【書評】失敗の本質 日本軍の組織論的研究
テーマ:組織・マネジメントノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦
それぞれ戦史や小説などで詳しく紹介されている有名な戦闘である。
この6つの事例を基に、筆者らは組織論的な研究を行い、知見を見出していく。
読んでいて頭を過ぎったことは、「これは現代の企業組織においても同じことが起こっている、同じ失敗が繰り返されている」ということだ。
あいまいな目的、中央と現場の意思疎通の不徹底、中央軽視の現場、情報軽視の中央、過去の成功への依存・・・
中でも私の印象に残ったのは「学習しない組織」である。
実際の戦史も知らなければ、本書で得た以上の情報は持っていないが、
これらの分析だけ読んでいると、大東亜戦争は負けて当然だったのではないかと思われてならないし、
現代企業であれば、企業の体をなさないような状況に陥ってしまいかねない状態だと思われる。
しかし、こうした状態は現代の企業組織においても珍しくないことではないだろうか。
60年以上前の日本軍で起こっていた事象(失敗)が、今もなお息づいて繰り返されている。
20年以上前にこれだけの分析がなされていたにも関わらず、今もなお同じ失敗を繰り返している。
組織運営の難しさを改めて感じさせられる一冊。
(電車の中で軽く読む類の本ではない。)
【その他関連書籍等】
「ダブル・ループ学習」とは何か
(Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2007年 04月号
、「考える技術」の教科書 2008年 12月号
)
【基礎データ】
著者:戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀、野中郁次郎
出版社:中公文庫 1991年(ダイヤモンド社 1984年)
紹介文:
大東亜戦争における諸作戦の失敗を、組織としての日本軍の失敗ととらえ直し、これを現代の組織一般にとっての教訓あるいは反面教師として活用することをねらいとした本書は、学際的な協同作業による、戦史の初の社会科学的分析である。











