2010-07-04 15:00:00

[紹介] モチベーション3.0

テーマ:組織・マネジメント

今回、R+(レビュープラス)様よりゲラ刷りの段階で(全体の一部を)献本いただいたので、取り急ぎ発刊前に感想をお伝えしておきたい。
※ R+(レビュープラス)様には貴重な機会を提供いただき、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。

まず、今回ゲラ段階で読ませていただいた範囲を明確にするために、普段とは趣を変えて全体の構成を紹介させていただきたい。

目次:訳者まえがき 停滞を打破する新発想<モチベーション3.0>
はじめに ハリー・ハーロウとエドワード・デシの直面した謎
第1部 新しいオペレーティング・システム
 第1章 <モチベーション2.0>の盛衰
 第2章 アメとムチが(たいてい)うまくいかない7つの理由
  第2章の補章 アメとムチがうまくいく特殊な状況
 第3章 タイプIとタイプX
第2部 <モチベーション3.0>3つの要素
 第4章 自律性
 第5章 マスタリー(熟達)
 第6章 目的
第3部 タイプIのツールキット
 個人用ツールキット モチベーションを目覚めさせる9つの戦略
 組織用ツールキット 会社、職場、グループ能力を向上させる9つの方法
 報酬の禅的技法 タイプI式の報酬
 保護者や教育者用ツールキット 子どもを助ける9つのアイデア
 お薦めの書籍 必読の15冊
 グルに聞く ビジネスの本質を見抜いた6人の識者
 フィットネスプラン 運動へのモチベーションを生み出す(そして持続させる)ための4つのアドバイス
 本書の概要
 ディスカッションに役立つ20の質問
 自分自身とこのテーマを、さらに掘り下げるために

今回のゲラは、このうち第5章までとなっているものであり、そこまでを読んだ段階での紹介記事であることをお断りしておきたい。

結論から言えば、本書は面白すぎる。
モチベーション理論自体は個人的にはさほど目新しいとは思わないし、豊富に登場する実例についてもどこかで目にした事のあるものが少なくない。
しかし、これまでにないほどに惹き込まれてしまうだけの力を持っている。
(そういう意味では原著とのニュアンスの比較などはできないが、訳文もうまいのだろうと思う。)

個人的にも、ちょうど所属する組織が大きな転換点を迎え、トップから若手までを含めた一体感の再醸成、個々人のモチベーション再向上などなどを目的とした組織変革を行いたいと考えているところ。
そういうタイミングだったこともあり、まだ5章までしか読んでいないというのに、自らの考えるところに突っ込みを入れたり、考え直したりするヒントを沢山いただいた。
そして、第3部をとにかく早く読みたいぞ!という気持ちにさせられたことは言うまでもない。

目次からも読み取れるように、<モチベーション2.0>と<モチベーション3.0>の比較で話は進んでいく。
(目次から内容が類推できることは「いいビジネス書」の条件の一つだ。)
この用語について「本書の公式用語解説」を紹介しておこう。

<モチベーションX>: モチベーションの基本ソフト(OS)。つまり、社会がどのように機能するか、人間がどのようにふるまうかに関する仮定と指令で、法体系、経済的取り決め、ビジネス慣行などに行き渡っている。<モチベーション1.0>は、人間は生物的な存在なので生存のために行動する、とみなした。<モチベーション2.0>は、人には報酬と処罰が効果的だとみなした。現在必要とされているアップデート版の<モチベーション3.0>は、人間には、学びたい、創造したい、世界をよくしたいという第三の動機づけもある、とみなしている。(p.31)

僕がやろうとしていることは、方向としては<モチベーション3.0>の方向に向かっていくもののようであり、大きくは外していなさそう。
ただ、中途半端な<モチベーション2.1>と形容されるようなものも中には含まれており、そういった点を考え直さないといけないなという気付きを与えてくれたり。

著者も指摘している通り、ほとんどの職場が今なお、古い<モチベーション2.0>のOSの上で活動している。
それに対して不満を抱く人も増えていることは事実ではあるが、まだまだ新しいOSへ移行できている企業は僅かである。
ただし、移行できている企業はすばらしい成果をあげているのである(失敗例が紹介されていないだけで、実際は新しいOSをインストールしたら機能不全に陥ってしまった会社もあるかもしれないが)。
※ 有名なところでは、ポストイットのスリーエムとかグーグル、ザッポスなどが実例として紹介されている。

ただ、焦ってはいけないようだ。
<モチベーション3.0>の一要素である「自律性」の解説において、著者は僕のように焦る者に対してこう警告している。

まずは「足場」から!: もちろん、ほとんどの職場では今でも、古いOSを前提とする仕事のやり方が行き渡っているので、自律への移行はいちどきには起こらない。というより多くの場合は、できない。仮に、管理された環境から人を引き抜いて、その環境以外何も知らない彼らを、ROWEまたは自由裁量が認められた環境にいきなり配置したら、その人たちの苦労は目に見えている。リチャード・ライアンが指摘したように、移行のステップを各従業員が見つけられるように、組織は「足場」を組む必要がある。(p.155)


僕は、個人的にこの「モチベーション」関連には関心を抱いていたので類書もそれなりに読んできたつもりだが、ここまでのところ本書は最高の出来ではないかと感じている。
続きを読み、全体像をつかんで実践に移していくことが楽しみで仕方がない。
この分野に関心がある人であれば、理論的な部分で全てが目新しいということにはならないと思うけれど、読まずに済ませてはいけない一冊になるはずだ。


■ 関連リンク

本書の内容に関するダニエル・ピンクによる講演の様子:
http://www.ted.com/talks/lang/jpn/dan_pink_on_motivation.html
(何故かアメブロでは不正コードとして認識されて動画を埋められない)

■ 基礎データ

著者: ダニエル・ピンク
訳者: 大前研一
出版社: 講談社 2010年7月
紹介文:
21世紀版『人を動かす』はこれだ!!
20世紀の半ば、数人の科学者が、人間には従来とは異なる動機づけもある、と主張するようになった――いわゆる「内発的動機づけ」だ。その後数十年の間、行動科学者はその原動力を解明し効能を説明してきたが、残念なことにビジネスの世界はこの新たな認識を十分に生かしきれていない。組織を強化し、人生を高め、よりよい世界を作るべく、ダニエル・ピンクが科学の知識とビジネスの現場の間に横たわるギャップを埋めた意欲作。
『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』ほか全米大ベストセラー

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク
講談社
売り上げランキング: 42


■ 他の方の紹介記事

おでこのめがねで読書レビュー:
モチベーション3.0 (ダニエル・ピンク 訳:大前 研一 )

本読みな暮らし:
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか



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