2009-11-24 14:00:00

【書評】3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい

テーマ:人生論・人物伝

世間一般で言うところの「成功」を体現した創業社長の生き方や、創業から「成功」に至るまでの間の経験から感じ取られた人生訓というものからは、やはり学ぶべきところが多い。

その一方で、多くの創業社長のお話を読んだり聞いたりしてくると、それぞれの特別の事例から導き出された考え方の根底に流れる、ある種共通した普遍的なものが見えてくる。


僕にとって寺田さんが本書で語ったお話は、まさにそうした普遍的な価値観に則した王道をいく考え方をされているなということを強く認識させてくれたものだった。


その中から印象に残り、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれるフレーズを紹介させていただく。



行動には必ず結果が伴います。

成功であれ失敗であれ、結果が伴わない行動は行動とは言えません。(p.32)


さらりと言われているけれど、とても重みのある言葉。

特にこうしたビジネス書を読んだ場合は、「行動に結びつけよう!」と言われるわけだけれど、それによる結果が伴わなければ行動したことにはならない。

寺田さんは、「プロセスとしての行動は大切ですが、プロセスを行うこと自体に意味はありません。そういう意味において、プロセスは行動とは言えないということです。(p.33)」とも書いている。

あれだけやったんだからいいよね…という考え方ではなく、成功にせよ失敗にせよ、きちんと結果にまで漕ぎ着けてこそ次に活かせる「行動」になるのだということを、あらためて頭に刻んでおきたい。



「高い志」とそれに伴う「努力」、その結晶がその人のエネルギーとして発散され、私たちはそれを「魅力」として感じとっているのです。(p.145)


頭の中でイメージが弾けた感じの言葉。

モヤモヤ頭をスッキリ頭に変える 3秒間! 脳内整理術 「にこまる」で超図解すればらくちん問題解決 』で紹介された「にこまる基本図」が瞬時に頭の中に浮かび上がった。

※参考: 【書評】3秒間!脳内整理術


「志」ばかり高くても成功はしない。

以前、なぜ「高い志」を持っているのに成功しない(その時の文脈で言えばブランド化できない)のか?という問題を議論したことがあったのだけれど、こんな言い方をするのは身も蓋もないが、それに見合った努力が足りないということも一つの要因なのかもしれない。

志だけ高くても、その人自身がその志を具現化するような行動を取っていなければ、魅力的に映らず、人々の共感は得られない。


そして、志が高ければ高いほど、より多大な努力が必要になるということが多いのではないかと思う。

(本人にとっては極めて自然であり、努力していないということもあるだろうが、それを他人が行おうと思った時に多大な努力を要するものであれば同じことではないかと考えられる。)

また、この「志が高ければ高いほど、人は孤独に陥りやすくもなります。(p.145)」とも書かれているように、「努力」はむしろ、そうした孤高の状況にも耐え抜くという面にも必要になってくるのかもしれない。


情けないことに。今の僕には「高い志」だと自信を持って言い切れるだけのものがない。

自分の中でぼんやりと軸は定まっているのだけれど、それが上手く自分の中で消化し、昇華できていないようなモヤモヤ感を常に抱いている。

そんな自分の「志」を確立したくて、こういった人生訓を読み漁っているのかもしれない…。



成長するというと、多くの人は拡大していくことや、新たなものを身につけることばかり考えがちです。しかし、新たなものを身につけるには、同時に「何かを手放す」こと、ときにはそれまでの「勝利の方程式」を否定することも重要なポイントとなるのです。(p.180)


この考え方はとても大切。

僕も、「成長」=「新しい何かを身につけて自分自身が大きくなっていくこと」というイメージを持っていたのだけれど、過去の成功体験というのは、時に自分自身の成長を阻害する要因になる。


経営論や組織論などで同じような話が出れば即座に理解できるし、そういったアドバイスを人に行うことも出来るだろう。

(例えば、「しがらみ」と呼ばれるような過去に起因する弊害)

それが自分自身のことになった途端にとても見えにくいものになっていた。

「脱皮」のイメージが近いのだろうか、古い自分を脱ぎ捨てて新しい自分になっていくイメージを頭に焼き直す必要がある。



「成長」というプレッシャーに嵌ってしまっている人に特にお薦めしたい一冊。

僕はサマンサタバサというブランドを知識としては知っていたけれど、その企業やブランドストーリーは知らなかったし、実際に店頭に行った事もなければ買ったこともない。

僕よりもサマンサタバサに親しみのある方であれば、かのブランドが台頭してきた裏側で起こっていた苦労なども垣間見えて、二重の意味で本書はお徳かもしれない。



【関連リンク】

Samantha Thavasa Japan Limited

サマンサタバサ プレスブログ 乙女侍徒然日記


【基礎データ】

著者: 寺田和正

出版社: サンマーク出版 2009年7月

ページ数: 207頁

紹介文:

借金4億5千万円の苦境から立ち直り、若い女性に人気のブランド、サマンサタバサを創業した経営者の生き方・考え方・働き方とは?

結果は180度、変えられる。


3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい
寺田 和正
サンマーク出版
売り上げランキング: 38133


【他の方の書評記事】


女子勉: 【書評】あの人気バックブランド、サマンサタバサの裏側が分かる!


一流への道: 変化の先を目指せ!【書評】寺田 和正(著)『3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい』(サンマーク)


鹿田尚樹の「読むが価値」: 『3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい』@寺田和正


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本屋のほんね: 3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい


19番の独り言: 『3年に一度は「勝利の方程式」を変えなさい』 寺田和正著


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