[雑誌] 住宅新報 2009年10月6日号 | 知磨き倶楽部 ~ビジネス書で「知」のトレーニングを!~

[雑誌] 住宅新報 2009年10月6日号

名前からして業界専門誌であることが窺われる雑誌…というよりも新聞媒体に近い印象を受ける。


創刊は1948年と古く、既に60年以上が経過している。

これだけ長くの間、読み継がれているということは、それだけ提供する情報に価値があるということだろう。



紙面構成を簡単に紹介しておきたい。


1面は、総合面といっていいのだろうか… 今回のトップ記事は「全国賃貸保証業協会設立へ」の文字が躍る。

このトップ記事の、一般紙とのかけ離れ具合が業界専門誌の真骨頂とも言える、面白いポイントの一つ。


僕は、こういった専門誌を読むときには、当該業界のトップニュースとなるような出来事は、日本社会全体やグローバル社会の中でどういった位置付けの内容なのかということを意識するようにしている。

そういう意味で今回の記事を、試しにNIKKEI NETで検索してみると、恐らく9月30日の社会面で取り扱われているのではないだろうか。

(9月29日22:32にNIKKEI NETに掲載されている。)

そのテーマを週間の1面トップ記事に採用し、さらに別面で関連記事をつける丁寧さは専門紙ならでは。


2面は行政・団体、3面は不動産証券化・ビルとくる。

不動産証券化はリーマン・ショック以降、全く様変わりしてしまった業界だが、昨今の様子が窺い知れる記事が並ぶ。

特に不動産私募ファンドで名を馳せたパシフィックHD(会社更生手続中)の支援先企業としてライバルであったケネディクス社連合に優先交渉権が与えられたという記事と、ダヴィンチHDの運営するファンドでデフォルトが発生したという記事は、時代の移り変わりを如実に感じさせ、個人的にはとても感慨深い。


4面は流通・マンション管理、5面で賃貸・地域、6面が宅建・実践、7面に開発・企業経営と続く。


8面から18面は特集記事で、「2009年住まいと暮らしはどう変わる」というテーマを取り扱う。

これだけの紙面を割いた特集が組まれているということは、普段の紙面構成はどうなっているのだろう…。

常にこんな大がかりな特集が!?


19面が総合、20面から22面は住まい・暮らしスタイル。

ここは少し一般向けの記事も多い。

今回は、こういった内容は好きな人が多いだろう、「住みたい街ランキング」も載っていた。

今回の調査結果では、1位:吉祥寺、2位:自由が丘、3位:横浜とトップ3は昨年と変わらず、高い人気を有している。

実際、僕も何の制約もなければ住みたい街の一位は吉祥寺かもしれないと思っているのだが、現実には色々と制約もありまして(汗)。



なかなかに読み応えのある内容だったけれど、こうした業界専門誌は単独で読んでもなかなか難しい。

業界関係者か、株式投資で当該業界に関心を持っているような人が、継続的に読んでいくと、かなり面白いことになるのではないだろうか。


僕が以前に紹介した、以下のような本に関心のある方も楽しめると思う。

【書評】不動産マーケット再浮上の条件

【書評】東京「進化」論


※本誌は R+(レビュープラス) 様より献本いただいた。



【基礎データ】

雑誌名: 住宅新報

発行元: 住宅新報社

種別: 週刊


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