芽球という、いろいろな血液細胞(白血球・赤血球・血小板)に分化(未熟な細胞が成熟した細胞になること)する大もとの細胞を造っています。

急性白血病はこの芽球が腫瘍化(がん化)した病気です。骨髄では腫瘍化した芽球(白血病細胞)のみで占められるようになり、正常な血液細胞がほとんど造られなくなります。

腫瘍化した芽球は、もはや正常白血球に分化することはできません。そのため、全身の(末梢)血液でも正常な白血球、赤血球や血小板が減少し、白血病細胞が流出してきます。

普通、血液には分化した細胞のみが存在するため、白血病細胞は容易に識別できます。血液検査で白血球数が正常、または減少することもありますが、このような場合でも多くの場合は白血病細胞が認められ、骨髄では白血病細胞が充満しているのが普通です。

白血病の原因はまだはっきりしていませんが、血液細胞の遺伝子レベルでの(多くの場合、後天的な)異常が原因となっていると考えられています。ある種の先天性の免疫不全症や、染色体(遺伝子)異常を伴う先天性疾患でも白血病が発生しやすいといわれています。また、放射線・抗がん剤なども白血病を引きおこす可能性があるといわれており、これらの治療を受けた後に発症した白血病を二次性白血病と呼びます。しかし、大半の場合は明らかな原因が不明なので、効果的な予防法も明らかではありません。

成人急性骨髄性白血病も他のがんと同じように、早期の全身状態が良好なうちに発見されれば、完全に治る可能性が高くなります。ただし経過が急激であるため、放置した場合は急速に進行します。化学療法や骨髄移植療法などの治療法は年々進歩していますが、血液専門家のいる病院での治療が必要ですので、白血病が疑われたらなるべく早く専門病院に紹介してもらうことが大切です。
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2.症状
急性骨髄性白血病の症状は大きく分けて、正常の血液細胞を造れないための症状と、白血病細胞が増えたための症状とに分かれます。

正常な白血球は細菌や異物に対して生体を守る働きがあり、赤血球は身体全体へ酸素を運搬します。血小板は出血を止める機能があります。急性骨髄性白血病になると、これらの正常細胞が減少し、以下の症状が出やすくなります。

正常白血球減少による症状

治りにくい感染症(口内炎、肺炎、尿路感染)、原因不明の発熱

赤血球減少(貧血)による症状

顔面蒼白、息切れ、動悸、全身倦怠感など

血小板減少による症状

皮下出血、粘膜出血、歯肉出血、消化管出血、性器出血、脳出血など

また、その他に白血病細胞の増殖により肝臓や脾臓が大きくなったり、骨や関節の痛みが出たり、歯肉がはれたり、全身に腫瘤(しゅりゅう:できもの)をつくったりします。


しかし、急性骨髄性白血病のみに特徴的な症状はありません。上記のような症状が出てなかなか治りにくい場合は、ぜひ医療機関を受診して下さい。
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3.診断
上記のような症状があった場合、まず血液検査(採血)を行い各種血液細胞を数え、異常細胞の有無をチェックします。血液検査が正常でなかった場合、さらに骨髄穿刺という骨髄検査を行います。

骨髄穿刺は、胸骨(前胸部中心部の骨)または腸骨(いわゆる腰骨)に針を刺して骨の中心部より骨髄液をとる検査です。検査に先立って、痛み止めとして局所麻酔を行いますので外来でも施行可能です。

採取した骨髄穿刺液は白血病細胞があるかどうかを顕微鏡で調べ、また骨髄性白血病かリンパ性白血病かなどを検査します。

急性骨髄性白血病の中にも何種類かのタイプがあり治療法も異なる場合がありますが、この骨髄検査でほとんど診断がつきます。これらの結果は多くの場合、検査当日あるいは翌日にはっきりします。

急性骨髄性白血病と診断された場合、なるべく早く入院治療をする必要があるため、それ以外の検査は全身の機能をチェックするための検査にとどめて治療に入ります。

なお、採取した白血病細胞で染色体検査、遺伝子検査や表面マーカーという白血病細胞の特徴をさらにはっきりさせる検査が行われます。

予後(治る可能性)は、急性骨髄性白血病の時期(初発または再発など)、年齢、全身状態などと関連があります。
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4.病期
急性骨髄性白血病には病気の拡がりを示す病期(ステージ)という考え方はありません。

診断された時はすでに全身性疾患であることを意味するため、治療の選択に局所療法(外科療法、放射線療法)のみということはありえません。

治療の選択には急性骨髄性白血病の時期(初発または再発など)が関連します。