■書評■ 自分を変える手相の本 | 知磨き倶楽部 ~ビジネス書で「知」のトレーニングを!~

■書評■ 自分を変える手相の本


「手相」と聞くと、なんとなくテレビなどで有名な「銀座の母」とか「原宿の母」とか、路上占い的なイメージ(かつインチキ臭いイメージ)が強くて敬遠していた。
そんな僕が何故に本書を手に取ったのか?
※ 最初に断っておくが、本書は著者の小菅昭子様から献本いただいたものであり、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。
それは、いつも当ブログも含む本魂!を応援してくれている、ただうみさちさんが作ってくれたご縁だからという一点。
いつもコメントいただく中で、この人が紹介してくれる方の本なら…と個人的には清水の舞台を飛び降りるくらいの気持ちで、献本のご提案を受けさせていただいたのだ。

この自分の決断が(めずらしく)大正解。
「戴いたご縁を大切にすること」なんていうことはビジネス書(自己啓発書)でよく書かれているような内容だけれど、まさにその気持ちがもたらしてくれることを実感した次第。

僕の「手相」に対するイメージは前述のとおり決してよいものではなかった関係上、類書と比較して本書を評価することもできないけれど、「手相」というものに対して僕が抱いていたイメージを多少なりとも変えてくれたことは間違いない。
従って、初めて「手相」本を読んだ僕が、僕と同じようにあまり良いイメージを抱いていない読者(がいるという前提で)に向けて本書を紹介してみたい。


まず、僕が大きく誤解していたことがある。
それは「手相はその人固有のものであり不変のものである」と、指紋と同じようなものだと思い込んでいたこと。
え? そんな風に思っていたのは僕だけ?

手相は変わる!: 手相は変わります。
 私たちの生き方次第でどんどん変わります。(p.5)
 手相は、日々変化していて、だんだんと自分の思い通りの相になっていきます。(p.136)

この思い込みが変わるだけでも「手相」に対するイメージが随分変わる。
本書を読むに当たって「なぜ僕はそんなに手相に対してよくないイメージを持っているのだろう」ということを考えてみたのだが、その底には「生まれ持って一生変わらない手相なんかで占うなんて運命論的な考え方は間違っているに決まっている!」という思いがあるからじゃないかと。
その、そもそもの前提の考え方が間違っているのであれば、僕の「手相」に対する見方は根本的な部分で間違えている可能性が高いわけで……。
いやはや、思い込みの力って怖い怖い(汗)
※ ちなみに、こういう考え方に立っているわけだから、基本的に血液型占いとか誕生日占いとかは、全面的に信用してないタイプの人間だということがわかると思う。お寺さんで引くおみくじの方がまだ影響されやすいかも(笑)

本書はほとんどのページが「手相の読み方」に割かれていて、その点は僕の抱く「手相」本に関するイメージと違わない。
そもそもの大前提を覆され、「手相は、手全体でバランスを取っていて、手、全体を観ることでその人が何を考え、どう行動しているかがわかるもの(p.137)」と言われると、本書片手に自分の手をじっと見てしまう。

ここでは、初めて読むような僕でも用語としては聞いたことがあるくらいに有名な、主要な4つの線で僕自身の手相を観てみた感想を書いてみよう。

まず「生命線」と「知能線」を一緒に観ていく。
細かいことはよくわからないが、生命線と知能線の起点部分が重なり合い、絡まりあっているように観える。
なんか「鎖状の線」っていうのが一番近いようにも思えるのだが、あまりよい書かれ方をしていないんだけど…(汗)
でも、最後(末端)まで鎖状が続いているわけでもないしなあと首をひねったり。

それ以外では、(希望的に観てしまっているだけかもしれないけれど・笑)「生命線上から人差し指に向かう線」があるようにも観える。
それは、「努力の証を示す吉線」らしいぞ!?

生命線上から人差し指に向かう線: 生命線上から希望のエネルギーをキャッチする人差し指に向かって伸びる線は、向上心に燃え、努力していることをあらわします。
 誰に気づかれなくとも、努力の証は、ちゃんと手相に刻まれます。
 これが、私が「手相は人生の成績表」という所以です。(p.56)

現金なもので、こういうことは疑いもなく受け入れてしまう自分がいるわけで(笑)

あと、よく誤解されている(というか、僕は完全に誤解していた)ことで、生命線の長さを寿命の長さと捉えられているケースがあるようだが、そうではなくて、生命活動に関するエネルギーを観ていくものだそう。
同じく、知能線の長さも頭の善し悪しではなくて、物事に対する考え方を表しているんだとか。
こうした基本的な用語に対する誤解も解いておきたいところ(いやあ、解けてよかった)。

それから「感情線」を観ていく。
ここも解釈が難しいけれど、「思いやりがあって誠実」のように見える。
うん、ここもいいように解釈しよう(笑)ってそれじゃあ何のために手相を理解しようとしているのかわからなくなってしまうな。
まあでも、「男性の場合は、子煩悩なマイホームパパ。家族のために、仕事を頑張るタイプなので、家庭をもつと、仕事運も上がり、人生が充実します。(p.78)」なんていうのは、(現実はともかくとして)ありたい姿であることは間違いないので、「手相」的な理解としてはいいのかも。

最後に「運命線」を観ていくのだが、これが僕の手にはほとんどない(汗)
で、このほとんどないような人というのも珍しいわけではなさそうなんだけど、「人生の方向性や意欲が見えてくると、はっきりしてくる線(p.93)」ということなので、ほとんどないという状態は決してよろしい状態ではないだろうと…orz
手相を見てもらったら「色々と迷いごとがあるようですね。ご自身で興味のあることなどに打ち込み、人生の方向性をはっきりとさせて、意欲をもって生きましょう」とか言われるんだろうなあ、みたいな。


と、長々と僕の「手相」を観た感想など書き連ねてきたわけだけれど、僕のような人間にとって本書を読む目的は自分の手相を知ることにあるわけではないと思う。
それよりも、まず第一に「手相」に対するイメージを正しく持たせてくれたことが一番大きな価値。
なので、僕的には、「手相」に対して懐疑的なイメージを持っている人にこそ読んでほしいと思う。
その上で、手相に興味が出れば、それはきちんとした手相家の方に観てもらうのが一番かと。

実際、「手相学」と書かれているくらいだし、「同じ手相はない」そうなので、本書を片手に観たところで正直なところわからないわけで。
「手相」に対する正しい理解を持てば、同じように手相を観ていただいても受け入れ方がまるで変わる。
ちょっと変わっているかもしれないけれど、自分自身の在り方、考え方を見直すきっかけとなり、人生を考える視座を広げてくれるという意味では、まごうことなき自己啓発本。
折々に手相を見返して、「あれ? ちょっと線の入り方が変わってきたかも…?」なんて自分の成績表を見ながら成長のガイド役にしていくのがいいのかもしれない。


■ 関連リンク

著者ブログ: 小菅昭子の『幸せ方向に舵を取れ!』
著者Twitter: @akiko_kosuge

■ 基礎データ

著者: 小菅昭子
出版社: かんき出版 2010年7月
ページ数: 160頁
紹介文:
未来は自分の手でつくれる!
手相はあなたの成績表。本当の自分がわかれば、人生は思うとおりに変えられる。

自分を変える手相の本
小菅昭子
かんき出版
売り上げランキング: 14193