2008年02月26日 21時56分40秒

受験パラドックス

テーマ:日記

凄まじい寒の戻りに、鼻水ノンストップな僕です。こんばんは。



鼻からたれてる水は、心の汗なんだ。

身も心も寒いとき。

悲しいとき。

つらいとき。

鼻から流して、心に留めないために。

だから、いっぱい、いっぱいたれるんだ。 みつお



汗でもなんでもいいんで、誰か止めてください。






さて、そんな僕の鼻水事情はどうでもよいとして。


先日のことです。

僕が「きょうもがんばっていっぱい、いっぱい、べんきょうするぞ」ってアホ面引っさげて学校に行ったらですね。

何故かキャンパス内にセーラー服がいっぱい、いっぱいいたんですよ。


あまりにもいっぱいいるもんだから、一人くらいいなくなってもわかんないんじゃないか。よしそれなら、いざ。


みたいな変質者ではないので、それは自制して。

ちょっと離れて匂いでも嗅いでみようとか思ったんですけど。



「ヤバい!最初の答えアタシ間違ってる!!」

「大丈夫だよー、一問くらい」



あぁ。なるほど。どうやら入試でした。




しかし、僕もいまや大学院の1年生。

春からは2年生になることを考えると、僕が入試を受けたのはもう早5年前なんですよね。

どうりで最近枕がちょっと加齢臭じみてきたなとか、そんなことはどうでもよくて、とにかくもう昔々の大昔なんですね。




そんなことを考えてたらなんていうか、アンニュイっていうか、ノスタルジックっていうか、エヴァンゲリオンみたいな気持ちになっちゃいましたよ。


そういう訳で、今日はちょっと僕の大学入試をドキュメント形式で振り返ってみることにします。






*********************************************


野比のび太、若干15歳。


彼は実家を出たくて仕方がなかった。

それは、家庭という非常に安全で守られたコミュニティを出ることによって社会の辛さを身をもって体験し、それでいて自分の存在を社会に認めて欲しい。というか、誰にも気兼ねせずに開放的にオナニーがしたかった。


そんな彼にとって「大学受験」これとないチャンスだった。




「実家を出ることができる」




高校入学と共に彼はその野望を胸の奥底でひっそりと育て、朝から晩まで勉強に明け暮れた。

寝るか勉強するか妄想するか、と、文章に起こしてみるとなんて暗い高校生活だったんだと改めて実感したけど、それはまぁ置いておいて、とにかく彼は勉強した。


そして高校3年生の秋。


彼は推薦入試の権利を勝ち取った。




「夢が、近づいてきた。」




彼は、胸の奥に育て上げた夢を実現する権利を手にした。

しかし当然のことながら勝負はここからだった。



入試の前日、彼は両親と友人に別れを告げ、名古屋に旅立った。



遠足は家に帰るまでが遠足です。なんて小学校の先生が口を酸っぱくしていう台詞があるが、コレは間違いで、本当は「遠足は家から出て、帰るまでが遠足です。」である。

つまり、彼の入試はこのときから始まっていたといっても過言ではなかった。






新幹線の降り方が分からなかった。






彼は入試の前日、つまり若干17歳にして生まれて初めて新幹線に乗った。

一時間に一本しか電車がこないような田舎に生まれ育った彼にとって、自動改札は入試の一問目だった。



「これは、なんだろう。」



乗るときは問題なかった。

なぜなら当時の広島駅には自動改札はまだ整備されていなかったので、駅員さんが切符を切ってくれたからだ。


丸刈りで、学生服を着て、受験シーズンに「広島⇒名古屋」の切符を見て駅員さんは

「頑張っておいで」

と一言笑顔で彼に勇気をあげた。




それとは対照的に、名古屋駅の構内で無機質に佇む四角い箱共は、恐怖以外の何者でもなかった。




駅員さんの「頑張っておいで」はこのことを言ったのかもしれない。

あの笑顔の裏側には、「君のこれからの道中には危険が口をあけて君を待ちかまえている。しかし君はたじろいではいけない。立ち向かっていくんだ。それが人生だ。自動改札機は人生のメタファーだ。」そんな意味合いが込められていたのかもしれないし、全然そんなことはなかったかもしれない。


彼は自動改札機に濁流のように流れ込んでいく人達にタイミングを合わせ、流れに乗った。


一人、また一人と彼の前が流れて行き、彼の番だ。

彼はさも当然のように、余裕のある顔を意図的に作る。

幅僅か10数cm程度の穴に、駅員さんの笑顔がちらつく。


切符は穴に吸い込まれ、ゲートが閉まる前に通りぬけようとした。その刹那だった。





ピンポン




ゲートは無慈悲に堅く閉ざされた。


切符は二枚入れるということを彼は知らなかった。


彼の入試一問目は不正解だった。










新幹線には二度と乗らない。そう心に誓いながら、試験前日の高まる緊張を抑えて彼はホテルの固いベッドに横になった。

極度の緊張で疲れが溜まったのか、それとも長距離の移動で肉体が休みを求めたのか、意識はすぐに眠りの奥底に吸い込まれていった。




「明日は、実力を出し切ろう。」

















目が覚めたら昼だった。




なんていうかもう彼は一瞬「世界が終わった」と認識した。


しかし幸運なことにも、試験開始は11時50分で、時刻は11時20分だった。

不慣れな土地で30分で着けるか分からなかったが、彼はホテルを飛び出た。

本当に飛び出た。


というか余りにもパニックでホテルのロビーまで出て自分がパジャマなことに気付いたくらいに、飛び出た。


どこをどういったか後になって思い出せないくらいに走って、走って、気付いたら大学だった。

時刻は試験開始5分前だった。





「神様…ありがとう…。」




試験も受けてないのに、神様にお礼をいう人間は多分彼だけだったと思う。

息切れ切れになって、試験会場に入ろうとしたときだった。


彼は何か嫌な空気を感じた。


体がふわふわとしているような、心ココにあらずとでも言うような感覚だ。

寝起きだからかな、と気を紛らわした瞬間、彼はその訳を知ることになる。





彼は何も持っていなかった。





筆箱も、教科書も、ケータイも、受験票さえ持っていなかったというかカバン持ってなかった。

事情を知らない人に言わせれば、「筆記用具すら持ってないとはなんてふざけた奴なんだ」だろう。



大真面目だ。

大真面目に忘れた。



ペコペコと丸い頭を何度も入り口の誘導係みたいな人に下げて、「仮受験票」と「エンピツ」をいただいた。





試験が始まるか、始まらないかの微妙なタイミングでとうとう彼は戦場となる試験会場のドアの前に立つ。

道のりは本当に長かった。


多分受験生の中である意味一番長かった。


息を呑み、エンピツを握り締めてドアを開ける。

戦場が彼の眼下に広がる。










見渡す限り、メガネしかいない。










コレには本当に驚いた。受験生も試験監督もそろいもそろってメガネだ。メガネ畑だ。

メガネフェチのAVでもとってるんじゃないかといわんばかりにメガネだらけだった。


他の受験生の視線が突き刺さる中、席に腰掛けると試験が始まった。





ここまでの散々な道のりで集中力のちの字もないというか、席に腰掛けるや否や自分の仮受験票の不意に空いてある□のマスを何故か黒く塗りつぶすことに集中していた彼だったが、試験にはいささか自信があった。


ここの推薦入試は英語と科学しかなかったからだ。


彼はその二科目には絶対の自信があった。







「始めてください」






試験監督の一声と共に、部屋の空気が急激に張り詰める。

試験問題を開くと、彼はニヤッと笑った。











数学の問題だった。









予想を遥かに上回る、というか次元が、科目が違うことに不意に笑いがこぼれた。


全然分かりません。

逃げ出したかった。




結局試験中は「夜にホテルで見た有料チャンネルの請求書が実家に届いたらヤバイな」とかそんなことを考えるしかなかったので、もちろん解答はクシャクシャだった。






試験が終わった後にケータイに母親から電話があって


母「どうだった?」

彼「まぁ、やるだけやったよ」


とか言ってる自分をボコボコに祭りあげてやりたかった。






帰りの新幹線は自由席と指定席の違いを知っていい勉強になった。

指定席に勝手に座ってると車掌さんが哀れんだ目で「君の切符は自由席だよ」とか意味が分からないことを告げてくるということを知ったのも、このときが初めてだった。









実家に帰って数日後、家に合格通知が届いた。









世の中は何か間違っていると思った。


*********************************************


と、長々と読んでいただきありがとうございました。


受験生の方はこんな腐った人間でも大学に受かるんだ!ってことを励みにして頑張って欲しいと願う所存で御座います。

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コメント

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2 ■無題

ちなみに内容は偽装問題でゆれる今の世の中でも、100%正真正銘実話です。安心してご覧ください。

てか脇をかいだけど特に斬新な発見がなくて、ひどく残念でした。

1 ■無題

二日にわたって堪能させて頂きました。今回は大長編でしたね。毎度毎度どこまで本当か分かりませんが神ネタでしたww

ちょっと聞きたいことがあるんで、明日の風呂はいる前にでも自分の脇を匂ってみてください。そして連絡ください。

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