櫻虹書庫~本館

気象系グループさんへの色々な想いを綴っております。
あくまでも妄想ですので……その辺ご理解下さい。
(二大禁+18禁、内容に腐要素も含まれておりますのでご注意下さい。その意味の分からない方は先に進まれないようよろしくお願いします。)

読者申請、記事へのコメントは、同志であるということが分かる方のみ許可してます。それ以外は即削除させていただいてます。すみません。
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【猫の日 おまけ】





 「・・・・・・・・・」
 『・・・・・・・・・』


 雅紀は朝イチで取材が入ってるからと先に家を出て
 後から起きた俺は、チカさんと対峙していた。


 昨日帰りに寄ったスーパーで買って来たマグロ。

 俺はなんで切り身じゃなくてカタマリを選んだんだろう。

 魚をどの包丁で切るかも分かんないし
 雅紀が使ってるあんなデカイ包丁持ったら、切れるモンも怖くて切れないし。


 結果、カタマリを押し潰しながら切り分けて、というか分断して


 「見た目はアレだけど味は同じだから大丈夫」

 なんて、俺はチカさんに何を言い訳してるんだろう。


 『・・・・・・・・・』

 身の崩れたマグロを盛った皿と俺とに視線を動かして、何か言いたげにも見えるチカさん


 「朝、雅紀にも貰ったんだろ、マグロ

 もう飽きた?」


 考えることは同じで、2人して時間差で同じスーパーでマグロを買って来てた。

 互いにそれを冷蔵庫ン中に見つけて、互いに何も触れずにいたけれど

 チカさんが野良だった頃、雅紀がチカさんの為に買って来ていたマグロを俺が食べようとして怒られて拗ねたこともあったっけ・・・


 「見られてたら食えないか」

 そっとチカさんの頭を撫ぜたら

 『ニャー』と俺を見たまま鳴いたチカさんが


 鼻先でその崩れたマグロの匂いを嗅いで
 黙々と食べ始めた。



 「ふふ、可愛いな、お前」 

 こんなところ雅紀に見られたら、ニヤニヤと笑われるんだろうけど


 「今日は猫の日だから、特別な」



 そう言うと、チカさんが顔を上げて俺を見て

 ため息みたいな息をついたのは


 何故だろう。

 

 

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 8時キッカリに社用車がマンション前に着いた。


 体内に秒針つきの時計が植わっているんじゃないかと思う程、いつも大野の行動はほぼ誤差がない。

 それに充分対処出来て待ち構えてる俺も、大野に対してあれこれ言える立場ではないけれど。


 「おはようございます。

 彼はもうお帰りに?」
 「は?」

 開けた車のドアを手で支えて俺を見遣った大野が、顔色も変えず、眼鏡のブリッジを指先であげた。


 「朝食べて・・・帰ったけど」
 「そうですか。

 では今日の予定ですが・・・」
 「・・・・・・中途半端に聞いてくるなら初めから聞いてくるなよ」


 そう呟いた俺に、大野は分厚い手帳を広げたまま助手席から後ろに振り返った。


 「根掘り葉掘り聞いても良いんですか?」
 「・・・・・・・・・いや、それは・・・」
 「社長のプライベートにはまっったく興味はありませんが、それがビジネスに影響を及ぼす及ぼさないかは私の立場上把握する必要はありますので」
 「つ、が一個多いっつーの・・・

 それは分かってる。
 自分の立場はわきまえているから」
 「・・・・・・・・・

 今日は午前中に再開発事業の進捗報告会議、それからL社の額田会長との会食の後・・・」



 今の間は何だよ・・・・・・



 大野の言いたい事は百も承知で
 いい歳をした男があえて選んで進むべき道なのかどうか、まだ迷いがないと言えば嘘になるけれど


 俺は、雅紀を選んだ。
 雅紀も俺を選んでくれたのだとしたら



 迷っていては、ダメなんだ。




 今日も外は雨が降っている。


 雨で濡れたアスファルトの上を走るタイヤの音と、ワイパーの動く音が軽やかに

 社屋へと向かう見慣れた景色も、今日は何だか違って見えるのは、決して浮かれているからではない・・・ハズ。




 携帯を片手に画面をタップし

 “今日、仕事が終わったら会いに行くから”

 そう送った途端に既読がついた。



 今の今まで、こんなツールはめんどくさいだけのモンだと思ってた。

 人付き合いに疎い方ではないと自負はしているけれど

 ただメールをするだけで、こんなにも気持ちがふわりと揺るぐものなんだと、この歳になって、初めて覚えた。


 自分は、一体どれだけつまらない人生を送ってきたのだろう。



 
 “待ってます”

 たったそれだけの、俺をちゃんと受け入れてくれる返事に思わず顔がほころぶと


 助手席越しに見えた大野の肩が、ゆっくりと竦んで、下りた、様な気がした。





つづく

 
 

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 「これを見たらね

しょーちゃんには、僕以外撮って欲しくないって、思っちゃった」

 ニノが見せてくれた雑誌と同じものを捲りながら、雅紀がそう言った。


 「しょーちゃんの見ている景色を、独り占めしたいって
 しょーちゃんの見ているものを、他の誰にも見せたくないって

 ふふ、独占欲の塊だよね」
 「雅紀・・・」



 僕が撮った写真の、僕の目に映った雅紀を

 うぅん、本当は、雅紀の全てを誰にも見て欲しく、ない。


 僕だって、独り占め、したい。



 僕の見る世界は

 星々も
 雪の降る町並みも

 雅紀がいるから

 それに色がついて
 キラキラ輝いて見えて


 雅紀がいないと、ダメなんだって・・・・・・

 だから・・・



 「僕・・・だって・・・」

   雑誌に下りていた視線が、僕を見上げた。

 「僕だって・・・・・・

 僕だけの、僕が見た雅紀を、誰にも見せたくないし

 ほんとは・・・雅紀が、僕だけの雅紀じゃないのが嫌だ
 カメラ越しに笑ってる先が、僕じゃないのは、嫌だ
 僕だけの・・・雅紀でいて欲しいって・・・・・・

 そう思う、自分が、嫌・・・・・・


 ずっと傍にいるって
 ずっと想ってるって

 何度自分に言い聞かせたって

 僕は・・・・・・
 雅紀がいないと・・・・・・

 星を見るのは、そこに雅紀がいない寂しさを埋めようとしてるだけ
 空が雅紀のところまで繋がっていたって
 同じ星々を見上げていたって

 そんなの・・・・・・

 繋がってない
 隣にいないなら同んなじ空を見てるなんて分かんない

 だけど僕は

 雅紀と・・・・・・ただ一緒にいたくて


 も・・・・・・どおしたらいいのか、分かんない、よ」



 自分が何を言ってるのか
 自分でも良く分からなくて

 ダメだって我慢してたのに
 堰を切ったように一旦溢れた涙は、すぐ傍にいてくれている雅紀の姿を揺らいで隠した。



 「我が・・・ま、ま・・・・・・ごめ・・・な、さ・・・・・・」

 こんな我が儘な自分を、雅紀はどう思うだろう

 落ちてくる涙を拭うけど追いつかずに、嗚咽が止まらなくて顔をあげられずにいた。




 「しょーちゃん、我が儘だなんて・・・言わないでよ」


 雅紀の声も、小さく震えて

 そうして、そのまま僕を腕の中に包み込むように抱きしめた。


 「我が儘じゃないよ

 それを否定しちゃうのは
 好きって気持ちを否定しちゃうんだよ

 我が儘なんて思わないでよ
 もっともっと・・・・・・しょーちゃんの気持ちを僕にぶつけてよ

 僕が・・・・・・・・・全部、受け止めるから」
 「雅・・・・・・」
 「ちゃんと、受け止める、から」




 僕は、それから子供みたいに

 声を出して、雅紀にしがみつきながら、泣いた。
 




つづく

 
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