2010-09-14 15:00:00

脳の能力を100%活用できない僕らは補助脳を使おう ■書評■ 『EVERNOTE「超」仕事術』

テーマ:知的生産術

クラウド・コンピューティングが急速に発展したことにより、ワークスタイルなどにも大きな変化・多様性が生まれてきている。
ちょっと周りを見渡せば、喫茶店などでノートパソコンを広げてWi-Fiで仕事をしている人もいるし、iPhoneで気軽にメモを作ったりメールチェック(簡単な返信含む)やRSSリーダー・ニュースのチェックを済ませてしまう人もいる。
オフィス環境のシームレスな再現が技術的に可能となってきている今、自分にあったサービスを使いこなして、快適なワークスタイル・ライフスタイルを築き上げることは非常に価値があるし、そもそも楽しいことだと言えるだろう。

そのような中でも、ひときわ話題のサービスがEvernoteだ。
2010年3月3日に日本語版がリリースされ、日本法人の立ち上げも2010年6月23日という日の浅いサービスだが、日本語サービス開始前から多くの日本人が利用をしており、正式リリース後には、さらに多くのユーザーを獲得している。
日本語版サービスのリリース時に、僕も一度紹介記事を書いているので、その辺りについてはそちらも併せて見て欲しい。
※ 参考: とにかくEvernote使おうぜ!:「できるポケット+ EVERNOTE」コグレマサト/いしたにまさき

ただ、僕はその後半年近く、アカウントを持つ以上の動きをすることができなかった。
なぜかと言えば、僕がクラウドにアクセスする環境が、結局ほとんど職場しかないという現実があり、さらに職場のIT環境では利用の難しい面があったから。
だが、その職場のIT環境も、とある事情からさまざまなクラウドへのアクセスがしやすくなり、少なくとも家庭と職場、そして使いにくいながらも携帯電話というアクセスポイントが整ったことから、一気に利用してみようという機運が自分の中で高まった。
ちなみに、EvernoteはやはりiPhoneをはじめとしたスマートフォンとの親和性が高いサービスであり、携帯電話「でも」可能という感覚だ。

そんな僕の背中を大きく押してくれることになったのが本書。
まず最初に、話題のサービスであり、かつ本当に有効なものであると思うからこそ、あまりにも過度な期待をかけすぎないようにという注意から始まる。

Evernoteの真価: Evernoteは決して万能なツールではありません。それを使えばいきなり「デキるビジネスパーソン」になる事もありません。しかし、多すぎる情報や仕事に囲まれて窮屈な思いをしている人にとって1つの最適解となるでしょう。眠ってい情報、押さえつけられている思考力を解放させるための補助脳がEvernoteというツールの真価です。(p.4)

こういう認識を最初にしっかりと持っておくことは大切だろう。
僕らは、話題のサービスに過度な期待をかけすぎるあまりに、それを使いこなせるようになる前に、勝手に落胆し、本当はすばらしいものを過小評価し、利用しなくなってしまうというもったいないことをしてしまう傾向にある。
(最近、Twitterにも同じような風潮が見られるようになっているが。)
まあ、いきなり「デキるビジネスパーソン」になれる…という甘い夢は見てみたいし、見るだけなら自由なんだけど(笑)

ストレスフリーの実現: 上手く集中するためには「気になる事」を、すべて脳から荷下ろししておく必要があります。また、仕事の流れを決めておけば、その度ごとに「どのように処理しようか」と悩む必要はなくなります。Evernoteを補助脳として使いこなせれば、そういった「気になる事」や「悩み」から解放されます。(p.32)

これまでも情報整理術などの書籍を読んできた方ならピンとくるかもしれない。
そう、このサービスはGTD(Getting Things Done)との親和性が非常に高い思想が根底にありそうだということ。
※ GTDについては本書でも簡単な説明はあるが、デビット・アレンの『ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則』『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』をお読みいただきたい。(読んだのに書評を書いてないという…汗)
この点はEvernoteの魅力を理解するのに有効だろう。

ただ、入力デバイスの問題はやはり残る。
個人的には携帯電話で文字を入力することはかなりのストレスなので、入力している最中にアイデアを失ってしまいそうなくらい(汗)
なので、基本的にはノート(しかもモレスキンがいい具合)との組み合わせが補助脳としての役割を担わせるにはいい感じかなと思っている。
思いついたことをノートにメモして、必要な情報は携帯電話のカメラで撮影してメール送信でEvernoteへ。
実は、iPhoneとの親和性は高いけれど普通の携帯では…といじけていた僕は、この「メール送信機能」というものが完全に頭から抜けていたので、本書を読んで「これだ!!」と思ったポイントの一つでもあったりする。

また、Evernoteはその自由度の高さゆえに、いざ始めてみようと思っても何からしていいのか分からないという悩みもあるのだが(僕も具体的にどうしよう…という点は考えてしまった)、倉下さんが手始めにまずこんなことから始めてみようという使用例を挙げていただいているので、それに従って始めてみている。

はじめてのEvernote活用法: ビジネスの現場でまず使えるように、次の3つの情報をEvernoteに集めることから始めてください。
●ウェブページのスクラップ
●紙の書類(デジタル化する)
●自分のアイデアなど (p.44)

倉下さんも書いているとおり、3つ一遍に始めてみる必要すらなくて、とにかくEvernoteに集めやすい情報を集め、記憶すべきことがここにある安心感を味わうところから始めることが肝要。
例えばウェブページなんかは、これまでRSSリーダーで後で読みたいページをクリッピングしたりもしていたけれど、クリッピングしたこと自体を忘れてしまうわけで(汗)
Evernoteを見ればそこにある、という安心感・ワンストップ感は確かに快適だ。
自分が書いた書評なんかもスクラップしておくと、わざわざブログ上で以前のものを探す手間もなくなって便利そうだし。

もちろん、これらをEvernoteでやらなければいけない理由はない。
アナログノートで情報を集約するスタイルを確立している人もいるだろうし、そういう人まで乗り換えなければいけないとは言わないし、最初に倉下さんも断っているとおり万能なツールじゃない。
ただ、個人的には、やっと「使ってみないと分からない」ものだったのが、「使ってみて良さそう」だと言えるようになった。
倉下さんもそうだけれど、アナログなノートとの組み合わせをベースに、折に触れて本書を紐解きながら、より一層の活用を考えていきたいと思う。
クラウドを活用した効率化、創造性の発揮などに興味のある人はぜひお試しを。

※ 本書は、メディアマーカーの献本PRに当選し、著者の倉下忠憲さんより献本いただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げたい。


■ 関連リンク

著者ブログ: R-Style
著者Twitter: @rashita2

■ 基礎データ

著者: 倉下忠憲
出版社: シーアンドアール研究所 2010年8月
ページ数:224頁
紹介文:
Evernoteで実践するLifeHack!
膨大な情報から「アイディア」「人脈」をたぐり寄せる「知のデータベース」の使いこなし方!
すべての記録・記憶はEvernoteへ!

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■ 他の方の書評記事

less than zero:
[読書][ライフハック]まさにEVERNOTE本の決定版。使い方というより活用法がメイン-倉下忠憲『EVERNOTE「超」仕事術』、読了
僕の問題は誰かが解決している:
Evernoteをちゃんと使いたくなる! 【EVERNOTE「超」仕事術】 倉下忠憲


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