【書評】iPhone情報整理術
テーマ:仕事術まず最初に、何故だか分からないが本書は書店では【ビジネス書】にカテゴライズされていないようで、総合ランキングなどにも顔を出すほどに売れていても、ビジネス書ランキングには入れないという位置づけのよう。
Amazonでもコンピュータ・インターネットに分類されている。
しかし、本書は正しくビジネス書であり、情報の海に溺れてしまいそうなビジネスパーソンに役立つハックが詰まっている。
著者のお一人である佐々木さんは、「もともとは『iPhone仕事術』というタイトルを考えていた」というように、ワークスタイルにおける革命について書かれている本である。
著者のお一人である堀さんは、「書店でも美崎さんの『「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 』とかと並べて置いてもらえればターゲットに届きやすいかな…」とおっしゃっていた。
つまり、仕事を効率化して成果をあげようと考えるビジネスパーソンには、本書を手にとる理由があるのである。
とはいえ、なにせ「iPhone」とタイトルにあるとおり、iPhoneを使うことが前提となっている。
では、iPhoneを使っていない人には縁がない本なのかと言えば、僕はそうは思わない。
実は、僕はiPhoneを使っていない。
興味がないわけではないのだが、これまで使ってきたキャリア(au)を惰性で使い続けているというか、中途解約による違約金や割賦代金の残債償還といった経済的な理由というか、で乗り換えを果たせずにいる。
しかし、周囲にはブラックベリーからiPhoneに乗り換えた同僚なども増えてきており、彼ら・彼女らの声を感想を聞くにつけ、やはり無視できない存在として常に頭の中にはある。
さらに、先日のこちらのエントリー([雑誌] 週刊東洋経済 2009 11/14号 )で紹介したように、クラウドサービスを駆使したモバイル仕事術を極めていくと、iPhoneというツールに行き着くのではないかと思えるような感じもする。
面白かったのは、本書でも同記事と同じように、
僕も紙のシステム手帳からiPhoneを中心としたスタイルに舵を切った頃から、かえって愛用しているモレスキン手帳に書き込む情報が増えたことに気づきました(p.130)
と、やっぱりデジタル化を突き進めて行く中に、アナログの大切さが再認識されているということである。
僕と同じようにiPhoneは使っていないのだけれど、それでもやっぱり気になるよね…という方には、iPhoneというツールを手にした自分に広がる可能性というものを本書から感じ取れることと思う。
実際、iPhoneなしで同じだけの可能性を自分に与えられるかというと、現段階では僕は無理だと感じざるを得ない。
そうした可能性を感じ取り、自身の選択肢を広げるためにも、非ユーザーの方も是非一読してもらいたい本だと思っている。
ただ、この手の本は情報の鮮度が失われるのも早い。
もちろん、著者はそうした情報の鮮度が失われたとしても活用できる考え方ということを念頭に置いて書かれているけれど、実際に本書刊行後に強力なアプリがいくつか登場していたりと(僕にはその強力度合いが判断できないが、著者自身そうおっしゃっていたので)、避けては通れないジレンマを抱えている。
だからこそ、できるだけ早い段階で本書を手にとってみて欲しい。
本書にはこう書かれている。
いろいろなユーザーをみていて感じることですが、iPhone初心者と上級者を分けるのはその使い込みの半端のなさです。(p.7)
iPhoneを使いこなしている人に共通しているのは、この一歩先の利便性と楽しさに魅せられた、クラウド・コンピューティング時代の情報整理術をとことん追及してみようという知的好奇心です。(p.8)
既にiPhoneのユーザーである人にとっては、本書は必読の一冊と言ってよい。
上級者として使い倒し、周囲にも伝播させていくことでネットワーク効果も生じるツールだと思う。
僕も、周りの「上級者」を見て、さらに本書の著者の使い方を目の当たりに解説していただく機会に恵まれて、感化されているところが間違いなくあるのだから……。
最後に、著者の言葉で印象に残っていることを一言ずつ紹介して終わりたい。
佐々木さん
「iPhoneを使うことでワークスタイルについてのメタ記憶が解放される。」
すなわち、したい時に何でもできるという状態が実現できるようになることで、そのとき何ができるかということを考える必要がではなくなるということ。
堀さん
「iPhoneを使ってこうしなければいけないということではないけれど、こうすれば可能性/選択肢を手に入れられるということがとても大切。」
iPhoneはあくまでも一つのツールであり、選択肢。
だけど、今クラウドを使い倒そうと思った時に、これ以上の選択肢はないのではないかとも思ったし、クラウドを使い倒すことで実現できている様々なことは、それぞれ魅力的なことのように僕には映った。
そして、本書を読むこともまた、可能性/選択肢を手に入れるということに他ならないのである。
追伸:
紹介している著者の言葉は、11月11日(水)に渋谷で行われた「iPhoneで情報整理してツイッターで世界が変わる!?」イベント及び懇親会の席でのお話から要約したものであって、一言一句正確な引用ではないことをお断りしておきたい。
ちなみに、同イベントでの佐々木さんの活用例は、はっきり言って面白すぎた。
分単位で眠りに就く時刻を把握している生活(今日は何時何分に寝れる予定、これを明日に持ち越せば明日は何時何分まで寝られなくなる…など)って一体……(笑)
【関連リンク】
【基礎データ】
著者: 堀正岳、佐々木正悟
出版社: 技術評論社 2009年10月
ページ数: 240頁
紹介文:
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1 ■はじめまして。
iPhoneの導入を検討していましたので、
興味深く読ませていただきました。
私は導入初心者のほうだと思いますが、
iPhoneに魅了されるのも時間の問題の
ような気がします。
アナログとデジタルのバランスが
うまくいく仕事術をつかみたいものですね。