「寒・・・」


季節も秋から冬の色合いを濃くしていき、朝布団から出ると、そのヒンヤリとした空気が一気に体温を奪って行くようで。

肩を竦めながら縁側の戸を開けると、途端に入り込む風が、頬に冷たく流れていった。


「あ・・・・・・」



テーブルに置いた携帯がリズミカルに鳴り始めて、僕は開けた戸を閉めて、それを手に取った。

画面に触れて、耳に当てると


『あ、おはよ、しょーちゃん
ごめんね、朝早くに』


その向こうから、僕の大好きな声・・・



「おはよ・・・

うぅん、もう起きてた
今日は朝早くから仕事?」

『今日はね、4時おきの5時入りなの
休憩中にちょっと抜け出してきた』

「ふふ、大丈夫なの?」

『大丈夫大丈夫・・・

しょーちゃんの声が聞きたくて・・・』

「ん・・・・・・

僕・・・も」





あれからも、雅紀とはほとんど会えてはいないけれど

雅紀が忙しいのは、それだけ雅紀の仕事が順調だと言う証拠だし
最近の雅紀は、本当に楽しそうに仕事の話をしてくれるようになった。

僕も、今まで町役場の職員で回していた展望台の仕事を僕が担当することになって
僕自身も、雅紀に自分の仕事の話をするように、なった。




しょーちゃんが楽しいなら、僕も嬉しいから




そう言ってくれる雅紀に


僕は、例えまた暫く会えなくても


何処かで僕を見てくれている雅紀がいて
僕も雅紀を想ってる。



それで、これからも・・・頑張れるって


そう、思ってた。











秋の星座から冬の星座へと、星空も瞬きを変えて

空に向かって吐いた息が、白くふわりと消えていく。




今日は空気も澄んでいて、キラキラと輝く星々が、一層零れ落ちそうなくらいに広がる下で

カメラのシャッター音が辺りに響くなか、コートのポケットに入れた携帯が、震えた。


「・・・・・・誰、だろ・・・」



知らない番号が表示されていて
僕は身体を起こして、躊躇しながらも



「はい・・・」


それを受けた僕の声が、いきなり吹き流れた風の音に、かき消された。



『いきなりの電話・・・すみません

櫻井さん・・・ですか?』


知らない人の、声・・・


「は・・・い

そうです・・・が、あの・・・」


一呼吸間が空いて


『松本、といいます

相葉のマネージメントをしている者、です』



そう名乗ったその人の声が


僕の耳に、不協和音のように響いて





それから、僕は、自分がどうやって家に帰ったのか



覚えて、いなかった。








つづく

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おはようございます

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“ボクの見た風景日記 19”


「ふふ、チカさん気持ち良さそぉ・・・」

ゴロンとカラダを伸ばして寝そべっていると
マサキがボクの隣に同んなじように寝そべった


「今日も暑くて疲れたけど・・・

チカさん見たら疲れも吹き飛んじゃった」

そう言って、ボクのカラダを頭から尻尾までそぉっと撫ぜてくれる


「しょーちゃんは今日は帰りが遅いから

録り溜めたテレビ、観よっか、な」

なんて言いつつ、今にも寝ちゃいそうなマサキ


『マサキ、髪の毛まだ濡れたまんまだよ

いつもショーチャンには髪の毛乾かせって言ってるのに・・・』

ニャ、と、自分の顔をマサキの顔に擦り付けると


「んふ、チカさん・・・鼻が冷た・・・

ホント、可愛いね・・・チカ、さん・・・・・・」

『・・・・・・マサキ?』


スースーと、気持ち良さそうに
・・・・・・寝ちゃっ、た


仕方ないなぁ・・・


ヨイショ、とマサキのカラダにカラダをくっ付けてボクもウトウトしていたら



『あ・・・ショーチャンの足音』


遠くから聞こえてきた足音に、ボクは起き上がって玄関を覗きに行くとやっぱりショーチャンで


「お・・・チカさん、ただいま・・・て、チラ見かい」


すぐに引っ込んだボクに、ショーチャンが後ろでブツブツ言いながら部屋に入って来て

真っ直ぐ、床で寝てる雅紀の方に歩いて行った



「雅紀、まーさーきー」

雅紀を見下ろしてるショーチャンがそう呼ぶ声は優しくて


「・・・人には髪乾かせって言うくせに・・・

このハネ具合は自分も乾かさずに落ちたパターンだよな
お前、風邪引くぞ・・・

雅紀・・・ただいま、雅紀」


それでも起きないマサキに、ショーチャンはため息をついて

マサキを抱っこ、した


「さすがに寝てると重・・・・・・」

そのまま、寝室に入るショーチャンの後ろを追いかけて、ボクもベッドの上に乗ると

ショーチャンは、マサキの髪を撫ぜて頬にキスをした

そうしてボクを見て


「チカさんも、お休み」ってボクの頭を撫ぜてくれたけど

ボクはまたベッドを降りて、ショーチャンの後ろに付いていった


「・・・・・・まだ寝ないの?」

ショーチャンの足元にカラダを擦り寄せるボクに、ショーチャンはそう言ったけど

ふふ、満更でもない顔・・・に見える


『晩酌くらい付き合うよ』

ニャーとショーチャンを見上げて鳴いたら


「ハハ、チカさんは甘えん坊だなー」

なんて笑いながら言うショーチャンに


『・・・・・・それはショーチャンでしょ』

ボクはそう応えて、もう一回、カラダをグイと擦り寄せた










おはようございます。


昨日の記事で、メッセージを下さった皆さんありがとうございました。

優しいお言葉の数々、心に染み入りました´ω`*

決してコミュニケーションの手段を絶ちたい・・・訳ではないので、頂けるメッセージは本当に有り難く思っております。


朝から暗い話はしたくないので、一言だけ・・・

人は人、自分は自分・・・ですが、それでも、周りがあってこその自分、自分の行動を差し置いて、その状況を見失い、我こそが正しい、という勘違いだけはしないように、これからも気を付けていきたいと思います。




さぁ、週始まりの7月最終週の月曜日、ZERO翔ちゃんを楽しみに・・・



今日も1日、ボチボチ頑張りましょー。


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Season~summer night

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朝の小話の続きです





「雅紀、焼けた、な」


ほんのり肌の赤い雅紀に、シャツの衿ぐりを指で捲れば、その境界線がくっきりと分かれていた。


「だねー、ちょっと肌がイタイもん

しょーちゃんは赤くなってもあんまり黒くなんないもんね」


俺の腕に、自分の腕を比べるように並べて
くふふ、と笑った雅紀が


「本当白いね、しょーちゃん・・・」

そう言って、俺の髪に顔を埋めて


「海に入ってないのに・・・
しょーちゃんの髪、潮の匂いがする」

「そろそろ帰ろっつっても、なかなかお前が帰らないから・・・」

「ふふ、だって・・・

最近しょーちゃん忙しかったでしょ
帰るのが惜しかったんだも・・・ん」



チュ・・・と、リップ音が響いて
2人凭れていたソファーから、パタリと、雅紀が上になり、床に倒れ込んだ。



「先週、帰って来るって言ったのに・・・
結局帰って来なかったでしょ」

「・・・・・・ゴメン」

俺を見下ろす目は、黒目がちに潤んで
ひとときも俺から逸らさない。

「一昨日も・・・

僕、ずっと待ってたんだから、ね」

「・・・・・・ゴメ、ン・・・」

「ダメ・・・・・・

許さない、から」


チュ、チュ・・・と、話す度に俺に落ちるキスが


「ん・・・・・・あ」

少しずつ、肌を滑り落ちて行く。



「しょーちゃ・・・・・・ん

お願いだから・・・・・・
無理しないで」

「雅・・・・・・」


シャツの中に滑り込んだ唇が

「あっ・・・・・・つっ・・・」

その尖りを、食 んだ。



「だけど・・・・・・

たまに我慢出来ないくらい・・・寂しくなる僕のこと・・・


イヤに、なる?」


「はぁっ・・・・・・んっ・・・・・・

ま、雅、紀・・・・・・」

食 みながら、スルリと降りた手が
その熱い中心を、弾くように、撫ぜる。


「しょーちゃん・・・・・・

好き・・・

好き・・・・・・だよ」


荒くなる吐息が、唇を塞いでは頬に当たって

まるで、俺にしがみつくように、震えるから



「・・・・・・バ、カ・・・

イヤんなる訳・・・ねーだろ」


また塞がれた唇から、奥へと絡 めたモ ノを
雅紀も受け入れて、互いに激しく強く求めて行く。


「俺だって

お前に会えなくて・・・
寂しいに決まってん、だろ」

「ん・・・・・・

ふふ・・・・・・知っ・・・てる・・・」



眉を顰めながら微笑む雅紀が


見上げた天窓から降り注ぐ月明かりに照らされて
息を飲む程に綺麗に・・・乱れる。



耳を擽る雅紀の声が、何度も何度も俺の名前を呼ぶから

それに応えるように、俺も雅紀の身体を揺らしながら名前を呼んで



遠くに、まだ鳴き続ける蝉の声が微かに響くなか



夏の夜、幾度となく

俺たちは、想いを確かめるように、交わった。








オシマイ



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