2009-10-21 14:00:00

【書評】戦略系コンサルタントのロジカルシンキング・リーディング

テーマ:読書術

タイトルからびしびしと「徹底的に効率的に本を読む方法を解説!」という感じが伝わってくる一冊。

果たして、その僕の予感はホンモノだった。



著者の大石さんは当時のアンダーセンコンサルティングという有名な外資系戦略コンサルタントとして働いた経験を持ち、現在はご自身でコンサルティング業を行っている。

そんな大石さんがコンサルタントの仕事術/生産性を、そのまま読書法に応用するとこうなる。

■ 「自分が取得したい知識・スキルの全体を俯瞰して、そこから狙いを1点に絞って、そのあとは集中読書」

■ 「読書は仮説検証をしながら読み、すぐに実践に結びつける」

そして、一般的な総花的な読書や実践につながらない読書を(成果につながらないという意味で)一刀両断する。

ご注意いただきたいことは、何も教養や人生の為の読書を否定しているわけではないということ。

大石さん自身、そういった読書もされているし、僕も人間としての厚みを持つためにも必須であると思っている。



具体的な箇所を挙げていってしまうときりがないので、取り入れようと思った箇所、共感した箇所から何点かをご紹介させていただきたい。


問題意識のない読書はムダ


厳しいようだけど、例えば「良いマーケティングの本ってないですか?」などという聞かれ方をすると、ガクッとしてしまうという大石さんのご意見には全面的に賛成。


書評ブログなど書いていると言うと「いいビジネス書紹介してよ」と言われて返答に窮することが間々ある。

その人がどういう目的でビジネス書を読みたいのか、どういう問題意識を持っているのかが分からないと、「いいビジネス書」などというものが分からない。

そうすると、無難に例えば『7つの習慣』だとか、そういった自己啓発系に落ち着くのだけれど、それだって本当にその人にとっていいビジネス書になるかどうかは分からないのだが。



目的を明確にした読書は「セレンディピティ」を呼び込む


目的をシャープにして読書するということを繰り返すことで、常に複数の問題意識を、意識の水面下レベルで持ち続けることが可能となってくるとしたうえで、こうした問題意識が残っていると、他の関係ない分野の本を読んでいいる時に、突然その問題意識が呼び起こされて、大きな示唆につながるということが起こるという。

そうすると、一冊の本に対しては、一つのクリアな問題意識を持って臨んでいるのだけれど、実は段々と多くの潜在的な問題を抱えながら読むこととなり、いくつもの示唆を得ることができるようになってくる。


大石さんはこの状態を、「1つひとつの読書が、知のネットワークのような形でつながって(P.56)いると表現されているけれど、まさに僕の目指す読書もこうしたもの。

頭の中だけでなく、ブログという媒体に落としこんでいきたいというのが、当ブログにつながっている。(発展途上ではあるが・・・。)


同じ分野の本を10冊買って集中して読む


ざっと知識を仕入れるという程度であればここまでの量も必要ないかなと思う。

例えば、奥野さんが推奨する「3冊新書ザッピング」でも十分有用だろう。

※ご参考: 【書評】だから、新書を読みなさい


しかし、大石さんがここで言う「成果につながる」を強く意識した場合は、このように10冊程度は集中的に読むことが確かに必要だろうと思う。

実際、僕も今担当している業務に関わった当初は、集中的に関連書籍などを読む必要があったのだが、振り返ってみれば軽く10冊以上は目を通している。


そして、「10冊読んで、同じことが出てきているものは、その分野のスキル習得にあたって、肝となる部分(p.68)であるから、そこを押さえにいく。

まあ、当ブログで同分野の本10冊を短期的に集中して取り上げる予定はないけれど・・・(汗)



細切れ時間を使うと「PDCA型の読書」ができる


仕事の基本となるPDCAを読書にも適用して実践するのがコンサルタント流。

なお、PDCAについては松宮さんが「LDSPサイクル」というLearn(学習)の視点を組み入れた発展的なサイクルを提唱されている。

※ご参考: 【書評】A6ノートで仕事を超仕組み化しなさい


「P」の部分は目的意識を持ってということで他の箇所でも説明されてきているため、ここでは「C」のCheck=考えるという点にフォーカスする。

大石さんは電車の乗り換え時間を利用して強制的に「C」を入れる仕組みを紹介しているが、僕個人としては電車に乗っている時間の方が圧倒的に長いので、理想とされている「本を読むのに使った時間と同じだけの時間を、その本に書かれていることについて「考える」ことに使う(p.136)という状況を達成できない。

しかし、ここでこの書評を書くという行為をすることで、再度「考える」ということをしている。



最後に、読書というインプットに対して、例えば書評ブログだったり、ご自身の読書ノートにおいてアウトプットを行っている方にとって必読なのが、「第4章 読書を確実な成果につなげる」全体。

自分のアウトプットは本当に意味のある蓄積になっているのか?という視点で見直してみたい。


また、読み終わった本の整理の仕方のハック的なもので、「読み終わった本は読んだ時系列で整理する」という野口先生の超整理法と同じ発想の整理法が紹介されている。

これはいい!と直感的に思ったけれど、既にジャンル別で整理されてしまっていて、さらにはあちこちから溢れ出している本棚を見た瞬間に、移行する気力が萎えてしまった・・・orz

せめて、この本以降は時系列に・・・・・・。



読書を仕事の成果に結び付けたい方には必読の一冊と言っていいし、書評ブロガーも是非一読しておきたい本。

超実践的読書法として強くお薦めする。



【関連リンク】

Timberline Partners

大石哲之公式ブログ(復活)


【基礎データ】

著者: 大石哲之

出版社: ベストセラーズ 2009年8月

ページ数: 224頁

紹介文:

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コメント

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1 ■およよ。

いつも拝見してます。

今回の書評を拝見するに、以前私が「フォトリーディング」についての本を読んだものと、内容がほぼ近い!という感想です。
あまりにも近しい内容でしたので、思わずコメントさせていただきました。

「本を全部読まない」
「目的を明確にして本を読む」
「同じトピックの書籍を複数読む」

情報過多の時代に、ビジネス書の世界では、読み手に新しい読み方を訴求しはじめているのかも知れません。

私は通勤時間しか本を読みませんので、ダラダラ読んでしまいますが^^;

----
上記の本は、神田 昌典 さま翻訳の
「あなたもいままでの10倍速く本が読める」です。

これからも更新楽しみにしております。

2 ■Re:およよ。

>とらおさん

細かな点での違いはあれど、多くの読書法に共通して出てくる考え方や手法はありますよね。
(全く逆の考え方なども当然ありますが。)

そういう意味では、それこそ多くの実績を挙げた方に共通する方法論として普遍的であるということなのかもしれません。

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