世界選手権男子シングル | のんびり田舎生活

世界選手権男子シングル

関西に住んでいた頃は世界選手権の男子の放送が見られる事がなかったので、一応東海圏の田舎といえども男子シングルのフリーが放送されたのには感激です!オリンピックの時は上位選手がミスを連発していささかもの足りなかったのですが、世界選手権は上位選手達の演技の充実ぶりは見ごたえがありました。


総合の結果はこちらISUのサイトへ

1位 ステファン・ランビエール(スイス)



オリンピックの銀メダリストで世界選手権ディフェンディングチャンピョンのランビエールはフリーの演技は4回転ジャンプを2回決めて、苦手のトリプルアクセルも決まり見事優勝でした。ミスらしいミスといえばトリプルループジャンプで着氷後フリーレッグが氷にひっかかった位で、ステップも得意のスピンも本当に素晴らしい演技でした。ヴィバルディの四季の音楽とプログラム構成も素晴らしかったです。私の好みで少し欲を言えば「四季」のポピュラーな明るい部分が入っていると見ている方が「もっとワクワクしたかも?」と思いました。勿論、充分ワクワクするチャンピョンらしい演技でした。


ランビエール選手のインタビューによると「最終滑走で最後まで緊張した」「他の選手の演技も得点も見ていなかったけれど、リンクに上ったら最高の演技ができると思っていた。」そうです「去年の優勝と比べてどうか?」というかという質問に「今回の方がきつかった」「予選、ショートプログラム総合ポイント1位で、誰もが僕に勝ちたいと思っている中でフリーを滑るのは去年より大変だった。一度目はうれしかったし驚いたけれど今回、もう一度タイトルがとれた事はとても誇りに思う」と答えたそうです。


2位 ブライアン・ジュベール(フランス)



フリープログラムを今シーズンの「Lord of the Dance」から2004年に世界選手権2位だった時の「マトリックス」に変更していました。4回転ジャンプを2回、トリプルアクセルを含めてジャンプをバンバン決めてほぼパーフェクトな演技でした。2回目の4回転ジャンプが決まったところでガッツポーズをしていました。その後も何度かガッツポーズしていました。ガッツポーズするところや振り付けがモロゾフ氏なのでやはりヤグディンを思い出してしまいました。フリーだけの得点はランビエールとほとんど変わりありません。予選の出遅れが響きましたが、素晴らしい演技でした。本来の力を発揮してオリンピックの雪辱も果たせました。


ジュベール選手のインタヴィーによると、「フリー演技の前から自信があった」「フリープログラムに2回4回転ジャンプを入れてそれを成功させる事はとても重要な事だった」「今シーズンはあまり調子が良くなく、フリープログラムのLord of the Danceは音楽自体はとても好きだったけれど、(本人にとっては)難し過ぎた。」そうです。「Matrixに戻したところ、まるでマジックのように2日でジャンプが良くなった。今シーズンは良くなかったし、この大会も大変だったけれど、銀メダルがとれたのはうれしい。2つの銀メダルは良いものだ(でも)自分は世界チャンピョンになれると思う」と言ったそうです。


3位 エヴァン・ライサチェック(アメリカ)



予選2位ショートプログラム8位で迎えたフリーは、上位6名の最終グループに入れませんでした。オリンピックの時もショートプログラム10位で出遅れてフリーでパーフェクトな演技で巻き返して総合4位でした。フリーの「カルメン」の演技がライサチェックにあっているのかもしれません。公式戦で苦手の4回転ジャンプを成功させて、ジャンプを全部成功させて改心の出来でした。手足が長くてスピンやステップも見栄えがしました。「カルメン」の音楽と振り付けが「?」と思った所もありましたが、演技全体を通してエネルギーとスピードがありました。追い込まれたら強い選手かもしれません。


ライサチェックのインタビューによると「今日のフリーの出来が良く、シーズン最後が良い結果で実際にホッとしている」「4回転ジャンプをプログラムに入れるのはメンタルもフィジカルもとても大変でハードルが高いから、今日のフリーは自分にとってはとても重要です。」「この一年はとてもハードに練習をして技術面を向上させてより難度の高い技を取り入れられたので、その事はとても誇りに思う」「自分でも去年とは違うスケーターになっていると思う。去年はだだニューフェースとして世界選手権に出る事がうれしかったし、プレッシャーも全く無かったので結果として銅メダルが取れた。今シーズンは全く話が違った。オリンピック4位という結果で、少なくとも去年と同じ銅メダルを取って良い演技をするのにはプレッシャーが大きかった。予選もショートプログラムもフリーもとてもナーバスだった」そうです。



4位 織田信成



予選1位、ショートプログラム3位、総合ポイント2位で迎えたフリーの演技は予選ほどの出来ではなくフリーだけだと5位で総合は4位でした。冒頭のトリプルアクセルが手をついてしまったのでコンビネーションジャンプにできませんでした。その後はやわらかい膝でジャンプのランディングも軽くてスピン、ステップとても良い演技でした。


ただ勿体無かったのは、2回目のトリプルアクセルもコンビネーションに出来ず単発になってしまいました。その後挽回しようとして跳んだ3回転フリップジャンプのコンビネーションがルールにひっかかり、4回目のコンビネーションジャンプとカウントされ、得点が「0」になってしまいました。結果、残念ながら技術点が伸びませんでしたが、プログラムコンポーネンツの得点は7点台をもらい、世界選手権初出場で4位は立派です。

織田選手のniftyのレポートはコチラ


あと一歩で表彰台を逃したのはとても悔しいと思いますが、本人がインタビューで「フリーの結果は今後の課題がわかったので今後につなげたい」というような事を言っていたので、来年東京で開催の世界選手権に期待したいと思います。織田選手が4位だったので男子の出場枠も2枠になりました。関大コンビの高橋選手、ジュニアで優勝した小塚選手、国内のライバルと共にがんばって欲しいです。余談ですが、ISUの選手のプロフィールを見て織田選手 のHome TownがTakatsuki-Cityになっているではありませんか!私の実家の隣の街です。ますます親しみが湧きまます。


5位 エマニュエル・サンデュ(カナダ)



3月にプロに転向した本田君が「カナダでは良いサンデュ悪いサンデュ二人のサンデュがいると言われています。」と紹介していましたが、サンデュ選手は出来の良い時と悪い時に差があります。オリンピックはショートもフリーもミスを連発してしまい13位と振るわなかったのですが、今回は予選は6位でしたがショート2位フリー4位で総合5位でした。


オリンピックの演技はミスが多かったのですが、サンデュ自身が編曲した不思議なイメージフリーの曲が気に入っていたので、良いサンデュの演技が見られて良かったです。4回転ジャンプもきれいに決めていました。ところどころミスがありましたが、曲と振り付けが独特で良かったです。

グランプリファイナルでプルシェンコに勝った事もあって、才能がものすごくある選手なので良いサンデュがずっと続きますように!


6位ジェフリーバトル(カナダ)



オリンピック銅メダルだったのですが、世界選手権はとても調子が悪そうでした。スピンやステップ、美しいスケーティングはバトルらしかったのですが、トリプルアクセルが2回ともシングルになったりジャンプのミスが目立ってしまいました。失敗しても笑顔のバトル選手も今回は笑顔がほとんどみられず残念でした。


7位 ジョニーウィアー (アメリカ)



オリンピックではショートプログラム2位で素晴らしい演技をしたにもかかわらず、フリーでミスが出て5位でした。今回リベンジで上位を狙っていたと思うのですが、7位になってしまいました。4回転ジャンプを両足着氷ながら公式戦でなんとか成功させて、トリプルアクセルも決まり、始めはスピードにのりウィアーらしい表現力豊かな演技でした。ところが、フリップジャンプで転倒してしまいしばらく起き上がれませんでした。解説によると背中を痛めていて痛みをこらえながらの演技だったそうです。顔を上げて得点を見る事ができなくて見ていて痛々しかったです。


今回プルシェンコが出場していませんでしたが、見ごたえのある試合でした。今日のランビエール選手やジュベール選手の出来を見るとプルシェンコ選手に迫る事ができるのではないかと思いました。プルシェンコ選手が欠場だったので、ロシアの出場枠はどうなるかと思いましたが、今シーズン怪我から復帰したイリア・クリムキン選手がなんとか総合で10位に入りました。クリムキンはフリーで4回転を成功させていましたが、他のジャンプミスが響いたのとザヤックルールにひっかかってノーカウントのジャンプがありました。スピンが独特で4回転ジャンプも跳べるので来期はもっと上位に来るかもしれません。


男子の解説は五十嵐さんがわかりやすくて好きなのですが、今回は現役を引退したばかりの本田君でした。さすがについ最近まで現役選手でがんばっていたので、織田選手やクリムキン選手のジャンプのノーカウントの指摘も早くて、わかり易かったです。これからプロスケーターとして活躍するのだと思いますが、解説の仕事も五十嵐さんのように人気の解説者になるかもしれません。


それにしても今夜の女子のショートプログラムの放送が楽しみです。結果を見ないで放送を見るのは心臓に悪いので先に調べてしまいました。