チョコレートドーナツ | ほぼほぼ 映画依存症

ほぼほぼ 映画依存症

映画のあらすじや感想を、個人的見解から評価。
男前俳優 or マッチョ俳優が出演している場合のみ、
ちょっと甘めの評価になるのが、
たまに傷かな。

★★★★★
公開:2012年
製作:アメリカ
監督:トラヴィス・ファイン
出演:アラン・カミング、ギャレット・ディラハント、アイザック・レイヴ、フランシス・フィッシャー、グレッグ・ヘンリー、他
原題:Any Day Now

チョコレートドーナツ [DVD]/アラン・カミング,ギャレット・ディラハント,アイザック・レイヴァ

¥4,104
Amazon.co.jp


あらすじ:
ショーパブで働くドラッグクイーンは、一目惚れした検事局の男と付き合い始めた。ちょうどその頃、ドラッグクイーンの隣に住む女性が麻薬で逮捕され、ダウン症の息子が施設送りとなってしまう。施設から抜け出してきたダウン症少年を発見したドラッグクイーンは、少年を引き取って育てられるように検事局の男と画策。そして、ゲイに対する差別のためにゲイであることを伏せたまま、3人で愛情深い家庭を築き始める。

感想:
ゲイカップルが、世間の差別と闘いながら
ダウン症の少年を育てようとする様子を描いた
事実に着想を得て作られた作品。

今でこそ、ゲイ同士の婚姻が認められる州や
ゲイに対しての偏見は薄くなっては来ているが、
70年代当時は大きな差別対象。
ゲイであることをカミングアウトしようものなら
仕事は無くなるし社会的信用度も下がる。
そんな中、
ゲイであることをオープンにしているのは
ショーパブで働くドラッグクイーン(おかまさん)ぐらいだ。

そのドラッグクイーンを演じているアラン・カミングは、
本人いわくバイセクシャルと言うことらしいが、
表情や動きが女性にしか見えない自然さ。
ヒゲが濃く、青々としているのだが、
自然なだけでなく“イイ女”風の女性で、
明らかに「おじさん」ではなく
「おばさん」と呼ぶのもためらう程の女性なのだ。
そのため、
ダウン症の少年に母性を持って接していても
不自然さや異様さは全くなく、
わが子を愛情持って育てる母親として観てしまう。

だからこそ、
その後に巻き起こるゲイに対しての偏見や、
ダウン症少年の行き場のない現状、
麻薬に溺れる毒親の問題などを、
偏見を持たずにリアルに感じ取れ
メイジーの瞳』でも描いていた
子は親を選ぶことが出来ない事実や
愛情のある家庭とは何かということを
より社会的に感じることが出来る。

ただ、
もしこれが所謂「おかまさん」が演じていたら
同じ観方が出来ただろうか、と考えてしまう。
「おかまさん」のイメージ自体も
偏見から生まれ、それに本人らが乗っかっているので
リアルな生活や感情は、女性と変わらないであろうが、
偏見を持った人が観ると、違った印象になるであろう。

とはいえ、
家族の愛情と
社旗の隙間のマイノリティーが
家族を持つ難しさを描いた良作と言えるだろう。


▼予告編


メイジーの瞳 [Blu-ray]/ポニーキャニオン

¥5,076
Amazon.co.jp