2010-08-18 15:00:00
■書評■ 野球のソムリエ
テーマ:人生論・人物伝僕は大学に入学するまでは愛知県で育った。
僕が小学生だった1980年代などは、今のようにサッカー人気があるわけでもなく、少年たちの憧れの的といえばプロ野球選手だったといっても過言ではないと思う。
「将来の夢」を書かされたりすれば、クラスに1人や2人は「プロ野球選手」という子供がいた頃だ。
(僕は小学校の卒業文集に書いた将来の夢が「公認会計士」だったはず…笑)
本書はそんな時代にプロ野球選手として中日ドラゴンズで大活躍されていた谷沢健一さんによるエッセイ。
熱烈な野球少年でもなかったし地元のくせに中日ファンですらなかった僕は、今でも野球ニュースなどほとんど見ないし、もう選手名と顔はベテラン選手なら何とか一致するものの所属球団は怪しいくらいだし、若手選手となると絶望的といったレベルだ。
往年の「背番号41」の活躍こそ印象に残ってはいるものの、申し訳ないけれど引退後のご活動など全く存じ上げなかった。
しかし、本書の帯にも書かれている谷沢さんがもっている5つの「タグ」を拝見したときに、感じるところがあった。
「元中日ドラゴンズ選手(名球会会員)」
「プロ野球解説者(フジテレビプロ野球ニュース)」
「早稲田大学客員教授(スポーツビジネス)」
「NPO法人「谷沢野球コミュニティ千葉」理事長(クラブチーム監督)」
「独立リーグアドバイザー(三重スリーアローズ)」
ここからは、「生涯"野球人"」という印象が強く浮かび上がり、一つの道を突き抜けている方の人生からは、非常に有益なものが学ばせていただけるのではないかという大きな期待が湧き上がる。
そんな期待に存分に応えていただいた思いの伝わるエッセイだったが、その中から3つだけ、これからの日々を過ごすにあたって心に留めておきたい言葉を紹介したい。
谷沢さんは50歳を迎えられるときに、こうしたことを強く意識されたそうだが、いつでも、何歳であっても心構えとしてもっておきたい考え方だと思った。
「自分はこれから何かすべきことがあるのではないか」と問いかけ続ける生き方は、かっこいいし、自分自身を成長させ続ける原動力になる。
所有する物品の整理が人生の整理に繋がるほど、僕はまだ形あるものを手に入れたという実感はない。
そういう意味で、ここについてはまだ僕には少し早いのかもしれないけれど、常に「前を向く」という心構えを持っていれば、人生の整理などという心境においそれと陥ることはないだろう。
谷沢さんも、生原昭宏氏の影響を少なからず受けていると書いているが、自らの人生を豊かなものにしていくために大切な考え方だと感じた。
これについても年齢は全く関係ない。
常日ごろからこうした意識を持って自らの内に問いかけ続けることが大切だろう。
おそらく、言葉こそ違えど、多くの起業家・社会起業家などにも共通する考え方なんだろうなと思った。
正直、僕にはまだ少し早いような感じで、サラリーマン人生も折り返し地点を過ぎたな…と感じる年代の方にこそお薦めしたいような一冊だ。
さらに、往年のドラゴンズファンの方であれば、それぞれの細かなエピソードなどにも楽しめる部分が多々あり、より感じ入るところがあるかもしれない。
とはいえ、僕のような若手から中堅ビジネスパーソンにとっても、谷沢さんの「スポーツマネジメント」の経験はビジネスにおいて参考になる部分もあるだろう。
僕自身は、上記のような生き方以外にも、アマチュアのクラブチームを立ち上げていった際の谷沢さんのお話から、会社におけるチーム運営についてのヒントを頂いた。
やはり、一つの道を突き抜けていく方からは学ばせていただくことが多いということを実感させていただいた。
※ 本書は本が好き!を通じて、出版社の総合企画様より献本いただいたものである。この場を借りて厚く御礼申し上げたい。
■ 関連リンク
著者ブログ: 谷沢健一のニュー・アマチュアリズム
著者Twitter: @yazawa2005
■ 基礎データ
著者: 谷沢健一
出版社: 総合企画 2010年3月
ページ数: 225頁
紹介文:
元中日ドラゴンズ選手(名球会会員)、プロ野球解説者(フジテレビプロ野球ニュース)、早稲田大学客員教授(スポーツビジネス)、NPO法人「谷沢野球コミュニティ千葉」理事長(クラブチーム監督)、独立リーグアドバイザー(三重スリーアローズ)。“5つの肩書き”を舞台に人生を語る、野球エッセイ












